あの地平線の夕焼け目指して   作:偽帝

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ざっくり書きました、後で修正すると思います


このメンバーで掃除なんて絶対に務まるわけがない その2

俺たち一行はそのまま、屋上に向かって歩いている。途中、演劇部の後輩が来て薫は後から合流することになった。

 

 

廊下を歩き進めていると、なにやら話し声と視線を感じた。聞き耳を立てるようにしてみると、どうやらAfterglowの話をしているのが聞き取れた。

 

 

『見て、Afterglowの美竹蘭ちゃんと青葉モカちゃんだ!』

『ほんとだ、近くで見ると二人とも可愛い~』

『この前のライブ行ったよ~!すっごいかっこよかったよ~!』

 

 

「いや~、どうもどうも~。またライブがあるので、是非来てください~」

 

 

モカは歩きながら、応援の声をかけてくれる人にそれぞれお礼の言葉を述べながら握手している。

コミュ力高いし、意識も高い。ちゃんとする時はしっかりしているのがモカの良いところだ。

 

 

「ほら、蘭も~」

「えっ・・・、あ、ありがとうございます」

 

 

恥ずかしそうに顔を赤らめながら、たどたどしい言葉で蘭は言った。そしていつの間にか蘭に袖を掴まれていた。

 

 

『蘭ちゃんがいっつも曲作ってるの~?』

「えっと、それは・・・」

 

 

蘭が俺の制服の袖をきゅっと強く掴んで目で助けて、と懇願している。助け舟を出したいけど、Afterglowに関わっていないので何とも言いようがない。

 

 

「はい、主に蘭が作ってます~」

 

 

沸騰したみたいに顔を赤くしていた蘭に、間一髪モカが口を開いてくれた。蘭はほっとしたように息を吐いた後、さっきみたいにジト目でこっちを見つめてくる。

 

 

『これからも頑張ってね~、応援してるから~!』

「はい~、よろしくお願いします~」

 

 

手を振って女子たちと別れ、また歩き出そうとしたら前にいた蘭が背中をくっつけてきた。

 

 

「お兄ちゃんっ・・・」

「ごめんごめん。でも、モカのおかげで結果オーライだろ?」

「・・・・・っ」

「許してくれ、蘭」

 

 

謝る気持ちも込めて、蘭の頭を2、3回軽く撫でる。すると、目はまだじっとこっちを見つめているけど段々と口元が緩んできているのがわかった。

 

 

「ん・・・、許すっ」

 

 

満足したのか、蘭はプイっと前に向き直ってくれた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーー

 

「ってことは、みんなそれぞれ噂の内容が違うってことか」

「ぽいね~。アタシは、髪の長い幽霊が赤いブローチを胸元に付けて井戸の近くに立ってるっていうの」

「あたしも、リサさんと同じのを聞いたことがあります」

 

 

どうやら、井戸の幽霊に関してリサと蘭は同じ情報らしい。

 

 

「外見に関してそんな細かくわかってるなら、どんな感じなのか何となくイメージしやすいな」

「「・・・っ!」」

 

 

さりげなく言った言葉で蘭とリサは震え上がるように背筋を正した。恐らく、頭の中でオリジナルの幽霊のイメージを思い浮かべたのだろう。俺としてはそこまで怖い風には想像できないけど、この二人は怖いの苦手そうだからなぁ・・・・・。

 

 

「アタシも聞いたことあるよ~っ。何でも、その幽霊は自分のお墓を探して彷徨っているとかっ」

 

 

日菜がそういうことを平然とした顔で言うのも、なんとなく怖い。まぁ、オカルトよりもサイコ的な怖さだけど。

 

 

「モカちゃんは、過去に生徒が井戸に引きづりこまれたって聞いたことありますよ~」

「「っ!?」」

 

 

また二人が同時に驚いた。リアクション見てるだけでもなんか楽しい。というか、実害でてるかもしれないっていよいよヤバいでしょ。もしかしてうちの高校、意外と闇が深いのか?

 

 

「もうやだ~、怖いよ~っ」

「リサさんっ!?」

 

 

話だけで怖さの限界に達したリサに唐突に抱きつかれ、蘭はまたビクっと体を震わせた。

 

 

「リサさんで驚いちゃいました・・・」

「ごっ、ごめんね蘭!つい・・・」

「二人とも、落ち着いて~。モカちゃんがいますから~」

 

 

モカが言葉をかけたおかげで二人とも少し落ち着きを取り戻した感じだった。

 

 

「とりあえず!もうこの話するの止めよ、ね?」

「・・・っ」

 

 

蘭が恐怖のあまり少し震えだした。これ以上はさすがにキツそうだ。

 

 

「じゃあ、薫さんと合流しましょうよ~」

「そうだよ!薫くんも何か知ってるかもしれないしねっ」

「よし。さっき薫から屋上にいるって連絡着てるから、屋上に行こう」

 

 

ってことで一同、屋上に向かおうとした時、モカがぼそっと呟いた。

 

 

「モカちゃん、この話どっかで聞いたことあるような気がするんですよね~。気のせいかな~?」

「ちょ、怖いこと言うなよ。モカ」

「あはは、気にしないでください~」

 

 

お互いに笑って流したけど、俺はモカの言った言葉が何となく引っかかったのだった。

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