前、いいかしら。
女の声に気付き顔を上げると、エコーがそこにいた。
周囲を見れば席なぞいくらでも空いているのに、わざわざその男の対面の席をチョイスしているあたり、何か男に話があるのだろう。
エコーか。…勝手にするといい。
男がぶっきらぼうにそう言うと、エコーは困ったように苦笑いをした後、自分の食事が乗った盆をテーブルに置き、席に着く。改めて同じ目線で見てみれば、男の顔のなんとやつれていることか。色白なのはデューマンだから仕方がないとして、その目の下のクマ。わざわざペイントしているのではないかと疑ってしまう程に深く刻まれている。頬もこけ、目も虚ろ。カフェに来てまで、あの悪名高き無名レーションを食べているあたり、精神的に追い詰められているのだろう。ちなみに無名レーションとはアークス創設初期から作られているレーションで、誇れる点は栄養価と消化に良い事のみ。極彩色のペースト、劣悪な歯触りと舌触り、挙句の果てに胃もたれを誘発する、歴史しか重ねていないクソマズレーションである。罰ゲームのお供として最適。…そんなものを嫌な顔せず無表情で食べているのである。エコーとしては、正直神経を疑わずにいられない。
それ、美味しいの?
味なんぞ付加価値でしかない。安いからな。
黙々とペーストを食べながら答えるも、エコーは違和感を感じとる。
そういえば、エコー。お前さんはいいのかこんなところで油を売っていて。今頃ゼノも腹を空かせているところだろう。
まぁ、それはそうなんだけれど。…ちょっと、貴方が気になって。
飯時にか。そのうえ俺についてとは、なんともマニアックだな。他を当たれ。邪魔だ。
そういわずに。…じゃーん、これ何だと思う?
と、エコーはある本を取り出した。“夢診断”と題された本だ。
眠れてないんでしょ?毎日毎日ふらふらしてて、危なっかしい…おねーさんこれでも夢診断は得意なんだよねー。不甲斐ない先輩だから、このくらいの事で点数上げようと思ってね。
男は黙々とレーションのペーストを口に運ぶ。特にエコーの顔を見ることもなく、興味もないように、ただ目前の食事に夢中…でもないようだった。
じゃあ、まずは貴方が最近見る夢を教えてください。
エコーのおちょくるような暢気な声にいら立ったのか、フォークをレーションの容器にダンと突き立て、つまらなさそうに淡々と語りだす。おぞましい、自分自身の夢について、何も考えないように、つまらないように言葉を紡ぐ。
そうさなぁ、まずは、俺がマトイの腹の中から出てくるところから始まる。
!!!?
常軌を逸した夢の内容に吹き出しそうになる。が、何とかこらえる。…そして困惑する。そんなおぞましい内容の夢、どうやって診断すればいいのよ…!
