山田太郎の朝は早い。
が、今日は珍しくいまだ山田は夢の中であった。
これも昨日深夜まで先日の猫耳コスプレも含めた「武蔵小杉写真集~16歳のわたし~」の編集をしていたからだろう。
山田がこの世界に転生して16年。
かつての自分、カルスが三十路手前だったころのことを夢に見ていた。
ます最初の世界ではどこにでもいる一般人だった。
名前はほとんど覚えていないが「山」という感じが入っていた気がするので今生ではソレにあやかって山田太郎と名乗っている。
そして最初の人生で、ある夜に眠って起きるとHUNTER×HUNTER」の世界へと転生したのだ。
自分が生まれた当初、流星街のストリートチルドレンからのスタートで自分の将来に絶望したのもいい思い出だ。
因みに最初の世界では24歳、2度目の人生は30歳くらいまで生きた。
さて今思い返すと己の前世であるカルスは「HUNTER×HUNTER」の世界ではいわゆる二次創作のオリ主のようなチート持ちであった。
例えば常人よりもかなりオーラ量が多く、また身体能力も高かった。
また「念」や格闘についての才能も他人の何倍もの、所謂天賦のモノを持っていたのだ。
故に俺TUEEEE出来るかと思い調子乗って生きた。
その結果、脅威本位で原作を辿ってみてゴンやキルアのような本物の天才に心折られ、何故かネテロ会長に気に入られこの世とあの世をメドレーするかのような修行を課せられたのだ。
さて少し話は逸れるがカルスの念能力を説明しよう。
カルスは強化系だ。
初めて水見式を行ったらブクブクと水があふれたから間違いない。
そして俺は流星街という得体のしれない薬品などで汚染された土地で目覚め、当初は1日最低1回は死にかけていたこともあり最初期から無意識的に下記のような発を組み上げていた。
【戦闘民族の遺伝子/サイヤ・ジーン】
強化系の能力で色々と制約はあるものの怪我や病気などで死にかけて治癒した場合、死にかけた原因への微弱ながら耐性、そしてオーラ量も含めた身体の機能を永続的に強化する能力である。
これのお陰で元々の才能に加えて様々な毒素への耐性、そして圧倒的オーラを得ることとなった。
※身体能力も圧倒的チートであるが大気中にプロテインが混じってそうなHUNTER×HUNTER世界では稀によくいるレベルである。
12歳ころにハンターとなり幻獣、特に蟲系統の駆除に全力を傾けながらも可愛い女の子とイチャイチャしたり妙にレベルの高いアニメやゲームを楽しむなど充実した生活を行っていた。
そして20歳ころだろうか?
これまでのハンターとしての成果を認められてシングルハンターになった。
そして様々な人から敬意の目で見られ、以前よりも可愛い女の子にモテモテになった。
その結果、…俺は有頂天になって…ハンター試験を見に来ていたネテロ会長に目を付けられることになった。
① 何故か俺に興味を持ったネテロの捕まる。
② なんやかんやあって修行という名のごうも、かわいがりを受ける(白目)
③ ボロボロのヤムチャ状態になる→回復→強化→ネテロの悪い笑み
④ 逃亡→捕縛→③へ
これが原作開始からキメラアント編までの基本ルーチンで、ここにパリストンから笑えないレベルで死にかける嫌がらせが入ることがある。
個人的には流星街よりも酷い環境であった。
だが極めつけはネテロ会長がメルエムと戦うために護衛軍4人と連戦させられたことだ。
どうも俺以外の憑依だか転生者だかが複数介入した結果、
俺、キルア、モラウ、ナックル、シュート、メレオロン、転生者と思われるクーフーリン似のイケメンに対して、
ピトー、ユピー、プフそしてブムという熊男という総力戦となった。
…どうしてこうなった?
