威力同じ説
「姉さま姉さま。お客様が荒い息を立てながら私達を見てきます」
「レムレム。発情したお客様が性的な目で私達を見てくるわ」
「美少女メイド美少女メイドはあはあ」
双子と思われる美少女メイドを見てサンジは鼻息を荒くして少しずつ近づいていく。
さすがに気持ち悪かったのか双子のメイドはひきつった顔をしながらサンジが近づくにつれて後退していく。
それを察したサンジはすぐに自身の昂りを抑えて平常心になる。
「初めまして美しきお嬢さんたち。おれの名前はサンジと申します。お二方のお名前を教えてください」
まるで執事が主人に接する時のような作法でサンジは床に片膝を突き胸に手を添えて双子と思われるメイド姉妹に名を訊ねた。
「ラムはラムよ」
「レムはレムです」
「ラムちゃんとレムちゃんか!!双子なのかな?君達みたいな美少女に会えて俺は最高に嬉しいよ!!」
目をハートにしてどこかのオカマと同じようにクルクルと回りながら喜びを表現するサンジにラムとレムと名乗ったメイドは若干引き気味だ。
その時この部屋の扉をノックする音が響く。サンジはその音が聞こえたのと同時にこの寝室の部屋の扉の方を向く。
「おはようサンジ。朝から元気ね」
「エッミッリアチャーン!!!!」
王都で出逢った心優しき美少女。
エミリアであった。
「ここはエミリアちゃんのお家だったんだね~~!!」
海の底で並にユラユラと揺られている昆布のモノマネでもしているのだろうか。サンジは体全身を使ってそれを表現していた。
「正確には私の家じゃないけど・・・。でもサンジ本当に朝から元気ね。まるで子供みたい」
ふふふっと笑みを見せるエミリアにサンジは心を打たれて両手で自身の胸を抑え込んだ。
「ど、どうしたのサンジ!!胸を抑えて・・・まさか昨日の傷がまだ・・・」
本当に優しい子なんだとサンジは再確認した。ラインハルトにやられた胸の傷が痛んだと思ったのだろう。エミリアはすぐさまサンジの身の心配をして駆け寄ったのだ。
「違うぜエミリアちゃん。これは君の笑顔があまりにも美しすぎておれの心を愛の天使が鞭を打った痛みさ!!」
「ごめんね。ちょっと何言ってるかわからないわ。二人は意味わかる?」
「「全くわかりません」」
双子だから息はピッタリだった。
「そういえばお客様。これはお客様のズボンのポケットに入ってたものです。お返しします。」
青髪のメイド。レムがメイド服のポケットから手の平サイズの箱を取り出しサンジに渡す。
「あ、おれのタバコとライター。持っててくれたのか」
レムが持っていたのはサンジのタバコとライター。タバコに至っては中身はもう数本しか残されていないがサンジは一本取り出して口に咥える。
「初めて会った時から気になってたけどそれってもしかしてダバコ?」
エミリアがサンジのタバコに興味を持ったのか近づいて口に咥えたタバコを観察する。
「(ダバコ・・?ああそういえばあの盗品蔵のジジイが言ってたな。こっちの世界じゃタバコじゃなくてダバコっつうんだっけ?)」
「ああそうだぜ。エミリアちゃんも吸ってみるか?」
「遠慮しとくわ。ダバコは体に悪いものだって本に書いてあったもの」
「そうか。」
そしてサンジは返してもらったライターでタバコに火をつけて吸い始める。
「ではお客様。何か御用がありでしたらお呼びください。」
そう青髪メイドのレムが言うと桃髪メイドのラムも一緒に寝室から出ていってしまった。
「・・・・・・・」
サンジは出て行く二人の姿を無言で眺めていた。
「ねえサンジ?このあと私ね。朝の日課で庭に出るんだけどサンジも来る?」
前傾姿勢でサンジの顔の近くに自身の顔を持っていくという童貞を殺す行動をしたエミリア。今のエミリアの誘いで断らない男などいないだろう。例えそれが仲間の剣士だろうと。しかしサンジは・・・・
「はい!!よろこんで!!」
鼻血を吹き出しながら全力で肯定したのだった。
当然の結果だった。