Reゼロから始める黒足のサンジ   作:ランホーク

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エースの伏線すげー


疑問

鳴り響く金属音。

 

 

 

「ふふっ」

 

恍惚とした笑みを浮かべながら戦うエルザ

 

「っち」

 

グルグルの眉をひそめるサンジ。

 

その二人の戦いは熾烈を極め常人では、ただ立ち尽くし見る事しか出来ないだろう。

 

 

そしてその戦いを見届ける3人と1匹。

 

「いけー兄ちゃん!!」

 

と金髪で赤色の双眸のフェルトが叫ぶ。

 

「このままいけば勝てるかも・・・」

 

戦況からしてサンジの方が有利と見たのか仮サテラが呟く。

 

「むう・・・」

 

デカい棍棒を持った盗品蔵の持ち主ロム爺。何か疑問を持ったのか首を傾げる。

 

「ねえお爺さん。」

 

「なんじゃ?」

 

仮サテラの肩に座っていた精霊パックが浮遊しながらロム爺に近づき話しかける。

 

「おじいさんはこの戦いをどう思う?」

 

「やはりお主も疑問に思うのか?」

 

「う~ん。なんていうんだろう。あのサンジって子。確かにあのエルザって子よりは確実に強いとは思うんだけど・・・」

 

パックとロム爺が戦っているサンジにある疑問を抱いていた。

 

「ワシも戦闘の専門家ではないからの。詳しい事は言えんが1つだけおかしいと思ったことがあるの」

 

「それは?」

 

 

「はあっ!!」

 

「ふんっ!」

 

 

サンジの足とエルザのナイフがぶつかり合う瞬間をパックとロム爺は見る。

 

「あのサンジと言った小僧。攻撃を躱させていないか?」

 

「ボクもそう思うよおじいさん」

 

 

肩ロース(バースコート)!!後バラ肉(タンドロン)!!!」

 

「!!」

 

サンジの攻撃を紙一重で躱すエルザ。エルザは気付いてるのだ。サンジの攻撃を一度でもまともに食らえば致命傷は免れない事を。

 

「・・・・・」

 

 

エルザはサンジから距離を取り体勢を整える。無表情で。

 

 

「もうわかっただろ。あんたでは俺には勝てない。さっさとこの場から消える事だ。」

 

エルザに退散するよう促すが、

 

「ねえあなた。1つ聞きたい事があるのだけれど」

 

サンジの顔を見つめて問いただすエルザ。

 

「時間稼ぎか?」

 

「いいえ違うわ。時間稼ぎして私に利はないから。そんなことよりも・・・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「何故わざと攻撃を躱させるの?」

 

 

 

 

 

「「え?」」

 

 

反射的に声を上げたのはフェルトと仮サテラだった。

 

「やっぱりか」

 

「おかしいと思ったんだよね~」

 

 

パックは宙に浮きながら腕を組みロム爺は禿げた頭部を指で掻く。

 

 

「何を言ってるんだ?」

 

「とぼけても無駄よ。相対している私にはわかるわ。貴方は私に攻撃する瞬間に必ず速度を落とす。その速度は私が反応して躱せるくらいの速度。付け加えるなら貴方さっきから攻撃を少しずらしているわね。私が確実に攻撃を躱せるように。」

 

 

サンジはタバコを咥えて火をつけるだけで何も答えない。

 

「どういう・・・こと・・?」

 

「手を抜いてたってことか?」

 

フェルトと仮サテラがエルザの言葉に困惑する。

 

 

「一体どういうつもり?」

 

 

エルザはナイフをサンジに向けて返答を求める。

 

「女は蹴らない。俺の中のルールさ」

 

「それは一体どういうことかしら?」

 

「俺は決して女は蹴らない。ガキの時からそう教え込まれたんだ。相手が誰だろうと女である限り、」

 

 

サンジは声を大にして叫んだ。

 

 

 

「俺は死んでも女は蹴らん!!」

 

 

 

一瞬の沈黙。

 

 

フェルトと仮サテラはポカーンとアホ面を晒しロム爺は『むう・・』と口にしながら自身の顎髭に触り、パックは何か納得したような顔をしていた。

 

 

「それは例え命に係わる事態な時も?」

 

エルザはさらに聞く。そしてサンジの答えは一言。

 

 

 

「ああそうだ。」

 

 

 

またもやこの場を沈黙が支配する。

 

普通だったらサンジの今の言葉など信じるものなどいないだろう。

 

しかし、

 

 

「その目・・・どうやら本心から言っているのね・・・」

 

 

サンジは目がマジだった。

 

 

 

 

「すごい覚悟だね。女の子を絶対に蹴らない。蹴るなら死んだほうがマシだなんて言うんだから」

 

 

パックはふよふよという擬音が似合いそうな浮遊をしながらサンジに近づく。

 

「おいネズミ。お前はそこでその子を守ってろ」

 

「う~ん。確かにボクはこの子を守る使命はがあるけどさ。そのエルザって子は君だけではなく僕達も殺そうとしてるんだよね。」

 

「ええそうよ。ここにいる人は全員殺すわ」

 

 

パックの疑問にエルザが答える。

 

 

「でもサンジは死んでも女の子は蹴らない。それは目の前の殺人鬼も例外なく」

 

 

「ああそうだ」

 

 

次はサンジが答える。

 

 

「じゃあ君の言う事は聞けないな。君がその子を倒してくれるならいいんだけど。君の覚悟を見る限りそうはいかない。じゃあ君の代わりに僕がその子を倒すしかなくなるからね」

 

 

パックの正論に何も言えなくなるサンジ。

 

 

サンジが自身の中で決めている絶対のルール。

 

 

『女は蹴らない』はサンジの目の前にいるエルザにも適応される。

 

 

つまりだ。実力を見る限りエルザはサンジには遠く及ばない。

 

 

しかしサンジはエルザを蹴る事が出来ない。これではいつまでたっても終わらない。

 

 

なのでパックは女を蹴れないサンジの代わりに戦う事を申し出たのだ。

 

 

「私もやるわ。貴方ばかりにいい恰好ばかりさせてられないもの」

 

 

仮サテラもパックと同じくサンジの代わりにエルザと戦う事を決めた。

 

ーーーしょうがない。

 

 

「わかった。ここは君達に任せるよ」

 

 

サンジはエルザからゆっくりと離れてフェルトたちの所まで下がった。

 

 

そして代わりに仮サテラとパックがエルザの前に立つ。

 

 

 

「もうお話は済んだかしら?」

 

エルザは器用にナイフを回しながら仮サテラ達に聞いた。

 

 

「うん。だけど今度はサンジみたいに攻撃しないなんて事はないからね」

 

パックは盗品蔵の天井にまで登り浮遊してエルザを見下ろす。

 

「素敵ね。貴方達は精々私を楽しませてね」

 

 

エルザは自身の紅い唇を舌でペロリと舐めた。

 




お玉ちゃん可愛い
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