マトイが悲鳴を上げながらも、俺はマトイの腹の中から出ようと必死に暴れて…俺はマトイの中から脱出する。ちょっと視線を下すと、下腹部に穴の開いたマトイの死体が転がっている。口からも股からも血を吐いて、なんともいいご身分だ。ゴミ分だ。
………。
そのままウロウロ歩いていると、市松模様のフローリングの部屋に辿り着く。そこにはドレスを着たマトイが立ってて、バックではクラシックだかジャズだかの音楽が鳴ってる中、俺とマトイは踊る。社交ダンスと言うんだったかな。そのまま、マトイの顔がやけに近い事に気づいて、そのままマトイに押し倒される。床だと思ってたんだが、いつの間にかベッドに早変わり。ドレス着てたはずのマトイもベビードールなんざ着て、俺を露骨に誘惑しようとしてくる。そして俺はそのまま、マトイを殺すんだ。心臓に腹に首に顔に剣を突き立てて、何度も何度も突き立てて殺す。ベッドの上が血塗れになった事も気にせず、俺はモノクロの部屋を出る。そして、部屋の外には何もないんだ。闇そのものなんだ。真っ暗で、その中を延々と歩かされる。何時間も歩いて、唐突にマトイの声が聞こえる。
……………どんな。
『ずっとあなたをあいしてる』…そして、俺は目が覚める。…いつも同じ夢だ。今までなんとか殺してきたが、いつか擦り切れてあの女を受け入れてしまうような事があれば…で、どうなんだ、俺は。
エコーは戸惑う。それと同時に顔を両手で覆う。頭痛がしてきた、胃ももたれてきた。この男、もう既に死んでいても可笑しくない。明らかに精神を病んでいる。…確かにこの男には、病むどころか廃人と化しても可笑しくない程の経験をしている。むしろ、その方がこの男にとって幸せだろう。…死んでいても可笑しくない、死ぬしかなかった男が未だ生きて、アークスとして活動しているというのは。
嗚呼、なんと、罪深い。
………ごめん、わからない。
エコーが申し訳なさそうに謝罪するが、
そうか。
男は興味なさそうに適当に返事をする。本当に興味がないように、つまらないように、価値がないように、意味の無いように。
…私、もう行くね。
いたたまれなくなり、逃げるように席を立つ。男は何も言わない。何も言わず、突き立てたフォークを抜き、それで不味いレーションを食んでいる。
ふと、男の手の甲に目が行く。
フォークを手に、ペーストをつついている男の手の甲。長袖の衣服からチラと覗く手首から手の甲。
闇色のヒビが見えたのは、気のせいだろうか。
……気のせいよ。
自分に言い聞かせて、自分では何も出来ないのだろうと諦めて、エコーはその場を去った。
ずっとあなたをあいしてる。
声が頭から離れない。
肉の感触が、未だ残っている。
あなたのゆめになれるなら。
……停滞は許されない。
自分自身を殺し、女を殺し、世界から恨まれ。
それでも俺は、進まなければなるまい。
「死体の山を築こうと、一人の例外も許されない」
あらゆる悪の可能性を潰す。
「何故なら俺は、その為に」
★
「何を恐れる必要があるのよヒツギ。いつも通りいつものようにやればいいの!よし………ッ!」
ヒツギが何かしらの意気込みをし、振り返ったそこにはマシンガンの銃口があった。引き金を引けば正確にヒツギの眉間に弾丸が当たるよう構えられており、飛び退く事もできず言葉を失い硬直する。
マシンガンの銃口から少し目を動かすと、或る男が銃を構えていた。
色白の肌に真っ白な長い髪、右の眼は血のように赤く、左の瞳は金色に輝いている。そんな男が、無表情でこちらに銃口を向けている。戸惑いも躊躇も迷いもなく、仕事と言わんばかりに銃口を突き付けている。
「シエラ、こいつが今日の同行相手か」
『ああもう!どうしてあなたはそう、やる事なす事物騒なんですか!!?ああもうごめんなさい…ヒツギさん、で合ってますか?』
男の擦り切れたような声と、通信機からは女性の声。女性の方は戸惑うようなたしなめるような口調で男を咎めた後、ヒツギの名前確認の為に声をかける。
「そ、そうだけど…」
