IS/stay scape   作:昆布さん

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P4Aシャドウ直人戦の完二があまりにも主人公過ぎて死にたくなる俺がいる・・・と、それはともかく、大学受験、一段落しました!前期入試は一応全て終わったので結果次第で受験終わりとなります!
と、いうわけで。前口上はこのくらいに。
では、本編をどうぞ。


act46 後始末

がく。と。『雪片弐型』を振り下ろした姿勢のまま、一夏の体が崩れ落ちた。

「・・・はあ、はあ、はあ・・・お・・・終わっ・・・た?」

全身から血を流し、仰向けに倒れた体を大きく横切る三つの裂傷。

「ああ、そのようだな・・・ぜえ・・・ぜえ・・・」

上半身だけを起こした姿勢で、荒い息をついて切嗣が観察するその男は、血に汚れた、防護呪符付きのカソックを纏っている。首から提げたロザリオは大きく歪み、茶色がかった髪は血で完全に固まっている。

「・・・勝っ・・・た・・・のか・・・?あの・・・言峰・・・綺・・・礼・・・が・・・これ・・・で・・・終わり・・・?」

息も絶え絶えで、雁夜は実感のこもらない声で言う。

なにせ相手は聖杯とリンクした、擬似的な小聖杯のようなものだったのだ。それが自分たちに倒されたなど、そう簡単に信じられるものではないだろう。

だが、倒れた言峰はピクリとも動かない。

切嗣によって全身の魔術回路をズタズタにされ、雁夜の蟲に脚を貪られ、そして一夏の最後の力を振り絞った燕返しをその身に浴びて、綺礼の肉体は正しく死んでいた。

「・・・俺が・・・殺した・・・?」

その様子に戦慄し、一夏は身を震わせる。そんな一夏の肩を、切嗣は優しく叩いた。

「言峰はどのみち死んでいた。もとより死体であった言峰は聖杯の魔力を受けて生きていた、いわば聖杯の使い魔のようなもの。これが正しかったんだ・・・起源弾が着弾した時点で奴の死は確定していた。だから一夏、君が気に病む必要はない」

「そうそう、幽霊にお経を唱えるようなモンさ、気にせず勝ったことを喜ぼうぜ」

呼吸が戻り、『全て遠き理想郷』の治癒効果を使用してすっかり元通りの雁夜が切嗣に続くと、一夏は少しだけ安堵のため息を漏らした。

 

・・・・・

 

・・・むう。実働部隊の中でも奴らはトップクラスに使える人材だったんだが・・・

まあ、死んでしまった以上、仕方在るまい。

それに言峰は危険だった・・・奴らが消してくれてほっとしている

ふうん。じゃあ私が消えたのもほっとしているのかなー?まあ生きてたけどね。いやー、ホントに死ぬかと思ったよ~

!

き・・・機械の・・・腕・・・?それだけで・・・それだけの処置で・・・再起したというのか!?貴様は!?

貴方・・・本当に人間なの!?

まあ、くーちゃんにも怖い思いさせちゃったしさあ・・・借り、返せよ

あ、あっ、あああああああああああああああああああああああっ!!!!!

 

・・・・・

 

その男は繋がれていた。

「テメエ・・・俺をどうするつもりだ?」

血でべっとりと汚れた口元は凶暴な表情に歪められている。

乱れた髪の色は緑で、千冬を睨め上げる金の瞳はギラギラと輝いている。

「そう・・・だな・・・とりあえず貴様には、発電作業をして貰う」

「発電・・・だと?おいおいおいおいそいつはどういう事だ?説明してくれよ。それとも、あんまり殴られたんで脳味噌イカれちまったか?ええ?『ブリュンヒルデ』・・・!」

狭間の目がそこまで言ったところで驚愕に見開かれる。

その手にあるのは叢雲の死体から回収した一見用途不明の機械。

狭間はそれがどういう代物であるか理解していた。

「テメエまさか、俺をそいつの電源にするつもりか!?」

「それ以外に何がある」

それが貴様に与えられる罰だ。とだけ言って、千冬でも引き千切ることが出来ない強固な鎖に四肢を繋がれた狭間に近付いていく。

「何、社会貢献だと思えばいいさ」

電光機関を狭間の体に取り付けると、そのまま電力が全て学園に流れるようにセットして、千冬はその部屋を立ち去った。

 

・・・・・

 

「はあ・・・とりあえずこれで全部片付いたって事かな・・・」

取り調べ、そして備品に一切気を配らずに大暴れした件での反省文も提出し、一夏は感慨深げにため息を漏らす。

だが、それを遮る声が1つ。

「いや、まだ終わりじゃねエな」

そう言って一夏を見やるのは雁夜だ。切嗣も鈴もラウラも、一様に雁夜の言葉に相槌を打っている。

「一夏、お前、決めたのか?」

「決めた?一体何のことだ?」

きょとんとした一夏の台詞に雁夜は盛大なため息を1つ漏らす。

「この朴念神が・・・」

そう言ってから、雁夜はふと思いついたように提案する。

「そういやよ、今年の初詣は神宮に行こうと思うんだが、どうだ?」

「どうだ、というのはつまり、楯無さんを含めたいつものメンバーで年末年始旅行に行こうという話か?」

まあかいつまんで言うとそう言うことだな。と、雁夜は切嗣に答える。

「そんじゃあ今いない楯無さんと箒達にもにも伝えてくっから、俺と鈴は先に戻る」

「じゃ、また明日ね!」

軽く手を上げてじゃあな。と言い、雁夜は鈴を伴って寮へと歩いて行った。

「そうだな。僕らも疲れたし、戻ろうか、ラウラ」

「ああ、ではな、一夏」

「お、おう・・・」

気付けば一人残される一夏。実を言えば、雁夜の質問の意図は分かっていた。

いい加減相手は一人に決めろ。そう言っているのだ。

だが、決めかねているからこそ、一夏は今こうしている。

箒、セシリア、シャルロット、簪、楯無。

浮かんでは消える大切なの顔。

その全てを曇らせたくなくて、一夏は迷うのだった。

そして、時間は流れ、12月29日、旅行の日がやってきた。

とりあえずとある海辺の街に宿を取り、大晦日にはシャトルバスで天照大神のお膝元へ。どこかで見たことがある、眼鏡をかけて無精髭を生やした間抜け面の受験生の、父親とおぼしき男から網を借りて配られた餅を焼く。なんでも、大きな篝火でこの餅を焼くと、一年間は無病息災で過ごすことが出来るという。

そしてシャトルバスで再び宿へ。もうじき、年が明ける・・・




自家発電設備、狭間・・・狭間のキャラ付けとしては調子こいた後で凄いしっぺ返しを喰らうイメージで作っているので、今回はその極致ですね。
しかしありそうだということでやっちまいましたけど、人間離れしすぎだろ天災・・・
ちなみに最後の所の「眼鏡をかけて無精髭を生やした間抜け面の受験生」は、言うまでもないですけど俺です。っていうか大晦日に長柄の網で餅焼いてたのがウチしかいなかったんですよ。直接薪の上に置いて、軍手履いた手で直接取りに行っていた勇者はいましたけど。
一夏は一体誰を選ぶのか?
では次回、act47 一夏の決断でお会いしましょう。
ちゃおちゃおー。
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