IS/stay scape   作:昆布さん

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関係ありませんがBLAZBLUEのアニメ見ました。
小説から入った、というかこないだ買った小説でハマッたオレには十分面白いと思うのですが、プレイヤーの皆さんはどうなんだろうか?ウム、直に話がきいてみたい。
ではどうぞ!


act11 急転

臨海学校2日目の朝を迎えた。

この日は丸一日各種装備のテスト及びデータ取りにおわれることとなる。

専用機は新型装備のテストベッドという意味合いもあるので装備が非常に多く、訓練機組よりも多忙である。

「ようやく全員集まったところで、オイ、遅刻者」

「は、はいっ」

珍しく寝坊したらしいラウラが身をすくませる。

「そうだな、コア・ネットワークについて説明してみろ」

「は、はい。ISのコアはそれぞれが相互情報交換のためのデータ通信ネットワークを持っています。これはもともと広大な宇宙空間における相互位置情報交換のために設けられたもので、現在はオープン・チャンネルやプライベート・チャンネルによる操縦者会話など、通信に使われています。それ以外にも『非限定情報共有』をコア同士が各自に行うことで、様々な情報を自己進化の糧として吸収しているということが近年の研究で分かりました。これらは制作者の篠ノ之博士が無制限展開を許可したため、現在も進化の途中であり、全容はつかめていないということです」

「さすがに優秀だな。遅刻はこれでチャラにするとして・・・では、各班ごとに振り分けられた装備の試験を行う。専用機持ちは専用パーツのテストだ、迅速に行うように」

「う~す」

特に追加のパーツとかもないので雁夜は他のところの荷物を運んだり、切嗣の追加武装であるところのブローパイプ式ロケットランチャーの照準システムの調整を手伝ったりしていた。

「ああ、篠ノ之、おまえはちょっとこっちに来い」

「はい」

「?なんだろうな」

「さあな・・・雁夜、補正-15度」

「あいよ」

いわれたとおりにロケットランチャーの照準器をいじる雁夜だったが、数秒後に全員が目を丸くすることになる。何故なら・・・

「ちーちゃああああああああん!!!」

砂煙を上げて一人不思議の国のアリスが突っ走ってきた!

「おわあっ!」

「うわっ!?」

「やばっ!ロケランが暴発した!」

一夏、切嗣、雁夜の順である。ろくに照準も付けずに暴発したロケット弾はあらぬ方向へ。切嗣が弾頭の無駄遣いにがっくりと膝を着く。そんなおかしな空気も何のその。一人不思議の国のアリスは千冬に向かって突撃。

「やあやあ!会いたかったよちーちゃん!さあ、ハグハグしよう!愛を確かめ・・・むぎゅぅ」

「五月蠅いぞ、束」

雁夜がその様子、というか現在進行形で千冬のアイアンクローを顔面に食い込ませた一人不思議の国のアリスの正体に気付いてガクガクと震えた。

「雁夜、顔が真っ青よ」

「おっ、オレはあの人が苦手なんだよ」

一人不思議の国のアリスの正体、それはIS開発者にして別名天災科学者、箒の実姉である篠ノ之束だった。昔から雁夜はこういう「私楽しいの大好き~。え?人の迷惑?なにそれおいしいの?」というような、ちょっと臓硯と同じ臭いがするタイプの人間が苦手なのだ。

「よっと・・・やあ!」

いつの間にやら拘束から抜け出していた。そして箒に向き直ってシュタッと右手を挙げている。

「・・・どうも」

「えへへ、久しぶりだね。こうして会うのは何年ぶりかなぁ。おっきくなったね、箒ちゃん。特におっぱいが」

「・・・みんな、とりあえず落ち着くまでにやれることやっとこう」

ガタガタ震える雁夜の肩に物凄く慈悲深い、聖母のような暖かさでもって置かれた鈴の手が何だか哀愁を誘った。

その様子を見かねたのかため息を一つ落として千冬は

「おい束、自己紹介ぐらいしろ。うちの生徒達が困っている。ついでにいえば間桐が怯えるから来てほしくなかったんだが?」

「えー、めんどくさいなあ。私が天災の束さんだよ。はろー。終わり」

(そうだ終われ!このまま何事もなく帰ってくれ!)

