休日は基本別行動かカリギリコンビだったので出す暇がなかったと言い訳させてもらおう!
っとまあ見苦しいいいわけはこの辺にしておいて。
本編をどうぞ!
「で、この上達してないギターにどう感想を持てばいいと?」
半眼になって切嗣が質問したのは茶髪にヘアバンドの友人、五反田弾と同じく友人の御手洗数馬の二人、自称『楽器が弾けるようになりたい同好会』の面々(会員2名)である。
「ひっでえの・・・これでもちっとはマシに・・・は、なってねえけど」
弾が頑張って反論するも切嗣はあいかわらずの半眼である。
数馬など真顔で否定されてがっくり膝を着いている。
「で?ゲーセンでも行くんじゃなかったのか?」
「ん、ああ、そうだな。じゃあ駅前のゲーセンでいいか?」
「ああ、いいぞ」
「OK」
・・・・・
「「んがあああ!」」
「ふん、僕にシューティングで勝とうなど、一世紀早い」
真顔でガンシューティングゲームハイスコア一位を叩きだした切嗣と、逆にランク外で悶絶する二人が次に目を向けたのが太鼓ゲームだ。
「こうなりゃ音ゲーで勝負だ!」
「おう!今度こそ切嗣に土を付けてやるう!」
「・・・よし、相手になろう」
軽くコートの裾を整えてから200円投入。ゲーム開始。
「頑張れ弾!」
「・・・・・」
真顔+何一つ言葉を発さずに淡々と太鼓を叩く切嗣。対する弾は物凄く必死。ちなみに言わせてもらうと切嗣の対弾、対数馬のゲームの戦績はそれぞれ100%と100%。性格的な意味で二人は簡単に手玉にとられるわけで、今回もそのパーセンテージは変わることがない。
「成功率90%!どうだあ!」
「・・・パーフェクト」
「「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!」」
夏でも変わらない切嗣のトレードマークであるロングコートはロケーション次第で何とも格好良く見えるだろう。。
ついでに対雁夜は10%。性格云々以前に実力差がそれなり、一夏戦は50%でどっこいどっこいである。性格と実力でトントンと言ったところ。
「悪い、調子こきすぎた・・・昼食は二人の好きなところでいい」
完勝した切嗣の方が小さくなるという奇妙な構図ができあがってしまったようだ。
・・・・・
「で、ここか?」
「「コクコクコク!」」
何なんだこのコンビネーションと呟いて切嗣は店名を見る。
「@クルーズ・・・か・・・ちょいちょい話に出てきてたが、メイド喫茶とはな」
軽く肩をすくめた切嗣が先頭で店に入る。
「ふう。ちょっと目が疲れたな・・・僕は君らの二倍プレイしてたからな・・・」
「~っと、俺は何にするかな・・・」
「俺決めた!切嗣と弾はどうだ?」
と、数馬が手を上げる。
「すーんませーん!注文お願いしまーす!」
やってきた店長らしき女性にそれぞれエスプレッソとオレンジジュース二つを注文して3人は会話を続ける。
「で、一夏の女性関係ってどうなってんのよ」
「ああ、気になるな。あいつ、やたらモテてたろ?」
「はっきりしているのでざっと3股だな。小学生からの幼馴染みと、イギリスの代表候補生と、フランスの代表候補生だ」
あれ?と弾が首を捻る。
「鈴はどうなんだよ」
「何か帰国直前に雁夜がフラグ建てたらしい。臨海学校の後から付き合い始めた」
「「マジでか!?」」
驚いた二人に切嗣は若干引いた。
「注文の品はこちらでいいだろうか?エスプレッソとオレンジジュースが二つ・・・で・・・す・・・?」
「ああ、ありが・・・と・・・う・・・?」
一瞬トレーを持ってきた銀髪メイドと切嗣の声が止まる。
「きっ、切嗣!?何故ここにいるのだ!?」
「ラウラこそ、何でここに?バイトか?」
このやりとりを聞いた二人が切嗣に詰め寄る。
「オイ切嗣、この娘誰だ?」
「随分親しそうじゃないか」
二人の剣幕に若干どころかかなりたじろいだ切嗣はエスプレッソを飲みながらどう回答したものかと考え込むが、ラウラははっきりと答えるものだ。
「切嗣の将来の嫁だ」
「「「ちょっ!」」」
「む?どうしたのだ?」
「いや、スパッと言いすぎだろう・・・合ってるけども、友達ぐらいで済まさないと二人が・・・」
「いや、俺達もういいわ・・・」
「一周して落ち着いた・・・」
結局ラウラと、いっしょに、何故か執事服でバイトをしていたシャルロットを交えて5人で一夏の鈍感がどうの白野は最近どうしてるだの、そんな会話をして時間を潰した(ラウラとシャルロットは集客に貢献したとかで休憩を貰った)。
