> こんぶ は しょうきゅうし を てにいれた !
と、いうわけで。最後の中ボス戦です。カードは切嗣&ラウラVS叢雲。
そういやげんじんしんだけどスペース的にダカダカできなかったな・・・
では、本編をどうぞ。
速いな。内心で舌を巻いて切嗣は叢雲の刃を躱す。
壁面をこれでもかと言う程に傷つけたのは目の前で刀を振るうこの白髪の男だ。
二太刀、三太刀と振るわれる斬撃を巧みにかわしては『干将・莫耶』で攻撃し、しかしそれを躱しては弾かれを繰り返す。
戦況は膠着状態にある。切嗣はお世辞にも接近戦のプロとは言えず、どちらかというとガンナーやスナイパー、アサシンと言った言葉がしっくり来る男だ。それに対する叢雲は恐らく白兵戦においてならプロフェッショナルと言っても遜色ないだろう。
しかし不可解なのは叢雲のスピードだ。
切嗣の動きは『自分の正義』のアシストを受けており、その許す限りならどこまででもスピードを高めることが出来る。
しかし叢雲はそうではない。彼は生身の男で、ISを使うことが出来ない人間だ。であればやはりこれは生身のスピードなのだが、にしてはその動作は異常に速すぎた。
そうか。と、切嗣はその理由に思い至る。
『電光機関』。叢雲はそう言っていた。それがどういった代物かは知らないが、ラウラの牽制に使われている雷球と今の自分の状況を考えれば自ずとどのようなものかの仮説ができる。
(電光機関というのは恐らく何らかの形で電力を生み出し、そしてそれで所有者の肉体反応を加速させたり、球電を作って撃ち込んだりするもの・・・だがそんな電力を一体何から生み出すんだ・・・?)
白黒一対の刃を振るい、どうにかこの状況を打破しようと試みるがあまりうまくいっていない。
「そこだ!」
「しまっ・・・!」
キィンッ!
切嗣の手から『莫耶』が弾け飛び、ラウラがそれを見てピンチだと思ったらしく、『プラズマ手刀』を構えて突っ込んでくる。
「切嗣!」
「来るなラウラ!」
切嗣が叫んだ瞬間、ラウラの足下で紫電が走る。
「・・・此で良い」
続き、足下から迸る雷撃にラウラの体が傾ぐ。
「うああっ!」
「ラウラッ!」
「そこだ!電光機関、解放!」
たまらず切嗣の注意がそちらへ向いた瞬間、叢雲の体から雷電が迸り、切嗣達の体を大きく跳ね上げた。
高さにして2メートルちょっと。
それだけの高さを大きく跳躍すると、叢雲はそのまま二人を四方八方から斬りつけた。
「髪の色、肌の色、声も言葉も関係ない、みな平等に全て殺してしまうことが吉・・・八紘一宇」
最後に振り下ろされる一太刀。しかし、軌道が分かっていれば防御は容易い。
「『
眼前に紫電を纏う刃が迫り、危うく切嗣の顔を真っ二つに切り裂くというタイミング。
「『
エネルギー無効化能力を有する七枚の花弁が難なく叢雲の太刀を受け止める。
そして今度は切嗣のターン。
『熾天覆う七つの円環』を展開していないフリーの右手で叢雲の腕をとると、そのまま落下速度を付けて床面に叩き付ける。
「お・・・のれ・・・!」
「へえ、まだ動けるのか・・・」
「私と六○式電光服を嘗めるな!特攻電光弾!」
打ち出される巨大な雷球。切嗣は自分に迫る雷撃に対して赤いエネルギーボウガン『
「『
ドォンッ!と言う校舎中を震撼させるような衝撃を纏い、黄金のエネルギー剣が電光弾とぶつかる。
ダウンしたラウラを抱きかかえる切嗣が背を向ける前に見たのは、相殺する電光弾と『偽・螺旋剣Ⅱ』、そして『偽・螺旋剣Ⅱ』の衝撃で弾き飛ばされる叢雲の姿だった。
「・・・?セシリア・・・?3度もかけ間違えるなんて、何かあっ・・・ッ!?」
セシリアからの3度の間違いコールに不穏なものを感じた。咄嗟に切嗣が見やった方向から、かつて感じた邪悪な感じが流れてくる。
「まさか・・・言峰綺礼・・・!?」
「ええ!?何これ!?」
後ろで上がった声に振り向くと、そこにはシャルロットがいた。
「さっきから騒がしいから気になって見に来たんだけど・・・これってどういう事?」
「この男が僕らを襲撃してきたんだ。シャルロット、ラウラを医務室へ連れて行って欲しい。見ての通り気絶しているからな・・・」
僕はまだ戦わなくちゃいけない。そう切嗣が言ったときだ。
「止めておけ」
壁に叩き付けられた叢雲が、口から血を流して制止していた。
「・・・どういう事だ?」
「アレには絶対に勝てんと言うことだ。アレは次元が違う。アレはステージそのものが違・・・ガハッ!」
突然大量の血液を口から吐き出し、叢雲の体が崩れ落ちる。
「折角私に勝ったというのに・・・折角この場を生き残った・・・のに、わざわざ死にに行く必要は・・・ないだ・・・ろう・・・?」
言いながら更に激しく吐血し、叢雲は急速にその体を衰えさせていく。
「ね、ねえ、切嗣、これ、どういう事・・・?」
そんな叢雲の様子にシャルロットは顔を青くして切嗣に説明を求める。
そして切嗣は思い至る。エネルギーの調達先、叢雲の消耗、導き出される答えは少なく、選ぶことは容易かった。
「そうか・・・電光機関の電源はアデノシン三リン酸か!」
「ほう・・・よく・・・気付いたな・・・その通り・・・だ・・・」
「えっと・・・どういう事?」
「アデノシン三リン酸。別名を生体のエネルギー通貨と言って、これが言うなれば生命エネルギーって奴なんだよ」
そこまで来れば誰でも察しがつくというもの。
「じゃあ、この人は、手遅れなの・・・?」
「その通りだ。もはやこの男に生命エネルギーはない。それより急がないと・・・シャルロット、はやくラウラを連れて行ってやってくれ」
「う、うん、分かった!」
華奢な体でラウラを抱きかかえ、走り去るシャルロットを見届けてから、切嗣も嫌な感じに向かって駆け出す。
最後に残された叢雲は
「・・・全く・・・馬鹿な奴だ・・・だが・・・面白い・・・死ぬ・・・な・・・よ・・・ゴフッ!」
最後にもう一度大きく吐血して、それきりピクリとも動かなかった。
戦った順番に並べるとact41,act43→act42となります。
イベント戦を挟み、ラスボスへ・・・なんですが。土日挟んでまた受検なのでまた遅くなります。
では次回、act44 MUD ON THE HOLLY GLASSでお会いしましょう。
ちゃおちゃおー。