ラムチーとプリシラ様好き。
「ここまで来れば大丈夫か」
サンジはタバコに火を付けながらそう呟いた。今いる場所は先ほどサンジがいた場所。
チンピラ達をぶっ飛ばした場所と言えばわかるだろうか。
何故再びここに来たのか。
理由は1つ。サンジはこの街を知らないからだ。
まだサンジはこの街・・・もっと極端に言えばこの世界に来てまだ数時間と経っていない。
土地勘の無いサンジが無駄に遠くに移動すると元いた場所がわからなくなるかもしれない。
そういった理由で今このチンピラ達をぶっ飛ばした場所である路地に来た・・正確に言えば逃げて来たのだ。
先ほどチンピラがめり込んだ壁の破壊後は当然ながら今も残っている。そのめり込んだチンピラはすでにどこかに行ってしまったようだが。
「はあ・・はあ・・・ちょっと・・・貴方・・・聞きたい事が」
「あー大丈夫だよ、お嬢さん。俺は逃げないからさ。だからゆっくり息を整えていいよ」
肩で息をして両膝に手をつく銀髪美少女にサンジは優しく声を掛ける。何故抱えられていただけの銀髪美少女が疲れているのかは疑問に思ったが。
「おじさん!!さっきどうやって飛んでたの!」
そして先ほど道端で泣いていた女の子に聞かれサンジは両膝を曲げて女の子と同じ視線になる。
「お嬢ちゃん。俺はおじさんじゃなくてお兄さんだぞ。そこ間違えないようにね」
優しく。それはもう本当に優しい声で女の子に間違えを訂正する。
「なんで?おじさん髭生えてるよ。なんでお兄さんなの?あと眉毛すごーいグルグル!!」
無邪気な子供というのは恐ろしい。
なんの悪意もなく人を傷付ける事が出来るのだから。
「ふう。もう大丈夫よ。待ってくれてありがとう。」
「ん?お、そうか。そんで聞きたい事って?」
サンジは壁に寄っかかりタバコを吸う。
「えっと・・・どうしよう。聞きたい事がありすぎてどれから聞いていいか・・」
迷いだす銀髪美少女。そんな姿を見てサンジは銀髪美少女に提案した。
「こういう時はまず最初にお互い名乗りあうのがセオリーですよ。お嬢さん。」
「せおりー?どういう意味かわからないけど確かに名前を知らないのは不便だものね」
なんだか暗い顔をしながらサンジの提案に同意する銀髪美少女。
「よし。じゃあまずは私目名乗らしていただきます。俺の名はサンジ。一流の料理人だ。よろしく!」
「私ユウ!!」
「ユウちゃんっていうのかよろしくな」
「うん!よろしくねおじさん」
「おじさんっていうのやめようかユウちゃん。」
きっと空を飛んだのが余程おもしろかったのだろう。すっかりサンジに懐いている。
「んで。君は?」
サンジが銀髪美少女に名を聞く。そして銀髪美少女はサンジ、そしてユウを見た後に目を閉じ、
「サテラ。私の名前はサテラ。そう呼んで」
サテラ。そう名乗った銀髪美少女の声はこの人気の無い路地に反芻した。