デスマーチからはじまる異世界マン遊   作:もっち~!

25 / 86
06/05 誤字を修正



想いを胸へ

冒険者証にはFランクと描かれていた。最低のランクのようだけど…

 

「シガ王国の冒険者はレベルに関係なくFスタートだそうだよ」

 

って、ミト。

 

「ふん、Fランクか。一階のゴブリン程度で止めておけ。五階から下はゴブリンメイジやゴブリンライダーが出る。絶対に近寄るなよ、死ぬぞ?」

 

横柄な門番の忠告。

 

「ありがとうございます♪」

 

営業スマイルを振りまくミト。そして、迷宮へ足を踏み入れた。

 

「小鬼迷宮って、迷宮のようだよ」

 

って、ミト。

 

「魔物配置の探査が終わりました。」

 

って、アーシア。

 

「ここって、迷宮核が一度壊されたの。だから、遺跡扱いらしいわ」

 

って、アリサ。うん?じゃ、誰が契約者だ?迷宮核を復活させて、契約したってことだよな?

 

「マスターズルームに魔王を発見!」

 

おい、契約者は魔王か?厄介だな。

 

「魔王の傍に中級魔族を発見!」

 

更に厄介な情報だ。

 

「下級魔族を10階と30階の管理室で発見!」

 

ミト達はアーシアの報告に耳を傾けている。

 

「先輩は、マスターズルームをお願い。私達で、残りは倒す!」

 

「俺とアーシアだけでいいか?」

 

「人選は任せるよ♪」

 

じゃ、転移するか…

 

----------

 

俺達を見て、怯える魔王…

 

「勇者…来るなぁぁぁぁあ~!」

 

「俺は勇者じゃないよ♪」

 

「そうなのか?」

 

一瞬出来た隙、『強奪』で魂をむしり取った。どうだ?

 

「契約を更新しました。所有権はマスターに移りました」

 

「アーシア、迷宮核の修復って、出来るか?」

 

「やってみます。源泉のマナを使っても良いですか?」

 

「あぁ、枯渇しない程度にな」

 

「了解です」

 

アーシアが、マナの供給経路を作り始めた。

 

「ここは任せていいか?」

 

「受諾します」

 

俺は、アリサの元へ転移した。

 

「コイツは何者だ?!」

 

知らない老婆がいた。ミトの関係者か?スルーだな。

 

「アリサとルル、セーラ、一緒に来てくれ。準備は出来た」

 

「ありがとう…」

 

「ありがとうございます」

 

アリサとルルが泣きすがってきた。4人で目的地へ転移をした。そこはミイラ状態のリビングデッドが多数いるモンスターハウスだ。

 

「久しぶり…父さん、お兄ちゃん達、母さんもいるのかな…遅くなってごめんね…」

 

アリサがミイラ達に声を掛けた。ミイラ達はアリサの方へと振り向いた。

 

「セーラ、鎮魂をしてくれ…」

 

「はい♪」

 

セーラは神聖魔法である鎮魂を唱え始めた。ルルとアリサはミイラ達に跪き、祈りを捧げている。セーラが唱え終わると、部屋全体が青い光に包まれていき、ミイラ達が黄金色の砂となり崩れていく。

 

『アリサ…ルル…』

 

「「お父さん(様)」」

 

ミイラの最後の声だろうか…姉妹が同時に反応をした。アリサの回りを黄金色の珠が幾つも廻っている。ルルとアリサの周囲を大きめの珠が周回をして、光の粒子へと珠が霧散していく。

 

霧散した光の粒子はスクリーン状態となり、そこには生前の幸せだった頃の彼らの姿が映し出されていく。

 

アリサに似た王妃、王子達がアリサに手を振っている。アリサとルルに面影が似ている王様は透けていく手で、アリサの頭を撫で、ルルの頭も…

 

そして、「娘達を頼む」と俺に頭を下げて消えていった。

 

