私の楽しいホグワーツ   作:まりも28

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電車の旅はまだ続く


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片や扉を開けさせまいとする深い色の赤毛に印象的な緑の瞳の美少女。推定主人公母。

片や扉の向こうで扉を開けようとしている。推定眼鏡の主人公父。

 

それをコンパートメントの中で眺める私と黒い推定未来の魔法薬学教授。

 

「ねぇ」

 

「・・・・・・・」

 

「これ、どうしてくれるの?」

 

「・・・・・・・・すまない」

 

静かに一人魔法に挑戦していた私のお楽しみタイムをぶち壊し、未だにギャアギャアと騒ぎ立てる子供達。

いや自分も子供なんだけれども。

 

「・・・・はぁ」

 

「・・・」

 

ため息しか出ない。

とりあえず、この騒ぎに収集をつけなければ始まらない。男子一人とは拮抗していた彼女も男子二人がかりでは徐々に力負けしてきているし、隣の黒いのは多分役には立つまい。色々と圧倒されているようだし。

ナナさんをしっかりと握り締め、決着の時を待つ。

 

「「せーっの!」」

 

「きゃっ!?」

 

スパーンッと良い音をさせて開かれた扉、少女の腕下を通り抜けて真ん中に立つ。

 

「誰だい?君は「ルーモス!光よ!」え?」

 

さっきの失敗を帳消しにする為、全力を込めて声高らかに『杖灯り』の呪文を使う。

もちろん、自分は目をしっかりと閉じておくのを忘れずに。

瞼の裏に光が炸裂するのを感じながら、自らのルーモスが引き起こす惨状で、奴等に一矢報いられることを祈ろう。

 

 

 

 

 

 

結果として、床に4体の芋虫が誕生した。

口々に苦悶の声を上げつつ丸まる奴等はまさに無様の一言につきた。

さっきまでの自分もこんなんだったのは爽やかに見ないフリをして、自分のコンパートメントの椅子に座りお母さんの淹れてくれたお茶を注ぎ優雅に一口。

 

「うむ、うまし」

 

「「「「うまし、じゃない!」わよ!」じゃねぇ!」よ!」

 

丸まる芋虫共がなにやら喚いているが、爽やかに聞き流す。人のコンパートメントに力ずくで入ってきて撃退されただけ。

どちらが悪いのかなんて、火を見るより明らかだろう。

 

 

お茶を飲み終わる頃にはだいぶ回復したのか、よろよろとゾンビの様に起き上がる芋虫達にそれぞれコンパートメント内の椅子を勧めてみると割りと大人しくみんな座った。子供で体も小さい為、4人用のコンパートメントでも5人座れている。

私と主人公母で一つの席ではなく、主人公母、私、黒い薬学教授でなんとか収まっているのは悲しい事実である。

 

「さて、それでは」

「エバンズ!どうしてだい!」

「ちょっと!近付かないで!」

「ポッター!リリーに近づくな!」

「ジェームズはてめぇに用はないんだよ!」

 

「ルーモス!光よ!」

 

炸裂する閃光、上がる4つの悲鳴、出来上がる4体の芋虫。上がる習熟度。

 

「ふぅ。」

 

ゆっくりお茶を飲む。うむ、うまし。

 

床にうごうごと蠢く4体の芋虫に静かに話し掛ける。

子供に話し掛けるときはしっかりと聞き取れるよう、言い含めるように話すこと。

近所の子供たちと遊ぶときに学んだことではあるが、この場合は必要なことだろう。

 

「一つ、これ以上騒ぐなら次はもっと光量をあげる。

二つ、まずは落ち着いて話をしましょう。

三つ、ここは私のコンパートメントです。

四つ、不満ならさっさと出てけ。以上」

 

最後だけ少し低めに声を出せば、蠢く芋虫達は一様にうなずいて静かに蠢くままとなった。

こいつら、目が見えなかったから大人しく椅子に座っただけで、大人しくなったわけではなかったのか。

ホグワーツ悪戯仕掛人と言われる存在とそれに対抗する存在だけあって、まだ子供なのにとてつもなく我が強い。出来れば相手なんてしたくない。穏便でなくてもいいから、騒ぐならここじゃなくて元のコンパートメントに戻ってから騒いでくれないだろうか。

 

「で?」

 

未だに目が回復しないのか、席にはついたが目を擦ってどうにも見えにくそうにしているうちになんでこんな事態になったのかを聞いて、出来れば出てって欲しい。切実に。

 

「この人達が私の親友をバカにしたのよ」

 

「親友!?こんな根暗な奴が君みたいなステキな人のかい!?」

 

「ポッター!!また貴方は!なんて失礼な人なの!?」

 

「リリー、落ち着きなよ。

こんな失礼な奴、それこそキミが相手にする必要はないだろう?」

 

「てめぇ、言わせておけば!ジェームズを侮辱すんじゃねぇよ!」

 

「先に私の親友を侮辱したのは貴方達の方じゃない!」

 

 

ギャアギャアと騒ぎ立てる声はこのままじゃ、ホグワーツに着くまで収まりそうにないうえ、堂々巡りもいいとこだろう。

 

「はぁ、一つ、これ以上騒ぐなら『ルーモス・マキシマ』!!」

 

今度は目を瞑り、手でおおい、下を向く。それでも眩しさが瞼の裏に届いてくる。

直撃を喰らった奴等はしばらくは動けまい。

 

4体の芋虫達は苦悶の声を上げつつ転げ悶えている。

少しは学習すればいいのに。抑えのルーピンが居ないとこんな事態になるのか。早くルーピンが仲間になるといいよね。

私はもう、知らん。

 

転がる芋虫を踏みつけて、自分のバッグを取ってコンパートメントを出る。

すぐ隣には無人のコンパートメントがあるわけで。

そこに移動し、ゆっくりとお茶を飲む。

子供はどうにも苦手だなぁ。

 

 

 




ポッター「目が、目がああああ」
ブラック「ちくしょぉ!あいつ!さっきからなんなんだ!」
エバンズ「やだ!セブ、さっきの子、出てっちゃった?」
スネイプ「多分」
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