一応ラストバトルとなります。何とか高校に学籍があるうちに完結させたいものだ・・・
では、本編をどうぞ。
いざ目の前にするとやはり全身が総毛立つような悪寒に晒される。
やはり自分は本能的にこの言峰という男が苦手なのだ。
しかしそれとは別になんだろうか。頭の中で何かがガンガン喚き散らす。
「やはり貴様か、言峰綺礼」
「久しいな衛宮切嗣」
切嗣と綺礼のやりとりをどこか別のところのやりとりであるかのように聞いている。
(ああ、頭が痛い。さっきから何なんだ。言いたいことがあるならハッキリと言え。)
切嗣が『サバイバルナイフ』と『コンテンダー』を展開し、綺礼が黒鍵をぬいた。
その時だ。雁夜の目が吸い寄せられるように黒鍵に向く。
(そうだ、思い出した・・・
そう思うと、ひりひりと焼け付くような感情が深いところからわきあがってくる。
ソレは多分憎悪とでも言うべき代物なんだろうが、雁夜はしかし敢えてそれを無視して、切嗣の隣に並び立った。
「オレを忘れて貰っちゃ困るんだがな」
「間桐雁夜。間桐臓硯にやたらと遊ばれて壊された貴様が何をしようというのだ?」
「あの時はあの時、今は今だ・・・とはいえ、まあ、また失敗するのもシャクだからな・・・オレ達でお前に相対させて貰うぜ」
言うや、雁夜は右手に『転輪する勝利の剣』を、左手に『無毀なる湖光』を握りしめて言峰に殺到する。
「おらあああっ!」
クロスに薙がれた刃を躱し、綺礼が振り上げた脚を、雁夜はしかし来るのが分かっていたかのような動きで躱してしまう。種を明かせば簡単なこと。要するに雁夜は『相手の気持ちになって考えている』だけなのだ。綺礼が八極拳使いなら雁夜もそうだ。如何にレベルが違えども拳士相手なら雁夜の直感は圧倒的的中率を誇る。
そこに飛び込む切嗣のサバイバルナイフ。
しかし二人からの攻撃を受けてもなお綺礼の余裕は揺るがない。
「はあっ!」
初撃。ハイキックが雁夜の顎を捉え、そのまま上げた脚で切嗣の頭を蹴り飛ばす。
「くっ・・・このっ・・・!?」
身を起こした雁夜の眼前には既に綺礼の姿。
続く連撃は避けることが出来ず、狭間戦で傷ついた体に更にダメージを受ける。
「予測していないとでも思ったのか?」
二人の窮地を救うべく行われた2度目の奇襲。綺礼は華麗なバク宙で白い光条を躱すと、そのまま流れるような動きで黒鍵を投擲、鉄甲作用を使用した攻撃で非固定部位の一つ、片方のスラスターが破壊される。
「いつまでもいい気になってんじゃねえぞ言峰エ!」
両手持ちにした『無毀なる湖光』を片方の黒鍵で受け止め、もう片方で切嗣のサバイバルナイフを受け止め、両手のふさがった綺礼はしかし唇に張り付いた笑みを引っ込めようとはしない。
「はああああっ!」
黒い魔力の渦が3人をまとめて吹き飛ばした。
少し離れた一夏をも巻き込むのだからその威力は推して知るべしというモノだ。
「・・・何だよ今のは!?」
「わからねえ、だが、まるで沢山の人間の叫びみたいだった・・・」
一夏の問いに雁夜が考え込む素振りを見せ、切嗣ははっと目を見開いた。
「・・・
「理解が早いな、衛宮切嗣」
ご名答とでも言わんばかりに綺礼の唇が上限の三日月をえがき、切嗣達に不快感を懐かせる。
(だが、そうなると厄介だな・・・奴の魔力はほぼ無尽蔵。聖杯のバックアップであの切り返しをどんどん使ってくるだろう・・・)
それに。と切嗣は眉間の皺を深くする。
(こっちはさっきも戦っていたから消耗が激しい。長期戦になればなるほどあちらが有利というワケか!)