男の威圧感で指の先まで動くことができず、何とか肯定の声を振り絞る。その声を聞いた途端に、男は銃を下げた。よく見ればそれはサブマシンガンであり、どう見ても人に向けるものではないような口径をしていた。
『初めまして。私はアークスシップ管理者兼オペレーターのシエラといいます。そしてこちらの…やる事なす事物騒でぶっきらぼう、なおかつ目が死んでるそこの男性は』
「言葉が過ぎるぞシエラ」
『ハイドラシアさん。今回の任務の同行者です』
シエラの紹介に苦言を呈すも無視され、男の額に一瞬だけ青筋が浮かぶ。上の空といった表情で佇んでいるあたり、特に話を聞いていないと予想したがそうでもなかったらしい。…興味深い一面を覗き、ヒツギはある種の優越感を得る。が、その名前を聞いてすぐに青ざめる。
「……ハイドラシアって、あの、ですか」
『………はい。あの、です』
ヒツギの戸惑いと恐怖の声に、シエラも苦虫を噛み潰したような表情で同意する。
男の活躍と名前は既にアークス全員に知れ渡っており、ある者は恐怖し、ある者は畏怖し、ある者は憐れむ程の知名度である。曰く、世界を守るために恋人を惨殺したとか…。
(そんな危険人物とどうして一緒に任務なのよぉぉー!バグだ…絶対にバグ。さっさかログアウトしてバグ報告したいんだけど…流石にこの人たちの目の前で消える訳にもいかないしね…うわー、すっごい怖い……)
「で、でも、どうしてそんな人と、わ…僕が任務を?」
私と言いかけて一人称を言い直したヒツギであったが、男は眉をひそめた。一方シエラは何も気づいていないようにヒツギに説明を始める。
『【深遠なる闇】が消滅した現在、ここ壊世区域が消え去ってもおかしくないはずですが、こうして残っているのです。…【深遠なる闇】以上の敵性存在がいてもおかしくない状況で、現在アークス内でトップの戦績を誇るこの方に対処していただくのと、貴方は…この方の指名で』
「この年になって、後続の育成に興味が湧いただけだ。もっとも、俺の戦闘技術は異質も異質。誰彼真似できるようなものでもないが」
シエラと男による虚偽の説明であるが、ヒツギには納得がいったようで
「そ、そうですか…では、よろしくお願いします。見たところ危険な気配もありません。さっさと終わらせてしまいましょう」
と、形式的な挨拶をし、そそくさと前に出る。冷静な判断力を持っていたのであれば、先ほどの説明の虚偽に気付く事は容易であるものの、出会い頭に銃口を突き付けられ、恐怖と焦燥でヒツギの判断力は大いに低下している。
『…どうですか』
「アレを適当に吊るし上げれば、聞いてもいない重要情報をベラベラ吐いてくれるだろう。…どうする、今やるか」
『まだ駄目です。…というか、我々は“疑念を抱いている”ってだけで、敵対しているわけではないのですが…物騒過ぎですよハイドさん』
「………」
名前を略され男はまたも苛立つ。が、さして気にする事でもないのは百も承知である。
とにかく、と両手にマシンガンを構え、男はヒツギの後を追う。
★
「や、やぁ!」(うっわー、よっわ。一応必死なフリするけどさぁ…それより)
「破壊だ」
男が両手のマシンガンで発砲すると、その銃口に似合わない大きさなフォトン弾が連続で撃ち出される。巨大な弾丸に当たってしまったダーカーは、例外なく消滅する。弾丸に触れた個所から量子分解するように、小気味良くダーカーの大群が消えていく。
(あれ…チート?通常攻撃の倍率いじってるの?…っていうかあの大きさ、インフィニティファイア零式の最終弾じゃん)
ヒツギには見覚えがあった。少し前にGuを触った際に、PAインフィニティファイア零式を試し撃ちしてみた事があるのである。弾丸の大きさに見合うだけの威力であったものの、Guの火力ソースとしてはもう一手欲しいといった使用感ではあったが、高威力である点は確か。
(そんなのの連発とかさぁ…)「あのー…そんな無差別射撃してダーカー全滅させるんなら、僕がいる意味は」
「俺の撃ち漏らしを駆除してくれ」
