つぶら★マギア【アニメ編完結】   作:ダラ毛虫

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ほむ&カナメ視点



第13話

「驚いたわ……昨日より断然強くなっているわよ、美樹さん」

 

 視線の先には、まどかと、彼女を守るマミと美樹の姿。

 現在、魔女を退治し終えたところである。

 

 マミたちとチームを組んでいる以上、私も別に隠れる必要はないのだけれど、これはもう何というか、習慣になっている。

 断じてストーカーではない。

 

「そ、そーですかね? いやー、そりゃもーボロボロにしごかれましたから!」

「まさか、本当に日中ずっと模擬戦だったの?」

「本当にほとんど休みなしでボコボコにされました。

 3時間に1回10分休憩、昼ご飯も10分以内、って感じでした」

「それは……」

「うわぁ……」

 事前に概要は聞いていたけど、本人が語ると余計に悲惨ね。

 精神が潰れない程度を心掛ける、とは言っていたけど、「潰れない」ギリギリじゃない。

 訓練が厳しくて魔女化なんて、前代未聞だわ。

 

「……あいつら、絶対に、いつか倒してやる……!」

 あ、意外と大丈夫かしら。鬼教官を超えるって目標が、いい具合に働いているわ。

 

「………そうね。きっと、円さんは、そのくらいを目指してほしいのかも」

「あはは……言いそうですよね……」

 燃える美樹を見て、マミとまどかが苦笑する。

 しかし、当事者である美樹は、同意しかねるらしい。

「えー!? どーせ、貴女では私に勝てないわよ、とか言うに決まってますよー!」

 美樹、もしかして今の、円の真似のつもり? 絶望的に似てないわよ。

「ふふ……そうね、面と向かっては、そう言うかもしれないわ。

 でもね、美樹さん、円さんは、こうも言っていたの」

 1度言葉を切り、マミが注意を集める。

「ワルプルギスの夜を倒した後も生き残れる程度には鍛える、って。

 彼女は、ワルプルギスとの戦いでも、その後でも、あなたが戦い続けられるようにしたいみたい。

 教え子に死んでほしくなんて、ないものね」

 

 

 マミの笑顔は、とても、暖かい。

 私が魔法少女になる前や、まだ1人で戦い続ける覚悟を決める前。

 何度も、彼女の笑顔に、救われていた。

 まどか以外を考えなくなって、忘れていたことを、思い出す。

 彼女は脆い人だけど、それでも、私達を支えてくれていたんだ。

 必死に堪えて、先輩として、懸命に。

 そんな思い出が、誰も覚えていなくても、確かにあった。

 

 

「と、ゆうわけで! わたしも、実戦の教官として、しっかり鍛えないとね!

 明日、円さんや杏子をビックリさせられるくらいに、強くなっちゃましょう!」

「え? えーと、マミさん。その、あたし達、魔女退治したばっかりですし、また後日……」

「あら! 鉄は熱いうちに打て、よ!

 確かに昨日より強くなったけど、まだまだ荒削りだわ!

 反省会も兼ねて、ビシバシ行くわよ!」

 

 夜の町に、マミの掛け声と、美樹の悲鳴が響いた。

 

 

 

 さて、まどかの安全は確認できたことだし、私も魔女退治に行こう。

 時間を見つけて、武器の調達と設置もしなければならない。

 ワルプルギスの夜を倒すために、準備はしすぎることはないのだから。

 必ず、みんなで倒すために。

 

 

 

 

 余談だが、マミがした円の真似は、美樹よりマシだが、やはり似ていなかった。

 

 

★★★★★★★★★★★★★

 

 

「ん?」

「あん? なんかあった?」

「いえ、気のせいね」

 何やら悲鳴が聞こえた気がしたが、特にそれらしい魔力の反応は無い。

 空耳か、魔法とは無関係な単なる悲鳴だろう。

 

「………次の魔女は……少し遠いわね」

「はーぁ、アンタの探知で見つけるのは楽って言っても、めんどくさいなー」

 ぶつくさと言いつつ、指示もしていないのに、魔女の方角へ顔を向ける佐倉。良い勘をしている。

「これが終わったら、今日はもうお仕舞いかしら。グリーフシードを持っていそうなのは、次で最後」

「りょーかい。んじゃ、ちゃちゃっと終わらせよーか」

「ええ」

 両足に魔力を込め、一気に跳躍。

 

 爆発推進は使っていないが、それでも並の魔法少女では付いてこれない速度で、町を駆ける。

 余計な音を立てない最高速で、屋根から屋根へ、宙を跳ぶ。

 

 先導する私の後ろには、佐倉がぴったりと、付いている。

 

 今日の戦果も、私1人で稼ごうと思えば、きっと明け方までかかっていた。

 佐倉となら、時間は勿論、魔力の消費も半分以上節約できる。

 

 

 本当に、頼もしい。

 

「うん? カナメ、アンタ今、笑ってた?」

「そう? 自分では良く分からないけれど……」

「うーん……見間違い、か?」

 

 

 誰かに背中を預けて戦うなんて、いつ以来……いや、こんなに信頼できる相手は、初めて、かも、しれない。

 




今日の背後霊
「っしゃーぁっ!! カナメの笑顔ゲットォォォッッ!!!
 ん? その後の魔女戦?
 デュアル乱舞で使い魔を蹴散らして、魔女を2人の槍で引き裂きました、おしまい。
 いやもうほんと息合いすぎ結婚しなさいハリーハリーハリー。
 魔女が何を仕掛けても、カナメに気付かれず奇襲なんて不可能ですしお寿司。
 強すぎて言うことないわい。戦い、そして勝った、完」
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