デスマーチからはじまる異世界マン遊   作:もっち~!

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SS:ゼナの困惑 Part3

 

アールさんの行方がまるで掴めない。う~ん、転移魔法で移動しているのかな?そうなると、お手上げである。

 

そして、ムーノ男爵領のムーノ市に着いた。

 

「う~ん、ここの男爵はお飾りのようだ。勇者関連のこと以外、お断りだって…」

 

イオナがプンプンして、男爵の家から戻ってきた。

 

「お~い、ゼナ!ちょっと一緒に来てくれ~!」

 

リリオに呼ばれた。彼女に付いて行くと、この街の執務官の部屋へ連れて行かれた。

 

「彼女が、ゼナ・マリエンテールです」

 

リリオが、私を執務官に紹介した。

 

「そう…彼女がそうなの…初めまして、私はアルジェント侯爵配下のニナ・ロットルです」

 

アルジェント…アールさんの…え?侯爵って?

 

「この街の実質的な太守はアール・アルジェント卿です。私は、彼に太守代行を仰せつかっております」

 

アールさん…鳥肌が立っていく。どこまで出世するんだ。こんなに短期間に…彼に恐ろしさを感じた。

 

「彼のプロポーズの返事をしに行くとのことだが、本当ですか?」

 

リリオ…何てことを言っているんだ…

 

「ですが、あくまでプライベートなことなので…その…」

 

「そう…彼の好みは、あなたみたいな女性なのね♪」

 

何も言い返せない。実際問題、どうなんだろうか?

 

「アルジェント卿は今、王都の迎賓館に、住まわれています」

 

王都の迎賓館…VIP待遇なんだ…スゴい。

 

「彼に伝えると、会わないって選択肢を、迷わず取ると思います。ですから、彼の上司へは伝えておきます」

 

アールさんの上司って、ミツクニ卿…えぇぇぇぇ~!

 

「彼は今、難しい立場にいます。王都へ行く前に、オーユゴック公爵様の公都へお寄りすると良いでしょう。そこにあるテニオン神殿の巫女長を頼りなさい。彼の身に起きたことを話してくれると思います。私は現場にいなかったので、詳しいことはわからないんです」

 

と、巫女長宛てとミツクニ卿宛ての書簡を2通作ってくれた。

 

--------

 

そして、公都にあるテニオン神殿の巫女長様と面会をした。

 

「そう…あなたが…ごめんなさいね」

 

私に頭を下げる巫女長様。どうして?

 

「彼は私の大切な配下の者を救ってくれました。それこそ、命に替えて…」

 

涙する巫女長様。まさか、アールさんが…でも、迎賓館に住んでいるって…はて?

 

「あなたは、彼が人間で無くなっても、愛せますか?」

 

人間で無くなった?はぁ?

 

「ど、ど、どういう意味ですか?」

 

たまらず、リリオが質問をした。

 

「文字通りです。彼は神託の巫女を、全身全霊を保って救い、彼女に第2の人生をプレゼントしてくれました。神の御業か、魔王の呪いか…彼はその代償で、人間では無くなりましたけど…」

 

魔王の呪い…まさか、魔王と戦ったのか…アールさん…

 

「彼は勇者なんですか?」

 

思わず、私が訊いた。魔王と戦える者は、勇者だけであるから。

 

「アルジェント卿は、もう勇者にはなれません。だって、人間では無いんですから」

 

「彼は何になったのですか?」

 

「それは、ここで口に出す事の出来ない存在です♪皮肉ですよね。神託の巫女を救った代償が、神殿では口に出せない存在になるって…神は無慈悲で惨いことをしました」

 

それは魔なる存在になったってことか…でも、王都の迎賓館で暮らしているって…なんか、話が合わないんだけど…

 

「後は、ミト様にお訊きくださいね♪」

 

もったいぶらずに教えて欲しいです。彼は、何になったんだろうか?

 

--------

 

そして王都へ…

 

「そうか…君がアールを振った娘か♪」

 

ミツクニ卿の第一声はそれだった。振った…あぁ、確かに振ったかも…

 

「落ち込みようといったら、半端無かったよ。その挙げ句にアイツ、外交問題を引き起こしてくれてねぇ」

 

えっ…私に振られた腹いせに外交問題を…アールさん、何をしているんですか…

 

「まぁ、話し合いで解決はしたけど…そうか、君みたいな娘が好み…だよなぁ~」

 

彼の好みを知っている素振りのミツクニ卿。

 

「実は、ゼナが振る前に、私も振っているんだよ♪」

 

はぁ?あっ!そう言えば、ミツクニ卿と体型が似ている…私。つまりは、そういうこと?

 

「うん、そういうことだよ、ゼナさん」

 

あ…心が読まれている。

 

「うん。読めるよ♪しょっちゅう、アールの心を読んで、弄んでいるし♪」

 

なんてことを…傷口に塩を塗り込むなんて…

 

「で、私達の直面している問題なんですが…」

 

困惑する私を尻目に、リリオが本題を出していく。

 

「それは、アールに言ってよ。軍部はアールの方が仲が良いからね。そうそう、丁度良い♪今アイツは昼寝中だ。ゼナに1つ仕事をシテ貰おう♪」

 

ミツクニ卿が私を見る顔…悪人顔なんですが…何をさせるのだろうか…

 

 

 

 

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