実質1話でって普通ありえねえだろ・・・
今回はとあるNOUMINも技だけ登場する予定・・・
では、本編をどうぞ。
「何してやがるこのニセモノ!」
突然乱入してきた白髪の男が思いきり雁夜にショルダータックルをかました。
雁夜を突き飛ばしたその男は見覚えのあるパーカーを着ていて、見覚えのある白髪で、でも見覚えのある人に比べて背は高いしそもそも顔の左半分が死相で固まってて、でも右目の色はよく知っていて、向こうにある悲しそうな優しい感情は明らかにアイツの物で・・・
だから鈴は訳が分からなくなってその男に質問した。
「か・・・雁夜・・・?」
声に応えて、見知った不敵な笑顔を返す男。
「え?え?どういう事・・・?雁夜が二人・・・?」
<ワールド・パージ、異常発生。異物混入、障害排除>
戸惑うような鈴の声に被せるような無機質な声。そして。
「きゃあああああああっ!」
「鈴!?」
「何これ!?痛い痛い痛い!頭が・・・割れそう・・・!」
くそっ。と、痛みで朦朧とする視界の端で、大人の雁夜が舌打ちをする。
「同一存在はやっぱり世界の創造主に負担をかけるって事か・・・」
そして次の瞬間、学ランの雁夜が目の色を変えて、文字通り異様な光彩、すなわち金の瞳と黒い白目でぎょろりと大人の雁夜を見る。
「命令遂行。障害排除」
無機質な声が、聞き慣れた声色で流れ出る。そんな様子に、鈴は訳が分からず、涙を浮かべながら叫んだ。
「助けて雁夜あっ!」
喉が張り裂けるような叫びに答えるように。冷たくて、でもどこか温かい雁夜の腕が鈴の体を包む。
「心配いらねえ。オレはとっくの昔に、何があっても鈴を護るって誓ってるからな」
ああ。と鈴は思う。
あの日、中学二年生の終わりごろ。夕焼けで赤く染まる教室で。不安に揺れ動いて、いつか壊れてしまいそうだった心を、強く、そして優しく抱き留めてくれた本物の雁夜の腕。
その腕の力が一気に強くなる。
「・・・これなら・・・!」
と、さっきまで死体のようだった腕が暖かさを取り戻す。
「ここまで馴染めば・・・」
痛みに耐えて顔を上げると、さっきまでの左半分が死んだ顔はどこにもなく、幾分今よりも大人びた、白と黒の斑の髪を持った雁夜がそこにいた。
「待ってな、すぐに終わるからよ」
そう言って無造作に片腕を偽雁夜にかざす。
「『転輪する勝利の剣』」
タイムラグは僅か2秒もない。過たず放たれた光が偽雁夜の体を跡形もなく消し去った。
同時に崩れ始める鈴の部屋。
「よっしゃ出るぞ!しっかり掴まってな!」
「う、うんっ!」
一息で部屋の外まで飛び出す刹那、鈴の意識が飛んだ。
・・・・・
ひゅん・・・ゴスッ!
切嗣の側頭部を飛んできた小石が強打した。
「・・・全く。僕はもうちょっと節度のある男のつもりなんだけどね」
呟くのはダークスーツの上から黒いロングコートを羽織った無精髭の男。何者だ。と叫んでラウラが投擲した出刃包丁を難なくサバイバルナイフで弾く。
「・・・はあ。何でそんなに殺る気満々なんだい?」
「私と切嗣の邪魔をする物には死んで貰うと言うだけのことだ!」
重症だな・・・と呟くと男は軽く腰を落として構える。
ラウラの急接近からの踵落としという流れるような動きを、しかし男はまるで見知った物であるかのように受け止めて流す。
「・・・ッ!?」
「・・・裸エプロンで踵落としって・・・目のやり場に困るんだが」
おかしい。とラウラは頭の片隅で考え込む。
さっきから感じるこの既視感は何だ?
