「ふぃ~、着いた着いた……」
「ここが鷲逗研究都市か……」
「私たちが転校する橘花学院って、どうやって行くの?」
「ライトレールってやつに乗って、橘花学院前って駅で降りれば、目と鼻の先らしい」
「「ライトレール?」」
俺と七海が同じタイミングで首を傾げる
「今待ってる路面電車のこと。動力源はアストラルなんだってさ。」
アストラルで動いてるから電線とか無いんだなと考えていると、ライトレールがやってきたので乗り込んだ。車内では暁と七海がしゃべっているのを右から左に聞き流してボーっと外の景色を眺めていた。
しばらくすると、橘花学院前駅に着いたので電車を降りて、駅を出た。
少し歩くと
「ここが橘花学院か」
「きれいな建物だね」
「設立されて間もないからな」
「敷地が広そう……ちゃんと道を覚えられるかな?」
「大丈夫大丈夫。心配すんなって」
「でもでも……はぁぁ……ドキドキしてきた。今日から新生活……知らない人だらけ……オヴェ……」
「大丈夫かー?ほら、背中さすってやるよ。さすさす……」
「うぅ……ありがとう……瑞樹君……」
「……」
「おーい、守衛さんが不審者を見るがごとく見つめてるぞー」
「と言ってもなぁ……どうやって入るんだ?連絡取ってもらえるか聞いて……」
「あの……」
「はい?」
背後からかけられた声に振り返ると1人の女の子が笑顔を浮かべていた
「こんにちは。急に声をかけてしまってごめんなさい。もしかして、在原瑞樹君と在原暁君と在原七海さんでしょうか?」
「はっ、はいっ!あ、在原七海です」
「在原瑞樹です」
「在原暁です」
「人違いじゃなくてよかった。初めまして!私は……」
「三司あやせさん……」
「え?どこかでお会いしたことがありましたか?」
「いや、ネットの動画で見たことがあってさ。それで名前知ってんだよ」
「あ、はい。そうです……」
「ああ、そうだったんですね。ありがとうございます」
「そんなに有名なの?」
「アストラル使いの中では一番かも」
「もしかして芸能人?」
「あはは、まさか。全然違いますよ」
「あ、でも、テレビに出てましたよね?ネットでも『可愛すぎるアストラル使い』って……」
「そっ、その話はやめてくさいーっ!アレ、ものすごく恥ずかしかったんですよ~」
ワタワタと慌てて両手を振る三司さん。うん、確かに可愛い。やや小柄だが、それとは対照的に胸は程よく大きくて、可愛さと色気のギャップが彼女の魅力をアップしている……が、なんか違和感を感じるのは気のせいか?
んー?と首をひねっていると
「どうしたの?瑞樹君?」
「んー……なんか違和感みたいなものを感じるんだが……」
「違和感……ですか?」
「んー……やっぱり、気のせいか。ゴメンゴメン」
「い、いえお気になさらずに……あっ!そういえば自己紹介がまだでしたね。改めまして、私は『三司あやせ』といいます。ここ橘花学院の生徒会長で、3人の案内を頼まれ迎えに来ました。ようこそ、橘花学院へ!」
眩しいくらいの微笑みを、俺達に向けてくる三司さん。
「ではまず、理事長の所に案内するように言われてるんですが……3人の荷物はそれだけですか?」
俺と暁はショルダーバック、七海はトートバックが今の俺達の荷物だ。
「ああ。荷物はほとんど送ってあるんで、寮の方に届いてると思うよ」
「そうですか。このまま向かっても?」
「大丈夫です」
「それでは、こちらへ。この3人は転入生です。今から理事長の所に案内するところです」
「わかりました」
「今日からお世話になります」
「「なります」」
「ああ。しっかりな」
守衛さんに挨拶して三司さんに続く。今のやり取りなんか、ムショに入る囚人のような……まぁ、気にしないでおこう
三司さんの後について歩いていると分かれ道まできた。
「あっちの道は寮につながっています。歩いて3分くらいでしょうか。今は校舎へ向かいますから、こっちの道を通ります」
校舎へ着き、中へ入る。名かは思ったより綺麗で、七海も驚いていた。理事長室へ向かう間、暁と三司さんのやり取りを聞いていると、1学年にクラスは4つで、1クラス30人ちょっと。全体では382人で、その内アストラル使いは100人ほど。他の人たちは能力を持っていないらしい。
なぜ、この人たちが学院に入っているかと言うと、この研究都市に仕事を持つ人の子供や、アストラルの研究に興味がある子たちが入学しているらしい。
「あと、在原君たちは私と同じクラスになりますから、宜しくお願いします」
「いや、こちらこそよろしく」
「ああ。よろしく」
「在原さんも。学年は違いますが、何か困ったことがあれば、いつでも相談して下さい」
「あ、はい!ありがとうございます」
「……私なにか怖がらせるようなことしました?」
「人見知りで緊張しているだけです。怖がってるとか、嫌ったりしてるわけじゃないですから」
「同じ苗字だと分かりづらいから七海って呼んでやってくれ」
「み、瑞樹君!?勝手になにを!?」
「これから宜しくお願いしますね、七海さん」
「よっ……よろしくお願いします、三司先輩」
「可愛い!真っ赤になった!私のことも、あやせと呼んでください」
「あ、いえ、でも、その……」
「あやせですよ、あ・や・せ」
「よろしくお願いします……あやせ先輩……」
「はい」
「ふむ。可愛い妹のもっと可愛い姿が見れたところで、三司さんにも俺達のことも名前で呼んでもらおうかな」
「えっ!ちょ、瑞樹!おま!」
「だって、在原君だとどっちか分からんぞ」
「う……確かにそうだが……」
「ささ、三司さん。名前で呼んでみて下さい」
「えーっと……じゃあ、まずは……瑞樹君」
「おう」
「暁君」
「うっ……は、はい……」
「うんうん。よし、じゃあ、理事長室に向かおうぜ」
「あ、はい。こちらです」
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