切嗣の頬を一筋の汗が伝い落ちる。その時だ。雁夜がプライベート・チャンネルを送ってきた。
<切嗣、さっき打ち合ったときに思ったんだが、言峰綺礼は生きてねえと思う>
<生きてないってどういう事だよ?>
一夏の質問に雁夜は
<あいつの体、血が通ってないんだよ。鼓動も全く感じない>
と答えた。それを聞いた切嗣はなるほどと内心で膝を打った。
<つまり、奴の体を維持しているのは魔力だと言うことか!>
そう、考えてみれば簡単なロジックだ。
綺礼は聖杯から無尽蔵に魔力を受けていて、魔力を通せば人形だって動くことが出来て、言峰綺礼は死んでいる。
この情報から導き出される答えはそれしか有り得ない。
<よく分かんないけどさ、だったら切り札は・・・>
<ああ、そうだ>
<僕の・・・『起源弾』・・・!>
活動中の魔術回路そのものを破壊する魔弾。
常に強い魔力を流して肉体を維持する今の言峰綺礼を倒すには最も有効な手段だ。
(魔力が暴走し、回路が破壊されれば奴の肉体は維持できない、まさに一撃必殺・・・)
<ならまずオレが仕掛ける。なんとかして時間を稼ぐから、切嗣はそこに撃ち込め!>
<分かった。それなら・・・一夏、もしも動けるようなら、君がトドメを刺せ。あの亡霊を強制的に成仏させるんだ>
分かった。と言う返信が来たところで、作戦を開始する。
「話し合いは済んだかね?」
「ああ、行くぜ!」
雁夜の掌が上向きに広げられ、その手が青いカードを握りつぶす。
「セイバー!」
「『
切嗣が大量の銃弾を放って綺礼の動きを縫った。
続けて雁夜が両手に宝剣を握りしめて突撃を仕掛け、綺礼の黒鍵と切り結ぶ。
「ほう、それが霊格憑依か」
「お前・・・切嗣じゃなくてオレのことまで調べ上げたのかよ・・・何だ何だ?ストーカー?」
激しく切り結びながら雁夜は言い返す。
人聞きの悪いことを言うものではないな。綺礼はそう言って苦笑し、余裕たっぷりの表情で巧みに黒鍵を操り、宝剣の動きを封じた。
「ふざけんな!」
拘束を力任せに振り払い、鳩尾に強烈なニーリフトを叩き込み、頭頂部を『無毀なる湖光』の柄で打ち据える。
「コイツで・・・!」
続けて『転輪する勝利の剣』で追撃しようとしたとき、不意に雁夜の動きが遅くなる。
「惜しかったと言わせて貰おう」
「くそっ・・・エネルギー切れかよ・・・!ぐえっ!」
蛙が潰れるような声を上げて吹っ飛ぶ雁夜。蹴りを放つ動きのままで流れるように腕を振るい、切嗣に黒鍵を投げて吹っ飛ばす。
しかしそれでもただでは終わらない。
「ぬうっ!?これ・・・は・・・蟲!間桐雁夜・・・!」
不意の痛みに顔を向ければ綺礼の脚に雁夜の蟲が食らいついていた。
そして次の瞬間、銃声が響いたかと思うと、綺礼の腕が急に落ちた。
力が入らない。おかしい。何故視界が赤いのか分からない。
ただ、一つだけ確かなことは。
「行け、一夏!」
「ぶった切れえ!」
切嗣と雁夜の檄を受け、白く輝く刃を構えて
「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!」
喉が張り裂けるかと思うような雄叫びと共に突っ込んでくる一夏の姿が映ったこと。
ざん。
そして、直後に視界が断絶し、全てが暗い闇に閉ざされたことだけだった。
ネタがないなあ・・・と、言うわけで、今回は即座に次回予告へ移行させて頂きます。
そろそろ一夏のルートを確定させないと・・・
では次回、act46 後始末でお会いしましょう。
ちゃおちゃおー。