「・・・ところで、そこの。何故黙って見ている?」
と、男は瞬時に身を捻りながらのステップで螺旋を描くようにラウラを躱すと、切嗣の目前に迫り、首根っこを引っ掴んで床面に叩き伏せた。
「切嗣!」
「正義の味方がそれで良いと?それはおかしい。身を挺して
「・・・え?」
今この男は何と言った?自分のことを衛宮切嗣と言ったのか?
「それに、さっきから壊れたラジオのノイズみたいに頑張れだの何だの言ってるけどね。本物の僕は後ろで見てるだけの状況でそんなことは言わない。じゃあ偽物の次の台詞は何だ?戦えか?殺せか?ふざけるなよ」
ぎり。と、大人の切嗣は奥歯をかみしめる。
「僕は戦う機械としての存在じゃない、理性も、心もちゃんとある、若干引くぐらい思い切りが良いところも可愛い、そんな彼女に惚れたんだ。だから絶対にそんなことは言わない。作り込みの甘い、ただ虚構の世界に繋ぎ止めるためだけの楔風情が、そんな腐った台詞を吐くんじゃない!」
大人の切嗣の叩き付けるような言葉に呆然としていたラウラは、次に聞こえた言葉にびくん。と身をすくませた。
「・・・こ・・・ろ・・・せ・・・」
「え・・・?」
ぎょろりとした瞳は異形の物と化し、声が出せるはずのない程にきつく締め上げられた喉から、締め上げられている切嗣はその言葉を発していた。
「こ・・・ろせ・・・ころ・・・せ・・・殺せ・・・」
発音はどんどん鮮明になっていき、やがてそれは大人の切嗣も身をすくませる物となる。
「およそ全ての行為は罪でありまたそれらは拭えず積み重なるモノであるが故に皆々全て悉く死罪極刑につき恨め憎め拒絶し否定し殺せ殺せ殺せ許容せず殺せ殺せ殺せ認めず殺せ殺せ殺せ否良し殺せ殺せ殺せ是認し殺せ殺せ殺せ許諾し殺せ・・・」
それはまるで泥のよう。あの夜、そして夢の中で何度も聞いた、『
「ひ・・・う・・・」
「・・・ッ!」
一瞬緩んだ大人の切嗣の手が、より強い力でもう一人の自分を締め上げる。
「もう・・・黙れ・・・!」
しかし、その試みは少しばかり遅かった。
「うわああああああああああああああああああああああああああああああああああああっ!」
後ろから聞こえたラウラの叫びに、大人の切嗣は驚いて振り返る。
「い、いやだ・・・いやだ・・・私は・・・戦うための機械じゃない・・・殺すための道具じゃない・・・私は・・・わたしは・・・ワタシは・・・!」
いやいやをするように自分を抱きしめるラウラに心がズキリと疼く。だが、切嗣はその痛みをおくびにも出さずに優しくラウラを抱きしめた。
「大丈夫、大丈夫だ・・・君は機械でも何でもない。ちょっと生まれが変わってるだけの、ただの可愛い女の子なんだ」
だから無理に戦う必要もないし、殺さなくていい。と、そう囁いて切嗣はラウラの顔を覗き込む。
「・・・ああ、寝てしまったのか・・・無理もないな・・・」
そう呟いてこの世界の出口へと彼は歩みを進める。
「もう、大丈夫だからな」
最後にそう囁きかけ、切嗣は森に戻ってきた。
・・・・・
――それは後悔と痛みに満ちた映画。
――ああ。なんとなく理解してる。
――これはアイツの記憶なんだ。
――好きな人に幸せになってもらいたいと思い、自分から身を引いた。
――その人の娘が、自分の家に苦しめられていると知って、彼は街に帰ってきた。
――そして苦しみ、苦しんで苦しんで苦しみ抜いた最後に、破局が待っていた。
――ただ陥れ、貶め、そして壊されたアイツの姿と今のアイツの姿があまりにも似ていないのは何故だろう。
――ああ、そうだ。
――アイツはきっと、ナニカに助けられたんだ。
――助けられたから、今度は自分が助ける番なんだ・・・そう言うわけじゃないと思う。
――最後に待っていた嬉しいって言う感情。アイツは誰かを大切に思う気持ちが残ってることに喜んだんだ。
