デスマーチからはじまる異世界マン遊   作:もっち~!

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奇跡の料理人VS邪道な料理人

「お~い、起きろよ~!」

 

後輩氏の声…身体が重い…何か地縛霊に取り憑かれた気分だ…

 

「後10分…」

 

「相変わらずだな…どうするかな…」

 

今日はどんな手で来るんだ?ドキドキしてその時を待つ…あっ!心臓が起動したばかりでまだ、弱々しいけど…

 

耳に何か柔らかな刺激…背筋にむしずが走る。だけど、身体が重くて、起き上がれない…恐る恐る瞼を開くと、アリサが耳タブを舐めいた…そして、俺の上にはナナ、アーシア、リザ、タマ、ポチが乗っかっている。重い訳だな…

 

 

 

「これは、どういうことかな?」

 

目が醒めた俺に、ミトがゲームパッケージを2つ見せて来た。

 

「これは?この世界で売っていたのか?」

 

「君が持っていたんだよ…どういうことか説明して貰おうか?」

 

とある二人のプログラマの遺作ゲームが1本ずつ。あぁ♪

 

「買ったんだよ。ほら、レシートがあるよ」

 

ポケットから、レシートを出した俺。

 

「何時、買いに行ったんだ?」

 

う~ん…いつだろう?記憶に無い。買った記憶があるのに…

 

「すまん、記憶が無い…ミトと佐藤先輩にプレゼントだよ」

 

どこにも俺の名前は載っていないし…

 

「そうか、発売出来たんだ…」

 

ほっとしている佐藤先輩。ミトは大切そうに抱き締めていた。ゲームパッケージが羨ましい。出来れば、俺の事を大切そうに抱き締めて欲しい。もちろん、全裸で…

 

バコッ!

 

「お前!なんちゅう想像をしたんだ?」

 

あぁ、真面に俺の妄想を見たミトから、鉄拳制裁が飛んで来た。

 

-------

 

この後の予定を、ミトが説明している。

 

「公都を出て、今度こそ、迷宮都市セリビーラを目指す。途中、ボルエハルト自治領と、ボルエナンの森を経由する予定だ。各自、準備を頼む」

 

っと…準備って言ってもなぁ…肉を買い足すだけだな。リザ、セーラ、リーンと共に肉屋さんへ行く。リザが肉を選び、セーラが値段の交渉をしている。リーンはボディガードのようだ。

 

『言い忘れた。鯨の肉が大量にあるらしいよ』

 

って、ミトからメッセージ。この前の巨大鯨7匹分か…そうなると、生姜とかニンニクもあるといいかな。八百屋へ向かう。

 

『調味料は兄ぃが調達するから』

 

ミトから追加のメッセージが届いた。奇跡の料理人が一緒だと、便利だな♪って、見てはいけないものを見た気がする。高級娼館から先輩が出て来た。なるほど、そうやって処理をしていたのか…このエロ士爵め!

 

『ハーレム侯爵には言われたく無いよ♪』

 

って、佐藤先輩からメッセージ。う~ん、この人も、遠隔で俺の心が読めるのか…くそっ!

 

神殿の馬車置き場へ行くと、仲間達が、馬の世話をしていた。タマ、ポチがゼナとメリー達に世話の仕方を教えて居た。もうベテランの域だな♪

 

「あぁ~、ご主人様♪」

 

アリサが走り寄って来た。

 

「どうしたんだ?」

 

「ルルも愛人に入れてね♪私も後5年したら♪」

 

う~ん…セーラの前で言うことか?

 

「じゃ、4番目、5番目ですね♪」

 

って、セーラ。

 

「3番目は?」

 

アリサが訊いた。

 

「ゼナさんの予約が入っていますよ」

 

予約?

 

「あぁ、そうだった。そうだった。プロポーズする気でいたよね」

 

って…え?

