今日も会議だ…新年明けて7日目まで有り、8日目に国民に向けて、会議の結果を発表しつつ、王様からの新年を明けてのメッセージがあるそうだ。
「領地持ちの爵位が一同に集まるのは、新年だけなの。だから、会議漬けになるのよ~」
って、ミト…なんか会議をする度に、俺が追い込まれていくのは何でだ?領地が増えているし…税収が増えるのは良いけど…迷宮資源管理担当大臣って何?会議をする度に役職が増えていく俺…シガ王国親善大使って何?お~い…
誰も俺の疑問に答えてくれない…
そして、会議最終日…
「アルジェント卿よ、王女を一人貰ってくれぬか?」
王様が難題を切り出した。
「側室はもう間に合っています…」
「そう言わずに…名ばかりな物で良いから、貰ってくれぬか?」
えぇぇぇぇ~!無理…もう…ダメだって…
「ミト様、いかがですか?」
俺が難色を示すと、ミトにお伺いを立てる王様。
「そうですね。システィーナ王女はいかがですか?」
システィーナって、最近家に出入りをしているヤツか…先輩好みであり、俺のストライクゾーンからは外れる胸の大きさなんだが…
「そうか、システィーナを貰ってくれるか♪」
えっ?!俺の承諾はいらないのか…俺の好みは?
『形式的な物よ♪』
って、ミトからメッセージ…義父さんを見ると、笑顔で頷いているし…はぁ~?
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新年明けて8日目…王様が国民に向けて新年のお言葉を述べている。俺は王家の人々と一緒に王様の後に並んでいた。
「そして、最後に、わが娘であるシスティーナが、アルジェント公爵と婚約したことを、ここに宣言する♪」
国民達から歓声が上がる。システィーナは知らされてなかったのか、俺の方を驚きの眼差しで見ている。スルーだな。まったく…
新年のイベントが終わり、裏に下がると、
「どういうことですか?」
って、システィーナが訊いて来た。
「王様に訊け!俺は拒否したんだけど…」
「拒否…なんで、拒否なんですか?」
「俺には側室が一杯いる。だから、もう無理だって、言ったんだよ」
事実を話す俺。
「正妻の座はどうなんですか?」
「もういるよ。新年の1日目に婚礼の儀をされた」
「どなたですか?」
スルーして、家へ転移した。
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家に転移したはずが、アーゼの元に転移してしまって、1ラウンド愛し合い、そして睡眠を取ってから、帰宅した。あれ?家にはシスティーナがいた。なんで?
「なんで、システィーナがいるんだ?」
「どういうことですか?ボルエナンのハイエルフ様が正妻って!」
問題はそこなのか?まぁ、スルーだな。
「ミト、これでゆっくり出来るのか?」
「まぁ、領地の見回りして、予算組みかな。それをすれば、ルーティンでいいと思うよ」
赤字だよな…どうするかな…何か産業でもあればいいけど…執務室へ行くと、メリーとニナが作業をしてくれていた。
「やっぱり、赤字だよね?」
「すぐには黒字は無理ですね」
「何か、産業がいるよね」
「農業はどうかな?」
って、アリサ。そういえば、アリサは祖国で農業改革をしていたような…
「アリサ、頼めるか?出来た作物はエチゴヤで買い取ってもらう。そうだ、ソバとか、手に入りにくい作物を頼みたい」
「う~ん、ソバかぁ…ペンドラゴン卿と相談してみるよ。問題は働き手だよ。どうする?」
「奴隷…奴隷制度を無くしたい。犯罪者の奴隷堕ちは良いとして、種族偏見の奴隷制度は無くしたいんだ。どうかな、ニナ」
「そうですね。良いと思いますが…いきなり無くすのは…」
「徐々にだよ。心根の良い奴隷以外は働き手にしない」
「わかりました」
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翌日、先輩と奴隷市へ…
「あの二人はえん罪で犯罪奴隷堕ちしたみたいだな」
って、二人の女性を顎で指した。一人は銀髪の女性。もう一人はアホ毛持ちの赤毛の女性だ。
「赤毛の方は『生活魔法』持ちだ。銀髪の方は書記官をしていたようだ。二人ともセクハラを拒絶したせいで、主により犯罪奴隷堕ちのようだよ」
「たった、それで、奴隷堕ち?」
「あぁ、この世界では、些細なことが命取りになる」