――大切だって言う気持ちが嘘じゃなかったから・・・
・・・・・
――それは哀しい白黒フィルムだった。
――それは紛れもない彼の記憶。
――ずっと前に、好きだった人が人でなくなり、惨劇を引き起こした。
――原因になった親を殺し、その後母親代わりに自分を鍛えてくれた女性を殺した。
――酷いのはそれが正しかったからだ。父はどこかでまた同じ事をするだろう。彼女の乗った飛行機が着陸すれば、おぞましい生物事故が起こるだろう。だから正しい。苦しい。
――そして彼は世界中の紛争地域で戦い続けた。大を救うために小を殺す。老いも若きも貴賤無く、全て平等なひとつの命。
――ああ。何という皮肉だろう。必死に生きようという意思を挫く『悪』が人類にとっての『善』だというのは。
――そして与えられた奇跡への挑戦。愛した妻を生け贄に捧げて、誰よりも高潔な騎士を駒にして。騎士の誇りを撃ち砕いてまで恒久平和のために命をかける。
――自分の知らない平和への道。それを実現するために求めた聖杯。それが『この世の全ての悪』だと知ったとき、彼は絶望した。一度ぼんやりと捉えたそれを、今度ははっきり映像で見る。
――そして絶望は頂点に達する。聖杯からこぼれる泥の津波。それが眠りについた街を焼く。酷い有様だった。阿鼻叫喚など生温い。火の粉が弾ける音と建造物が崩れる音。ただそれしか聞こえない。みんな逃げたから・・・ではない。みんな死んだからだ。死んでない者は絶望して、ただ死を待つだけで。彼はやっと一人の少年を助けた。
――以前から感じていた。
――その在り方は何より苛烈で誰よりも強く、そして脆い。
――月明かりの下で眠った彼はなぜだか今、私を優しく抱いている。
――私の気持ちは、彼への救いになったのだろうか・・・もしそうだとしたら、
――私は嬉しい。
・・・・・
どうやらカリギリコンビがドアを開けるのと入れ違いに一夏がシャルロットを連れて出てきたらしい。
「二人とも寝てるみたいだな」
「ああ。いったん戻ってゆっくり寝かせてあげよう」
小さな声でそう言って二人は森の入口まで戻る。
「じゃあ簪、二人を連れていったん戻ってくれ」
「分かった・・・」
いつの間にやらそこに簪がいて、雁夜はよろしくと言って柔らかい草の上に鈴を寝かせる。
「かりや・・・」
寝言が自分のことだったからだろう。雁夜の体が跳ね上がる。
「ハハ。熱いことだな」
切嗣が苦笑すると、それを待っていたように
「ふにゃ・・・きりつぐぅ・・・」
と、信じられないくらい可愛らしい声でラウラが呟く。
「二人とも・・・いっしょ・・・」
簪に言われてきまりが悪くなった二人は、熱くなった顔を冷ますように、全力疾走で森の中へ戻っていった。
・・・・・
戻ってきたら一夏がセシリアに追い回されていた。
「・・・」
「みんな淫夢かよ!」
二人をとっつかまえて話を聞いたら、切嗣は黙り込み、雁夜はシャウトした。
「夢魔か!?今回の敵は夢魔なのか!?」
「ちょっ!落ち着け雁夜!」
退き気味に雁夜をなだめる一夏。
「・・・とりあえず、セシリアは先に戻っていてくれ。任務は僕らで引き継ぐから」
「・・・不本意ですが、仕方ありませんわね」
ムスッとした顔でそう言うと、セシリアは森の入り口へと戻っていった。
「さて、状況から鑑みるに、どうやら対象の願望を具現しているようだな」
「・・・だろうなあ・・・」
とすると。と、雁夜は切嗣の言葉を受けて最後のドアを見やる。
「箒の一夏は間違いなく最強だな」
「何で?」
沈黙。
「この朴念神が!」
「あだっ!?」
「・・・自業自得だな」
雁夜の突っ込み手刀を喰らって悶絶する一夏に切嗣はどうにも気まずい顔を向けた後、どこへともなく
「アーチャー!」