 

「そうなの?」

 

リーンも含めて、笑顔で頷くアリサ達。俺の知らない処で、何を話しているんだ?女子トークが恐い…

 

-------

 

ミツクニ卿一行は馬車5台編成で、公都を旅立った。俺のいる馬車には、セーラ、アーシア、メリーエストが載っていた。御者はリザとナナである。

 

メリーエストが書類の束と格闘してくれていた。都市核と契約って、中々大変である。設定を怠ると、街が大変な事態になるから。アーシアがリンクをしてくれるお陰で、ほぼ、リアルタイムで、情報が取得できているので、大惨事には至らないと思う。あと、迷宮核の管理も重要らしい。下層は、ガチガチに固めていいけど、上層、中層は、冒険者が遊べる程度の難易度が良いと言う。観光資源として考えた場合だけど。

 

「概ね、どの核も良好です」

 

書類を分析して、結果をメリーが報告してくれた。メリーは情報分析官という職務に就いたのだ。情報収集官は、勿論アーシアであるけど。

 

「税収が少ないのが難点だろ?」

 

税率を抑え気味にしてあるから。

 

「でもニナさんが、工面とか工夫をされているので、余力は少しありますよ」

 

まぁ、赤字の場合、先輩とクソ勇者に補填をして貰うけど。

 

「アルジェント領って、結構広大ですよ♪」

 

う~ん、イメージが湧かない。

 

「旧ムーノ男爵領と旧ヨウォーク王国ですからね」

 

やはり、イメージが湧かない。

 

「どちらも、市民達の生活の向上が優先だよ」

 

「えぇ…心得ておりますわ」

 

なんか楽しそうメリー。内政に関われるのが嬉しいのだろうか。なら、丸投げでもいいかな?

 

って、平和な時間は続かないなぁ。山賊が出たそうだ。先頭の佐藤先輩の機械仕掛けの馬車が止められたようだ。

 

「アール様…」

 

心配そうに俺を見るセーラ。

 

「大丈夫だよ。この程度で、記憶は飛ばないはずだ♪」

 

馬車を降りると、既に、先輩、ミト、テンちゃん、リザ、ポチ、タマが派手に暴れていた。

 

「おい!女と金を渡せ!」

 

いきなり、オノで叩き切られた俺…だけど、フルカウンターアーマーを下車と同時に装着したいたので、オノを使った山賊は、真っ二つに裂けていた。

 

「血の海の原因って、それかぁ…」

 

って、リーン。

 

「まぁ、そういうことだよ。人間相手には戦わない方向だよ」

 

「それがいい。お前は指示を出せ♪」

 

って、リリオ。

 

「貴様らは何者だ?」

 

ボス登場か?

 

「しがない士爵のムーンだよ♪」

 

ボスの魂を強奪して、握り潰した。見た目、きれいな死体の出来上がりである。

 

「いま、やらかした?」

 

フィフィに訊かれた。

 

「少しだけ…」

 

苦笑いされた。手を出すなってことか…殲滅という名の掃除が終わり、馬車の隊列が動き始めた。

 

『手は出さないでいいんだよ。本当にヤバい敵だけでいいんだからね』

 

って、ミトからメッセージ。俺の記憶喪失事案を、みんなが気に掛けてくれているようだ。

 

そして、夕食…テントを張り、奇跡の料理人が鯨料理にチャレンジしていた。

 

「おぉぉぉぉ~!鯨の立田揚げだぁぁぁぁ~♪」

 

アリサが喜んでいる。ミトも…

 

「これだよね。ソウルフードだよ♪」

 

「旨い…」

 

リザは鯨のベーコンにやられたようだ。

 

「うん?これは?」

 

佐藤先輩が俺の作った芋餅を試食。

 

「う~ん、旨い。だけど、ソースがあった方がいいかな?」

 

「ふふふ♪塩を振りかけるんだよ。それも岩塩をねぇ♪」

 

完成後の試食をした先輩。

 

「これは…ポテチ…」

 

「青ノリが無いのが痛いかな」

 

この世界にノリは無いようだ。

 

「あっ!ズルいぃぃぃぃ~!」

 

見付かった。そんなに量がないので、こっそり食べようと思ったのに…一口食べたアリサが、総て強奪していった。そんなに旨かったのか?

