IS/stay scape   作:昆布さん

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しかしactというと何故かエコーズを想像してしまいますね、ネタ的なカンジで囁かれてるact4は喰らいたくないものでございますけども。上背は割に大事だ!


学年別個人トーナメント
act5. 3人の転校生


誰しも明日が月曜日というのは嫌なモノだととある女囚はそう言った。

しかし明日がよりも嫌なモノとしてそのもの月曜日の朝が挙げられる。

そんなわけで、雁夜は普段通り若干苛ついたようにも見える気の抜けた顔で廊下を歩いていた。

何度かあくびを咬み殺しながら1年1組に到着した雁夜は

「ちーす」

と軽い挨拶をして自分の席に向かう。

「あ、間桐君」

茶髪の特徴が薄そうな少女が雁夜に話しかける。彼女の名前は、確か・・・

「おはよ。岸波さん」

岸波白木(シラキ)。たしか友人である岸波白野(ハクノ)の双子の妹だそうで、顔立ちとか雰囲気が似ている。

「今みんなスーツの話してるんだけど、間桐君のISスーツってどこのなの?」

ISスーツというのは簡単かつ乱暴に意ってしまえばロボット物に出てくるパイロットスーツのようなモノだ。というか某機動武闘伝のスーツと似たような物だ。

「たしかオレと一夏のヤツはイングリッド社のストレートアームモデルを元にした特注品だってさ」

伝聞だけどな。といってニヤリと笑う雁夜。

「さて、そろそろ織斑先生が来るから岸波さんは席に戻ってな」

「ん。じゃ、またね~」

実際はそうではないのだろうが、まるでタイミングを計ったかのように千冬と山田先生が教室にやってきた。

「え~と、今日は転校生を紹介します。3人いますけど他の教室の迷惑にならないようにお願いできますか?」

そう前置きして山田先生が教室に呼んだのは・・・

一人目。銀髪の小柄な少女。左目の眼帯はなんだか某デルンを彷彿とさせる。いかにも「私は軍人です」的な雰囲気。

二人目。金髪碧眼で長い髪を後ろで束ねている男子の制服を着た生徒。

三人目。黒い短髪を無造作に散らし、死んだ魚のような目をしている。

まず最初に進み出たのは金髪の少年。

「シャルル・デュノアです。フランスから来ました。この国では不慣れなことも多いかと思いますが、皆さんよろしくお願いします」

「・・・男・・・?」

一夏の呟きに対してシャルルは頷き、

「はい、こちらに僕と同じ境遇の方がいると聞いて本国より転入することになりました」

お次にどうぞというシャルルのジェスチャーに少しだけ眉根を寄せた黒髪はにまにましている雁夜をまるでガンドでも撃つんじゃ無かろうかというくらいの目で睨み付けた後、ため息を一つ落とした。

「衛宮切嗣。一昨日ちょっとしたテロに出くわし、犯人の機体が僕に反応したことから、ここへぶち込まれました。趣味はモデルガンのコレクションとSTG、よろしくお願いする」

無反応。

というかチャージのような沈黙。

一夏の目配せで雁夜と切嗣が同時に耳をふさいだ。シャルルは何が起こるか分からないといった様子であったが・・・

「きゃ・・・」

「はい?」

((魔術障壁展開!対象範囲・・・外耳道及び聴感覚器官!))

(来るッ!)

「きゃーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!」

「「「「「「「ぎゃーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!」」」」」」」

言うまでもないことではあるが一応捕捉しておくと

上・教室中の女子

下・男子連中+セシリア、箒、校外に彼氏が居るらしい白木、山田先生

である。

「男子!更に二人の男子!」

「しかもうちのクラス!」

「美形!守ってあげたくなる系の!」

「衛宮君の落ち着いた雰囲気がいい!」

「地球に生まれてよかった~!」

無論当然の結果であるが、「ぎゃー」の方は未だに頭がぐわんぐわんするらしく、頭を振ったり抱えたりしている。

「あー、騒ぐな、静かにしろ」

心底めんどくさそうにぼやく千冬の顔色は何一つ変わっていない。さすが我らが担任!俺達に出来ないことを平然とやってのける!そこに痺れる憧れるゥ!

