私の楽しいホグワーツ   作:まりも28

30 / 39
最初の、本当の授業


30

わっくわくのどっきどき始めての授業に教師が居ない。

そんな絶望的な状況は次の魔法薬学にて完全に払拭された。

 

「私がこの魔法薬学の担当教授、ホラス・スラグホーンだ」

 

私達は希望を胸に迷路の様なホグワーツ内を全力で走り抜けた。

時に助け合い、時に様子を見に来たピーブズに助言をもらないながらなんとか辿り着いた魔法薬学の教室。

途中、動く階段に何人か連れ去られ、あわや遅刻かと絶望した時に本人が言うには偶然通り過ぎたらしいピーブズ氏を拝み倒した時にみんなのあまりの必死さにドン引きしてたピーブズが居たけれどそんなのは気にしない。

 

「・・・・・」

 

「いやはや、のんびり屋な子たちが多い為か毎年初日の授業は何人か必ず欠けているのが常なハッフルパフ生が全員遅れずに参加しているとは、なんとも素晴らしいことだ!」

 

そんなことよりも大事なことがある!

 

「・・・・・」

 

「魔法薬学は大変繊細で難しく感じることもあるだろう。しかし、とても興味深い学問であることは間違いがない」

 

将来絶滅しそうな大地をピカリと光らせるデコ。

背は低めで体は丸く。

少しつぶらな薄いスグリ色の眼差し。

毎朝ピシッとセットされているであろうセイウチ髭。

 

「・・・・・ぃ」

 

「だが、私は君たちのうち、何人かでも優秀な生徒がいてくれることを願っているよ。

特に、ミス・フォウリー!君には是非とも我がスラグクラブへと参加して欲しいものだ!」

 

あぁ!!貴方こそ!!!

 

「せ、先生・・・?」

 

「ん?どうしたね?そこの女子生徒?」

 

訝しげにこちらを尋ねるそのお声!!

 

「せんせぇええええ!!!」

 

もう!抑えることなど出来ぬこの感動!!

椅子を蹴倒す勢いで立ちあがり、机を迂回しつつセイウチの様な身体に飛びかかる。

 

「なぬっ!?」

 

「うわぁああああ!!!」

 

ふかふかのお腹にいとも容易く受け止められて私は安堵の叫びを上げずにはいられない!!

 

「どうしたというのだ!?!?!?」

 

「せ、先生がぁぁぁ。

 

 

 

先生が居るよぉおおおおお!!!」

 

あぁ!今や私たちハッフルパフは絶望に打ち勝ち、希望を手にしたのだ!

あぁ、見上げる先生がピカピカと輝いて見える!!

 

「うぉっほん!」

 

「はっ!?し、失礼しました!スラグホーン先生!」

 

「あ~、大丈夫かね?ミス・・・、ミス?」

 

「あ、はい。クリア・アヴァロンです!スラグホーン先生!」

 

「そうか。では、ミス・アヴァロン?もう一度言うが、大丈夫かね?」

 

「はい!大変失礼いたしました!先生が居てくださったのが嬉しくて、つい」

 

「私が居るだけで?

・・・・・あぁ、君たちの最初の授業はもしや闇の魔術に対する防衛術だったのかね?そうだとすれば、それはとても絶望的だっただろう確実的だな。

今年の闇の魔術に対する防衛術の教師はお世辞にも丈夫とは言えない方だからね」

 

「病弱なんですか?その、闇の魔術に対する防衛術の先生は?」

 

「あぁ、とてもね。

彼はとても珍しいことに闇の魔術に対する防衛術の二年目の教師だが、一日に一回は吐血しているのを見たと証言が上がっている。

今年、教壇に立てるか危ぶまれているのだよ。

本人たっての希望だが、いつまで保つのやら」

 

え?じゃあもしかしたら先生奥の部屋で吐血して倒れてたとか?あれ?見てきた方が良かった?

