私の楽しいホグワーツ   作:まりも28

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最初の黒歴史


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残念ながら、ざっと自己紹介を終えてもまだまだ時間は有り余っている。

 

「あ~また暇に」

 

「まぁ、うちの寮はもともとが人数少ないんだから、終わるのも早いわよね」

 

「・・・・・・・」

 

「シャーリー?」

 

「どうしたのよ?真面目な顔なんかしちゃって」

 

「ふふふ~。やっぱり、ちゃんと言わなきゃダメよねぇって、思ったの」

 

暇だ暇だと騒いでいた私達と違いなんだか憂い漂う真剣な表情をするシャーリー。

そんな表情も麗しいの一言に尽きるけど、ここでそんな事言おうものならエヴァからどんな眼差しで見られることやらわからないので、単純に聞き返す。

 

「なにを?」

 

「このバカにハッキリ言うなら早いうちの方がいいわよ?」

 

「エヴァちゃん!?澄んだ瞳でなんてこと言うの!?」

 

「そうよねぇ。クリアちゃんにもちゃんと言わなきゃよねぇ」

 

「えっ!?」

 

「え、あの、シャーリー?クリアにだって悪気がある訳じゃないのよ?そんなに酷いとこあった?」

 

自分で言っといて肯定されるとこっち以上に焦ってフォロー入れ出すエヴァマジ尊いが、え?シャーリーにそんな顔させる程ヤバいこと私しちゃってたっけ?本当に?え、私何したの???

 

「あら?違うわよぉ、エヴァちゃん。

わたくしね?クリアちゃんがあんまりにも無防備だから心配になってしまったの。

みんな何も知らないから、とても心配になってしまったの。

クリアちゃんだけじゃないわ。エヴァちゃんも、このハッフルパフのみんなもとても素敵な子ばかりなんですもの」

 

「何も知らない?」

 

「何を知らないってのよ?」

 

「魔法界について、かしら」

 

「そんなの、魔法族じゃないんだから、知るわけないじゃない」

 

「そう。知らないのよ。でもねぇ?エヴァちゃん。

それは知らないままではいけないことなのよ。

魔法族じゃないからこそ、危険なことだって起こりうるのだから」

 

「危険なこと?」

 

「・・・・・・・あ~」

 

エヴァはきょとんとした顔してて可愛いけど、それとは別で私にはシャーリーの真剣な顔と魔法族じゃないからってので、思い当たる事がありすぎる。

 

「『例のあの人』・・・だね」

 

「クリアちゃん・・・・・知ってたのぉ?」

 

驚きに目を見張るシャーリーに怪訝そうな顔をするエヴァ。

周りのみんなの目線も集まって気まずい事この上ないけど、何人かはシャーリーと同じ驚きの表情の子がいるから、あの子たちは魔法族なんだろうなぁ。

 

「そんな詳しくは知らないけど、まぁ、さわりだけ?」

 

「それを知っていて、あんな自己紹介をしていたってこと?」

 

「・・・・はい」

 

シャーリーの言葉尻に少し非難めいたものを感じるし、美少女に責める様な眼差しは正直心が痛いけど、事実なので、肯定するしかない。

 

「クリアちゃん、それは、とても危険なことなのよ?

わかっているんでしょう?」

 

「うん。まぁ。

でも、私は自分がマグル族だからってことがそこまで非難されることだとは絶対に思えないし、私は自分の両親が大好きだよ。

私を愛して育ててくれた」

 

昨夜も言ったことだけど、私は私の生まれのことで差別されることは我慢がならない。

 

「でもね?どんなにクリアちゃんのご家族が素敵な方だとしても、『彼ら』には関係がないの。

『彼ら』に大切なのはクリアちゃん自身ではなくて、クリアちゃんに流れる血なのだから」

 

「それこそ血なんか関係無いでしょ?

『彼ら』は血筋で見てるけどさ、魔法族とかマグル族とか関係なく、性格の悪い子だっているし、シャーリーみたいに優しい子だっている。

成績の悪い子だって、優秀な子だって、多少、まぁちょっとは関係あるかもだけど、どんな血が流れてるからってそれで全てが決まるなんて絶対にありえないんだから」

 

「・・・・クリアちゃんがそれで良かったとしても、他の子たちはどうなるの?