男がそう言うも、撃ち漏らしなどほとんど出ないのが現状である。後方からの急襲も、まるで予測していたかのように銃撃で片付けてしまう。ヒツギにとってはつまらない仕事であり、男にとってもつまらない仕事であった。
そのように淡々と敵を消しながら奥へ奥へと突き進んでいく。
「この辺りはやけに静かだな。…休憩にするか?」
「結構です。…あなたが敵のほとんどを倒しちゃって、僕は全く疲れてませんよ」
「そうか、ならば結構。お前は先に行くといい。…マシンガンが不調だ。お前ならばこの先一人で平気だろう」
「………では、行ってきます」
男はヒツギに先に行くように促し、さぞ「マシンガンの手入れ中」といった風にしゃがみ込んでマシンガンをいじくり始める。その姿に安堵し真実であると理解したヒツギは、男の言う通り先へと進んだ。
『…違法改造してフォトンリアクター全開の状態で絶え間なく発砲してるからですよ。そもそもリアクターのリミッターはフォトンアーツ発揮時に自動的に外れるようにしてあるのに、それを無理矢理』
「シエラ、お前は俺がそのようなヘマをやらかすと思っているのか。…どうして俺はここにいる?少し考えたらどうだ」
『?それはどういう………あ、そうでした。ヒツギさんの調査でしたね』
シエラの立ち位置は複雑である。本来武器の違法改造は文字通り違法であり、発覚したが最後良くて罰金、最悪懲役である。男の違法行為を知っていながら隠匿隠蔽したとすれば、シエラの立場もその男と同等となる。
アークスシップ管理官が、オペレート対象の犯罪行為を隠蔽。それどころか助長していた可能性アリ。---なんて。
故に、マシンガンの方に意識が向くのは致し方ない事なのである。
『で、どうですか、現場の判断としては』
「アレが容疑者じゃなくて当人だという事が分かった。実力をひた隠し、さも“一般アークス”を装っているが…」
『ですが?』
「今時ガンスラッシュなんぞ、特殊要因がなければ誰も使わん。HuだかBrだか知らんが、ソードでもカタナでも使えばよかろう。…戦闘を舐め腐っている」
『なるほど…少々暴論な気もしますが、一理あります。では、こちらもそのように情報部と総司令に………緊急事態!ヒツギさんが危機的状況です!』
二人して思案しながらとぼとぼ壊世区域を進んでいると、シエラはヒツギのバイタル異常を検知した。シエラが声を荒げたのと同時に、男は瞬時に駆け出した。
闇がまとわりついたヒツギがそこにいた。
苦悶の表情を浮かべ、棒立ちをしている様を見たときは条件反射でため息をついたものの、どうやらふざけている訳ではないようである。
「ヒツギ、何があった」
「動けないの!なんか変なモヤモヤ人間が現れたかと思ったら、急に私に取り憑いてきて…!」
『ハイドさん。ヒツギさんと重なるように、ダークファルスの存在を確認しました。おそらく、ヒツギさんの話に出てきたモヤ人間とやらが、ダークファルスだったのではないかと……って、何してるんですか』
男は自身のガンスラッシュを取り出し、銃撃モードに切り替える。苦しそうにもがこうと足掻くヒツギをよそに、指でクルクルとガンアクションを決めると、ヒツギに銃口を向けた。
シエラは“嫌な予感”という感覚を初めて体験した。
『…ハイドさん。まさか』
「そのまさかだ」
『駄目です』
「何が駄目なものか。ダーカー、ダークファルス、【深遠なる闇】を例外なく殺すのが、我々の使命だろう」
男は冷たく言い放つ。ヒツギに向けた言葉なのか、通信機越しのシエラへの言葉なのかは誰も知らない。
「一人の例外も認められない。二度と同じケースを起こさせない」
目を凝らす。
「あらゆる悪を消す。後に続く悲劇の可能性を潰す」
引き金に指を掛ける。
「俺はその為に在ると決めたんだ」
男の眼は冷たい。
「何故なら俺は、その為に―――」
『やめてくださいハイドラシア!』
だめだよ、ヒーロー
「あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!」