 

「後は何か無いですか?」

 

ルルが興味深そうに、俺の調理を見ていた。後なぁ…あぁ、イカのキモのカラスミ風があったなぁ。それを一切れ、ルルの口へ…

 

「塩辛いけど…濃厚ですね」

 

「保存食だから、塩に漬け込んでおくんだよ。その分、塩辛くなるんだ」

 

「カラスミか?」

 

先輩が一口…

 

「旨い…」

 

奇跡の料理人に勝った瞬間であるが、俺は、大量に調理が出来ないので、負けても良いんだが…凹んでいる先輩…

 

「え?負けたのか?」

 

ルススが一口…

 

「これは…」

 

俺は、コレを死守する為に、ストレージにしまった。が…取り囲まれた。酔っ払いの女子軍団に…アルコール臭プンプンのブレスを吐いてきた。これはキツい…抱きついて、ベタベタしてきた。濃厚なスキンシップ攻撃か…こいつら、ストライクゾーンから微妙に外れているんだけど…

 

「さぁ、出しなさい♪」

 

目の前で仁王立ちしているミトが要求してきた。これは…最悪だ…

 

「好きなだけ妄想していいから、出しなさい!」

 

心の中のエロ願望が総て見られていた…彼女達の前に、カラスミもどきを出した。ミトの気迫に負けた俺…

 

「ねぇ、他には無いの?珍味系♪兄ぃは王道の料理人だからさぁ♪」

 

どうせ、俺は邪道な料理人だよ…チーズのぬか漬けを出した。

 

「旨い…」

 

そして、宴は明け方まで続いた…

 

--------

 

二日酔いのミト、ルスス、フィフィ、リーン、カリナ。どんだけ飲んだんだ、コイツらは…

 

「一晩で二樽だよ」

 

って、先輩。一斗樽を2つもか…今日の行程は距離を稼げそうも無い。馬車酔いで、途中休憩が増えそうだ。

 

 

二日酔い軍団が、断酒をしたおかげで、2日目以外は順調に距離を稼げたようだ。そして、ようやく1つ目の補給地点のボルエハルト自治領へ着いた。ミトはミツクニ卿として、ゼナ隊を護衛に付けて、この街の領主へ挨拶へ向かった。

 

先輩とカリナは、仕入れの為の買い物だそうだ。一応、商人であるから。俺は、宿のベッドで爆睡タイムだ♪

 

が、俺に客が来たらしい。誰だ?

 

「市長をしておりますドリアルと申します。昔、公都でニナ様にお世話になったので、ニナ様の主様であるアルジェント卿に恩返しをと、思っています」

 

ニナの古い知り合いのようだ。

 

「俺は、しがない士爵のムーンだよ。人違いじゃないのか?」

 

「ニナ様から聞いております。世を忍ぶ仮のお姿ってことをね♪」

 

ニナ…余計なことを…脳裏には、Vサインをしている嬉しそうなニナの姿が浮かんだ。

 

「で、アルジェント卿の領地は緊縮財政と聞いております。出来れば、援助をしたいと思っております」

 

まぁ、ありがたいお話である。

 

「この街は鍛冶が盛んな地であり、数名規模ですが、留学生の受け入れをしようと思います」

 

手に職…貴重な財産になる。金よりも貴重な申し出である。金ならば、大富豪の先輩と、負い目を負わせたクソ勇者がいるからな。

 

「そうですか。では、そのようにニナへ伝えます」

 

「もう、伝えてあります♪」

 

うっ…有能過ぎる執務官…再び脳裏には、Vサインをしている嬉しそうなニナの姿が浮かんだ。

 

