IS/stay scape   作:昆布さん

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アニメ最新話見てます。ジンとテイガーさんカッコイイです。
というか・・・ほんとヤンデレかつブラコン、ガチホモだった頃とは比べものにならないほどかっこよくなってますね、ジン。そして黒ツバキ化・・・つーか、オレまたアニメ版BBの話しかしてねえなあ・・・


act25 強襲

誰かの悲鳴が聞こえた。

それが誰のものかはとりあえず志貴の知るところではない。

突然の乱入者に大会運営側も対応が追いつかず、客席はパニックの渦にあった。

スタッフが落ち着いて避難するよう声を張っているが誰も聞いていない。

志貴がその状況にため息をつきかけたときだ。

どんっ。と言う衝撃が胸元にあった。

「っとと・・・大丈夫かい?」

近くにいた誰かにぶつかってよろめいたらしい茶色い髪の少女だった。

「は、はい、大丈夫です・・・」

参ったな。と呟きを一つ漏らすと志貴はあたりを見渡す。

「あ、とりあえず俺から離れないでね。また誰かにぶつかられたらもみくちゃにされかねないし、ひとまず人混みを離れた方が良いんだけど・・・どうするかな・・・」

むう。と一つ唸ったところで志貴はなんとなく、ただならぬ雰囲気を放つ女生徒に声をかけた。

「あの、すみません!この子、さっき人にぶつかられたみたいで・・・どこか退避させてあげられませんか?」

え?と振り向いたのは楯無だった。

「そうね・・・確かに危ないわ・・・たまたま受け止めたのがいい人だったからよかったみたいだけど・・・」

と、二人の手を取ってこっちに来て。と言う楯無。大人しく頷いた少女だったが、志貴はちょっとだけ驚いたような声を上げた。

「あれ?俺も?」

「いいからついてくる、か弱い女の子を一人置き去りに出来るはずがないでしょう?」

それもそうだと頷き、志貴も大人しくついていく。

やがて3人が辿り着いたのはスタッフルームの一つ。来る途中で思いっきり関係者以外立ち入り禁止のドアを通ったがそこは敢えて気にしない。

「じゃあ、私はちょっと用事があるから、ここで大人しくしてて」

「あ、あの・・・」

「誰か来たら二人とも生徒会長にここにいるように言われたって説明して頂戴」

「せ、生徒会長・・・」

隣の少女がおどおどとした態度なのに対して志貴は落ち着いたものだ。

「分かりました、雁夜君から聞いたときはどんな人かと思ったんですが、思ったよりいい人ですね」

「あら、雁夜君のお友達?」

「ええ、妹が彼の妹弟子ですから、その関係で」

「そう。なんていわれてるのか気になるところではあるけど、それはまた今度聞かせて貰おうかしら?じゃあね二人とも」

それだけ言って部屋を出て行く楯無。ぴっ。と投げた指が格好良かった。

「ふう。とりあえず助かったかな・・・俺は有間志貴。君の名前は?」

「・・・五反田蘭です・・・」

 

・・・・・

 

「く、この・・・ッ!」

雁夜においそれと使用できる遠距離攻撃オプションは存在しない。

『転輪する勝利の剣』のビームにしても燃費が著しく悪いため、あくまでも最終兵器という位置づけである。

故に、敵に近づけず、格闘ゲームで言うトリカゴ状態に陥るこの状況もある意味必然と言えた。

「雁夜!」

「鈴!最大最速連射で思いっきりぶち込め!」

了解!という一声の後に『衝撃砲』の不可視の弾丸が放たれ、しかし『シールド・ビット』に阻まれる。

「一夏、援護!」

「おう!」

続けて一夏が『雪羅・荷電粒子砲モード』で純白のレーザーを放つが、難なく躱され、レーザーの雨が降り注ぐ。

「うおおっ!?」

慌てて『雪羅・シールドモード』で攻撃を凌ぐ一夏。

「一夏さん、雁夜さんも!あの機体は私が!」

「セシリア!?おい!」

「BT2号機『サイレント・ゼフィルス』・・・今度こそ!」

ち。と雁夜は内心で舌打ちを一つ落とす。学祭の折に完膚無きまでに凌駕され、逃げられた。その屈辱故だろうが、この場でのそれは少々無茶苦茶だ。

「鈴はオレの援護、一夏は防御にまわれ!クソッ、先走るな!」

衝撃砲による援護を受けながら敵に急迫、『転輪する勝利の剣』で斬りつけるもひらりと躱され、そこを狙ったセシリアと鈴の同時攻撃も『シールド・ビット』で弾かれる。

敵の能力の高さに軽く舌を巻く。

雁夜は『円卓』のエネルギー残量が60%を切っているという現状に歯噛みした。

7割あれば安心してこちらからも『転輪する勝利の剣・真名開放モード』で攻撃できるが、6割では少々心許ない。今使えばエネルギー残量は一気に半分を切る。

一夏は完璧に封じられ、ラウラはダウン、切嗣には恐らくあの男(狭間)が襲い掛かっていると思う。視界の端に映るシャルロットはナニカによって地面に叩き付けられており、気絶。箒は一夏に意識が向いている。鈴とセシリアの波状攻撃も敵には通用しない。そして雁夜自身もやはり封じられている。