みんなも・・・・、私もね、クリアちゃんみたいに強くはないのよ」

 

「・・・・・・」

 

悲しげで寂しげなシャーリーに私は言い返すことが出来ない。

人のメンタルなんて本当にまちまちで、決して簡単に強くなれるものじゃない。

前世の私は嫌なことから逃げて、目を背けて、何も考えずにただ日々を生きてきた。

前世の現代日本で身体が傷付くことなんて滅多にないけど、心は簡単にいくらでも傷つけられるから。

仕事で失敗したり、他人に嫌なこと言われたりして落ち込んで嫌な気分にもなったし、世間に出るのが怖くなるときもあった。

元はそんなにメンタル強い訳でもなかったし、どちらかといえば自分の外へと境界線を引いて一歩引いて自分が傷付かないよう、鈍感なフリもしていたんだろう。

更にはこの世界は身体的にも簡単に傷付けられる世界だから、怖さも違ったものがあるんだろう。

 

でも・・・・・。

 

「シャーリー、それは、違うよ」

 

「・・・・何が、違うって言うのかしらぁ?」

 

「私だって、最初から強い訳じゃないよ。

むしろ、そこまで強いとは自分じゃ思ってないよ。

私が強くいられてるなら、それは私が知ってるから」

 

「知ってる?」

 

「そう!私は愛されてる!!」

 

「・・・・え?」

 

「私はね!両親に愛されてる!!溢れんばかりのでっかい愛情でもって大切に愛されてる!

私だって両親を愛してる!両親に負けないくらい愛してる!

だから、強くいられるの」

 

「愛されてるから?」

 

「そう!所詮人間なんてものは助け合わなきゃ凄く弱くて脆いんだよ!

嘘みたいだけど、本当の話だよ?

百人敵が居ても、たった一人でも自分を愛してくれて味方になってくれる人がいるなら、その人に格好悪い所なんて見せたくないじゃない?

そしたら、虚勢だろうと見栄張って強くいられるんだよね」

 

「本当にそんなことで?」

 

「もちろん!」

 

シャーリーには言えないけど、私だってこの世に転生してから初めて知ったことだ。

前世の家族とは折り合いがあまり良くなかったし、会社とか学校では知り合い程度しか居なかった。

自分の全力でありのままでぶつかってくなんてすごく怖くて、とてもじゃないけど出来なかったからね。

でも、この2度目の生で、私は私の両親にそれはもう愛された。

例えどんなことがあったって、この二人に愛されてるって実感出来てる限り、私は強くいられる。

そう、思える程に強く強く愛された。

だから、私はありのままの自分で全力でぶつかっていける。

 

「だからね?シャーリー。

ハッフルパフ寮のみんなは私にとっての新しい家族なの」

 

「・・・・・家族」

 

「そう!家族!七年間、自分の家族よりも多くの時間を過ごしていく新しい家族!みんな、優しくて可愛くて素敵な子たちばっかり!まだまだ知らないことも多いけど、きっとすごく好きになれると思うんだよね!

たった二人、味方が居ればこんなに強くなれるんだから、こんなに沢山の家族が味方になれば、どんなことだって問題になんかならないよ!」

 

「「「「・・・・・。」」」」

 

まぁ、ちょっと誇張しすぎの青春しすぎな感じで暴走して語ってしまった感もあるけど、基本素直で優しいハッフルパフ一年生にはきっと受け入れてくれる、はず!!!

あぁ~~~自分で言ってて恥ずかしくなってきた!

誰か!突っ込んで欲しい!!エヴァちゃん!?黙り込んじゃって、ツッコミはどうしたのさ!!

 

 

 




(あ~~~、はーずーかーしーぃーーー!!!)
(そんなこと考えたこともなかったわぁ)
(家族、ね?そんなにいいもんでもないと思うけど、ね)

(((確かに、家族って、いいよね!!)))
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