デスマーチからはじまる異世界マン遊   作:もっち~!

11 / 86
ゼナ視点です。


SS:ゼナの困惑 Part2

ゼナの困惑 Part2

 

 

私達ゼナ分隊全員が、この街の軍部指令に呼び出された。

 

「お前達に特別な指令だ。アール士爵を探し出し、このセーリュー市の迷宮の難易度を下げて貰うのだ」

 

はぁ?今更、アールさんに会えない…それに…

 

「アールさんは…士爵では無いです。男爵に昇進されています」

 

と、情報を訂正した。

 

「何?どうして、ゼナが知っているんだ?」

 

軍部指令のいかつい顔が、私に迫る。

 

「どうしてって…この前、アールさんの身分証を見ましたから」

 

「ほぉ~♪そうか、ゼナの知り合いであったか。ならば話は早いな。直ぐに設定を変えて貰ってこい!」

 

だから…会えないって…

 

「会えません!だって…私…彼からのプロポーズ…断ったから…」

 

軍部指令の前であったけど、涙が止まらない。

 

「おい…断ったのか?なんでだよ、ゼナ?相思相愛だっただろ?」

 

リリオが私を優しく抱き締めてくれた。

 

「うっ…だって、軍籍なんだよ、私。男爵様の妻にはなれないよ~」

 

リリオの胸に顔を埋めて、号泣した私。

 

「そうか、相思相愛か♪ならば、そのプロポーズを受けよ!そして、彼をこの街の名誉男爵に据えるのだ。いいな、ゼナ!」

 

「断ったんですよ~。今更、無理です!」

 

「無理って言葉は聞こえぬ。いいな、必ずや、この特別指令をこなせ!以上だ。そうか、相思相愛か、意外に早く決着するな。ははは♪」

 

ご満悦で、私達の前から去る軍部指令…

 

「酷い…」

 

イオナの呟き。

 

「無理だよ…私、彼の心を踏みにじったんだよ~」

 

リリオに訴える私。

 

「そうだな…でも、どうにかしないと…う~ん…そうだ。彼に頼むんだ、あの軍部指令をどうにかしてくれってさぁ♪」

 

「頼めないよ~」

 

「頼めるよ。男って単純だから、元カノの頼みは聞いてくれるものさ♪」

 

悪人顔のリリオ…大丈夫なのか?

 

-------

 

翌日、私達ゼナ分隊4名で、アールさんと出逢う旅へと旅立った。

 

「どこへ向かうの?」

 

リリオに訊いた。アールさんがどこにいるかがわからない。

 

「取り敢えず、セダム市だな。補給するとしたら、立ち寄っているはずだ」

 

「ね、身分証を見たなら、なにか手がかりを覚えていないの?」

 

ルゥに訊かれた。そうだ…源泉を持っていた。迷宮を2つ持っていた…ミツクニ公爵の配下だった…

 

「彼…ミツクニ公爵の配下だった…」

 

「はぁ?おい…隠密じゃないのか…それって…」

 

って、イオナ。隠密じゃ無いって言っていたけど…涙が込み上げてくる。あの時の嬉しさと怖さが入り交じった感情が甦ってきた。

 

「彼…迷宮を2つ持っていた…」

 

「完全制覇を2つも…化け物クラスだぞ…」

 

って、リリオ。今考えるとそうだよね。完全制覇しないと、マスターズルームっていう迷宮核がある場所に辿り着けない。彼は2箇所で、それをやり遂げたのだ。

 

「やっぱ…会えないよ~」

 

馬車の荷台の隅っこで丸まって、号泣する私。無理だよ。どのツラ下げて会えばいいのよ~あんな哀しそうな顔を彼にさせてしまった。私は悪い女である。

 

「ゼナ…お前は兵士なんだ。命令は絶対なんだぞ。お前は彼の隣よりも、軍籍を取ったんだ。わかるだろ?」

 

そうだ…軍籍を抜くことも出来たはずだ。彼の隣にいたいなら。でも、私は軍籍であることを理由にしてしまった。

 

「とにかく、会って、お前の本心を伝えろよ♪」

 

優しい眼差しで私を見つめてくれたリリオ…そうだね。伝えないと始まらないか…

 

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。