デスマーチからはじまる異世界マン遊   作:もっち~!

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そして王都へ

馬車…真新しい馬車が2台有る。馬は俺の馬達だ。ポチとタマが、馬達の世話を始めた。馬達もポチタマコンビとの再会を喜んでいるようだ。

 

「1台は私、もう1台は先輩のだよ♪先輩の方はセーラを乗せて、残りのみんなは、分乗してもらうから」

 

俺の馬車は、疲労の度合いが少ない座席が設置されていた。セーラの為にだろう。荷台部分も広く、ベッドが装備されていた。え?なんで、ベッド?

 

「これが有れば、先輩、馬車で寝られるでしょ?眠くなる度に、イネちゃんのベッドへ転移では、イネちゃんがかわいそうですよ♪」

 

いや、イネちゃんのベッドは寝やすいんだよ。って、これ、イネちゃんのベッドと同じ仕様なのか…横になると、眠気が襲ってきた。

 

「おい!説明中に寝るなよ~」

 

後輩氏の声が心地良い。

 

「後10分…」

 

「またかよ~、セーラ、頼む♪」

 

「はい♪アール様、起きて下さい」

 

柔らかな刺激で目が醒めた。目の前には、笑顔のセーラがいた。笑顔のリザがいた。笑顔のみんながいた。

 

「あぁ、寝やすいなぁ♪」

 

「でしょ?イネちゃんのベッドをコピーさせたのよ」

 

あぁ、先輩の能力か。いいな、チートで…

 

「明後日くらいに、出発するわよ。食料をストレージに入れておいてね。藁とか肉を大量に。あぁ、支払はトルマへツケでいいらしいわ」

 

持ち逃げした分を回収か。じゃ、セーラと街を探索デートだ♪

 

セーラに街を案内して貰った。賑やかな場所、寂れた場所、色々な場所をだ。

 

「行きたい場所はありますか?」

 

セーラに訊かれた。

 

「セーラの好きな場所は?」

 

神殿の屋上から見る夕日だった…夕方しか見られないのが、難点である。

 

------

 

王都に向かって旅立った。先輩は後から追ってくるらしい。色々と忙しいそうだ。公都では『奇跡の料理人』として、料理の腕をふるっているそうで、食事会のスケジュールをこなせていないらしい。

 

「まったく、兄ぃは何をやっているんだか…あぁ、罰として、『エチゴヤ』っていう総合商社を作らせたわ。必要な物を手に入れやすくする為にね」

 

ちりめん問屋で無くて、総合商社なのか…ミトに訊いたら、この世界にちりめんが無いそうだった。一応は考えて居たらしいけど、挫折したらしい。無い物はしょうがないか。

 

 

前を走る馬車…後部ハッチが檻のようである。あれって、奴隷商人か?奴隷達は悪人では無い者もいる。

 

『ミト!』

 

『強奪出来る?』

 

ミトとメッセージで会話をして、悪人では無い奴隷を『強奪』した。あれ?鼠人が4人だ。どこだっけ?どこかで、聞いたような…

 

「おっ!その鈴は…お主、赤兜の知り合いか?」

 

「おぉ、姫様、無事でしたかぁ~」

 

あぁ、ミーアを護ってくれた鼠人の仲間か。話を訊くと、敵につかまり、奴隷商人に売られたそうで、王都で開かれる闇市に出店されることになったそうだ。

 

彼らを、赤兜がいる集落へ、強制転移させた。これで、恩は返せたかな?もっと返したいなぁ♪

 

しかし…良いことばかりでは無い。荷台が軽くなったことに気づいたのか、前の馬車が止まり…強面の輩が降りて来た。ソイツらは、僕達の馬車の通行を妨害して、止めた。

 

「ふふふ、貴族様の馬車に遭遇とは運が良い♪おい!女を渡せよ。金目の物を出せ!」

 

積み荷強奪がバレた訳ではなく、押し売り強盗のようだ。

 

「これから、皆殺しゲームを開始します。参加者は装備を身に着けてね♪」

 

俺の言葉よりも先に、リザ達は装備を身に着け、悪党を皆殺しにし始めた。

 

「ナナ、アーシア、逃がすなよ」

 

「「了解です」」

 

襲った相手が悪かった事に気づいた悪党共は逃げようとした。だけど、ナナとアーシアのコンビから逃げることは出来ない。

 

「おい、命の欲しい奴らは、金、金目の物を置いて行け。食料もだよ♪」

 

俺はリッチにチェンジしていた。俺の放つ死を匂わせるオーラにより、悪党共は全裸になり逃げていく。

 

「全裸のヤツは追わないでいい♪」

 

悪党がいなくなると、俺はジョブを男爵に戻した。

 

「リザ達を投入しなくても、先輩だけ出れば終わったんじゃないの?」

 

ミトに言われた。

 

「悪いヤツと悪く無いヤツの区別をする訓練だよ。ムーノ領の時みたいに、仕方なく盗賊って者は、悪く無いヤツって判断させる為のね」

 

リザ達も理解していた。相手の腹黒さ、悪意を感じ取る練習を、俺に内緒で、こっそりしているのを知っている。

 

「じゃ、遺留物を調べて」

 

持っていく物と要らない物と、犯罪の証拠に分けて分類をした。割り符のような物が出て来た。

 

「ミト、これは?」

 

「闇の奴隷市への入場券かな?王都も犯罪の巣窟か?まったく、今の王は何をしているんだか…」

 

奴隷として囚われている者が数名いたが、悪意持ちなので、その場に放置して、王都へ再出発をした。

 

--------

 

そして、王都へ…桜の花が咲き誇っている。

 

