うむむ・・・さらに+した敵キャラが某蛇みたいな中村さんそっくりになっちゃったり・・・
最近のオレのネタ的フリーダムが困りもの過ぎる
act10 夏だ!海だ!大変だ!?
「喰われるうっ!?」
「あ、間桐君起きた。だいぶ魘されてたけど、大丈夫?」
「ああ、大丈夫。ちょっと鮫と熊とクリームに食われる夢を見ただけ」
隣の座席の白木にかなり弱々しい笑みを向けてからふるふるっと頭を振り、雁夜はバスの車窓から外を眺めた。
「海もいいけど、高速が通ってる山の仲も良いモンだよなあ・・・」
呟いて緑の山々を眺める雁夜。
バスが学園を出てから一時間後のことだ。
更に2時間。
「水銀に喰われる!?」
「・・・びっくりした・・・」
「済まない・・・
「そうか・・・」
どうもあの追跡の後からラウラの挙動がおかしい。
切嗣もあまり口数の多い方ではない。結局二人して窓の外を流れる農村を見つめるのだった。
それから数時間が過ぎた。
「海ッ!見えたあっ!」
キラキラと陽光を反射する美しい海に女子達が歓声を上げた。
「おー、やっぱり海を見るとテンション上がるなぁ」
「う、うん?そうだねっ」
一夏の隣に座っているのはシャルロットである。彼女は返事だけしたらすぐ手元に視線を向けることを出発からこっちずっと繰り返している。
「それ、そんなに気に入ったのか?」
「えっ、あ、うん、まあ、ね。えへへ」
同じく前回の買い物時に一夏がいつの間にやら買ってきてプレゼントしていたらしいブレスレットを眺めるシャルロットはご満悦である。
で、それを快く思わないのがよく分かる人物が約一名。
「全く、シャルロットさんたら朝からえらくご機嫌ですわね」
「うん、そうだね。ごめんね。えへへ・・・」
セシリアのむくれた声も何のその。終始笑顔のシャルロット。
あまりにご機嫌だと少しばかり怖くなると言うもので、ちょっと複雑な表情になった一夏とうつらうつらしている雁夜と海を眺めて物思いにふける切嗣を乗せて、バスは旅館に到着した。女将さんの挨拶を受けてから雁夜達はとりあえず部屋に荷物を置きに行くことにする。ちなみに雁夜、切嗣、で一部屋、一夏は千冬と同室である。
何でも部屋割りの都合と生身での戦力差によるところが大きいらしい。山田先生が女子が押しかけてくることを警戒した結果であり、ある意味それは間違いではなかったりする。
「確か着替えは別館でするんだよな」
「女将さんはそう言っていたな」
というわけで寮同様のカリギリコンビ(命名一夏)が着替えを持って歩いていると、見慣れた白髪の、不自然なシルエットの青年が一人。
「あれ?間桐と衛宮じゃねえか。泳ぐのか?」
「石杖さんこそ何でここに?バイトですか?右手一本で掃除ですかご苦労様です」
確か今年大学生になったばかりで、しかし切嗣が学園に来る切欠になったテロ事件で左腕を失った、いつも危機感なんて無さそうなバイトの兄ちゃん、石杖所在だ。
「まあな。そりゃはたらかねえと食ってけねえし、親あのテロで死んだから稼ぎ手俺しかいねえし、ついでに火鉈のせいでエンゲル係数高いし、ときどき貫井には奢らされるし、右手一本でがんばんねえと駄目なわけだ」
「髪までコーラ被って脱色しちゃったしな・・・まあ、お仕事頑張って下さいって事で。オレ達は遊んできますんで」
「おう、明日から実習なんだってな?自由時間がある内に楽しんで来いよ」
そんなどこか力の抜けた所在の声を背に、二人は自由時間を満喫しに出かけた。
・・・・・
「『連環腿』、『後旋腿』、『金剛八式・掌錘』、『六大開・頂肘』…っと」
処在と別れ、着替えも済ませた雁夜は何人かのクラスメイトにせがまれ、技の実演をしていた。無駄なく鍛えられた引き締まった長身が踊るように、かつ力強く躍動する。最後に『震脚』で大きく砂を巻き上げると歓声が上がり、デモンストレーションが終わった。
「ふ~・・・ちっとばかり汗もかいたし、泳いでくるとするかな・・・っとおわあっ!?」
「か、り、や~~~~~!」
背後から強襲してきて、そのまま猫みたいに駆け上がる。
「鈴おまえよく飛びついてくるよなあ・・・猫か?」
「じゃあ可愛いヤツがいい!」
