遂に始まる新章予告
少年はいつも独りだった。
少年が望んだわけではない。
少年は望まなくしてなったのだ。独りに。これからもずっとこのままなのだろう......そう諦めていた少年に、転機が訪れた。同居人が出来たのだ。自分を拒絶せずに、受け止めてくれる同居人が。
少年は救われた。
少年は満足だった。
そんな少年に、またもや転機が訪れる。はたしてその転機は、少年に何をもたらすのか。
―――
「お久しぶりですね、レン君......」
「......え?まさ、か......?」
『幼なじみ』との予期せぬ再開。自分で傷付けてしまった『幼なじみ』と出会った時、少年は一体どうするのだろうか?それは、他でもない少年自身が決めること。
「......静か、ね」
返事は帰ってこない。初めて覚える「寂しさ」という感情に、花妖怪は不安を抱いてしまう。それは良しきも悪しきも、花妖怪が少年のことを気にかけているという確かな証でもあった。
「さぁ行きますよレン君!ヒャッハー!」
「君ってそんなキャラだったっけ!?ねぇ教えて!?」
「............」
少し性格が変わってしまった『幼なじみ』に少年は戸惑うものの、満更という訳でもなかった。そんな二人を見て、面白くないと思ってしまう花妖怪。彼女のその気持ちは、一体何の感情から来るものなのだろうか。
「幽香さん!なんでそんなに早苗に当たるのさ!」
「うるさいわね!貴方には関係ないでしょ!?」
すれ違う二人。このままではいけないと思っていても、止まらない二人の心。ちょっとした歪みは、やがて大きなヒビとなってしまう。
「一体僕は......どうしたいんだ......?」
少年は迷う。自分は一体何をどうしたいのか。何をどうやりたいのか。だがしかし、その選択肢を少年が選ぶには、少年はあまりにも若すぎた。
「こんな所でしょぼくれちゃって。どうしたんだい、少年!」
「......誰?」
未だに答えを導き出せないままの少年の前に現れたのは、とある大学のオカルト倶楽部に所属する学生、宇佐見蓮子。彼女の言葉は、少年に何をもたらすのか......。
「蓮花......。貴方に、言っておかなければいけないことがあるのよ」
「......うん。聞くよ、幽香さん」
さぁ物語を始めよう。
望まない力を手に入れたせいで、独りになってしまった少年と。
誰からも理解されず恐れられ、独りになってしまった花妖怪の。
笑いあり涙ありの、この恋物語を......。