完璧にペースを握られている現状に雁夜は5匹目の苦虫を噛み潰した。

 

・・・・・

 

突然の攻撃でラウラがコースアウトした。

それに驚いたシャルロットは、次にふとした違和感を覚える。

右足がナニカに引っ張られるような感覚。

続いて聞こえた「失礼しますよ」という声。

ナニカに踏みつけられるような感覚と直後に襲った衝撃を最後に、彼女の意識は暗転した。

 

・・・・・

 

「・・・ッ!」

キィンッ!瞬時に振り向いて両手に展開したナイフでその一撃を受ける。

「・・・貴様・・・やはりいたか、狭間照美!」

「よォ、覚えててくれて光栄至極と言いてえが、生憎男のガキ相手じゃちっとも嬉しかねえんでなあ」

状況から考えて客席から一番近くにいたシャルロットを足場に飛び上がったのだろうが、それにしても不可解なのはそれからも狭間が落下する様子がないことだ。

怪訝さに目を細めた切嗣だったが、次の瞬間にその疑問は氷解する。

「ビットを足場にすれば生身での空中戦も可能と来るか・・・」

「いや、私もこれにはなれないんですがねえ・・・ま、殺し合えるんだから良しとするかぁ!」

流れるような連続技を全て鎬で削るように受け、流し、いなす。

攻撃は全て上からのもの。敵はあくまで地上戦が望みであることは分かっているが、それでもその猛攻に後退してしまう。

「・・・ちっ。センサーバイザー及びシールドバリアーのみ部分展開、装甲格納」

地に足が着いては大仰な装甲が少々邪魔になる。故に敵の動きを読むためのセンサーバイザーと、いざというときのための操縦者保護機能のみを使用して狭間の攻撃を弾く。

「ッハハァッ!楽しいじゃねエか!さぁ、このまんま切り刻んでやったらどうなるか、試してみようじゃねえか!」

喉元を狙う攻撃。体を仰け反らせてその攻撃を躱し、続く蹴りで体を離す。と、同時に空中で一回転。着地するときには所有する火器の一つ、日仏混血の3代目大泥棒の銃として有名なワルサーP38が火を噴いている。弾丸を躱して斬りかかる狭間の攻撃を左のナイフで受け、続く左のナイフはワルサーのグリップで叩き落とす。

しかし。と切嗣は思う。『ロード・エルメロイ』こと、ケイネス・エルメロイ・アーチボルトは自らの礼装、攻防一体の水銀『月霊髄液(ヴォールメン・ハイドラグラム)』に絶大な自信を持っていたが、なるほど分かる気がする。この絶対防御というシステムはこういう局面において非常に強い安心感を懐かせる。

「・・・とはいえ、即死になりそうなところは躱さないといけないのは生身と変わらないが」

うんざりしたように呟く切嗣は相手の挙動を注視しながら戦術予測を開始する。

現状・・・一刻も早くあちらの援護に向かう為、速やかにこの男を排除する必要がある。

戦力予測・・・敵2、『狭間照美』 細身でありながら高い身体能力を持っており、また、そのナイフ捌きも超一流。性格は極めて粘着質であることから、振り切るのは不可能と判断。

『サイレント・ゼフィルス』 イギリスの開発した『ティアーズ』の後継機。射撃能力のみならず、二基装備した『シールド・ビット』を用いた防御にも長ける。また、質の高い銃剣術、『停止結界を切り裂くナイフ』を有するため、接近戦においてもそのパフォーマンスは高いと思われる。

対するこちらの戦力。

『正義への贄』 現状狭間に押さえ込まれており、使用可能な武装はサバイバルナイフのみ。それ以外の銃火器は狭間につけいる隙を与えるため、使用は望ましくない。

『円卓』 射程と燃費の関係で『サイレント・ゼフィルス』に近付くことがかなわない。

『白式』 『円卓』と同じ状況。

『ブルー・ティアーズ』 何度も攻撃を仕掛けているが『サイレント・ゼフィルス』には一つも通っていない。

『甲龍』 『ティアーズ』の援護射撃を行うも、やはり一撃も入れられない。

『シュヴァルツェア・レーゲン』 最初に『サイレント・ゼフィルス』が行った奇襲を受け、意識不明。見たところ軽い脳震盪のようなので、復帰までそう長くはないだろう。

『ラファール・リヴァイヴⅡ』 狭間の足場として奇襲を受ける。反動で地面に叩き付けられ、意識不明。

『紅椿』 一夏が気になって援護がおざなり。現状もっとも役に立っていない。

結論・・・現状を覆す可能性があるのはラウラと箒であるということが推察できる。すなわち衛宮切嗣のとるべき戦術は一つ。

(ラウラの復帰と箒の参戦まで待ち・・・状況の推移によって生まれる狭間の不意を突く!)