「ここでは桜は1年中、咲いているんだよ」

 

って、ミト。建国者である王祖であるミトは、王都について詳しいようだ。

 

「問題はどうやって、王様に会うかだな…」

 

「あっ、それなら、会うには会えますよ」

 

て、セーラ。話を聞くと、セーラは王様の孫でもあったそうだ。それって、次期公爵は、姫と結婚されたのか…

 

「そうか…セーラ♪お願い、会わせて♪」

 

「はい♪」

 

ミトの願いを快く引き受けたセーラ。

 

そして、王様と謁見…ミトを見るなり、王様と宰相がミトに跪いた。

 

「王祖ヤマト様ですよね」

 

って、王の間に飾られた、ミトの肖像画。見間違えることは無いだろう。

 

「ねぇ、シャロリック君は?」

 

言葉に詰まる王様。

 

「2代王であるシャロリック様は、既に…」

 

「そう…会えるを楽しみにしていたのに…また、からかえると思ったのに…あれから、長い年月が経っていたんだね」

 

ミトが涙を流していた。シャロリックとは、ミトの養子で、ミトがミツクニ卿となった時に、王位を継承したそうだ。で、ミトが勇者として役目を果たし終えた後、あのフジサン山麓で眠り着いた時、2代目ミツクニ卿として、諸国を漫遊して…

 

「死に目に会えないって、辛いよね…先輩…」

 

「あぁ…」

 

ミトは俺の胸で号泣した。王様も宰相も、言葉を掛けることはせずに、ミトのしたいようにさせている。そして、泣き疲れたミトが、王様に向き直った。

 

「ごめん、取り乱して…」

 

「いえ、シャロリック様に愛情を注いでいたと聞いておりましたから…」

 

「あのね…ミツクニ邸を、ボクにくれないかな?」

 

王様の前で、一人称が変わったミト。それが本来の一人称なのか?

 

「勿論です。お使いください。後、諸国の問題を解決してくださり、ありがとうございます。隅々まで目が届かないので…王祖様やシャロリック様のしていらした諸国漫遊の意味がわかりました」

 

諸国をお忍びで巡り、問題を炙り出していたのだろうか。

 

「あぁ、ここに来るまでの立役者は、彼、アルジェント卿のおかげだよ」

 

「我が孫であるセーラを救ってくださり、ありがとうございました」

 

えっ?王様が俺に頭を下げていた。あぁ、孫の命を救ったからか…

 

「後、孫と婚約してくださり、ありがとうございます」

 

「いや、それは、感謝されることでは…」

 

狼狽える俺。笑って見ているミトとセーラ。なんで?

 

「正妻問題を聞きました、アルジェント卿の問題も聞きました。セーラを大切に思ってくれ、感謝します」

 

いや、何か誤解していないか?俺の問題って何?

 

『セーラを助けて、リッチになった件』

 

って、ミトからメッセージが…コイツ、俺の心が読めるのか…

 

『ビンゴ♪今更、それ?ははは♪』

 

凹む俺…

 

-------

 

ミツクニ邸のリホームが終わるまで、城内の迎賓館で暮らす事になった俺達。リホームって何?

 

『2世帯住宅にするんだよ。私の世帯と、先輩の世帯だよ♪あぁ、兄ぃは離れに幽閉の予定だよ』

 

って、ミト。遠隔でも俺の心が見えるようだ。くそっ!

 

「アルジェント卿ですね。お手合わせをお願いします」

 

厳ついオッサンに勝負を挑まれた。相手は既に得物を手にいていた。う~ん、ジョブをリッチにチェンジし、魔剣を手にした俺。

 

「何?魔剣使いだと?」

 

オッサンの剣を受け流す。たまに被弾するが、リッチだと肉体再生が出来るので、便利。後、痛覚も無いらしく、痛みも無い。流石は不死王だ♪そもそも既に死んでいるので、もう死なないのが良い♪

 

「肉体再生術だって…何者だっ」

 

あっ!斬り殺しちゃった…マズい。『蘇生コンポ』で蘇生した。

 

「神聖魔法が使えるんですか…」

 

厳ついオッサンの連れが呟いた。

 

「えぇ、ご主人様は、私よりも上の階位の魔法が使えるんですよ♪」

 

って、セーラが説明している。俺には神聖魔法の知識が無いので、説明は彼女まかせである。

 

「神託の巫女様よりも上の階位なんですか…こんなにも禍々しいオーラなのに…」

 

まぁ、不死王だから、禍々しいよね。って、男爵にジョブチェンジした俺。

 

「突然のお手合わせに感謝です。私はシガ八剣筆頭のジュレバーグです。彼は同僚のヘイムです」

 

「そうですか。俺はあまり戦い向きでは無いです。仲間に護られる方ですから」

 

たぶん、人間相手に戦っちゃダメだと思う。

 

「ご謙遜を…この私を斬り殺すなんて、あなたくらいの者です。我らシガ八剣は、アルジェント卿と共にありたいです」

 

って、斬り殺した相手と共にいるって、どうなんだ?でも、シガ八剣の者達と知り合いになったおかげか、城内では良くして貰っている。まぁ、セーラが隣にいるせいかもしれないけど。

 

ジュレバーグさんに頼んで、リザ達の鍛錬メニューなども考えて貰っている。

 

「なかなか筋の良い眷属をお持ちですね」

 

「眷属って言い方は好きでは無いです。彼女達は俺の仲間ですよ、ジュレちゃん♪」

 

俺のちゃん呼びを叱責せずに容認しくれているジュレちゃん。その心の広さに感謝です。

 

 

 

 

 

 

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