昨日のドロップ品を先輩へ引き渡した。ハチミツは除いて…先輩の商社で、加工して販売するそうだ。売上の一部をニナへ送金して貰っている。財政支援って感じだ。
「初日にしては、大量仕入れだな♪」
「上層はダメだよ。相手が10分保たないんだもの」
俺の出番が無い。いや、アリサやミーアの攻撃魔法陣が、戦う暇は無いと言うか…短期決戦過ぎた。
「まぁ、納入した魔核の数から行けば、赤札で中層へ行けるはずだよ」
って、先輩。ミトは、朝からリリアンに呼び出されていた。あの老女は、どんな無理難題をふっかけているんだ?
「じゃ、狩りへ行くかな」
駐車場に行くと、もう準備が出来て、俺が最後だった。では、迷宮探査へ行くか♪
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二日目…メリーが受付に行くと、札が代わっていた。
「中層まで行けるそうです」
って…じゃ行くか…
「ちょっと待て!私達も同行する」
って、イルナと知らない男性が一人。周囲の者達が響めいている。有名人か…
「俺はジェリルだ。『獅子の咆哮』の団長をしている。侯爵よ、お前達の実力をみせてもらうぞ♪」
はぁ?俺の出番は無いんだが…
「ジェリル!無礼なマネをするな!」
メリーがキレた。知り合いか?
「えっ!メリーエスト皇女様、どうして、このような場所に」
メリーに跪くジェリル。
「アイツ、マサキの知り合いだよ」
って、リーンが教えてくれた。あぁ、クソ勇者の知り合いか。
「何?リーングランデ、フィフィ、ルススもいるのか…マサキもいるのか?」
「クソ勇者はいないよ!」
「勇者ハヤトをクソ勇者だと!」
クソの知り合いが怒っている。
「クソをクソと言って何が悪いんだ?」
「貴様!無礼だな」
大衆の面前で剣を抜いたジェリル。
「侯爵様に対して、剣を抜くって、どういうことか分かっているのか?」
メリーが俺の前に立った。ジャマだよ~!
「どうして、あなたが、ソイツを庇うのですか?!」
「私達のご主人様は、私達眷属が護ります♪」
「おい!得物は抜くなよ!大衆の面前だ」
先に注意をしておく。人間相手の戦いはダメだから。
「御意♪私達は人間の盾になりましょう。さぁ、斬れますか、ジェリルよ!」
メリーの気迫に剣を鞘に収めたジェリル。衛兵が彼の身柄を押さえた。侯爵に剣を向けちゃダメだよね。
「じゃ、俺達だけで、潜るぞ」
「「おぉ~♪」」
だけど、今日も懲りずにイルナが付いて来た。気にせずに、サクサク中層を目指すことにした。
中層…食料になりそうな魔物が多い。リザが張り切っている。新鮮なお肉にありつけるから…
部屋一面に水の区画…魚とか海産物が取れるエリアだ。酒好きが珍味を求めて、スパートしている。戦闘欲と言うより、食欲で突き進む俺達一行。呆れるイルナ…
妙な区画に出た。マップ情報では麻薬畑と出た。
「その草は食うなよ!毒物だ」
「麻薬ですか…違法薬物工場があるんですかね」
って、メリー。可能性はある。ミトに確認すると、撲滅しべしと返答が来た。
「アリサ、燃やして♪」
「らじゃ~♪」
毒ガスが出るとマズいので、区画を密閉して、こっちに来ないようにした。すると、俺達と反対側の区画から苦しみ悶える男女が出て来た。関係者かな?マップ情報で確認して、ギルドの地下にある牢屋へと強制転移させていく。冒険者は、ギルドの医療ルームへ強制転移と思ったけど、冒険者はいなかった。
