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それでは第5話行ってみましょう。
リョーマVS桃城パイセンの試合であるが、結果から言うと原作通り、試合中断という形で終わった。
しかし、その内容は終始リョーマのツイストサーブから始まるという、やる気全開モードで、桃城先輩は返すのがやっと、という状態であった。
まあ、桃城先輩は足を痛めていて本来の力を出せていなかったというのもあるだろうが、それにしろリョーマのやつ、この前アメリカで俺と試合した時よりもツイストサーブのキレが増してやがった。
桃城先輩はやばいと思ったのか、リョーマが本来の左でプレーをしようとしたところで試合を中断したようだ。
「すげぇ!2年のレギュラー相手に互角かよ!」
「キャー!桜乃、リョーマ様のとこ行こ行こ!」
「と、朋ちゃん……」
「初めまして!私桜乃の親友の小坂田朋花っていいます!」
「……桜乃……って誰……?」
「えぇ?!」
くくっ……リョーマのやつ、そういうところは原作通りかよ。てことは、竜崎とリョーマの邂逅イベントはもう達成されてるってわけね。ったく、えせヤンキー(確か、佐々部って名前のやつ)から助けた女の子の名前くらい覚えとけよ。
「それより……」
ん?どうしたんだ?
リョーマのやつが立ち上がり、こちらに向かってくる。
「立川、近いうちに、次はあんたをコートに引っ張り出すからね」
「……くくっ……楽しみにしてるよ、リョーマ」
リョーマさんや、闘争心の塊ですがな!でも、こういうのってなんかいいなぁとか思ったり。青春?って感じするもんね。
まあ、なんかゲームのラスボス感すごいけど、そこは一旦置いておこう。
「あ、そうだ。リョーマ」
「……?」
「一応、クラスも同じだからよろしくな」
「っ?!ふっ……まだまだだね」
俺の言葉に一瞬驚嘆したような表情をした後、笑みを浮かべてリョーマは立ち去っていった。やっぱりあいつ、俺と同じクラスってことに気づいてなかったみたいだな。
コート上では桃城先輩と林、マサやんが話し合っている。
「桃、お前の足さえ治っていればなぁ……」
「いいや、あいつハナっから気づいていたよ、怖いねぇ。まあ、それもそうなんだが……」
「ん?どうした桃?」
「いや、何でもない。……立川、ねぇ……。聞いたことない名前だが、後でバアさんに聞いておくか……」
最後の桃城の呟きは誰の耳にも入ることは無かった。
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「悠?昨日はどうだった、青学のテニス部は?」
入学式から一夜明け、現在俺は冥と青学に向かっている。
昨日は面白かったなぁ、やっぱり人がテニスしてるの見ると、打ちたくなるよね。俺も早く試合してぇ……。
「あー……昨日はレギュラーメンバーの人達がいなかったから、ちょっと見ただけって感じかな。正式な仮入部は今日からだって」
「ふーん。あ、大石くんから聞いたんだけど……」
「ん?どうしたの?」
「なんか、テニス部にすごい1年生が入るみたいだね。確か、名前は……」
おー、さっすがリョーマ。伊達にテニプリの主人公やってないね、こんな所まで噂が広まってるじゃん。
「越前リョーマ?」
「あ!そうそう、越前リョーマくん!って、なんで悠も知ってるの?」
「あー、リョーマとは同じクラスなんだ」
「へぇ、そうなんだ。悠も、負けないように頑張ってね!いつか、悠がレギュラーメンバーに選ばれているといいなぁ」
ほいほい、当然頑張らせていただきますよ。まあ、リョーマにはもうアメリカで勝っちゃってるんだけどってことは口が裂けても言えない。それに、リョーマの伸び代は計り知れない、昨日見たツイストサーブだって俺と試合した時よりも数段キレが増してたんだ、次やって勝てる確証はない。
まっ、当然俺も練習するわけで、全国優勝に貢献するつもりだし、負けるつもりは毛頭ないけどね。
早いとこレギュラーメンバーに入らないと……ってあれ?俺なんか重要なこと忘れてない?
「まあでも、1年生の間は球拾いと基礎体力作りがメインらしいし、もうちょっと先のことになりそうだね」
「あ……」
わ、忘れてたー!そうだ、確か青学のテニス部の1年って夏まで試合出れないんだっけ?!リョーマだけ特例で試合出たって感じだけど、通常はレギュラーを決めるための校内戦にも出れねぇじゃんか!
