イルナ視点です。
依頼を熟していた最中にトレインが発生した。依頼主はいち早く逃げたが、うちのパーティーのポーターが二人も怪我を負った。だが、化け物クラスのメンバーのいるパーティーに救われた。アイツら…何者なんだ?
「そんなにスゴい奴らなのか?」
赤鉄証持ちの探索者である「紅の貴公子」ジェリル準男爵に訊かれた。
「あぁ、スゴい奴らだ。神聖魔法師が2名いた。そのうちの1名がリーダーだそうだ」
「何?神聖魔法師が2名もいるのか…」
回復師のいるパーティーはたまに見かけるが、神聖魔法師なんて者は、魔王討伐隊ですらいないほど貴重ジョブである。それが2名もいるなんて…
「リーダーの男は、修復術を持っていた。無くなった足が修復されたんだよ」
驚愕しているジェリル。修復術って、最上位の神聖魔法であるから。ほとんど神の領域である。
「聖職者なのか…」
「戦士の奴らも異常なくらいに強かったよ」
「どのくらいです?」
ジェリルの連れの男に訊かれた。どこかの酒場で、息が合い、二人で呑み歩いているそうだ。この店は3軒目らしい。
「ライトニング・エルダー・スタッグが5分程度で屠られた…」
「おい!格上の区画主じゃないのか?」
「階層主が10分保たなかったぞ…」
「…」
ジェリルが絶句した。
「それも…初めてのダンジョンだって…」
「あぁ、アイツらか…」
ジェリルの連れが、アイツらの正体に気づいたようだ。
「知っているのか?」
「えぇ、知っております。彼らには関わらない方が良いですよ」
「アイツらは何者だ?」
「名乗らなかったでしょ?」
頷く私。
「そういう存在です」
そういう存在?
「おい!もったいぶらずに、教えてくれよ、クロ♪」
ジェリルが、連れの男に訊いた。
「たぶん…アールです」
「アール?何者だ?」
「アール・アルジェント侯爵です。この街の影の支配者ですよ♪」
影の支配者?アルジェント侯爵?聞いた事が無い名前だが…
「関われば、後悔しますよ」
「あっ!あの侯爵かぁぁぁぁぁ!ミツクニ卿の配下の…」
「そうです」
誰だ?
「ジェリル、ソイツは何者だ?」
「イルナ…関わるな…殺されるぞ…そういう存在だ」
ジェリルが震えている。それほど恐い存在なのか?
「あのシガ八剣のジュレバーグ殿が3回も負けた男だ。俺なんかじゃ、勝て無い」
おい…シガ八剣筆頭のジュレバーグ様が、3回も負けたのか…化け物クラスじゃないか。
「あぁ、ここの支払いはしておきます。そろそろ帰らないと。また、飲みましょうジェリル♪」
「おぉ、またな、クロ♪」
アイツら…マジか…シガ八剣よりも強いのか…