青春学園中等部の立役者、始めていきたいと思います。肌に合わなければブラウザバックを推奨です。
感想、評価等々よろしくお願いします。
「立川悠さん、あなたは先程死にました!思い出せますか?」
--ん?誰だこいつ……ってめっちゃ可愛い!ってそんなことより、え、俺死んだの?……そういや俺は確かテニスラケットを買いに出かけて、その帰りにトラックに……?!
俺、立川悠が目を覚ますと、そこには美少女、という言葉がピッタリの可愛らしい女性が話しかけてきた。自分が死んだと言われ記憶をたどると、確かに俺の中で思い当たる節があった。
「お、その顔!思い出したみたいですね!そうです、あなたは死んだのです!」
いや、お前なんでそんなハイテンションなんだよ。内心突っ込んでおくが声にはしない。
「ハイテンションなのは、それだけの理由があるからです!」
「いや、何勝手に人の心読んでんだよ……ってか、質問したいことが山ほどあるんですが……」
「あー、それもそうですね。何から説明しましょうか……。んー、まずは自己紹介からですね!手始めに、私は神です!」
は?こいつ頭おかしいんじゃねぇの?
口から思わず出そうになったが、ここはぐっとこらえる。そうだ、人は口にさえ出さなければ社会でうまくやっていける、byお母様。
「頭おかしいって、初対面なのに酷いですね……」
あ、そういやこいつ心読むんだった。いや、まあこれは俺悪くないよ、いくら外見がいいからって、いきなり自分は神ですって宣言されたら誰でもそう思う。
俺は心の中で自己弁護する。
「いや、急にそう言われてもな……。それで、自称神様が俺に何のようで?」
「あ、さては信じてないですね?」
「当たり前だ」
俺は神だとか幽霊だとか、非科学的な現象は信じない口なんだ。それこそ、俺の好きだった漫画のテニスの王子様とかも現実なら……。
そこで自称神が大声で俺の思考を遮ってくる。
「そう!それです!テニスの王子様!」
「は……?」
いかん、思わず気の抜けたような声が……。テニスの王子様?なんで今そんなワードに反応するんだ。あ、こいつひょっとして、そっち系か?
「ちーがーいーまーすー!あなたの想像してるような趣味はありません!あーもう!話進まないからちょっと黙っててください!」
いや、勝手に俺の心を読んで反応してるだけだろ……。まあ、引き続き俺は素直に話を聞いておこう。こういう人付き合いも社会で大切なことだろうし。
「なーんか気に食わないですが、まあそれは置いときましょう……。いいですか?立川悠さん、あなたはつい先程死んで現在はここ、転生準備室にいます」
「転生準備室……?」
「はい!立川悠さん、自分が死んだことははっきり覚えていますよね?本来肉体が死滅した場合、その人の魂は輪廻転生の流れに従い記憶が消去され、次の生を全うするのですが……今回は特例なのです!」
「あ……」
俺はあることに気づき、言葉を漏らした。そうじゃん、俺死んだのになんでこんなに明確に、それが記憶に残ってんの?え、てかここ死後の世界ってやつ?え、マジで?
「マジです、これで私が神だということも納得できましたか?」
「……にわかに信じられないが、納得するしかなさそうだな」
「はいはい、そうです!信じてくださってよかった!で、話の続きですが、今回、立川悠さんには特例として記憶を持ったままテニスの王子様の世界に転生して頂きたいのです!」
「ちょ、ちょっと待て……て、転生?!テニスの王子様?!え、本当に?!」
「おー、えらい食いつきようですね……」
自称神が若干引き気味だが、そんなことは関係ない。あのラノベとかでよく見る転生ものが自分の身に起きているんだ、しかも転生先が大好きな漫画だったテニスの王子様だって?!テンション上がるに決まってるだろ!
「ははは……まあ、喜んでもらえて何よりです!」
そこで俺はハッとする。俺の中で疑問が生じたからだ。
「ちょっと待てよ……。なあ、なんでテニスの王子様の世界に転生なんだ?確かに嬉しいが……限定されているのには何か理由でもあるのか?」
「おー!それも説明しないとですね!実はテニスの王子様の世界なんですが、原作と若干違う流れに沿って物語が進んでしまいそうでですね、それを外部からの介入によって原作と同じ結果にまで矯正したいのです。と、そこで!転生者を探していたところ、元テニスプレイヤー且つテニスの王子様が好きな立川悠さんを見つけたわけです!」
ふむ……なるほどな……。つまり、原作と違う結果になると神様が困るっていう事で、その世界の改変を俺に頼みたいわけか。
「ちなみに、どういう結果に矯正したらいいんだ?」
「えっとですね……青学の全国優勝です」
「いや、漫画の結末そのものじゃねぇか」
思わず突っ込みを入れてしまう。
「いやー、あの世界のテニスの勝負はどれも紙一重のもので、ちょっとの事で結果が変わってしまうんですよ……。漫画で青学が優勝できたのはある意味奇跡レベルで……」
そ、そうなのか……。まあ、タイブレークで30対30とかまでいく世界だし、言われてみればって感じだが……。
「なるほどな、それで過程はどうあれ、俺は青学が優勝するようにその世界で動けばいいのか?」
「はい、その通りでございます!」
俺の問に神様が満面の笑みで答える。
まあ、美少女が笑顔で喜んでくれるのはいいんだが、1つ不安なこともありまして……。
「あー、質問いいか?」
「あ!テニスの王子様でのあなたの能力についてですよね!その点は大丈夫です、ある程度の特典をつけておきますので!」
こ、これがテンプレってやつか……。まああんなテニヌの世界で生身の俺がやっていけるはずもないしな……。よし、これで懸念材料はなくなった。
「準備オーケーなようですね!それでは転生を始めますよー!あ、それと折角の2度目の人生、私が言うのはなんですけどしっかり楽しんでくださいね!私としては青学が全国優勝してくれさえすればそれで大丈夫ですので!」
「お、おう……」
こいつ……案外まともなところあるんだな。よし、そういうことなら思いっきり楽しんでやるとするか!
転生直前、意識の端で『案外まともってどういうことですかー!』と神様が怒る声が聞こえたが、それを機に意識が暗転した。