ホグワーツ最初の授業にみんなとってもわくわくそわそわしてる。
急いで寮の各部屋に戻ってお昼までの授業の準備を抱えて、出くわした廊下で足りないものを確認し合う。
羽ペン忘れる子もいたが、この子は何で勉強する気だったのか少し気になるところだ。
そして、私達の最初の授業を聞いた後の先輩の顔が何やら不憫な者を見る眼差しになったのがとっっっても気になった。
ねぇ、先輩?何故そんな顔をなさるのでしょうか?
ねぇ、先輩?『闇の魔術に対する防衛術』に何があるんですか!?
その先輩の顔を見た同級生達は一様に緊張しながらも、動く階段に驚愕し、こいつのせいで沢山のハッフルパフが遅刻の憂き目にあったのだと怒りの眼差しを向け、先輩の後を小鴨よろしく着いていく。
そんな後方で少し隙間を空けて着いていく私がしていることは何か?
「だからさぁ、ピーブズ~。単純に大きな音出したり急に飛び出したりが幽霊の驚かし方の全てじゃないと思うわけ」
「いや!そこは偉大なる悪戯者としての矜恃ってものがあるだろぉ?」
「そりゃあ、最初とか一年生なら構わないんだろうけどさぁ。マンネリっていうの?七年間同じような手口じゃ飽きがきちゃうじゃない?子供は流行に敏感なんだし、実際七年生にはほとんど効果ない訳なんでしょ?」
「そりゃあ、ハッフルパフの大間抜け共・・っと失礼。可愛らしいパピー達なら何時でも効果覿面だぜぇ?」
「おいこらテメェ口を慎めや。
・・・まぁ言い直ししたから特別に目溢しするけどさぁ。
やっぱなってないっていうかさぁ。
ゴーストだろうと成長って必要だと思うよ?
さっきの登場も、最初に一発ってならいいんだろうけどねぇ」
「・・・・・まぁ、その最初の一発にすらビビらなかったハッフルパフが居たが。
・・・・・・なぁ?お前、本当にハッフルパフか?」
「おお!そのケンカ買うよぉ!今に見てなね、ゴーストに効果のある呪文ソッコー習って実地でじっくりしっかり試してあげるからね!」
「やめてくれよぉ、兄弟。
アンタと争うって気はさらさらないぜぇ?」
「しょうがないなぁ、兄弟は。
まぁ、今回はお互い出会ったばかりだし、わからないのもしょうがないね。
ハッフルパフの!私は寛大で優しいからね!
貸しにしとくけど、二度目はないからね」
「ギャハハハハ♪ありがとよ!兄弟!!」
「やれやれ、兄弟は調子がいいんだからさぁ~」
「いやいや!クリア!あんたは何してんのよ!!」
「オレンジと青の半透明の風船と意気投合してます」
初志貫徹。初の授業に急ぐハッフルパフ生を驚かそうと盛大に登場したピーブズに驚かすとは何か?を語り合い意気投合した所である。
幽霊とは何か?
ゴーストとはどの様にするべきか?
これは、ことホグワーツにおいては人生観、またはゴースト観とも言うべきか。そんな哲学的な学術的な話となるだろう。
「やっぱ、驚かすにもいきなり驚かせるのと、思わせ振りに間を持たせるのってかなり違うじゃない?」
「でもよぉ~。間を挟んでも失敗するのがオチだぜぇ~?」
「そこがピーブズが成長しなくちゃならない部分なんでしょー?だからさぁ「クリア!あんたいい加減にしなさいよ!」うわっ」
「ほら見ろよ兄弟。や~っぱり驚かせるには、突然!大きな音!気付かせずに一気に!ってのが重要なんだよ」
「えー!今のは所詮条件反射な訳じゃん?真の恐怖ってのはじわじわっと、そして一気に止めをってのがそうなんじゃないの?」
「結局は一気だろぉ?」
「ちっがうんだよ!
間を置くことで生まれる恐怖感がだねぇ!なんっでわっかんないかなぁ!」
「クリア!いい加減にしないと怒るわよ!!」
「あー、御言葉だがミス・ブルーム?」
「なによ?ピーブズ!」
「既に怒ってるのでは?」
「ピーブズ!!!」
「ギャッハハハハハ♪
今年のハッフルパフは変な奴が何人もいるなぁ!
ああ、楽しい新入生ちゃん達だぜぇ」
「おっとぉ、ピーブズ、そろそろ教室だしまた後でね」
「おお!兄弟!是非とも語らうとしようぜぇ!
あんたほどこのピーブズ様と話の合う奴はなかなかいないからなぁ!」
「さっさと消えなさい!この風船バカ!!」
「んだよぉ、ミス・ブルームぅ?そぉ~んなに俺様のはじめましてが気に入ってくれたのかぁ?
嬉しいなぁ~?」
「言わせておけばぁ~~~!!!」
「ギャッハハハハハ♪またなぁ~」
「あ、またね!」
「もう二度と来るなぁ!!!」
さぁ!壁の向こうに風船の兄弟は去っていったし、いよいよ初の授業で、ある!
「急に出てきてビックリしたねぇ」
「ゴーストがいるなんて、ホグワーツってすごいや!」
「おっきな音、怖かったよ~」
「みんなぁー!あれには気を付けるようにね!
・・・・・・あのビーブス相手にあんな平然と話してる子初めて見た。テッドに伝えとこう」