「アーシア、ここと同じ植物の群生、もしくは畑を検索だ」
「了解です、マスター」
「1つずつ、潰していく。今日は狩りは無しだ」
納得してくれたみんな。セーラはいつも以上に、俺の腕に強く抱きついて居る。俺が一番の危険な存在だものな…
『そんなことないよ』
て、ミト。
『考えすぎだ』
って、先輩。おい…四六時中、俺の心は監視対象か…
『そうだよ♪』
て、アリサ。彼女の方を見ると、Vサインを掲げていた。
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翌日…いつもと違う肉感を感じる。なんだ、この筋肉質な…まさか、男か…恐る恐る目を開くと、全裸のイルナが俺に抱きついて寝ていた。
「どう?たまには若い女は♪」
って、ミト。えぇ、リリアンでなくて良かったです。酒臭ぇ~ブレス攻撃は苦手です。
「なんで、イルナがいるんだ?」
「隠密同心に惚れたみたいで、情報屋になりたいそうよ」
かげろうのお銀枠か?もう少し、柔らかさは欲しいなぁ。
「うん?」
危ない…ふくよかな胸を妄想しようとして、鏡餅に切り替えた俺。朝からミトが激怒するとマズい。
「なるほど♪お気遣いに感謝だよ」
ミトのミトなりのふくよかな谷間に、俺の顔を埋めてくれた。
「一応、中層にある畑などは総て燃やしたけど…」
昨日の報告をミトにしている。
「送られて来た者の殆どは奴隷だったわ。首謀者を見つけないと、根絶出来ないわね」
「俺の方も情報網で探っている。分かり次第、報告をする」
って、先輩。この街にも『エチゴヤ』を設立したそうだ。
「じゃ、引き続き、先輩達は潜って。情報は私と兄ぃで集めてみるから。それから、くれぐれも一人でケリを付けないでね」
哀しそうな目で俺を見るミト。俺は俺でいればいい筈だ。俺は俺で無い時、何になっているんだ?俺の疑問に誰も答えてくれない。つまりは、そういう存在なのか…
「アール。考えすぎるな。お前はお前だ。俺もヒカルも分かっている。いいな」
その言葉は嬉しい。だけど…
「ダメ…先輩!」
ミトが俺を抱き締めた。俺の唇に自分の唇を重ねて来た。俺は俺で無くなるのか…
意識が戻ると、ミトが一緒にいてくれた。肌を合わせてくれている。ミトの体内の感触が俺に伝わってきた。つまり、そういう体勢か…
「良かった。先輩は先輩でいて欲しいんだよ。ねぇ…だから、自分で追い込まないでね」
俺の頬に自分の頬を重ねるミト。俺は…
「今日は、休養日にした。だから、このまま、寝ていいから。寝付く迄、一緒にいるから…だから…どこにも行かないでね」
そうだな…
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翌朝、目が醒めるとアーゼがいた。
「ダーリン、おはよう♪」
ミトが呼んでくれたようだ。
「心は落ち着いたかな?」
「うん♪」
アーゼを1ラウンドほど味わい、二人で食卓へ…
アーゼをアーゼの職場へ連れ帰り、戻って来た。迷宮探訪をしないと…迷宮の入り口まで行くと、アルちゃんこと、アルエトンがいた。
「あぁ、アール様、お待ちしていましたよ」
って、軍を引き連れている。何だろう?
