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先輩が爆睡モードに移行した。心臓の鼓動を確認…停止している。これで、朝まで起きないはずだ。まず、先輩の部屋のドアを撤去した。
そして、先輩を除く全員を広間に集めた。
「アルジェント卿の部屋のドアは撤去した。いい?あの部屋の前を通る時は、部屋の中を確認して。何か異変があれば、ささいなことでも、私に報告して。私がいなかったら、セーラかゼナにね」
不死王となってしまった先輩…寝る時は心臓を止め、完全にリビングデッドとなって寝ている。先輩にとって、心臓を動かすことが、疲れの原因かもしれない。
「想定される異変は?」
リーンに訊かれた。
「魔王になることは無いけど、何かを呼び出すとか、姿が一変するとかかな。リッチに関して知識はあまり無いので、わからない点が多いのよ」
とても不安である。死にたがりの先輩は、死ねない事にストレスを感じているかもしれない。
「で、起こす時は、生け贄を最低一人は用意する」
コチラの世界へ呼び戻すには、先輩の女体への妄想を利用する。
「コチラの世界にいたくなるような、刺激を与えるのよ」
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あのブラックな会社での生け贄は私だった。仮眠室で寝たら起きない先輩。
「後輩氏に、アール氏の起床係を任命する」
って、メタボ氏に指示された。だけど、これが難敵であった。揺すっても、大声で呼び掛けても、「後10分…」をリピートする。アール先輩は起きるまでに時間が掛かる問題児だったのだ。
ある時、アクシデントで唇同士が重なった。すると、アール先輩は今までも苦労が嘘のように、目覚めてくれた。まさか、ファーストキスの相手が兄ぃでは無いとは…青天の霹靂ではあった私。
その翌日から、耳を舐めたり、額を重ねたりと、刺激を与えると、目覚めが早くなった。先輩は、無意識のうちに、私を求めていたのかもしれない。
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「こちら側に戻せないと、どうなるの?」
アリサに訊かれた。
「アルジェント卿として、目覚めることは無い…そんな気がするの」
「もっと、生きたいと思わせれば良いんですね?」
って、セーラ。
「そういうことだよ。迷惑な話かもしれないが、アルジェント卿が起きないと困ることが多いのは、みんなにもわかると思う」
異論は出なかった。みんな、先輩にはいて欲しいんだと思う。セーラ、リーンは勿論、アリサ、ミーアに至る迄、先輩のおかげで新しい道が開けたんだと思う。私もそうだけど…
私も先輩に心が傾いている。口では兄ぃ命と言っているのは、先輩を虐めたい心の表れっていうか。まぁ、若気の至りである。その証拠に、離れていても、先輩の心をモニターしている。本当にマズい時に、助けにいけるように。
「生け贄は毎日同じだと、ダメだと思うんだよ。毎日、違う刺激を与えないと、効果が薄れるって言うか…あぁ、1つだけルールを作る。お子様は交わるな!これは大事なことだ。アルジェント卿を追い込み兼ねない。ミーア、アリサ、ポチ、タマ、リザは厳禁だ」
「えっ?私はダメなんですか…」
リザが落ち込んでいる。ポチとタマは交わるって行為が分からないのか、ぽっか~んとしている。まぁ、この3名は娘枠の気がする。
「私も?」
アリサも声を上げた。精神的には、私より歳上だと思うけど…物理的にむりに思える身体…たぶん、入らないと思う。
「そうよ。精神年齢が高くても、見た目、身体的にお子様はダメよ」
「う~ん…まぁ、身体的にはそうよね…でも、ちょっとショック」
こうして、この家のルールは決まった。