Reゼロから始める黒足のサンジ   作:ランホーク

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もうそろ一章が終わりますね


笑顔

その男の存在感。

 

 

 

まさに四皇そのもの。

 

 

 

 

「危ない所だったようだけど。とにかく間に合ってよかったよ」

 

 

天井をぶち抜いてやってきたのは『剣聖』。

 

 

 

「さて。舞台の幕を引くとしようか」

 

 

 

その姿を見て最初に声を上げたのはサンジであった。

 

 

「まさかお前が来るとはな。確かラインハルトだったか?」

 

「やあサンジ。さっきぶりだね。まさか君がここにいるとは思いもしなかったよ」

 

「まあいろいろあってな」

 

 

一通りの会話を終わらせサンジとラインハルトはエルザに視線を移す。

 

 

「黒髪に黒い装束。そして北国特有の刀剣。それだけ特徴があれば見間違いたりはしない。君は『腸狩り』だね」

 

「腸狩り・・・・」

 

サンジは先ほどエルザの口からこの『腸狩り』という単語を聞いたが特に気にしてはいなかったのだろう。

 

しかし今を思い返してみれば最初にやられた時もこのエルザは自身の腹を狙い。そして先ほどのやりとりの時も腹を狙って来た。

 

「そういうことか」

 

サンジはたった今腸狩りという名の意味を理解した。

 

「サンジ。よく彼女相手に堪えてくれたね。彼女は王都でも危険人物としても名前が挙がっている程の者だ」

 

「へー」

 

サンジは興味なさそうにそんな返事をする。

 

「(この女で危険人物扱いか。)」

 

今まで旅をしてきてエルザ程度の者はサンジはごまんと見て来た。

 

まあ仮に元の世界にエルザがいたとしても海軍の軍曹や兵長クラス。海賊なら2000万クラスのやつならエルザなど軽く捻る程度で倒せるだろうが。

 

「貴方はラインハルト。騎士の中の騎士。『剣聖』の家系ね。すごいわぁ。こんなに楽しい相手ばかりだなんて」

 

「いろいろと聞きたい事もある。投降をお勧めしますが?」

 

「血に飢えた肉食獣が極上の獲物を前に我慢できるとでも?」

 

「そうですか。ではサンジ。少し下がっててくれ。彼女の相手はボクがする。」

 

「おう。頼むぜ」

 

そしてサンジは仮サテラとロム爺の近くに移動してエルザとラインハルトを見る。

 

「素敵ね。貴方も精々私を楽しませて頂戴ね!」

 

エルザは走り出してヒビの入ったナイフで斬りかかろうとするが、

 

「女性相手に乱暴はしたくないのですが」

 

ラインハルトはエルザの脇腹を蹴り吹き飛ばした。

 

その勢いのままエルザは壁際まで飛ばされる。

 

「噂通り・・いえ、噂以上の存在なのね。貴方は」

 

「御期待に添えるかどうかわかりませんが」

 

「その腰の剣は使わないのかしら?伝説の切れ味を味わってみたいのだけれど」

 

「残念ですが、この剣は抜くべき時以外は抜けないようになっている。鞘から刀身がでていないという事は今はその時ではないということです」

 

「安く見られたものだわぁ」

 

「ぼく個人としては困らされる判断です。なので」

 

ラインハルトは落ちていた一本の剣を拾い上げる。

 

「こちらでお相手します。何かご不満でも?」

 

「いえ、素敵。素敵だわぁ!!楽しませて頂戴ね!」

 

そしてエルザ対ラインハルトの戦いが始まった。

 

エルザは再びヒビの入ったナイフで斬りかかるがラインハルトはいとも簡単にナイフの柄と刃の部分を持っていた剣でへし折る。

 

「武器が失ったのなら投降をお勧めします」

 

「・・・・・」

 

エルザは黙ったままラインハルトに向かう。

 

「!!」

 

エルザの射的距離に入った途端エルザは隠していた3本目のナイフを手に持ちラインハルトに斬りかかる。

 

しかしそれをいとも簡単に躱すラインハルト。

 

「よく躱したわね。」

 

「ぼくは世界から恩恵を受けていますので」

 

「(恩恵?)」

 

ラインハルトの言葉にサンジは首を傾げる。

 

「しかし牙はこれだけではないの。」

 

その言葉と同時にエルザは再び盗品蔵の壁や床や天井をベラミーのように飛び回る。

 

「牙が無くなれば爪で」

 

壁を蹴りラインハルトに斬りかかるが防がれる。

 

「爪が無くなれば骨で」

 

天井を蹴り斬りかかるが防がれる。

 

「骨が無くなれば命でそれが腸狩りのやり方よ」

 

何度も何度も移動を繰り返し攻撃するがその全てを防ぐラインハルト。

 

「(こいつ・・あのマリモと・・・いやそれ以上か・・?)」

 

サンジは仲間のゾロとラインハルトの強さを見比べる。サンジの評価は今のところラインハルトの方が上という判断だが。

 

「(もしかしたらあの七武海の鷹の目と互角かもしれねーな)」

 

 

サンジがいろいろな考察をしているがいつの間にかにクライマックスにへと突入していた。

 

 

「何を見せてくれるのかしら?」

 

「アストレア家の剣戟を」

 

エルザとラインハルトは向かい合い。

 

 

「腸狩り。エルザグランヒルテ」

 

「剣聖の家系。ラインハルト・ヴァン・アストレア」

 