「俺を逮捕?」
「なんでですか?しませんよ…」
「では、何?」
「迷宮に潜む賊、通称迷賊を一掃する為ですよ。お力をお貸し下さい」
「中層の階層主の出し方を教えてくれたら♪」
取引を持ちかけた。上層の方は、倒されたばかりだったので、『強奪』で引き寄せられた。だけど、中層のヤツは、まだ倒されていないので、『強奪』では無く、正規な手順が確実だと思ったのだ。
「それくらいなら、いいですよ」
取引は成立した。
迷宮の中層へ進軍。
「アーシアさんは何者ですか?」
アルちゃんに訊かれた。重箱の隅にいたる迄の的確な情報に疑いを持ったようだ。
「迷宮核だよ」
「えっ!」
「ホムンクルスに迷宮核の意識をリンクさせているんだ♪」
「だから、あんなに細かな情報が得られるのですか?」
「まぁ、そんな感じだ」
「敵にすると厄介ですね」
「敵になる予定があるの?」
「ある訳ないじゃないですか…」
では問題無しってことで…
「隠し区画を見つけました」
アーシアの報告で、隠し区画も殲滅♪で、ご褒美の階層主の出し方を伝授されて…正規な手順…区画の主の魔核を試練の祭壇に捧げれば出るらしい。
試練の祭壇に行き、まず区画の主を強奪で次々に引き寄せて、魔核をゲットしていく。
「なんですか…その能力は…」
区画の主キャッチャーと化した『強奪』に響めくアルちゃん以下、軍の人達。だいぶ、魔核が集まったし。
「じゃ、出すよ♪」
階層主を出して見た。何時ものように一番槍をリザが放ち、他の前衛陣が我先にと、攻撃を叩き込んで行く。俺は階層主が逃げないように、床に接ぎ止めた。
「なんか階層主がかわいそうに見えて来ました」
って、アルちゃん。後衛陣が魔法を叩き込んで行き、10分少々で、階層主を屠った。証人はアルちゃん以下、軍人さん達だ♪
「おい!アルジェント卿にケンカなんか売るなよ」
アルちゃんが配下の者達に声を掛けている。いや、売られたら買うだけだよ♪
うん?嫌な風が吹いた気がする。
「トレインがコチラに向かってきます」
って、アーシア。
「量は?」
「迷宮ゴキブリが1000体です」
厄介だな。低重心で装甲が厚い上に、すばしっこい上に飛び廻るし…
「トレインの原因は?」
「誰かが巣を壊したようです」
罠か?他の用途で壊すヤツはいない。得られる物があまりにも無いらしい。
「ミーア、冷気を流して」
「ん♪」
「テンちゃん、凍ったら、ファイアブレスで粉砕して」
「まかして♪」
「ブレスって…彼女は何者ですか?」
アルちゃんに訊かれた。
「天竜のテンちゃんだよ。勇者が乗っていた天竜だって」
「えぇぇ~!伝説級のドラゴンじゃないですかあぁぁぁあ~!」
アルちゃん以下、兵士の皆さんが驚いている。まぁ、歴史の生き証人だわな。で、ゴキブリ達は急激な寒暖差により、砕け散っていく。
「第2派が来ます。今度のトレインは、オイルスライムが1000です」
って、アーシア。それは珍しいなぁ。貰っちゃおう。トラザユーヤの揺り篭へ全量を強制転移させた。
「今度はどうされたのですか?」
アルちゃんに訊かれた。
「俺の持つ別の迷宮へ強制転移させた。モンスターを発生させるのに、マナが消費されるから、希少種はゲットだよ♪」
「ははは…まったく、常識では測れませんね。アール様は…」
まぁ、存在自体が常識の範囲外であるし。
「第3波準備中です」
『強奪』で、罠作成者を呼び出した。
「なに?貴様…スキル持ちか?」
マップの詳細情報によると、迷賊長と表示されている。
「貴様!!迷賊王ルダマンか!」
「ここで死ね♪」
ルダマンが何かを飲んだ。すると、中級魔族に変身した。そんな薬があるのか?瞬動術で懐に入り込み、心臓を握り潰してみた。中級魔族は苦しんでいるようだ。心臓があるって、不便だよね?