 

・・・・・

 

一方の雁夜も銃撃をしのぎながら、現状打破のための一手を打とうとしていた。

「一か八か、背水の陣の大バクチだ・・・」

『転輪する勝利の剣』を大上段に構え、一夏達にプライベート・チャンネルを飛ばす。

<これから『転輪する勝利の剣』を真名開放モードで使用する!これも大した効果はないだろうが、恐らくビームの放出中はライフルからの射撃はない!>

<その隙に俺の『零落白夜』でトドメを刺す!>

<そう言うことだ。鈴とセシリアは援護、箒は『絢爛舞踏』で一夏にエネルギーを補給してやれ>

出来る限りの手は打った、後は結果を出すだけだ。

(出力調整・・・ターゲットロック、発射準備完了・・・)

「答えろ、『紅椿』!」

「助かった、箒!」

(『白式』のエネルギー補給が完了した・・・)

雁夜は両腕を振りかぶったままで大きく息を吸い、吐く。そして再びプライベート・チャンネルを飛ばす。たった一語の簡素な通信。

<行くぞ!>

振り下ろされる宝剣。迸る黄金の光があたりにいた者の視界を灼く。

「―――ッ!く・・・ッ」

敵は『シールド・ビット』で光の断層を防ぐが、それを突き抜けて現れた白い刃が振り下ろされた。

「ちっ!ライフルだけか!」

「やはり手強い・・・だが今ので『射撃ビット』を二つ巻き込んだ、一気に仕掛ける!・・・っぐ!」

仕掛ける。と言ったところで残ったビットからの攻撃が雁夜を襲った。

シールドエネルギー0。間桐雁夜、戦線離脱。

「一夏、セシリア、任せたわよ!」

ISが解除された雁夜は敵にとって格好の標的。鈴がフォローにまわり、敵は光の断層によって出来たアリーナのバリアーの裂け目から飛び出していく。それを追うセシリアと数拍遅れる一夏。

戦況はすでに雁夜の手を離れた。後は一夏とセシリア次第・・・

 

・・・・・

 

雁夜が放った黄金の光に目を灼かれ、敵の動きが一瞬鈍る。

そしてそれを見逃す切嗣でもなかった。

一気に攻勢へと転じ、縦横に刃を疾らせる。

しかし敵も然る者。これまでと攻守が逆転しただけで、状況そのものは膠着したままだった。

「はああああっ!」

「ぐ・・・ッ!?」

裂帛の気合いと共に振り下ろす刃が狭間の防御を強引に突き崩す。

「貰った!」

「だがあめえ!」

眼前に迫る刃を思い切り体勢を変えることで躱す狭間。そのまま脚を真上にかざすような動き。

「っご・・・ッ!?」

ナイフを使って突き上げるような蹴りを受けるも、勢いまでは殺しきれず、切嗣の体が後ろに傾ぐ。

再び攻勢に転じる狭間。しかし今度は違う。確実にトドメを刺すべくナイフを振り上げるも・・・

「ぐぁっ!?」

背中に走る衝撃に驚いた狭間は反射的に後ろを振り向いた。

「ハァ・・・ハァ・・・気絶したと見て油断したな?」

「感謝するぞラウラ!」

防弾チョッキに阻まれて致命傷には至らないが、それでもラウラの攻撃で受けた衝撃は狭間の体勢を崩すには十分すぎた。

振り向いたスーツの背中に迫る白刃。それがもう少しで生地を引き裂くというところでその体が急に横滑りした。

「チェーンを使ったか・・・」

「てめえら二人も覚えとく、ホントおもしろそーな獲物がわんさかいるじゃねエか!次来るときは本当に楽しめそうだ!期待しねエで待っててやるぜ!ヒャーッハハハ・・・」

ドップラー効果を引き摺って逃走する狭間。

「・・・逃がしたか・・・そんなことより、無事か?ラウラ」

「あ、ああ。大丈夫だ。それよりあちらはどうだ?」

そう言ってラウラが示すのは意識を取り戻したシャルロット。

軽く頭を振って意識をはっきりさせている。

「あれ?みんな、どうなったの?」

そして、その問いに答えるように一夏からプライベート・チャンネルが飛んできた。

<すまん、こっちは逃げられた!>

それを聞いた切嗣の顔が苦々しげに曇る。

「・・・完全に・・・むこうの勝ち逃げだ・・・」




最近寒いですねえ・・・いや、冷たいと言うべきですかね・・・ってあああああ!テイガーが!テイガーがスパークをおおおお!
では次回、act26 宴とでお会いしましょう。
ちゃおちゃおー。
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