寮の管理人室で外出届を出して、近くのコンビニへ。
「さて、何買うかなぁ~っと。カップ麺にカップ焼きそば、お茶も2Lのやつを何本かとレトルトのご飯も3つくらい買っていくか」
適当にカゴの中に入れ会計を済ませる前に周防は何買ってるのか気になったので
「おーい周防。お前は何買うん……えっ!?」
「あ、瑞樹。あれ?それだけでいいの?」
周防のやつカップ麺とカップ焼きそばを1箱ずつ買おうとしてやがった。
え、このコンビニ箱で買えるの?
「お前……箱で買うの?てか、ここって箱で買えるの?」
「ああ、これね。うん。レジ横のスペースにカードがあるんだよ。プリペイドカードもあるけどカップ麺とかも箱注文できるカードもあるんだよ」
よく見るとプリペイドカードと並んで箱買い出来るようにカードが置いてあった。
色んな種類が買えるのかよ……
「まぁ、在庫として置いてあるわけじゃないから、注文してから3、4日で届くんだ。今日はこれを取りに来たんだよ♪」
すごく楽しみだったのか、箱に頬ずりをしている周防。
顔がとろけてやがる……
周防と一緒に寮へ戻った後、部屋の片づけを開始。
片付け終わった時には夕食の時間になっていて、ちょうど周防と暁が呼びに来てくれた。
3人で夕食を取った後、浴場で入浴を済ませた。
「いやー、さっぱりしたなー。ゴクゴク……ぷはぁーっ!麦茶がうまい!」
「……なんで人の部屋で勝手に麦茶飲んでるんだよ……」
「まーまー固いこと言うなって」
入浴後自分の部屋には戻らずにそのまま暁の部屋へと一緒に帰ってきて、冷蔵庫から麦茶を出して飲んでいると、不意に暁のスマホがなった。
「ん?電話?誰だろう?……七海?」
掛けてきたのは七海からだったらしいが、なんか苦しそうな声がスマホ越しから聞こえる。
「外?」
「外になにがあるんだ?」
七海の苦しそうな声と何か関係があるのかな?と思いながらカーテンを開けるとそこには
「お、落ちる……落ちちゃう……もうダメぇ、むりぃ……」
腕をプルプルさせながらロープに必死に縋り付いている七海の姿があった。
「……何してんの?」
「み、瑞樹君!た、たすけっ……腕がしびれて……もうむりぃ~、おにいちゃぁん~……」
はぁ……とため息をはきつつ、すでに限界であろう七海を部屋の中へ引きいれた。
「はぁ……はぁ……ほ、ホントに死ぬかと思った……」
「で、なんであんなことしてたんだ?」
あんなことをしてた理由を聞きつつ、麦茶の入ったコップを七海に渡す。
「ゴクゴク……ぷはぁ……えっとね、家事もしなくていいから手持無沙汰で落ち着かなくて。それに、これからのことを相談する必要があると思って……」
「訳すと暇だから驚かせてやろうと思ったけど出来なかったと言うわけか……」
「うぐっ……そ、それはその~……あ、そうだ!暁君!右腕出して!」
言うや否な暁の右腕を両手でそっと包み込み、詠唱を唱え癒していた。
その後3人で今後の方針を話し合い、式部先輩の研修室に侵入しそこからAIMS干渉することとなった。
「では、あの部屋にどうやって忍び込むかだが……おっと、もうこんな時間か。今日はこのくらいにして明日また考えよう。七海。送っていくから背中におぶされ。暁は親父に連絡入れといてくれ。いい案が出るかもしれん」
「わかった」
「ゴメンね。瑞樹君……手間かけさせちゃって……」
シュンとする七海に
「てい」
「いたっ!」
軽くデコピン。七海はおでこを両手で押さえちょっと涙目になってる。
「今後、あんな危ないマネはしないこと。OK?」
「う、うん。OK…」
「なら、早くおぶれ」
よろしくお願いしますとおぶさってきた七海。
背中越しに感じる幸せな2つの果実を堪能しながら部屋まで送り届けたあと、暁の部屋に戻ると親父への報告をちょうど終えた所だった。
「親父、何か言ってた?」
「クラスに馴染めるかどうか聞いてきた……」
「何の心配だよ……で、仕事の方は?」
「ああ、試してみたいモノがあるって言ってた。明日には受け渡しが可能みたいだ」
「ふーん。受け渡し場所は?」
「近くのコンビニ。これは俺が受け取って来るよ」
「だったら頼むわ。んじゃ、おやすみ~」
暁の部屋を出て、すぐ隣の自分の部屋へ。
仕事に使うやつは暁が取りに行ってくれるみたいだし明日は何しようかなぁ~