とうとう投稿してしまった。
完結するといいなぁ。
私の最初の記憶。
ぼやけた視界に移る、揃ってこちらを覗き込んでいる、モノクロな何か。
耳に聞こえるのは甘い声。
私の事が大好きで、大切でしかたないっていう、あまやかな声。
それが、何かはわからなくても、モノクロの何かを恐いとは欠片も感じなかった。
ただ、大切に、愛されているのが感じられるのが嬉しくて嬉しくて、おもわず口の端が緩めば、金色も茶色も揃って喜びの声をあげた。
幸せで幸せで、私はゆっくりと眠りに落ちる。
金色から聞こえるのは、音程の外れた上手いとは言えない外国語のものだろう子守唄。
それに合わせて静かに笑う低い笑い声。
「HAHAHA!!」
、、、、、、、、え、えいご?
なんて、遠い昔の記憶に思いを馳せる今日この頃。
茶髪美人の母親と手を繋ぎ、可愛らしく、子どもらしく、キャッキャッとプライマリースクールから戻った11才の誕生日のこの良き日に…
玄関先のポストに立ち尽くす、不審すぎる人物たちを見付けてから、私の日常は180度変わっていくこととなる。
「ッ~~~!!誰なの!?あなたたちは!?」
力強く発せられる母の声。
ちょっと気の強い母の手にぎゅっと力が込められて、少し痛いくらいだった。
それでも、小刻みに母の震えが伝わってきて、私も力の限り母の手を握り返す。
ポストの前に立つ二人の人物は、こちらをゆっくりと振り振り返る。
「、、、は?」
その容姿に、私の中の記憶とあまりにも似通い過ぎている、その姿に、今まで被ってきた猫が剥がれ、間抜けな声が漏れてしまう。
しかし!それも仕方のないことと思って欲しい。
片や深緑のマントにとんがり帽子だなんて、物語の魔女のような姿をしていて、キリリとつり上がった目に四角いメガネ。記憶のものより随分若く張りのある肌。
厳格な雰囲気をまとった、背筋をピンと伸ばした美人の女性。
片や、髪をしっかりと撫で付け、豊かな口ひげを蓄えた、一般的な住宅の前にタキシードなんかをキッチリと着こんだ男性。
一見すると普通に見えるのだが、見過ごせない点がただ1つ。
、、、、、背が低い。
驚く程に背が低い。
振り向くまではタキシード着た子どもかと思ってたのに。
チビと呼ばれる私よりも低い。
そんな怪しすぎる見た目の二人組に不審がったり怯えたりするなというのが無理なのだろう。
鋭い声を投げ掛けた母を普段から大好きだが、更に尊敬してしまう。
「ま、ママ。。。」
彼女らに何かしようものなら、母の身が危ない。
そんな思いから力の限り握りしめ続ける私を怯えていると勘違いしたのか、こちらを見てしっかりと首肯くとより目に力を込めて相手を睨みつける。
「大丈夫よ、愛しいリア、あなたはママがこの身に代えても守ってみせるわ!」
「ッママ~!!」
ちっがうよ!ママ!あなたが危ないんだよ!
そう言いたいのに、ママの豊満な胸に抱き込まれ、一切声を出せない状態に!?
い、息が!!ママ!今、あなたに身の危険を感じてますが!?
「むー!むー!!」
「あの、よろしいかしら?」
そんな私たちの茶番劇じみた行動に待ったをかけたのは目の前の二人組、女性の方。
「なっ、なにっ!?」
声をかけられたことに驚いた母に更に絞められ、段々と血の気が……
「いいから!早くその子をお放しなさいっ!」
「私たちからかわいいリアを取り上げるつもりなのっ!?
なんて人たちなの!ヤードを呼ぶわよっ!?」
「ここら一帯にはマグル避けの魔法を使ってます!
マグルは近寄れませんよ!
っではなくて!」
ああ、目の前が暗く…
言い合う声に気になる単語が混ざっていたのに、私の意識は酸欠により、ゆっくりと沈んでいく。
マグルとか、それ、なんてハリー・ポッター?
誰だかわかるだろうか?