「成仏したかな?」

 

「したと思います…」

 

アリサの不安をルルが一掃した。俺とセーラで、二人を優しく見守る。

 

アリサとセーラをミトに預け、ルルと共に、共同墓地に転移した。ここに、ルルの母親が眠っているそうだ。アリサとルルは腹違いの姉妹である。ルルの母親は王家の者では無いので、共同墓地に埋葬されたそうだ、

 

共同墓地…小さめの石が置いてあるだけである。ここに死体を集めて埋めたそうだ。酷い事を…ルルが、道ばたで花を摘み、石に添えた。

 

「花束でなくていいのか?」

 

「そんな大きな物では、墓石が埋もれてしまいます…ダメですよ。お願いです、戻って来てください。私を一人にしないで…」

 

俺は俺で無くなって行く…マズい…ルルをアリサの元へ強制転移…

 

---------

 

ルルとアリサに地獄の切符を発券した奴らに躾をしている。躾をジャマする奴らは容赦なく血の海に沈めていく。

 

「なぁ、征服した国の城跡を、冒険者に踏み荒らさせるって、どんな気分だ?」

 

グシャ!

 

「あぁぁぁぁぁ~!」

 

あぁ、潰しちゃった。まぁ、まだ腕が一本、足が二本あるからいいかな?

 

「やめろ!この化け物め!」

 

大きなオノが俺を襲った。だけど効かない。フルカウンターで返す。真っ二つになり、血の海に沈む重騎士。

 

王子らしき者が逃げようとするが、

 

「逃がさないわよ。お兄ちゃんが許さないもん♪」

 

カグヤが王子を俺の前に投げた。

 

「なぁ、助けてくれ~!」

 

「お兄ちゃん、そいつがルルちゃんを陵辱したんだよ」

 

コイツがか。ぐしゃ…イチモツも潰してやると、白目を剥き、意識を飛ばしたようだ。

 

「飽きてきた。帰ろう…」

 

「うん、お兄ちゃん♪」

 

------

 

うぅぅぅ~

 

ここはどこだ…アーシアが添い寝をしている。って、ことはマスターズルームかな?

 

「アーシア、作業は終わったのか?」

 

「都市核との契約も終えました。今、迷宮核の復旧待ちです」

 

そうか…順調である。が、ルルと別れた後の記憶がまるで無い。ログを精査するが、何も表示されない。また、俺は俺で無くなったのか…

 

ゴンゴン!

 

重い扉をノックする音、扉を開けるとミト達がいた。

 

「おぉ、いらっしゃいませ♪」

 

「どう?」

 

「迷宮核の復旧待ちだよ。まだ、掛かるみたいだ。先に上がっていていいよ。俺はアーシアの傍にいるから」

 

スゴく哀しそうに俺を見るミト。俺は何をしたんだ。訊くのが恐い…でも、

 

「なぁ、俺は何をしたんだ?」

 

「先輩は気にしなくていいよ。うん…ルルの悔しさに触れただけだ。もし、ボクだったら、同じことをしたと思う…許せないもんね」

 

涙を浮かべた顔で、無理に笑顔を作ったミト。

 

「俺は、何かをやらかしたのか?」

 

「いや…問題無いよ。こうして、戻って来てくれた。それだけで良いんだ。じゃ、先にあがっているよ」

 

ミト達は地上へと戻っていく。

 

--------

 

3日後、迷宮核が修復出来て、迷宮の設定をしてから、地上へと戻った。だけど、潜る前と様子が変わっていた。

 

「ここは立ち入り禁止エリアにしたわ」

 

って、ミト。

 

「どうして?迷宮は機能しているぞ」

 

「ここを霊園にするのよ。今、手分けして作業をしているわ」

 

ミトによると、共同墓地に埋められた遺体を一体ずつ棺にいれて、ここへ埋葬するそうだ。

 

「どうしてって、訊かないでね。先輩の意志を先取りしたのよ。先輩だったら、こうしただろうなって…」

 

確かに…そう思ったけど…あの墓石では不憫すぎる。

 

「リーンが言ったでしょ?先輩が何者であろうと先輩だって。だから、深く考えるなよ~」

 

まぁ、深く考えても記憶は甦らないし…

 

「って、いうか、ミト。これって内政干渉じゃないのか?観光名所を霊園にってさぁ」

 

浮かんだ疑問をミトに突きつけた。

 

「あ…そうか…記憶が無いんだったなぁ…」

 

うん?記憶の無い時に、俺はやらかしたのか?