「よし、じゃあトラッキーで」
「野球チームのマスコットでしょうが!」
ちなみに雁夜にひいきのチームはない。
「それはおいといて、終わったんなら泳ぐわよ」
「おいおい、準備体操ぐらいしとけよ、おぼれてもしらねえぞ」
と、これはいつの間にやら後ろにいた一夏。切嗣はというと、近場の日陰になっている岩場で、昨日尾行のついでに購入しておいたらしいサングラスで日光を遮ってのお昼寝タイムである。
「いきなりね・・・アンタもうちょっと存在感アップするように努力とかしてみたら?それにアタシ溺れたこと無いから。前世は人魚ね。多分」
と、ここで切嗣が薄目を開けて一言。
「魚と猫と人間のキメラ」
「アンタねえ・・・。それにしても雁夜は背え高いわね。遠くまでよく見えるし、監視塔になれるんじゃない?」
員じゃなくて塔かよとぼやきつつ、雁夜はで?と聞く。
「参考程度に聞いとくけど、誰が乗んの?」
「へへ・・・アタシかな?」
「うっ・・・この返しは反則だろ・・・まだ惚れてなかったら惚れてたぞオイ」
とーにーかーく!と大きく叫んでから雁夜は鈴を乗せたままで波打ち際まで歩いて行く。
「さて、泳ぐんだろ?」
ある程度の水深まで来た所で雁夜は鈴をおろす。
「じゃあむこうのブイまで競争ね。負けたら駅前の@クルーズでパフェおごんなさいよ。――よーい、どん!」
「げっ!?自分で言うのはナシだろ!」
「あははっ!おっ先~!」
・・・・・
少し前を泳ぐ雁夜を見ながら鈴は考える。
雁夜の態度がときどきよそよそしい。一体なんでだろう?
それでもここぞというときには人一倍感情を表に出す。アタシのことになるとなおさら。
そういえばさっきまだ惚れてなかったら惚れてたって・・・まさか両想い!?
ひょっとして照れてるだけ?それとも踏ん切りがつかないのかな?
落ち着きなさい凰鈴音!ここで焦ったら何にもなんないし、機会を待って正式に付き合えるチャンスを作るのよ!
ファイト!と気合いを入れようと大きく息を吸う。
だがそこは水中で、入ってくるのは海水だった。
「!?ごぼっ!?」
「鈴!?」
(う、上に行かなきゃ・・・でも、上ってどっち!?)
パニックを起こした鈴は水中で上下感覚を失ってしまい、本格的におぼれかけた。
と、そんな鈴を雁夜がしっかり抱き留めて水面まで引き上げてくれる。
(ああ、あの時もこうやって抱きしめてくれたんだっけ・・・雁夜・・・)
懐かしさと安堵が胸の内に広がっていくのを感じる。
何があっても雁夜は自分を助けてくれる。
鈴はそう思った。
・・・・・
「ぷはぁっ!鈴、大丈夫か?」
「けほっ、こほっ、・・・だ、大丈夫……」
「まあ何にせよ、岸まで戻るぞ。このまま掴まってな」
「う・・・うん」
ライター時代の感覚を思い出しながら泳ぐ。何度か放っておけずにこうやって溺れた人を助けたことがあった。その時の要領で岸に向かう。
「水が口に入ってきたら背中か肩を叩いてくれ。水を飲まないようにな」
ん。という返事をきき、よし。と頷いた雁夜はそのままさっきまでより少しゆっくりなペースで泳ぐ。
「ねえ、雁夜・・・」
「おいおい、水飲むからしゃべんなっつったろ?」
「い、良いの・・・これだけだから。その・・・」
「ん?」
「ありがと・・・」
抱きかかえられているせいか真っ赤な顔で、はにかみながらそう言われて、雁夜も赤面しながら泳ぐ。砂浜に到着するとそのまま俗に言うお姫様抱っこの体勢に変えた。
「も、もういいってば。ここまで着いたら後は自分で歩けるから」
「そうか?じゃあ、よっ・・・。おいおい暴れるなって!いくら前世が猫でも危ないだろ」
「ぜ、前世は人魚よ・・・」
「ほい。じゃあまあオレはお茶か何か買ってくるけど、鈴はどうする?」
ちょっと向こうで休むといって別館の方へ歩いて行く。その後ろ姿を見送ってから、雁夜はしまったという顔で呟いた。
「鈴に何が良いか聞くの忘れてた・・・」
・・・・・
サングラス越しにぼんやりと空を眺めていた切嗣の額に影が落ちた。
「あ、ここにいたんだ」
「ん?ああ、シャルロットか。ああ、さっきからここで昼寝してたんだけど・・・何だい?そのバスタオルお化けは」