「駄作者、ちょっと黙れ」

「う~・・・皆さん、自己紹介、終わってませんから静かにして下さい」

沈黙。

・・・沈黙。

・・・・・・沈黙。

「先生、とりあえず僕ら座っていいですか?」

「え、ええ、どうぞ」

……・・・沈黙。

(これは・・・)

(むう・・・)

(はじめからこの空気は・・・)

(((キツい・・・)))

はあ。と千冬がため息を一つ。

「挨拶をしろ、ラウラ」

「はい、教官」

(ふぅん、ドイツの軍人さんか・・・)

切嗣が成る程ならあのサバイバルナイフのような在りようにも納得だと合点をする目の前で『軍人』と『教師』の会話が行われる。

「ここではそう呼ぶな。私はもう教官ではないし、ここではおまえも一般生徒だ。私のことは織斑先生と呼べ」

「了解しました」

(イヤおまえ絶対了解してないだろ)

これは雁夜の一人ツッコミ。

「ラウラ・ボーデヴィッヒだ」

「・・・そ、それだけですか?」

「以上だ」

短い。短ランよりも短い。そりゃもう雪国での真吾の学ランの袖並にあってなきがごとしな短さだった。

山田先生がなきそうになるのを無視してラウラは教室内を見回す。

「っ!貴様が―」

そう言って目のあった一夏のほうへ歩み寄っていった。

(へ?俺?)

ガシッ!

「初対面で平手っておまえちょっとそりゃ無いんじゃないの?」

一夏には何が起こったのかは分からないが、気付けば隣に座る雁夜の腕がラウラの平手を受け止めていた。

「・・・」

「ガン無視か・・・傷つくなあ・・・」

と、そこでおどけ調子だった雁夜は気付く。

ラウラの目は雁夜を通り越して一夏に向けられたままなのだ。

「私は認めない」

「は?」

「貴様があの人の弟であるなど、認めるものか」

つかつかつか。さっさと言いたいことだけ言ってラウラは自分の席に着いた。

と、ここで千冬の号令。

「ではHRを終わる。各自は着替えて第二グラウンドに集合、今日は二組と合同でIS戦闘訓練を行う。解散!」

「うし、じゃあいくか」

「任せる」

一夏が気付いたときには既に切嗣が雁夜と肩を組んでいた。何というか、何をするのか容易に想像がつく。

「しっかり覚えろよ?」

「留意するさ」

切嗣をくっつけたままで雁夜が『活歩』の歩法を使い、瞬時に教室から消えた。

「・・・あー・・・織斑」

「・・・なんすか?」

「デュノアの面倒を見てやれ。同じ男なんだからな」

「わ、わかりました」

何というか、めちゃくちゃ気まずい。いつもながら弾丸ダッシュの雁夜であるが、それが人一人くっつけてできるとか誰も想像してなかったという顔だ。

「き、君が織斑君?はじめまして。僕は・・・」

「ああ、いいから。とにかく移動が先だ。女子が着替え始めるから」

 

・・・・・

 

「・・・で、親父さんの遺品から見つかったコアがおまえに反応したってことか?研究材料の?」

「ああ、武装は急遽先生に手配して貰う形になったが、通常兵器ばかりだからそう時間はかからなかったさ」

切嗣の二の腕には翼のついた剣のような意匠の施されたバングルがついている。それこそが切嗣の専用機、『正義への贄(スケープトゥジャスティス)』の待機状態だ。

転入が決定したその日に荷物の整理をしていた切嗣は死んだ父の部屋をついでに片付けている時、本の山の奥で彼を待つように佇む『正義への贄』を見つけ、それを専用機とした。

その装備は通常の軍用兵器を複数搭載した物で、キャレコM950短機関銃、対人手榴弾、スタングレネード、発煙筒、C2プラスチック爆弾やクレイモア対人地雷など、非常に幅広い装備を有し、近接戦闘に備えてのサバイバルナイフを備えている。

「とはいえ、まだ万全じゃないんだろ?」

「まあ、コンテンダーとワルサーWA2000は手に入れるのが難しいからな」

などと喋っている内に着替えを済ませ、二人はグラウンドに向かった。

なお、その途中で一夏とシャルルとすれ違ったが、二人は時間に追われる身の上であったため、雁夜達には気付かなかった。

 

・・・・・

 

その後、『リヴァイヴ』の制御をミスった山田先生が降ってきて、一夏と健全な15歳男子にとってかなりマズイハプニングが起こったり、山田先生と鈴&セシリアペアによる模擬戦が行われたりしたが、IS起動訓練を行う段にこぎ着けたのだった。