 

「あぁ、そこまで顔を青くせずとも大丈夫だろう。

屋敷しもべ妖精が彼の部屋を時間ごとに見回っているからな」

 

まさかの屋敷しもべ妖精の巡回付き・・・・。

 

「さて?安心出来たかね?出来たなら授業を再開しよう」

 

「はい!」

 

授業!授業だってさ!なんて素敵な響きだろうか!

 

「では、まずはこれらの薬を見て欲しい。

君たちの中では知らない薬ばかりだろうが、どれがどれだかわかるかな?」

 

そう言ってスラグホーン先生が杖を一振りすると教壇に四つの薬瓶が現れた。

一つ目は緑色の瓶。二つ目はヤバそうな青色。三つ目はうっすらとピンク色の煙が漏れている。四つ目は白い錠剤が入った瓶。

 

「さぁ、羊皮紙に書いてみてごらん。どうしてそれを選んだのか、その薬の効能なども書くように。

羊皮紙はあとで集めるぞ。そして!全問正解者にはこの中から好きな薬を贈ろう!」

 

「「「ええっ!?」」」

 

「さぁ、ハッフルパフの諸君、頑張りたまえ。

教科書を参考にしても構わない。授業の終わりまで各自調べてごらん」

 

おぉ~みんなが目の色変えて教科書を睨み始めた。

まぁ、大半が分かるわけないという顔してるけど。

 

「スラグホーン先生!」

 

「なにかな?ミス・アヴァロン?」

 

「近くで見てもいいですか?」

 

「もちろんじゃ!だが、触れない様に気を付けなさい」

 

「はい!」

 

教壇の薬をじっくりと見る。

緑のはうっすらととろみがついてる。

青はサラサラしてるけど、本当に色ヤバイな。蛍光色の濃い青色って。

ピンクの煙のは薬自体はクリームの様な白かぁ。

錠剤はまんま白の粒。

 

「ふむぅ」

 

「わかるかね?」

 

「これ、一年生用の薬ですよね?」

 

「・・・・・ほぅ。その通りだ」

 

「なら、たぶん」

 

「それは素晴らしい。君の解答を楽しみにしているよ。ミス・アヴァロン」

 

「はい!スラグホーン先生!!」

 

よしよし、読破した教科書から考えるに。

一つ目の緑は回復薬ウィゲンウェルド薬に違いない。

二つ目の青は強力な除草薬。

三つ目のピンクの煙はおできを治す薬。

四つ目の白い錠剤は目覚まし薬ってとこかな?

 

解答と特徴と効能と。

後は楽しくなってきたから材料と作り方も記載して。

あぁ、授業が楽しいとか、ほとんど初めてだよ!

絶望からの希望に私の胸はわっくわくのどっきどきだよ!

 

ペンが止まらない!!

 

 




「ちょっと、クリア!いつまで書いてるのよ!?」
「クリアちゃ~ん?授業、終わってしまうわよぉ?」
「・・・・・・・」
「もうっ!聞こえてないのっ!?お昼よ!食べないとお腹空いちゃうわよ!」
「クリアちゃん、ずこぉく真剣ねぇ。えらいわぁ」

「うわぁ、すごいなぁ。羊皮紙あれで三枚越えるねぇ」
「あんなに書くことあったっけ?」
「そもそも何かわからなかったよ、僕」
「私も~」
「とりあえず、お腹空いたねぇ」
「あ、エヴァさん、叩いた」
「良かった。クリアちゃん、気付いたみたいだよ」
「良かった~。これでみんなでご飯を食べれるね!」
「「うんうん」」
「僕、クリアちゃんの先生に渡してくるよ」
「そうね、あんなに頑張って書いてるのに、提出時間過ぎちゃったら可哀想だもんね」
「ここからなら大広間近くていいね」
「迷子にならないよね」
「「良かった良かった」」



(ふむぅ。採点が思ったより大変になりそうじゃな)
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。