みんながお昼に私を待っててくれてすごく嬉しい!
しかぁ~し!
すまない!みんな!私にはやらねばならないことがある!!
「ちょっ!クリア!早食いは身体に悪いんだからねっ!!」
「むぐがぁっ!ごくっ」
サンドイッチを無理矢理口の中に詰めこみ。
「クリアちゃん?お行儀が良くないのはいけないことよぉ?」
「んぐっ、んぐっ」
「・・・はぁ。はい、ミルク。喉詰まらせるんじゃないわよ」
「あぶぁ!」
エヴァからのミルクで一気に飲み干す!!
「汚いから、喋るんじゃないわよ!」
「ごめんごめん、ごちそうさまでした!!
じゃ、みんな!後でね!」
エヴァの小言とシャーリーの困惑の声を背に私は行かねばならないのだ!!
「え、えぇ?」
「食べた後ですぐ走るとお腹痛くなるんだからね!!
もうっ、なんなのよ!突然!!」
「クリアちゃん、すごぉく笑顔だったけどぉ?何かあったかしらぁ?」
「知らない。なんなのかしらね?でも、ろくなことじゃないわよ、多分」
「それも、そうねぇ」
すまない、みんな!!しかし、私は止まれない!!
何故ならば!私は次の授業に必要な、必須項目ともいえる物を寮部屋に置いたままにしてしまったのだから!!
大広間の扉を力の限り開く!
「あいたぁっ!!」
「し、シリウス!?」
「だだだ大丈夫!?!?!?」
「あれ?クリア?どうし「あばよ!!」た、の?」
そして兎の様に軽やかな脱出!!!
危ない危ない危ない!!
メインキャラとの邂逅とかそんなイベントお呼びじゃないんだよ!!
こちとら、次の授業に命かけてるんだっぜ!!
黒い犬公の元々高い鼻が無くなろうと大丈夫!公式イケメンなんだろ???
鼻なんか無くても大丈夫だって!イケルイケル!!
ルーピン、早速悪戯組に合流したんだね。友達出来て良かった良かった!
私のことは爽やかに忘れてくれてもいいんだぜ!!
「よぉ!きょうだギャアアアア!!!」
大広間から階段への難所のヘアピンカーブも、通りすがりのピーブズに顔面から腹に突っ込むことで無事に通過ぁっっ!もう誰も私を止められない!!!
にしてもピーブズの腹の中、ヒヤッとした。夏はピーブズの腹の中に居ようかな。凄い快適空間かも。
あ、でも視界が常にオレンジでモツが丸見えは困るな。
ハッフルパフリズムを渾身の力で叩ききり、談話室を全力のままに突っ切る。
追いかけてきたピーブズは太った修道士に対応をお願いした。きっと、改心させてあげて欲しいと!
ピーブズと太った修道士がぶつかり合う決定的な瞬間すら見ずに自室へと突撃。
勢いのまま自分のベッドへ見事ゴールイン!!
おぇっ。
うぐっ、気持ち悪い~。
今、私の体の中でミルクとサンドイッチが胃の中で大戦争を繰り広げ、脇腹が反乱を起こし、喉の奥の方が死亡の断末魔をあげているぅ。
しかし!しかしだよ!!立ち上がれ!クリア・アヴァロン!君には使命がある!とても、崇高な使命が!!!
痛みに呻く身体に鞭打ち、私はやらねばならない!
昼休みが終われば次は誰の授業だ!
そう!変身術だ!変身術なんだ!!
我が女神!マクゴナガル先生の、授業なんだぞ!
胃痛がなんだ!腹痛がなんだ!もやし故の喉の血の味がなんだって言うんだ!!
昨日から忙しかったからとか理由にならないだろ!!
お前には!やらねばならないことがあっただろ!!
家から出来るとこまで作って持ってきた、自作のうちわ。表に『先生ステキ!』裏に『叱って!』って、厚紙使ってしっかり作ったんだ!
途中で潰れてしまうのは許されないと手提げにいれてきた暗いグリーンのモール。魔法産のは信用ならないとお小遣い貯めて買ったマグル産の身元のしっかりした奴。
頑張って、作ったんだ!!!
「これを!今使わずにいつ使うって言うんだ!!!」
アイドル応援するならうちわにハチマキでしょ!?!?!?
ハチマキは風紀違反かもしれない!
ならば、せめてうちわだけでもと、縁にキラキラしたモールを括りつけて、いざ!決戦の地へ!!
応援は!遊びじゃないんだよ!!!
「ハッフルパフ!10点減点!」
「ええっ!?」
「授業に関係の無いおかしな物を堂々と初日から持ってくるとは何事ですか!!」
「これ、応援うちわですよ!?」
「それがなんだと言うのですか!?」
「ほらね、ろくなことじゃなかったわよ」
「そうねぇ」