「ゆ、悠……?なんか顔色悪いけど、大丈夫……?」
「あ、あぁ……大丈夫だ」
ど、どうやって校内戦に参加しよう……。
こうして、授業中にもずっと思い悩んでいたわけであるが、良い案が思い浮かぶはずもなく、部活の時間に突入する。
「んー、やっぱりどこかで注目されるようなイベントが必要だよな……。荒井先輩に絡んで原作のリョーマポジションにつくか?いや、無理無理、荒井先輩怖いもん」
リョーマは元々注目されていたというのもあるが、やはり校内戦に参加できたと理由としては荒井先輩との騒動が大きい。
--荒井先輩、彼は2年の先輩で、原作では1年のリョーマの目立った噂が気に食わず、リョーマに突っかかった人物だ。どうにかしてリョーマに恥をかかせようと、リョーマのラケットをラケットバックごと隠し、部室にあったボロボロのラケットを使用させリョーマに試合を挑んだのだが、リョーマはそんなラケットでも技術の高さを見せつけ、荒井先輩との試合に勝利する。このイベントにより、レギュラー陣にマークされ、特例で校内戦に参加したのだ。
やっぱりこのイベントをリョーマから奪うのはまずい……。もしリョーマが校内戦に出られない、ということになったら最悪だしな……。
んー、どうしようか……。悪目立ちとかはしたくない……。
そんな風に悩んでいた俺であったが、そこに後ろから肩を叩かれる感覚がした。
「ん?……うぉっ?!」
「よっ!直接喋るのは初めましてかな?桃城武だ」
振り返るとそこには、愛想が良さそうな表情を浮かべた桃城先輩が立っていた。
えぇ?!桃城先輩がなんで?!俺何かしたかな……。
「こ、こんにちは……。えっと、立川悠です」
「ははっ、まあそう固くなんな。いきなり驚かせちまったな」
「驚いたのは確かですけど……俺なんかに桃城先輩がどうしたんですか?」
「んー、まあそうだな……。様子見って感じかな」
「はい?」
思わず素っ頓狂な声を上げてしまった。え?様子見ってどういうことでしょうか?
てか、そんな悪そうな顔で……なにか企んでます……?
「いやー、1年の中で越前が有名になってるのは知ってるだろ?」
「ま、まあそれはそうですね……。同じクラスですし、彼の噂は耳に入りますね」
「そうかそうか、俺も昨日ちょっと手合わせしてみたが、噂通り、かなりテニスうまかったなぁ。お前も昨日見てただろ?あ、別に負けるつもりはねぇけどな?」
そう言って桃城先輩はウインクする。いやいや、何故か俺の中では嫌な予感しかしないんですが……。
「そ、そうですね、うまかったですね……」
「だよなぁ。部長の判断にもよるが、もしかすれば、あいつなら1年でレギュラーになれるかもしれねぇ。そんくらい、あいつは技術を持ってる。だが」
「だが……?」
やばい。俺の中で、嫌な予感がマックスレベルまで高まってます。
「あくまで噂なんだが、その越前リョーマに勝ったって奴がいるらしいんだよなぁ、それも1年で」
あ、詰んだやつだこれ。
「……立川、ちょっと付き合ってくれ」
「きょ、拒否権を行使します!」
「そんなもんあるわけねぇよなぁー、あるわけねぇよ。ほら、行くぞ」
そう言って、俺は強制的に桃城先輩に連行されたのであった。
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--桃城はリョーマとの試合後、青学テニス部顧問である竜崎スミレの元を訪れていた。
「いやー、越前はバァさんの言う通りのやつでしたね」
「おや?もうリョーマと打ってきたのかい?気が早いねぇ、怪我はもう痛まないのかい」
「はい、お陰様でっ」
そう言って桃城は怪我をしていた右足を振る。
「まあ、再発しないようにだけ気をつけな。……で、それだけを言いに来たんじゃないだろう?」
スミレがそう言うと、桃城は一瞬驚いたような顔をする。
「……さっすが。お見通しってわけね」
「当たり前だよ。で、さっさと要件を言わんかい」
「……先生、1年の立川悠ってやつを知ってますか?」
桃城の言葉に、今度はスミレが驚いたような表情を浮かべる。
「……桃城、あんたどこで聞いたんだい?」
「いや、聞いたっていうか……。実は、さっき越前と打ってきた時に立川がいて、越前が一目置いてたんで……」
桃城の言葉にスミレは両腕を組んで考えるような仕草を見せる。
「そうか……あのクソガキが言ってたことは本当のようだな……」
「……どうしたんですか?」
スミレが深刻な表情を浮かべたため、桃城も真剣な眼差しになった。
「……実は前にリョーマの父親から電話があってな。リョーマが青学に入るという内容だったんだが……その理由が、『倒したいやつができた』ってことらしい。そして、そやつの名前が立川、という名前なんだそうだ……。何しろ、その立川って子がリョーマを試合で倒したらしくてな……」
「っ?!越前を、立川が?!いくら先生でも冗談きついっすよ?!」
「私もそう思っていたんだが……。……桃城、ひとつお前さんに頼みがある」
「ん?なんっすかね?」
スミレが真剣な眼差しで桃城を見つめる。
「立川って子の様子を見てきてほしい」
こうして、立川悠を中心とした物語が始まろうとしていた。