と、大体20分後ぐらいに3人の少しばかり剣呑な雰囲気の男達が雪崩れ込んできた。
「全員動くんじゃねえ!」
どこかで従業員か女性客かは分からないが誰か女性が悲鳴を上げると、男の内の一人が静かにしろと吼える。
明らかに怪しい覆面こみで黒尽くめの3人が持っているのは札束の飛び出したディパック。前世紀の漫画に出てくるような銀行強盗の図だった。
「見ろよ警察の対応、君たちは包囲されているとか、ジュラルミンの盾とかここは20世紀のマンガの舞台なのか?」
「ちょっ!」
「切嗣おまえ何のんきなことを!撃たれるぞおい」
切嗣達がごにょごにょと言っている内に強盗が威嚇射撃を行う。
(やれやれ・・・どれ、ちょっと動くとするか・・・)
コートを脱いで切嗣は弾と数馬にそれを持たせる。
「二人とも、うまいことやって僕が頭を抱えてうずくまっているように見せるんだ。僕があいつらを制圧するための時間を稼いでくれ」
「へ?」
「う~ん・・・他に手も無さそうだし、ダメ元で試すか・・・」
と、切嗣が『魔術師殺し』時代に培った隠密行動スキルを駆使して地道に強盗に接近する間にラウラが行動を開始、バックアップするようにシャルロットも動く。
グラスから飛び散った氷の指弾で攻撃、激昂するリーダーの手を後ろから回り込んだシャルロットが拳銃ごと蹴り上げる。
そしてもう一人のショットガンを持った男の肩に踵落としを叩き込む。
「あ、執事服でよかったかな」
などという気の抜けた台詞のわりに威力は抜群だったらしい。脱臼の音といっしょに男の肩がだらりと垂れ下がる。
「目標2、制圧完了。ラウラ、そっちは?」
「問題ない。目標3、制圧完了」
残りはリーダーただ一人。そのリーダーは高校生に制圧されるという状況が許せないらしくその拳を大きく振り上げた。
「ふっ、ふざけるなあっ!俺がこんなガキ二人に!」
「残念、二人じゃないんだよな、これが」
シャルロットの蹴りで吹っ飛んだ拳銃を拾った切嗣がリーダーの眼前に姿を現し、左手一本で首筋を引っ掴んで床面に叩き付けた。
「チェックメイトだ小悪党」
「ふざけんじゃねえぞクソガキどもが!一体どんな教育受けてやがるんだ畜生!こういう時は大人しくしろって学校で・・・」
ごりっ。いつの間にか沈黙した男のハンドガンも拾っていた切嗣は喚くリーダーの両拳を銃口で床に押しつける。
「投降しないなら、その両手を四散させて警察に突き出すだけだ」
もともと感情の乗りにくい目でそう言われたリーダーは直感的に理解した。切嗣はやると言ったらやると。
「・・・す、すみません・・・もうしませんから命だけはお助けを・・・」
結果、リーダーはあっけなく投降し、銀行強盗騒ぎは終わりを告げたのだった。
・・・・・
「脱出成功っと」
「切嗣・・・おまえなあ・・・」
「む・・・無茶しやがって・・・」
「まあそう言うな、二人が手伝ってくれなきゃコートでばれてただろうし、感謝してるよ」
詰め寄る二人となだめる切嗣。
そんな彼等の様子を見ている一対の瞳。
「やれやれ、お互い面倒な事件に巻き込まれてしまったもんですね」
男が笑むように目を細めると、そこにある金色が歪な形に歪む。
緑色の前髪を軽くはねのけた男は黒い帽子を目深に被り直し、黒スーツの裾を翻しながらくるりと背を向けた。
「では、いずれお会いしましょう。世界に3人だけの男性操縦士さん」
と、歩き出した男に店長がぶつかった。
「きゃっ・・・す、すみませんお客様」
「いや失敬、今のはこちらの不注意です。謝るまでもありませんよ」
そう言って再びその場を去ろうとするが、店長に呼び止められる。
「あの・・・パスケース落としましたよ?それと、事件に巻き込んでしまったお詫びにクッキーをどうぞ」
「おやこれはありがとうございます。ではこれにて」
ココアクッキーをかじりながらパスケースをしまう男。
スーツの内ポケットにしまうときにちらりと見えた彼の名前は『狭間照美』といった。
やっちまった・・・もう後には引けないんだなあなどと思いつつ、ワカメ(父)を想起させてみる。拷問で手を四散させるとか切嗣さんマジ鬼畜。きっと脅しだと思うよ?うん、今回のは脅しのハズ・・・書いてて分かんなくなった今回でした。
では次回、act.ex1 挿話、大人達の夜更かしでお会いしましょう。
> ちゃおちゃおー。