と声をかけた。と、それに応えるように赤い外套の士郎・・・すなわち守護者エミヤが姿を現す。
「・・・切嗣、コイツは?」
「『自分の正義』の中に住み着いたサイバーゴーストだ」
「・・・サーヴァントですね分かります」
「・・・話を進めたいのだが、構わないだろうか?」
颯爽と登場したにしてはぞんざいな扱いにエミヤは眉根を寄せた。
「ああ、どうぞ。で、アーチャーさんは何しに?」
「ああ、同一人物が二人いるというのは駄目なのだろう?だから君は変装してドアをくぐっている。と言うわけでだ。私からこれを送ろうと思ってな」
「・・・これは?」
「佐々木小次郎の皮を被った農民の服と刀だ。やることが他になかったらしくてね、剣の勝負なら最強だったのだよ」
皮肉げにそう言って笑うエミヤ。一夏はしかし不思議そうな顔を崩さない。
「じゃあ、何で顔は変わらないんですか?」
「ああ、ヒーローと言えばやはり逆光だろう?と、言うわけで・・・」
君の顔はCG処理的なものでかたくなに逆光にさせて貰おう。と、真顔でギャグのようなことを言ってのける。
「さあ、早く行って眠り姫を連れ戻してくると良い」
「はい・・・じゃあ行ってくる!」
そう言って着替えた一夏はドアをくぐっていった。
「・・・士郎、今何かしただろう?」
「さあ、な・・・ただちょっとした切り札を与えただけだ」
その言葉を最後にエミヤは姿を消した。
「つーか第五次には日本の英霊もいたんだな」
雁夜はなんとなくそんなことを思った。
・・・・・
イライラする。
箒の世界で一夏はそんなことを思っていた。
やってきた偽物に箒が見せる花が咲いたような笑顔。
(何だよ、箒の奴・・・俺にはあんな風に笑ってくれないくせに)
よく分からないけど何かイラつく。その理由が分からないのがまたイラつく。渡された竹刀を握る手に力が入ってぎちぎちと軋む音がする。
(こんな奴、とっとと倒して帰りたいぜ・・・)
そう思った矢先、一夏の額に偽一夏の竹刀が叩き込まれた。
「一本!」
(う、嘘だろ・・・オイ!コイツ、滅茶苦茶強いぞ!?何が箒と同等だ、明らかに千冬姉並じゃないか!)
そんな混乱する頭に箒が偽物に向ける笑顔が冷水を浴びせ、再び燃え上がらせる。
「(面白くねえ・・・)もう一回だ!」
「ふん、何度やっても同じだというのに」
そう言って冷たい視線を浴びせる箒だが、偽物は相手になると言ってもう一度竹刀を構える。
「優しいな、一夏は」
「男として当然さ」
見ていて無性に腹が立つ・・・その気持ちを竹刀に乗せて、出来る限り頭はクールに・・・
「早く始めるぞ!」
そして打ち合い、倒される。
「まだだ!」
絶対に負けたくない。その思いが体を動かす。
そしてもう一度打ち合った。
・・・・・
「・・・遅いな」
「まあ、箒だからな。他の二人とは想ってきた長さからして、まず根本的に違う。ついでそれを長年純粋なままに凝縮してるからな・・・ぶっちゃけ、アイツの一夏には千冬さんでも勝てないだろうな」
そう言って雁夜は肩をすくめて最後のドアを見据える。
「でも、諦めなければどんな壁もぶっ壊せるし、どんな不可能も可能にしちまう。一夏ってのはそう言う奴だからな」
「ああ、その点に限れば箒の思い描く理想よりも、圧倒的に上だろう」
ひょっとしたら宝具すら再現してのけるかもね。と、切嗣はそう言った。
「まあ、現実じゃないなら有り得るか」
雁夜もそう言って肩をすくめて、もう一度ドアに目を向けた。
・・・・・
「はあ、はあ、はあ・・・」
さっきので24連敗。さすがにここまですると体がキツいらしく、何故かかたくなに顔が逆光の男は肩で息をしている。明らかに集中力も落ちているし、これで勝てるわけがないだろう。箒はそう思っていた。
(・・・だが、このくじけない姿・・・どこかで見たことがある・・・一体誰の・・・?)
