原作に追いついちゃって、もうオリジナルに走るしかないので。
では、本編をどうぞ。
狭間の喉からクツクツという音が聞こえる。
「どーかな?てるみんの専用機は」
一人不思議の国のアリス、すなわち篠ノ之束の質問に対し、狭間は唇をつり上げて作った歪な笑みでもって答える。
「いいですねえ、反応速度、出力、防御力のわりに見た目は普段と変わらないのもとても魅力的だ」
そう言われて、当然とでも言うように豊かな胸を反らせる束。
「それに何より、私大好きなんですよねえ、あのゲーム」
「見た目なんかそっくりだもんね~」
「あら、気付きました?いや、会社の友人が数年前にお前そっくりのキャラがいる!とか言って私に勧めてきたんですよ。それ以来どハマリしちゃいまして」
帽子で目元を隠したまま、口元の笑みを深くする狭間。
「まあ、それからですけどね。チェーンナイフなんてピーキーな物を使うようになったのは」
「ふーん・・・まあ良いけど。で、どうどう?武装とか自信作なんだけど」
「ええ、良いと思いますよ。と言うか好きなところから呼び出せるなんて最高じゃないですか」
にんまりと、唇に凶暴な笑みが閃く。
次の瞬間。
「・・・え・・・?」
歪な肉塊が二つ、足下に転げ落ちた。
「・・・だが、研究所のセキュリティはイマイチだな」
二本の直剣が、束の両腕を斬り飛ばしていたと気付くより先に、その声は聞こえてくる。
その直剣は投擲を想定した極端に柄の短い剣で、指にはさんで一度に最大8本投げることが出来る特殊な形状をしている。また、刀身は魔力で編まれた半実体で、柄のみの状態でコートの内側などに複数本収納することが出来る。
その剣の名を『黒鍵』といい、それを使用する者達はこう呼ばれている。
聖堂教会の裏事業、埋葬機関に所属する異端狩りの
「さて、早速で悪いが、この茶番も幕引きとしたい」
乱雑に積まれた機械類と、無軌道に這い回るコードの向こう。背徳の代行者、言峰綺礼がそこにいた。
「さァて・・・それじゃあご褒美に・・・ラクにしてやるかァ!」
束の足下に広がる緑色のフィールド。そこから緑の燐光を纏う蛇頭の鎖が這い出でる。
「出血多量で意識が朦朧としているようだな」
言峰の分析に狭間はやれやれといった様子で頭を振った。
「細胞単位でオーバースペックと言っていましたが、私と同じでさすがに人間ですね・・・機能までは変わらないというわけですか・・・」
そこへもう一つの声が割り込んでくる。
「だが念のためだ、一応トドメを刺しておけ。出血が止まってから義手でも付けられてはかなわんからな。意識朦朧を通り越して狂われてはこちらの命も危ない」
そう言うのは茶色いロングコートをサンドベージュの服の上から着た白髪の男。
「分かってますよ叢雲さん。『ウロボロス』!」
ずぶり。
ちー・・・ちゃん――
・・・・・
「――ッ!」
「箒?どうしたんだよ急に」
時は流れて11月の中頃。
いつものメンバーで夕食をとっていたときのことだった。
「いや、ちょっと寒気がしただけだ。心配は要らん」
ふうん。と言って鰻玉丼を乱獲する雁夜だが、一夏は答えを聞き、更に近くから箒の顔を覗き込んだ。
「とてもそんなふうには見えないぞ。具合悪いなら送ってくけど」
「だっ、大丈夫だ!心配は要らんと言っただろう!」
ただ。と箒の顔が少しだけ俯く。
「ただ、少し嫌な予感がしただけだ」
「「「「「嫌な予感?」」」」」
声を揃えて聞き返す女子一同。
「ああ、何か、寂しいような、怖いような、そんなカンジだ」
「・・・そうか。一夏」
なんだよ。と一夏は切嗣に質問する。
「食事が済んだら篠ノ之を送ってやれ」
「おう」
頷く一夏。そんな様子を見て
「心配なのは分かりますが・・・」
「何か複雑だね・・・」
「・・・釈然としない・・・」
三者三様の反応を示すセシリア、シャルロット、簪の3人。
「まあそう言うな」
と、肩をすくめる雁夜。気付けば鰻玉丼は綺麗に狩り尽くされている。
「こういう時は一番安心できる奴にいてもらうのが一番だからな、仕方ねえとあきらめな」
それは、11月の中頃。
奇しくも、狭間の専用機、『
と、いうわけで、残った1人分の他作品枠は「アカツキ電光戦記」および「エヌアイン完全世界」より、げんじんしんでした。ダカダカしてやった。後悔はしていない。
それは置いといて、物語もついに佳境!ラスボス1人に中ボス3人という構図もできあがったところで、頑張って風呂敷をたたもうかと。
では次回、act40 強襲『亡国機業』でお会いしましょう。
ちゃおちゃおー。