花妖怪の君と過ごした最高の日々   作:『向日葵』

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花妖怪の君に弄られた日

 

夏。

 

 

 

そう、それは僕達学生にとって最高の季節。つまりは、夏休み。

夏休みは三つある長期休暇の中でも、特に休みが長いのだ。

そんな夏休みを、僕達学生が何もしないでいると思うかい?いや、答えは否だ。

 

遊ぶ。とにかく遊ぶ。そして遊ぶ!

 

そう。それこそが、それこそが僕達学生の意義なのだ。

幽香さんが来て、一週間と半。その間にも夏休みは非情にも去っていく......。

 

そして、そんな夏休みも残すところあと五日。

 

だからね。だから、僕が何を言いたいかと言うとだね......。

 

 

「課題、終わらねぇ......」

 

 

そう。夏休みの課題を、全くしてなかったのさ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

❁❀✿✾

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ねぇ蓮花、暇なんだけど?」

「そうか。僕は暇じゃないんだから静かにしてくれ気が散る嘘ですスイマセンその日傘を仕舞ってください!!」

 

幽香さんが私暇ですよコールを出して来た為、構ってられるかと言った風に手でシッシッとすると、幽香さんが日傘を持ち出してきた。

命の危険を感じ取った僕はすぐさま奥義、DOGEZAを発動。

ふっ。この奥義をやれば、大抵の事は許してくれるハズさ。

 

「ダァーメ。許さないわ」

 

だがしかし、幽香さんには効果が無いらしい。

ならば、と。せめてもの抵抗とばかりに、声を荒らげて抗議を試みる。

 

「ちょちょちょ!?やめてよ幽香さん!!君の力で殴られると僕死んじゃうから!!」

「安心なさい。ちゃんと死なないよう手加減して、何度も殴ってあげるわ。まぁ、死んだ方がいいと思うぐらいの痛みに襲われるけどね」

「尚更嫌だよチクショウ!!」

 

はい抗議終わり!一方的でしたねチクショウ!!

前からサディストサディストとは常々思っていたけど、まさかここまでとは......!!

 

日傘を持って楽しそうに笑っている幽香さんに、冷や汗を流しながらも僕は、何故構えないのかの説明をする。

 

「ほ、ほら。この前説明した夏休みも、残すとこあと五日しかないんだ。残り二週間ぐらいになったら課題をしようと計画してたんだけど、その分の一週間と半は幽香さんが来たことで潰れちゃったし......」

「ふぅん。つまり......私が悪い、と?」

 

あ、やべ。終わった......。

 

幽香さんは更に、その誰もが誰もを魅了するであろう顔に笑みを深めた。

何も知らない人ならばなんて綺麗なんだと思うだろうが、事情を知っている人から見れば悪魔の笑みとしか言い様がない。

 

「あらあらあらそう。私が悪いのね。そうなのよね?」

「あ、いや、そういう訳じゃ......」

「貴方は夏休みの最初の方に遊ぶ事しか考えてなく、課題なんて後からすればいいやと思い、結果とて今まで先延ばしにしてきた。そしてそんな自分の浅はかな考えを反省もせず、遂にはお前が悪いと私に罪を擦り付ける......と。貴方は、そう言いたいのよね?」

「マジスイマセンでした許して下さいお願いします!!」

 

罪悪感に耐えきれず、僕は再びDOGEZAを発動。

しかし、一度火の付いた幽香さんの精神攻撃は止まらない。

 

「ええ分かってるわ。私が悪いわ。貴方の浅はかで計画性のない無頓着な考えを知らずに、強引に家へ押し入ったもの。ええそうよ、私が悪かったわ。ほら、私を責めなさい?」

「分かりました!分かりましたから!!僕が悪いです!ゴメンなさいでした!!だから許して......」

「遂には逆ギレ......と。ホント、救えない人ねぇ」

「うわぁぁぁぁんっ!!」

 

ダメだ。ああ言えばこう言い返される。僕に、僕に勝ち目は無いのか......!?

 

「無駄よ、貴方に勝ち目なんか無いわ」

「心読まないでくれる!?って言うか、どうやって読んだのさ!!」

「私妖怪だから。それじゃ納得しないかしら?」

「する訳ないだろ!?」

 

覚かアンタは!?プライバシーもへったくれも無いですねぇ!!

 

「ハァ。今の説明で納得いかないなんて......貴方、我儘だわ」

「今日は随分と言葉にキレがありますね!?」

「あら、言葉で人は斬れないわよ?何を言ってるのかしら貴方は......頭、大丈夫?」

「切れ味って意味じゃねぇよチクショウ!!」

 

やめてくれ!僕のライフはもうゼロに近いよ!!これ以上の精神攻撃は命に関わる!!

 

本気で人の心を折りに来る花妖怪、風見幽香さん。特徴、超が付く程のドS。

 

本当に君、花を愛でている時のような微笑みをしていた彼女と同一人物かい?僕には今の君の微笑みが恐ろしくて堪らないんだけど......?

 

「これ以上言われたくなかったら、私に構ってくれる?」

「了解っス......」

「じゃあまずは、この道具について聞きたいんだけど......」

 

 

 

 

 

―――あぁ。どうやら今日も、課題は一つも出来ないらしい......。

 

 

 

 

 

 

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