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先輩がマズい。咄嗟に先輩に抱きつこうとしたのだが、この街の領主であるドハルに、制止された。
「ミツクニ卿、下がっていて下さい。コイツは儂が仕留めます」
魔族と勘違いされている。マズいって…
『居場所が無いようだ。気分悪いから、帰るよ!』
先輩からメッセージが届いた。帰るって、どこに…
「ドハル老…何故、彼を追い込んだんですか?」
「どういうことだね?」
誤解を解かないと…
「彼は私の腹心のアルジェント卿です。なぜ、仕留めようとしたのですか?」
返答しだいでは、リーン、メリー、フィフィ、ルススがドハル老を仕留めると思うけど…
「何を言っているんだ?アイツは魔族だ!その証拠に…ホムンクルスを連れていた!」
テンちゃんがホムンクルスってバレていないのに、なんでナナとアーシアの正体がわかるんだ?
「ホムンクルスって断言されましたが、根拠はあるのですか?」
テンちゃんも、ドハル老に敵意を持ったようだ。
「あやつの傍にいたヤツは、トーヤの揺り篭にいたホムンクルスだぞ!あの迷宮は魔族が支配したと聞いている。故に、アイツは魔族であるんだ!ミツクニ卿、アンタは、アイツが魔族って知らなかったのか?」
「彼は魔族では無いです。彼は魔王の呪いを受けた私の腹心です。トーヤの揺り篭って、トラザユーヤの揺り篭のことですか?」
「知っているのか?」
「えぇ、彼がそこで魔族を倒して、迷宮核を手に入れています」
「なんだと…」
「現在、彼により、迷宮運営をしておりますが、何か問題でも有るんですか?あぁ、もし、ナナのことでしたら、初攻略のご褒美で貰ったホムンクルスです」
「何…あそこを攻略したのか?まさか…」
「ドハル老に言っておきます。彼の正妻は、ボルエナンの里のハイエルフ、アイアリーゼ・ボルエナンです。あなたは、どういう者に敵対したのか、わかりますか?」
「なんだって…ハイエルフが正妻だと…有り得ないだろ?ハイエルフは、未婚の神の為に作られたダッチワイフだぞ」
そうなのか…なんで、コイツ、そういう情報を知っているんだ?ドハル老の心の内を読んでみた。すると、ドハル老は昔、その迷宮の作成者である、賢者トラザユーヤの従者をしたらしい。
「あなたはトラザユーヤの末裔を敵に回しましたよ」
「どういうことだ?」
「先程、彼の周囲には、トラザユーヤの孫がいたんですよ」
「本当か?」
「えぇ、あの迷宮でトーヤの日記を読み、ボルエナンの里でお話も聞きましたから、確かです。あなたは、彼にどう償ってくれますか?魔王の呪いで、私と帯同するのに、難色を示してた彼を、私は連れ出したんです。これで、引きこもりになったら、どう責任をとってくださりますか?」
リーン達がドハル老にプレッシャーを掛けているが、あまり効果が無いようだ。私は言葉で彼を追い込んでいく。
「なんてことを…儂は…」
ドハル老の心が、へし折れたようだ。