デスマーチからはじまる異世界マン遊   作:もっち~!

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06/05 誤表記を修正

第6王女システィーナ視点です。


SS:興味のるつぼ

新年を迎えた。と、いっても何か新しいことが始まる訳では無い。淡々と日々が過ぎていくだけである。王女と言って六番目にもなると、やることが無いので、城の地下にある蔵書庫へ行き、読書したり、歴史を調べたりして、時間を潰す。

 

うん?新しい地図が…改訂したてのようで、裏面の紙の色は真っ白であった。昨日まであった地図とは、どう違うのか興味を持ち、眺めてみる。

 

「えっ!」

 

目を疑うような記述があった。ここ王都も、王都直轄地であるセリビーラも、ムーノ男爵領、オーユゴック公爵領、セーリュー伯爵領、クハノウ伯爵領、あとヨウォーク王国もだ…(アルジェント公爵領)と追記されていた。これは、一体?

 

膨大な領地である。アルジェント公爵という人物に興味を持った。どんな人物なのだろうか?他国まで領地にするって、武力を大量にお持ちなのだろうか?そして、王家に挑み、王都とセリビーラも領地にしてしまったのか?

 

爵位名簿を見てみると、アルジェント公爵は載っていなかった。まだ改訂されていないってことは、昨日の会議で公爵になられたのだろう。それは、王様が認めた者ってことだ。いや。武力で脅し取った可能性もある。

 

--------

 

誰から情報を貰えば良いかな?今日も会議が開かれている。参加されているのだろうか?お付きの者達と、貴族達の屋敷のある辺りを散策した。誰か、知り合いに会わないかな?

 

「あれ?システィーナじゃない?」

 

勇者マサキの従者であるリーングランデが声を掛けてきた。他国なのに、勇者も王都に来ているのか?リーングランデとは叔母と姪の関係であるが…待て…彼女は死んだはずでは…

 

「どうした?顔色が悪いぞ。セーラ、回復術を頼む」

 

「はい、お姉様」

 

彼女の妹…テニオン神殿で神託の巫女をしていたけど、殉職したはず…なんで、生きているの…あまりの恐怖で、意識が飛んだ私。

 

---------

 

意識が回復すると、ベッドの上にいた。ここはどこ?ベッドから起き上がり、ドアを開けて、様子を窺うと、賑やかな声が聞こえてきた。その声に釣られて…

 

「システィーナ、もう大丈夫か?」

 

赤ら顔のリーングランデ…とても、死人には見えない。酔っ払いのようだ…

 

「どうですか?新年会しているんです。一緒にいかがですか?」

 

セーラの顔も血色が良い。死んだと思えない顔である。

 

「あぁ、もしかして、オーユゴック姉妹にビビっているんじゃないの?死んだことになっているから」

 

え?あの人は…サガ帝国の王女のメリーエストじゃないの…なんで、ここに?

 

「あぁ、なるほど。そうでしたね。私達は死んだ事になっていましたね♪」

 

死んだ事?

 

「なんで、死んだ事に?」

 

「う~ん…部外秘なんで、ご主人様の許可が無いと、理由はお話できません」

 

ご主人様?結婚ってことか…

 

「セーラ!誤解しているぞ。アイツと結婚したって思い込んでいるようだ」

 

男性の声、顔を見ると…噂の奇跡の料理人であるペンドラゴン卿がリーングランデ達と杯を交わしていた。何…ここは何??

 

「結婚ではなくて、私達はご主人様の眷属ですよ」

 

眷属…サガ帝国の王女、神託の巫女、勇者の従者、そして、奇跡の料理人までも?誰の眷属なんだ?

 

「どなたの眷属なの?」

 

「アルジェント公爵様です♪」

 

とても嬉しそうに、主の名前を口にするセーラ。こんな子だっけ…って、アルジェント公爵って…私の探し人である。

 

「ここは、公爵様のお屋敷なの?」

 

「ここはミツクニ公爵のお屋敷なんですけど、同居しているんです」

 

ミツクニ公爵?爵位が空位になっていたはずだけど…

 

「これ、食ってみな♪」

 

リーングランデが、色々な料理の載った皿を手渡して来た。受け取って、食べてみた…美味しい…さすが、奇跡の料理人の料理だわ♪

 

「おいしいだろ?」

 

「うん♪」

 

「奇跡の料理人に負けていないと思うんだよ~」

 

えっ?ペンドラゴン卿の料理では無いの?でも、おいしいのは確かである。では、誰の?

 

「珍味は主様の右に出る者はいない♪」

 

知らない女性が声を上げた。主様?まさか、アルジェント卿の料理なの?武勲に長けた人物では無いのか?他国を占領するって…アルジェント卿のイメージが定まらない。一体、どんな人物なのであろうか?

 

「ただいま~♪」

 

「あっ、帰って来たのです♪」

 

女の子が、声のする方へ走っていく。

 

「ハンバーグ先生が欲しいのです♪」

 

「ハンバーグ?あぁ、ちょっと休んでからでいい?」

 

「はいなのです♪」

 

疲れ切った青年が現れた。先程の女の子を抱き抱えている。

 

「ミト…30分…」

 

「わかった。起こしに行くよ。誰か、希望はある?」

 

「ゼナかセーラで…」

 

「わかったわ」

 

奥へ女の子と下がる彼。寝るようだ。あっ、女の子だけ戻って来た。

 

「この子は誰?」

 

今日二度目の目を疑う光景…なんで…この女性は、王祖様の顔に似ているの?

 

「システィーナ王女です。私達の叔母になります」

 

って、セーラ。

 

「ほぉ~、王女が新年早々、遊び歩くとは、この国は平和になったもんだ」

 

「あの…王祖様ですか?」

 

「それは部外秘だ。私はミト・ミツクニ公爵と名乗っている」

 

え…女性なのに、公爵なのか…って、ミツクニ卿?それは、王が引退した場合の爵位であり、現在は空位になっているはずの物である。

 

「えぇぇぇ~!ナマコ酢は?」

 

「もう無いです…」

 

「そんな…アイツを起こして作らせないと!」

 

ミツクニ卿は彼の元へと去って行く。ここはなんだ?興味が尽きない秘密がベールで隠されているようだ。

 

 

 

 

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