 

「俺は何をやらかしたんだ?」

 

「この国を乗っ取った…この国にある都市核、迷宮核を手にした。だから、ここはもう王国では無い。アルジェント侯爵領の一部だ」

 

それは、俺が王を手に掛けたってことか…

 

「王は生きている。王子もだ。都市核を差し出して、命は見逃してもらったらしい」

 

そうなのか…

 

「俺は悪党なんだな」

 

「違う!」

 

アリサが叫んだ。

 

「悪党じゃない!ご主人様は…私のナイトだよ♪」

 

「そうです。私達のナイトですよ」

 

って、ルルが便乗しているし。

 

「死者を冒涜する行為は許せません」

 

って、セーラ。

 

「それに、彼女達のお父様に言われたじゃないですか♪」

 

あぁ、よろしくされたような…

 

---------

 

霊園が完成して、公都へと戻った。

 

「おかえりなさい♪」

 

リリーが巫女見習いとして、俺達を出迎えてくれた。

 

「こんな若返らせてくれるなんて…感謝です」

 

俺に跪き祈りを捧げるリリー。すると、巫女達が全員、同じように俺に祈りを捧げ始めた。

 

「まるで、生き仏のような…」

 

「おいおい、神殿で仏様は無いでしょ?」

 

って、ミトからの突っ込み。

 

「今日はゆっくりしておいで♪」

 

ミトが俺を送り出した。どこに?セーラとリーンが同行し、公爵様の家に…

 

「君の家と思って、寛いでくれ」

 

って、言われても…

 

「じゃ、お風呂でリラックスしてください」

 

と、セーラ。お風呂場に入ると、全裸のセーラとリーンが入って来た。

 

「お身体を洗います」

 

「マッサージをしますよ」

 

って、至れり尽くせりのダブル奉仕…極楽だ♪

 

「もう…一人で無茶しないでください」

 

「そうだぞ。私達を置き去りにするな!」

 

って、言われても…記憶に無いんだよ~。

 

------

 

公都で武術大会って物が開催されるらしい。

 

「開会の挨拶の時、舞台に上がるんですよ」

 

「誰が?」

 

「アール様♪」

 

俺?

 

「なんで?」

 

「将来の孫達の婿殿ですぞ♪」

 

公爵様の素敵な笑顔…う~ん、結婚するのかな?不安になる俺。

 

そして、開会式。オーユゴック公爵一家として、俺も壇上にいる。いいの?場違いすぎる。

 

「レセプション会場では、奇跡の料理人であるペンドラゴン士爵が腕をふるっています。あぁ、我が家の新しい家族を紹介します。アルジェント侯爵です」

 

俺が立ち上がり、頭を下げた。リーンとセーラは死んだ事になっているので、俺の隣にいない。こんな状況で俺はここにいていいのか?

 

「彼に、私は多大な恩義を受けました。将来的に家督は息子に、都市核は彼に譲ろうとおもっています」

 

へ?聞いていないぞ。どうしてそうなる?

 

壇上を降りると、セーラとリーンが笑顔で迎えてくれた。

 

「あれ、どういうこと?」

 

「娘婿なんだもの。貰える物はもらってくださいね♪」

 

って、ことらしい。はて?