「ああ、うん、ちょっと待ってね。・・・ほら、出てきなってば。大丈夫だから」
というシャルロットに上から下までバスタオルで覆い隠した何かが
「だだだっ、大丈夫かどうかは、わっ、私が決める・・・」
とラウラの声で反論した。
「ほーら、せっかく水着に着替えたんだし、切嗣に見てもらわないと」
「ま、まてっ!私にも心の準備というものがあってだな・・・」
「さっきからそればっかりでちっとも出て来ないじゃない。一応僕も手伝ったんだし、見る権利はあると想うんだけどなあ」
先月舌戦を繰り広げたとは思えないような光景に少しだけ頬を緩める切嗣。
「うーん、ラウラが出て来ないなら一夏も誘って切嗣と遊びに行っちゃおうかなあ」
「な、何?」
「じゃあ起きて、切嗣」
「へ?」
強引に起こされて日向でクラスメイトののほほんさん(男子は誰も本名を知らなかったりする)のグループに話しかけられる一夏の所まで引き摺られそうになる。
「ま、待て、わ、私も行く」
「その格好のまんまで?」
「・・・ええいっ!脱げばいいのだろう、脱げば!」
投げ捨てられるバスタオル。
「わ、笑いたければ笑うがいい・・・」
(・・・とんでもない!似合ってるし、凄く可愛いじゃないか)
普段は伸ばしっぱなしの髪もツインテールにまとめられている。
もじもじと落ち着かなさそうにしているラウラが可愛らしくて、しばし呆然とする切嗣。
「おかしな所なんて無いよね?」
「え?あっ、ああ。ちょっとみとれてた」
見とれてたの部分で顔が真っ赤になるラウラ。
「しゃ、社交辞令なら要らん・・・」
「お世辞抜きでだよ・・・」
切嗣の顔からサングラスがずり落ちた。
・・・・・
その夜、雁夜達が武器の手入れをしている隣の部屋の話。
「お前ら、あいつらのどこが良いんだ?」
千冬の問いに箒はラムネを傾けながら
「わ、私は別に・・・以前より腕が落ちているのが腹立たしいだけですので」
と答え、続けてセシリアが
「わ、私はクラス代表としてしっかりしてほしいだけです」
と、ツンとした様子で答えた。千冬はニヤリと笑い
「「ふむ、そうか。ではそのように一夏に伝えておくとしよう」
と悪戯っぽく言う。二人の言わなくていいです!という台詞にクスリと笑ってビールを飲む。
「僕・・・私は、その・・・優しいところが・・・です」
シャルロットがそういうと
「しかしあいつは誰にでも優しいぞ」
と千冬が返した。そこが悔しいと照れ笑いを浮かべるシャルロット。
「で、鳳。おまえは雁夜のどこが良いんだ?」
「ええ?アタシ・・・ですか?なんだか、何があっても助けてくれる、アタシのヒーローっていうカンジがするんです」
「ほう。堂々と言い切ったな」
と、ここで一息ついてから最後に一言も発していないラウラに目を向けた。
「で、おまえは?衛宮のどこが良いんだ?」
「つ、強いところが・・・です」
「いや結構弱いぞ」
にべもなくカミングアウト。そんな千冬にラウラは珍しく食ってかかるように
「つ、強いです。少なくとも、私よりは」
と反論した。
千冬はふむ。といって缶ビールを空けていう。
「まああいつら3人とも居ると便利なのは確かだな。一夏は料理も家事もうまいしマッサージも出来る。雁夜も似たり寄ったりだし、衛宮は頭が良いからいろいろ役に立つ。というわけで付き合える女が特なのは3人とも同じだ。どうだ、欲しいか?」
「「「ハックション!」」」
隣の部屋と温泉の方からくしゃみの音が三つ分聞こえてきた。
当然話題に上った野郎共のことであるが、それは置いておくこととする。
「「「く、くれるんですか?」」」
シャルロット、鈴、ラウラの3人が異口同音におずおずと尋ねたが、その返答は
「やるかバカ」
というものだった。その返しはアリなのかという顔をする5人に千冬は実に楽しそうにビールを傾けながら
「女ならな、奪うくらいの気持ちで行かなくてどうする。自分を磨けよ、ガキども」
といって笑った。
最初の方何で鮫と熊なんだろうか・・・クラッシュとクマに注意かなあ?何考えてたのか思い出せん・・・どうかこんなオレを
ちゃおちゃおー。