「あ、でもかーくんの様子は見てておもしろいからちょっと観察」

「神は死んだあ!」

その場で雁夜を見ていた全員がこの時理解したという。

(ああ、恐怖って一周するとギャグになるんだ)

「こほん。間桐、これのことは良いから手伝いにまわってくれ」

「はい!誠心誠意やらせて頂きます!」

号泣しながら『打鉄』の追加パーツコンテナに爆進していく雁夜。苦手意識が暴走してキャラが大幅に崩れているといわざるをえない。

「・・・それで、頼んでおいたものは?」

箒の遠慮がちな声に束が目を光らせて直上を指さした。

「うっふっふ。それは既に準備済みだよ。さあ、大空をごらんあれ!」

いうが速いか空から銀色のコンテナが襲来、砂浜に突き立った。中に入っているのは真紅の装甲を持ったIS。

「じゃじゃーん!これぞ箒ちゃん専用機こと『紅椿』!全スペックが現行ISを上回る束さんお手製ISだよ!」

(最新鋭にして最高性能だと?ふざけたものを用意してくれるものだ)

切嗣が思考の海へ潜っている間にどうやら設定が終わったようで、武装チェックに移っている。

右の太刀(『正義への贄』で情報を見てみたところ『雨月』というらしい)から繰り出される突きと、それに追随して放たれたレーザーが雲を撃ち抜き、左の太刀(『空裂』というらしい)の薙ぎ払いと、それに付随するレーザーが飛来するミサイル全てを斬り捨てた。

「なあ、切嗣、あれ、どう思う?」

「雁夜か。どうもこうもないさ。彼女は一夏に似て感情が表に出やすいんだ。あれじゃ機体で勝っても戦いには勝てないだろうな」

いやな予感がする。と付け足して押し黙る切嗣。そこへ血相変えた山田先生が駆け寄ってきた。

「緊急事態らしいな・・・一夏、雁夜、いつでも動けるようにしておけ」

「お、おう」

「もちろんだ」

ハンドシグナルを交え、徹底的に外部に漏れる可能性を排除しようという意図の感じられる千冬と山田先生の会話。

「そ、それでは、他の先生達に連絡してきますので!」

「了解した・・・全員、注目!現時刻よりIS学園教員は特殊任務行動に移る。今日のテスト稼働は中止、各班、片付けを済ませて旅館へ戻れ。連絡があるまで各自室内待機すること。以上だ!」

にわかにざわつく生徒。一喝する教師。不穏な空気に満たされた砂浜は夏の日差しとは切り離されたように冷え冷えとしていた。

「専用機持ちは全員集合しろ!織斑、オルコット、間桐、デュノア、ボーデヴィッヒ、衛宮、凰!・・・それと、篠ノ之も来い」

「はい!」

妙に気合いの入った箒の返事。

それを聞いた一夏の顔がわずかに曇った。

 

・・・・・

 

情報整理・・・っち。本来こういうのは切嗣の役目なんだがな・・・

敵勢力、暴走事故を起こした軍用ISが一機。

戦力分析、機体名称『銀の福音』。米国とイスラエルの共同開発の最新鋭機。その武装は実弾装備の一切を廃したエネルギー式のみと判断。データから見てもそれは恐らく間違いない。性能は攻撃と機動性に特化したもので、恐らく生半な攻撃では叩き落とされるレベルに攻防一体となっているものと推察。

対するこちら側の目的は暴走の鎮圧。

自軍勢力、3。

『白式』・・・最近はかなり腕を上げてきたがまだまだ未熟なド素人。

『紅椿』・・・機体性能は高いが操縦者の慢心が顕著、足をすくわれる可能性は最も高いと判断して差し支えない。

『バーサーカー』・・・認めたくはないが恐らくまとめ役としての役割を期待されている、『ティアーズ』の高機動パッケージから予備のスラスターのみを拝借、機動性については一応の解決を見た。

また、監視及び牽制の意味を兼ねて『衛宮切嗣』が先行しているが戦闘において助勢は期待できないものとするように注意を受けた。

会敵予測地点・・・約二キロ先の海上、周辺海域の人払いは既に完了しており、周囲への被害は考えなくてもよいものと判断。およそ50分後に通過する敵機に対する一撃必殺が本作戦の基本骨子となる。

以上、現状把握完了・・・

雁夜は一つ息を吐くと擬似分割思考による情報整理をストップさせた。

出撃まで残り5分となっている。

なれないことをしたせいか少しだけ頭痛がする。雁夜はアトラスの錬金術師でもなければ切嗣のように完全に体と心を切り離し、別個の機械のように動かせるわけでもない。

「・・・うし。頭痛もおさまった、コンディションも良い、いつでも行けるな」

軽いストレッチをして戦闘行動への準備を整える雁夜。と、

「ねえ、ちょっといい?」

「鈴。何だ?」

「絶対帰ってきなさい!・・・何があっても、絶対に帰ってくるのよ」

(鈴・・・こうなったら裏目も何もないな・・・腹、括るか!)

ジッとこちらを見つめる鈴の視線を受け止めて雁夜は口を開く。

「帰ってきたら話がある」

「聞いてやろうじゃない」

「ああ、大切なことだからな。聞いて驚くんじゃないぜ」

いいながら雁夜は思った。絶対に帰ってくると。

出撃まで、あと2分。




うむむ。敵キャラの「絶句だよ」化が止まらない・・・
修正修正ィ!
ではまた次回でお会いしましょう。
ちゃおちゃおー。
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