対する一夏はさすがにクールに戦うことなど出来なくなっていた。
ただ、相手に勝つ。その一念でのみ体を動かす。勝って帰るためになどという雑念がだんだん薄れていき、クールとは違うベクトルで、自分の体が一本の剣になったような錯覚すら感じる。
「ぐあっ!」
25連敗。体が軋む。
「がっ!」
26連敗。限界が近い。
「げふ・・・っ!」
27連敗。次で決める!
限界にまで高められた勝つという意思。その原動力になっている幼馴染みへの感情が滾る。
「まだ終わらねえぞ!」
「良いだろう、何度でも受けてやる」
もう構えるまでもない。どうせ限界だ。受ける必要も少しもない。後のことも考えない。とにかくアイツを打ち負かすんだ!
「ああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!」
振るう太刀筋は箒の脳裏に一夏の顔を想起させ、やがてその一撃は3つになる。
一太刀目。真剣の鯉口にあたる部分を一夏の竹刀が全力で打つ。ついでもう一撃。切っ先を最初の逆側から打って竹刀をへし折る。
第五次聖杯戦争にてアサシンのサーヴァントとなった名も無き農民。彼が暇つぶしにやっていたことは剣を振ること。そして、戯れに燕を斬ろうと身につけた彼の奥義。
佐々木小次郎の秘剣として語り継がれる三太刀同時攻撃。一撃一撃が必殺の威力を誇る、第二魔法レベルにして絶対不可避の超絶奥義。
秘剣、燕返し。
その最後の一撃が・・・
「とったあああああああああああああああああああああああああああああ!」
防ぐ手立ての無くなった偽物の面を切り裂き、額を打ち据えていた。
(・・・間違いない。最後のアレはよく分からなかったが、この戦い方は間違いなく一夏だ!)
ぜえぜえと息をあえがせる一夏に駆け寄ると、箒は問い詰める。
「やはりお前は一夏・・・なのか・・・?」
一夏はさっきまでの意趣返しというよりはただ拗ねているといった様子で
「どうだか」
と、ムスッとした声で返す。そこへ偽物が一夏は俺だ。と主張するので、それがトドメになったらしい箒は完全にブチ切れた。
「五月蠅い!消えろ!」
その一声で偽物も、作り物の道場も消え失せ、一夏の顔から逆光が消えた。
「で?何故お前は拗ねているのだ?」
「・・・別に拗ねてなんかねえし、いいだろンなこた」
「お前・・・人が心配しているのに何だその態度は!」
ギクッ!一夏の背筋が凍る。
「そこに直れ一夏!成敗してくれる!」
「『空裂』!?ってちょっと待て!それは日本刀よりもヤバ・・・うわっ!」
「逃げるな!このっ・・・!」
逃げる一夏と追いかける箒。そんな森の中での追いかけっこが、何だか二人とも楽しくなってきた。一夏はなんとなく、ああ、やっぱりいつもの箒が一番良いと思い、箒は甘い夢よりもこの時間が楽しくて。
「・・・いつもと逆になってるな」
「ああ、もうちょっと見ていようか」
カリギリコンビはその様子を心ゆくまで見てから、追いかけっこを止めに入った。
・・・・・
「じゃあ、最後、行くか!」
雁夜はそう言って二人を促す。
「ああ」
「いつでも良いぜ」
二人の了承を得て、雁夜は五枚のドアと入れ替わりに現れた両開きの扉に手をついて、思い切り押した。
その扉の先に。少し離れた区域に建造中のビルを臨む夜の公園が広がっていた。
最近暇なときはツクールゲーをやることが多くなりました。最近のお気に入りは『persona~the rapture~』(綴り自信ないですけど)です。ペルソナの世界観をもったフリーゲームで、弱点とか超シビアな辺りが面白いです。ぜひ一度プレイしてみて下さい。
では次回、act37 死徒二十七祖でお会いしましょう。
ちゃおちゃおー。