聞きなれた声に躊躇した。見慣れた幻視に戸惑った。
迷いの中放たれた二発の弾丸は、ヒツギの左胸と鳩尾に命中した。
「ギャッ!」
荒っぽい悲鳴とともに、ヒツギは倒れこんだ。同時にヒツギの体にまとわりついていた闇も消え、中空に球状になって佇んでいる。そのまま不定形にぐねぐねと動くさまは、まるで戸惑っているように見える。
「…そうだ!ログアウト!」
ヒツギが意味の分からない単語を口走る。すると、あっという間にヒツギは霞のように消えてしまった。最初から無かったように、存在しなかったかのように。
同時に、闇もまた消えてしまった。
★
力が抜ける。吐き気が止まらない。
そのまま倒れようとして、四つん這いになる。
息を切らす。今にも胃液が逆流してしまいそうだ。脂汗。視界が揺らぐ。呼吸すらままならない。体の奥底から響くような痛み。浸食。ひび割れ。激痛。
声。
「シエラ………消えたあの女の座標を割り出せ。俺の弾丸に座標探知機と俺の血を混ぜておいた…探そうと思えばいくらでも探れるはずだ」
『………』
「隅々まで探せ。平行世界から亜空間の果ての果て、剪定事象まで探せ。…あのダークファルスもどき、ヒツギに着いていったぞ」
『…!了解しました。少々お待ちください』
ゼェゼェと息を切らしながらシエラに要件を伝えると、通信を一方的に切った。
嘔吐した。
場所が悪い。
気味が悪い。
君が悪い。
俺が悪い。
眼球がぐりぐりと動き、脳が揺れる。
「俺は何故此処にいる」
思ってもいないことを口に出す。
「…俺は正義の味方になるんだ」
呪いを今一度確認する。
否、呪いではない。
「俺の道だ、俺の理想だ、俺の結末だ、俺の罰だ、俺の宿命だ、俺の宿業だ、俺の、俺の…」
うわ言のように呟く。呻く。
息を吐きだす。
「一人の例外も許されない。二度と同じケースは起こさせない。全ての悪を消し去る。あらゆる悲劇の可能性を潰す。俺はその為に在ると決めたんだ。何故なら俺は、その為に―――」
呻く。自身を偽る。
自分を業で満たす。
吐き気も収まる。激痛も止む。
「シエラ、座標は」
通信機を起動させ、向こうのシエラに問いかける。事は急を要する。
『たった今割り出しました!転送用のテレポーター、送ります!』
正義執行、待っていろ。
転送されたテレポーターのサークルに侵入し、マシンガンを握りしめる。
すべては人、すべては良き営みの為に。
そのような姿を見せるな。わらわの社に、二度と寄るでない。
灰色の神子は男を拒絶する。
貴様は今や何でもよいのだろう?正義とやらにかまけて、自分の為に一度でも動いたのか?その有様を見ればわかる。そのように傷だらけで、慰めて欲しいのか?ああ分かった分かった。分かっておるから、わらわに貴様の不愉快な雑音を聞かせるでないわ。…おいコトシロ。何をしておる。そこの外道を今すぐつまみ出せ。あまりわらわを苛立たせるな。…わらわは寝る。二度と起こすでないぞ。
男は巨鬼に吹き飛ばされる。何かしらの術を使われたようで、門には障壁まで張られている。この障壁を破るには、少々骨が折れそうだ。
貴様に言っておこう。…灰の神子は泣いておられる。日々、声を押し殺し、泣いておられる。友を喪うその感情、私にははたと理解できぬ。が、…流石の私も、神子に涙を流させた貴様を許容する事は出来ない。
脳内に響くコトシロの声。
今のお前は悪そのものだ。いくら正義を騙ろうと、どれだけの世界を救おうと、その在り方を私は…我々は、世界は許容しない。
未だ響く、耳障りな声。
今のお前は悪そのものだ。お前は今後、どのような敵にも負けないだろう。お前は生涯悪を貫き通し、悪に塗れ、悪に沈む。血に塗れ、血に沈め。…貴様のような不浄、このハルコタンに足を踏み入れる事すら罪深い。…二度と姿を見せるな。二度と、我等の視界に現れるな。我等の神土を踏み荒らすな。貴様の呪いを吐き散らすな。
呪いあれ。阿鼻に沈め。
かの悪鬼に、この世すべての呪いあれ。