…少し人生の理不尽さを嘆いていたがもう大丈夫。
この世界にはあんな万国びっくりショーみたいなやつらは居ない。※います。
正直死ぬと思ったし、ネテロ会長を殺してやりたいと思った。
まあクーフーリン似のイケメンが自信満々の割にあっさり死んだときは「ランサーが死んだ!」と思わず叫んでしまったものだ。
その後『この人でなし‼』とリアクションを返した熊男を倒したり、プフというパリストン亜種みたいなやつをキルアと組んで倒した。超がんばった
これまでの努力(別名:あの世とこの世メドレーリレー(強制))が報われた気がして、ここで久々に調子に乗った。
だが俺はすぐさま再度心を折られたのだ。
ノリに乗った俺は人間サイズの猫耳付けた蟻ことピトーさんにも優勢なまま動きを封じることに成功した。
なのでつい魔が差してピトーさんにキャットエンペラータイム(隠語)したいなあとか考える割と余裕すらあった。
※少し離れたところでユピーが全力で暴れています。
そして俺のトラウマとなったアレが来たのだ。
折角捕縛したピトーさんやユピーついでに熊男の死体をミンチよりも酷い状態にしていくアレ、『ゴンさん』である。
正直直前までピトーさんの整った顔を見てエロい妄想を膨らませていただけに、ピトーさんがミンチになっていくグロ画像と一人作画が違っているゴンさんのせいでSAN値直送である。
あれはだめだこころがしぬ。
――――――その後はいつの間にかハンター協会の会長選が終わっており俺は12支んのプードルっぽい人にカキン王国の船で暗黒大陸へ連れていかれた。
そして航海中、王子たちが変形合体したりクラピカが「クラピカさん」になるなどなんやかんやあって俺は単独で無限海沿岸を流されて2年ほど暗黒大陸でサバイバルすることとなった。
あの時は常時泣き叫んでいるが目が死んでいた気がする。
5大災厄とも半分以上ニアミスしたしニトロ米らしきものも口にした。
この当時は何度も死にかけては生き延びることでネテロ会長と互角くらいまで急成長していた自信があるが、周りがエゲツナサ過ぎて全然俺TUEEE!な気分を味わえなかった。
最初は様々な特性を持つ何万ものキメラアント(昆虫サイズ)に襲撃された「巨大蟻塚」
次は物質と非物質の狭間を揺蕩う「境界の森」で半年くらい迷った。
時間の流れがめちゃくちゃで速度どころか方向ですら瞬時に切り替わる「何もない平野」
動く菌糸類に支配された山、機械のくせにオーラどころか念能力すら使用してくるロボットが永遠に製造され壊され続ける古代都市、他にも重力、温度、大気そのすべてが生物を殺しに来る地獄であった。
…最後は確か傷を瞬時に癒しオーラ量どころかメモリすら増やすほどの効果を持った黄金のリンゴを見つけて食ったなあ。
まあ食った直後にリンゴがなっていた木そのものに逆に捕食されて長いこと苗床になったが。こういうのは俺みたいな男ではなく可愛い女の子のほうがいいと個人的は思う。
この時俺は先に述べた古代都市から持ってきた遠隔操作のロボットを使用してリンゴを回収、何キロも離れてから食べたのに次の瞬間体の制御を完全に奪われてリンゴの木まで自分で進んでいき取り込まれてしまった。
意識はハッキリあるのに体の感覚はなく、木の養分として少しづつ胃や心臓、肺などが消しゴムで消すかのように欠けていく恐怖。
眼も鼻もなくなりやっと死ねるかと思えば再度リンゴを食わされて完全に回復、再度養分を吸われて、またリンゴ。
リンゴ、養分、リンゴ、養分…etc
意識はあったので気が狂わないように考察していたがアノ樹木はリンゴを餌に電波などではなく、直感だが俺とロボットの間にあった「縁」のようなものを辿って俺の身体の制御を奪ったのだろう。
縁とか意味わからない。
無理ゲーというかデバック前のバグゲーの類だろう。
そして樹木によるリンゴで回復、オーラを吸収、苗床という凌辱エロゲーのような永久機関、つまり俺にとっては地獄が始まったのだ。
まあ樹木にとっての誤算はこの地獄の中でも俺の精神は死なず延々とリンゴを喰らうことでメモリが増え続け強化されていったことだろう。
端的に言ってある日リンゴで回復した瞬間、増えたメモリに物を言わせて新たに能力を作ってオーラを吸われる前に樹木を巻き込んで自爆したのだ。
そしてどうもメモリは腐るほどあったから無意識に転生用の能力を開発していたようでこの真剣恋の世界に転生することが出来た。
そして俺は16年前にこの世に再び生を受けたが12歳ころに実家を飛び出した。
どうにも俺の家は名のある武術の名家であったが以前の俺は落ちこぼれだったらしく虐待ではないがどうもネグレクトされていたようである。
お嬢は覚えていないがこの大変だったころ俺は武蔵小杉と出会い助けられたのだ。
擦れたHUNTER×HUNTER世界の住人や暗黒大陸の鬼畜リンゴは勿論、この現代社会で身寄りのない子供であっても避けられない厳しさを知る俺にはお嬢の裏表ない善意は劇薬過ぎた。
「さてそろそろ起きるか。」
そうして俺はカルスから山田太郎となり、お嬢をイジることをライフワークとした一人の紳士が誕生したのだった。
【戦闘民族の遺伝子/サイヤ・ジーン】
・強化系能力
毎度毎度死にかけたくないというカルスの欲望と記憶に残る強者の代名詞であった某野菜人の設定がジョグレス進化して生まれた能力。
種類問わず一定以上の生命活動に対する負債を負った際、回復した後にその負債の大きさに応じて微弱な耐性や身体機能、潜在及び顕在オーラ量を増加させる能力。
持ち前の才能と細かな制約を幾つお掛けることで効果を増しており、その強化率は中々なものである。
但し現在は使用不可。
〈制約〉
・強化を目的に故意に負った負債は除外する。
・軽度の負債は除外する。
・念能力を使用した治癒を行った場合は強化されない。
・自分の意志でON/OFFできない。
・HUNTER×HUNTER及びドラゴンボールという漫画を読んだことがある。
〈誓約〉
・特になし
【禁断の果実/キチク・アップル】
・特質系能力
自身の人格、記憶、オーラ及び身体の要素情報を引き継ぎ生まれ変わる。
現在は使用不可。
〈制約〉
・転生先及び転生後の状態はランダムである。
・死が確定した状況でしか発動できない。
・5歳の誕生日に引き継がれる。それまでに死亡した場合能力は無効となる。
〈誓約〉
・発動した際にこの能力も含めた覚えているすべての能力が使用不可能になりメモリも回復しない。これは転生後も継続する。
他にも件の樹木を破壊しつくした念があります。
【エターナル・フォース・ブリザード】
・具現化系
相手を殺す氷を具現化する。
相手は死ぬ。