 

------

 

武術大会には、リザ、フィフィ、ルルスが出場した。ポチタマコンビは、アリサ、ミーアと共に、甘味コーナーに群がっていた。ルルは奇跡の料理人の助手として、調理している。

ミト、セーラ達は神殿にいる。俺はゼナと街を散策していた。

 

「なんか、デートみたい…」

 

「え?デートでは無いの?」

 

「あぁ、なんか…なんだろうなぁ…あの時はごめんなさい」

 

って、俺とゼナの間には、プロポーズの一件という、わだかまりがあるようだった。

 

「いや、突然のプロポーズで、すまなかった」

 

「本音を言うと嬉しかったんですよ。ただ、スピード出世していたアールさんに恐怖を感じたというか…今、一緒に行動していて、スピード出世の秘密を知って…心の整理が付いたら、私の方から…プロポーズ…します♪」

 

してくれるの?それは、俺の方からはしちゃダメってことかな?などと考えていたら、突然、空気が鳴動した。なんだ?空気はドンヨリしない。ってことは、あのバカが来たのか?競技場の方を見ると、空間の裂け目から巨大な飛行船が出て来た。

 

『俺様、参上♪』

 

あのバカ勇者が、とんでもない方法でやって来た。

 

『メリーエスト、リーングランデ、フィフィ、ルスス、タマ、ポチ、そして俺様のマイ・ハニーのアリサ姫を返せぇぇぇぇえぇ~!』

 

なんか、返還要求が拡大していないか?いつ、タマポチが、お前の陣営にいたんだ?

 

飛行船の後にいる飛行艇から、空挺部隊が落下してきた。武力行使か?おいおい…勇者でなくて、侵略者になるぞ!

 

ドン!

 

また空気が揺らいだ。今度は空気が変質した。魔族か悪魔と手を組んだのか?あのロリ好き勇者は?

 

「アレは?」

 

ゼナが指差す方向に、空を飛ぶ巨大な鯨が7匹もいる。なんてヤツを引き連れてきたんだ?

 

『なんだ?あれ?』

 

へ?勇者も驚いている。引き連れてきたんでは無いのか?呼び込んだのか?!

 

『先輩、兄ぃ!迎撃をして…』

 

ミトからメッセージが届いた。

 

「ゼナ、リリオ達と合流して、セーラを護れ!」

 

「わかりました」

 

神殿の方へ走っていくゼナ。

 

『アーシア、都市の防御レベルをあげろ。その後、合流してくれ』

 

アーシアへメッセージを送った。

 

尖塔の上に銀色の仮面の戦士が現れた。最近噂の勇者ナナシこと、先輩である。

 

「お~い!乗れよ~」

 

って、天竜が話し掛けてきた。

 

「知らないヤツは信用出来ない」

 

「テンちゃんの中の竜だよ~」

 

知っているよ。天竜の背中に載った俺。だけど、後悔した。ジェットコースター感覚であった。マズい、ドラゴン酔いだ…

 

『鯨はまかせろ♪』

 

先輩からメッセージ。さすが料理人だな。食材はまかせろとは…

 

「じゃ、バカ勇者か?」

 

「たぶん…リザが向かった気がする」

 

飛行船が地面に落下した。闘技場が破壊されて行く。その飛行船にリザの姿があった。聖槍の刃先は紫色の光を纏っている。

 

「じゃ、誰を相手に?」

 

「この高度を維持してくれ。来るぞ!」

 

空間が割れ始めた。何かが出てくる。月が出ていないので、アレは使えない。じゃ、これは?割れ目に向かって、俺はジャンプした。そして、ジョブチェンジ…

 

「なんなんデス?」

 

魔族のようだ。

 

「リッチだよ♪」

 

俺は空間の切れ目の中で魔族と交戦。これで、俺は消えることが出来る…切れ目が閉じていくのを見ながら、魔族をボコる。全力でボコる。

 

そして、魔族を屠った頃、俺は空間の裏側にいた。これで、迷惑を掛けずに済む…

 

 

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。