「この後、食事会でもいかかですか?ニナ様より、正装を伴うパーティーは苦手とお聞きし、平服での食事会を計画しているんです」

 

う~ん…ポチ、タマの尻尾が踊っている。参加希望のようだ。

 

「わかりました。参加します。仲間も一緒ですが、良いですか?」

 

「もちろんです。では1時間後に♪」

 

「ご馳走?」

 

「ご馳走なのです」

 

嬉しそうなタマとポチ。リザは無言であるが、尻尾が踊っていた。

 

------

 

ミト達はパーティーに招待されたそうなので、俺、タマ、ポチ、リザ、アリサ、ミーア、ナナ、アーシアで食事会へ、残りの者達はパーティーへ参加になった。

 

立派な市役所の1階でパーティー、2階で食事会らしい。酔っ払い軍団が心配だな。

 

その心配は的中した。俺は、1階へと拉致された。酒のつまみを作れってことのようだ。

 

う~ん、用意された材料でメニューを考える。隣では奇跡の料理人である先輩と、その助手のルルが手際良く調理をしていた。

 

枝豆ぽい豆を塩ゆで…ピーナツっぽい豆を塩ゆで…それらと粒コーンと魔法の調味料であるマヨネーズで和えて、一品目。

 

「美味しいです♪」

 

ルルが笑顔で俺の顔を覗き込んだ。ルルを食べたい…

 

「おい!調理中にいかがわしいことをするなよ♪」

 

俺の妄想を見たらしい先輩から、警告が…心を覗かないでくれぇぇぇぇ~!

 

2品目…エビかな?手に取って調べると芋虫だった…う~ん、どうするかな?内臓を『強奪』して、エビチリ風に仕上げた。勿論、味見はチリソースのみで、完成品は抵抗が…

 

「美味しいです。これなんですか?ぷりっとしていますけど…」

 

ルルに訊かれたけど、スルーする。そう言う物だよ。

 

3品目…先輩がローストビーフを作っていたので、チャーシューで対抗した。

 

10品ほど作ると、解放された。だけど、食事会は終わっていた。くそっ!階段に座り込む俺。隣にアーシアが座り、逆サイドにナナが座った。二人共、俺の肩に頭を載せて、マナを補給タイムらしい。最近は心臓に近い部分でなくても良くなったらしい。それだけ、強力なマナが俺にはあるらしい。

 

「何、黄昏れているの?」

 

アリサとミーアが身体を預けてきた。タマ、ポチ、リザも…なんだかな絵面だ。

 

「うん?なんで…どういうことだ!」

 

知らない老ドワーフが声を上げて近づいて来た。俺の周囲にいた仲間達が、臨戦態勢に入った。

 

「貴様!何者だ!」

 

老ドワーフはハンマーを手にしている。あれは痛そうだ。

 

「お前こそ、何者だ?!」

 

「儂を知らないのか?どこから、湧いたんだ?!お前は、魔族か?!」

 

そんなチンケな存在では無いんだけど…

 

闘気を感知して、ミト達が駆けつけてきた。

 

「ダメ!ダメだよ~」

 

ミトが俺に近づこうとしたらが、老ドワーフが阻止をした。

 

「ミツクニ卿、下がっていて下さい。コイツは儂が仕留めます」

 

仕留める対象なのか?

 

『居場所が無いようだ。気分悪いから、帰るよ!』

 

ミトにメッセージを送り、周囲の仲間達とボルエナンのエルフの里へ転移した。急な来訪であったが、エルフ達は歓迎してくれた。俺は、アーゼの部屋へ…

 

「あれ?予定より早い到着だね~」

 

俺に抱きつき…(自己規制)したアーゼ。

 

「疲れたから寝たいんだけど」

 

「うん♪一緒に寝るよ。やることは、ダーリンと…くらいだから♪」

 

俺は久しぶりに、アーゼと…

 

 

 

 




聖属性ではあるけど、魔なる存在だから、誤解されやすいアール君。
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