互いに名乗りあい構える。そして、

 

 

ラインハルトの持つ剣が白い光を発しそれが徐々に強くなる。

 

「これはまずいな」

 

サンジは危険を察知したのか仮サテラを抱える。

 

「え!?何?」

 

「ちょっと飛ぶぜ!」

 

そしてサンジは仮サテラを抱えたまま空にへと飛んでいった。もちろん天井は破って。

 

「おい小僧!!儂も助けんか!!」

 

「うるせークソジジイ!!男なら自分の身は自分で守りやがれ!!」

 

「はああああっ!!!」

 

ラインハルトは剣を振り降ろし。

 

 

 

 

盗品蔵は大爆発を起こした。

 

 

 

「うおっ!!」

 

あまりの爆風にサンジは身を煽られたが空中で体勢を立て直す。

 

 

そして爆発は収まり再びサンジは仮サテラを抱えたまま盗品蔵にへと戻った。

 

 

「ふう・・・よし」

 

「良しじゃねえぞゴラ!!」

 

「おっと!!」

 

 

サンジはキレながらラインハルトの横顔に蹴りを繰り出すが手の甲でガードされる。

 

「!!」

 

ラインハルトは何故か驚いた表情をしながら自身の手の甲を見つめた。

 

「どうしたんだいサンジ?」

 

「どうしたもこうしたも俺たちを巻き込むつもりか!!」

 

「いやーごめんごめん。サンジがその方を連れて空に逃げてくれたからボクも少し本気を出せたんだ。それにその御老人にもちゃんと気をつけてって・・・あれ?」

 

ラインハルトとサンジと仮サテラは倒れているロム爺を見る。

 

「おい爺さん。何倒れてんだ?」

 

サンジがゲシゲシと倒れているロム爺を蹴る。

 

「気絶してるなこれ。おそらくお前の今の爆音の所為だろ」

 

「・・・・・・」

 

サンジの言葉に何も言えなくなるラインハルト。

 

「まあいいか。エルザも倒せたことだし」

 

「そ、そうね。無事に終わったわね」

 

サンジの言葉に仮サテラが答える。

 

「さて。これでほとんど終わった訳だし。早速君に聞きたい事があるんだ」

 

サンジの真剣な眼差しに仮サテラはビクっとなる。

 

「えーと・・・私に聞きたい事って?」

 

困った顔をする仮サテラにサンジはデレデレとするが今はそれより為さなければならない事がある。

 

「今回の事で共闘した貴方とおれ。これは運命の巡り合わせに他ならない。」

 

「えーと・・・運命かどうかはわからないけど・・・恩人である事には変わりないわね。」

 

「おれからの質問は1つ。」

 

仮サテラはサンジの質問を待ちながら内心ドキドキしている。

 

 

 

 

 

 

 

 

「君の本当の名前を教えてほしい」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

バキバキッ!!

 

 

「「なっ!!」」

 

 

ラインハルトと仮サテラは同時に声を上げた。

 

「エルザ!!」

 

瓦礫の中から傷だらけのエルザが出てきたのだ。ナイフを構えながら仮サテラに迫る。

 

ラインハルトも急ぐが間に合わない。

 

「今いいところなんだ・・・邪魔すんじゃねえええよ!!!!」

 

「なっ!!!」

 

ついにぶちぎれたのかサンジはついに女に蹴る・・・

 

「があっ!!」

 

エルザは吹き飛ばされて壁に激突した。

 

「蹴りの風圧で・・・・吹き飛ばした・・?」

 

ラインハルトが驚いていた。

 

そう。サンジは女は蹴らない。これはサンジの中で絶対の真理だ。

 

その為サンジは足を振り上げた時の勢いに発生した風のみでエルザの体を持ち上げ吹き飛ばしたのだ。

 

「そこまでだエルザ!!」

 

ラインハルトがサンジと仮サテラの前に立ち庇うようにしてエルザに言う。

 

「っち!」

 

エルザは舌打ちをつきながらナイフをラインハルトに投げつけるが、そのナイフはラインハルトには当たらずに不思議なことにナイフ自身がラインハルトを避けるようにして外れていった。

 

「いずれここにいる全員の腸を切り裂いてあげるわ。精々それまで腸を可愛がってあげてて」

 

そう言うとエルザはそのまま大破した天井から逃げて行った。

 

「二人共怪我はないかい?」

 

「俺はねーよ」

 

「私も平気よ」

 

そしてサンジは1つ深呼吸をして仮サテラの前に立つ。

 

 

「じゃあ気を取り直して。君の名前を教えてほしい」

 

 

サンジは仮サテラの目を真っ直ぐ見て言う。そしてついに、

 

 

 

 

「エミリア。私の名前はエミリア。ただのエミリアよ」

 

 

エミリア。そう自身で名乗った。

 

 

「そうかエミリアか。いい名前だ。」

 

エミリアの最高の笑顔に惚れそうになるサンジだが名乗られたからには名乗り返さなければならない。

 

「おれの名前はサンジ。君の名前を知れてよかった」

 

「私もよサンジ。そして私を助けてくれてありがとう」

 

エミリアが手を差し出しサンジはそれにすぐに応える。

 

 

エミリアの名前を知り。そして彼女の笑顔が見れた。

 

 

 

サンジにとってこの世界に来て一番の幸せはタバコなんかじゃなく。

 

 

今この瞬間だった。

 

 

 





ホーキンスって弱くね?
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