「専用機持ちは織斑、オルコット、間桐、デュノア、ボーデヴィッヒ、衛宮、凰の7人か。では、各グループ6人で実習を行う。各グループリーダーは専用機持ちがやること。いいな?では分かれろ」

言い終わるや否や当然と言えば当然だが、クラスメイト達は一夏、雁夜、切嗣、シャルルの4人に集中してきた。

「・・・この馬鹿どもが・・・。出席番号順に順番に分かれろ!織斑、オルコット、間桐、衛宮、デュノアの班は6人、他は5人のグループだ!次にもたつくようなら今日はISを背負ってグラウンド百周させるからな!」

額を押さえながらの低い声にみんな一瞬だけ身をすくませ、すぐにグループを作り上げた。

「ふぅっ・・・最初からそうしろ、馬鹿者どもが」

ちなみにこの後もぼそぼそとおしゃべりが続く。

「・・・やったあ。織斑君と同じ班っ。苗字のおかげねっ・・・」

「・・・うー、セシリアかぁ・・・。さっきボロ負けしてたし。ハァ・・・」

「・・・間桐君、今度拳法教えてね・・・」

「・・・凰さん、よろしくね。後で織斑君のお話聞かせてよっ・・・」

「・・・デュノア君!分からないことがあったら何でも聞いてね!ちなみに私はフリーだよ!・・・」

「・・・衛宮君の射撃ってどれぐらい当たるの?・・・」

「……」

ラウラ班、会話が無いどころかお通夜である。かくして基本的にわいわい(一部除く)と実習は進み、終了したのだった。

 

・・・・・

 

「・・・どういうことだ?」

「いや、天気もいいしみんなで食べたほうがうまいだろ?」

昼休み、一夏たちは屋上にいた。今日は天気がいいのでみんなで屋上で食べないかと一夏が提案したわけなのだが、先ほどの授業で一夏の班になった箒はその実習中に一夏を食事に誘っていた。箒は2人きりで食べたかったのだがそんな気持ちに一夏(キング・オブ・唐変木)が気づく筈がなく、みんなで食べたほうがいいからといってセシリアたちを誘ったのだ。2人きりで食事するつもりだった箒は思わずため息をついてしまった。せっかく一夏の分まで弁当を作ったのに・・・という気持ちがあふれて箒の周りだけ若干暗い。

「2人きりで食べるはずだったのに・・・」

「箒、何か言ったか?」

「っ!なんでもない!」

「なんなんだよ・・・」

雁夜と鈴は「オレは馬に蹴り殺されるつもりはねえ」「お邪魔しちゃ悪いから」といって二人連れ立って学食へ行ったのだが、セシリアとシャルル、切嗣は同席していた。

「一夏さん、私も今朝はたまたま偶然何の因果か早く目が覚めまして、こういうものを用意してみましたの。よろしければおひとつどうぞ」

きれいなサンドイッチがセシリアのバスケットに並んでいるのだが、一夏の顔は青い。

「お・・・おう、後で貰うよ・・・(ぐう・・・)」

「?普通に美味そうだと思うんだが?」

切嗣が首を傾げ、セシリアに僕も一つ貰うよと言いながらサンドイッチを一つ頬張った。そして・・・

「・・・ガハッ!?」

「切嗣ううう!?」

「衛宮あああ!」

「!?え!?ええ!?ちょっと、どういう事ですか!?」

「まさかセシリアって・・・」

切嗣が震える手で、指先についたマヨネーズを使い、テーブルに字を書く。

「「「ダイイングメッセージ!?」」」

やがて力尽きた切嗣の書いた文字はたった一言『テロい』だったという・・・

ちなみに、切嗣はきちんと一夏が保健室まで運びましたとさ。

その際、「ぅ・・・麻婆・・・辛い・・・麻婆・・・辛い・・・」とうわごとを漏らす雁夜が寝込んでいたのは見なかったことにしておく。




EXTRAネタをいくつか。ちなみに岸波さんのデザインはザビ子です。今作におけるザビ子はザビ男の異性一卵性双生児という設定です。後今回はKOFネタも少々。某デルンとか、真吾の短ランとか。2000でクーラが出てくると真吾はかなりヤバイと思う。どこだろうと凍るし、半袖だし、一般人だし。
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