「貴様、何者だ…」
苦しそうな中級魔族に訊かれた。
「名乗る程の者じゃないよ♪」
闇の牢獄へ沈めていく。心臓に繋がる動脈と静脈を入れ替えておく。どうなるかの実験だ♪
「中級悪魔を素手で…アール様…強すぎですよ」
アルちゃんの言葉はこの際、スルーだ。
「アーシア、魔王はいるか探査してくれ。いたら、ここから出すな!」
「了解です…」
アーシアの探索中、誰も言葉を発しない。緊迫した局面である。
ズン!うん?何かが腹部に刺さった。
「死ね!ルダマン様の仇討ちだよ♪」
腹部にヤリが刺さっている。気配を感じなかったから、瞬動持ちかな?詳細情報を確認すると、。「槍」「瞬動」「反撃(カウンター)」持ちのようだ。
「ご主人様!」
リザが異変に気づき、ヤリで敵を差そうとした。にやりと笑った賊。カウンター狙いか…リザのヤリを左手で受け、賊に当たらない様にした。
「どうして?」
戸惑うリザ。
「コイツ、カウンター持ちだ。リザを傷つけたくない」
俺は俺で無くなって行く。マズい、アルちゃん達の前では、俺とリザと賊の3人で、別の場所へと転移した。
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「ここはどこだ?」
賊…情報によると、魔戦士カースと言うらしい。
「ここはトラザユーヤの揺り篭だ」
「お前…何者だ…」
恐怖で歪むカースの顔。
「俺は不死王リッチだ♪」
俺の腹部にっさっていたヤリを引き抜き、カースの頭からお尻の穴に向けて刺した。カウンターされるが、カウンター仕返した。カースのカウンターは千日手にならないように、同一攻撃時に、一度しか反応できないようで、串刺し状態になった。ここで、オブジェになってもらうか。
次にリザだな。俺を見て固まっているリザ。
「リザ!お前の目に俺はどう映っているんだ?」
「…」
「言えないのか?なら、言うまでいたぶるか?」
リザは自ら全裸になり、
「お好きにしてください。私はアナタの物ですから…」
何かに耐えるような目付きである。そんなに俺は惨い姿なのか…
「じゃ、好きにする。去れ!」
リザをミトの元へ強制転移させた。俺は、ここに住むかな…先ほど転移させたオイルスライム達が遠巻きで俺を見つめていた。魔物にすら恐れられる存在か…ここもダメなようだ。外へ出ると綺麗な満月が見えた。
『お兄ちゃん♪酷い姿だよ』
どんな姿だ?
『リビングスケルトンかな?』
それは、オーバーロードの主人公であるアインズ様のようなのか。なるほど、リッチだものな…
「アインズ様…あぁ、そういう感じだね」
カグヤが実体化して、俺の隣に現れた。
「俺はどこへ向かえばいいんだ?」
「みんなと一緒で良いんだよ。う~ん、その姿が問題だよね~」
「このすばのウィズのようになれないかな?見た目は人間って感じにさぁ」
「そうね。その方がお兄ちゃんらしいかな」
カグヤが呪文を唱えた。
「月の光に当たるとスケルトンに見えちゃうけど…」
「それは、パイレーツオブカリビアンの呪われた海賊たちでは無いか?」
「まぁ、そんな感じだよ。光が当たらなければ、人間の姿に見えるよ」
「食った物が砂になるのか?」
「お兄ちゃんは呪われた訳では無いんだよ。だから、問題は無いよ。ただ、月の光の下では真実を晒すだけなんだよ」
そうなのか…
「そんな寂しそうな顔をしないで。私はいつでも一緒にいるから。その為に、この世界に呼んだんだよ。だから…楽しく生きてね…お兄ちゃん♪」
カグヤが消えた。帰っていったようだ。
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「おい!起きろよ~」
後輩氏の声だ。
「後10分…」
「ご主人様…ごめんなさい」
えっ!リザが…全裸のリザが俺に乗っかっている。咄嗟に飛び起きる俺。
「そんなに、私が嫌いですか?」
リザがナイフを手に自決しようとする。マズい…リザからナイフを奪いとり…優しく抱き締めた。
「嫌いな訳無いだろ?」
「なんで…私を遠ざけたのですか?」
「娘とはしない主義なんだ」
「娘?」
「リザとタマとポチは、俺の娘だ。手に掛ける訳ないだろ?」
全裸で抱き締めている俺。説得力は無い。現にミトが笑っているし…
「私…ご主人様の娘なんですか?」
「ダメ?」
「ダメでは無いです」
ドンドンドンドン♪
床を使ってのドラミングかぁ?リザの尻尾が激しく踊っている。これは喜んでいるのか?
『当たり前でしょ♪』
『そうだよ』
って、アリサとミトからメッセージが届いた。