二人とも、酷い火傷を負っているようだ。火あぶりにされたのか?許せない。
「おい!暴走するなよ」
そうですね…狙いを付けた二人を強制転移させた。そして、奴隷商人達の売上金を『強奪』する。新たな奴隷の買い付けを出来なくする為、領地の赤字補填に使う為…
二人を転移させたミツクニ邸の地下室へ、先輩と転移した。俺達を見て、ビビる二人。まず、二人を奴隷という立場から解放した。そして、二人の怪我を治癒させていく。
「えっ…神聖魔法ですか…まさか、はぐれ司祭様ですか?」
セーラによると、はぐれ司祭とは、神に反旗を翻した司祭らしい。
「違う。そんな神聖な職業では無いよ。お前達に仕事を与えたい。真摯に働いて貰えるだろうか?」
「私…ティファリーザといいます。レッセウ伯爵の書記官をしていました。助けていただいたお心に報いたいです。どうぞ、私に仕事をください」
「私はネルっす。私もがんばるっす」
「じゃ、二人にはエチゴヤで働いてもらう。働きを見て、配属先を決める。いいか?」
「はい」
「はいっす♪」
「じゃ、先輩頼みます」
「あぁ、任せろ」
「あの…ご主人様のお名前を教えて下さい」
ティファリーザに訊かれた。
「俺はアールだ。先輩はサトゥーで、エチゴヤではクロと名乗っている」
「わかります。アール様にお仕えします」
「しまっす♪」
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暇を見つけては先輩と奴隷市へ行ったりして、人材と資金を確保していった。
「ねぇ、セリビーラの子供達って、どうにかならないかな?」
って、ミト。
「学校でも創るか?」
「そうね…問題は資金か…」
アリサの祖国だった領地を農業地帯にする為に出資し、手持ちの資金はあまり無い。
「稼ぐ?」
そうだな…セリビーラの迷宮で稼ぐか…
次の日から王都の屋敷から、セリビーラの屋敷へ引っ越す準備を始めた。と、言っても転移術持ちが3名いるので、引っ越し自体は楽であるが、挨拶回りは大変な作業だった。手分けして、挨拶へ回る。
奇跡の料理人である先輩は、色々な貴族に引き留められ、王都に残ることを懇願されていた。それに比べれば、俺とミトは知り合いが少ないから、楽と言えば楽かもしれない。
「え?王都を離れるのですか?」
って、王様。
「セリビーラのストリートチルドレン対策をしようと思ってね」
って、ミトが説明をしてくれている。
「なるほど、問題になるほど、溢れているのですか。そんな報告は無かったので、知りませんでした」
リリアンにとっては日常の風景であって、珍しいことでは無いのだろう。
「ですので、また来ます♪」
「アルジェント卿…システィーナをお連れください。お願いします」
って、王様に懇願された俺。困るって…ストライクゾーンじゃ無いし…
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翌日、荷物を満載した馬車で、家にやって来たシスティーナ。こんなに荷物があるのか?
「おい、着替えと最小限の化粧道具だけにしろ。じゃないと、連れて行かないからな」
と、釘を刺す。引っ越し先に、そんなに荷物は持ち込めない。
「え?これでも私は王女ですよ!」
メリーが冷たい視線を送ると、
「あ…わかりました。調整してきます」
と素直になった。王女として、メリーの方が格が上なのか?
「メリーエストは、先輩の側室の座では無く、先輩の片腕狙いだから…気迫が違うのよ」
って、ミト。まぁ、元クソ勇者の従者でもあったしな。気迫はスゴいのだろう。俺には優しい眼差しなので、わからないけど…
そして、転移術で、少しずつ引っ越しをしていく。最後に残ったのは、荷物の選別が終わらないシスティーナだけになった。
「まだ、かかるのか?」
「えぇ、もう少し…」
「じゃ、先に行くよ♪」
システィーナを残して、転移をした。
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引っ越し作業を終えて、セリビーラの屋敷を機能させていく。封印、結界をして、盗難よけしていたエリアを解放していく。
「飯は、うちでもいいぞ」
って、先輩。カリナと二人暮らしの強みで、もう機能しているようだ。先輩の家の一階は大広間と厨房が大半であり、生活スペースは2階にあるそうだ。
一方、俺達に家は、二人分の執務室に、二人分の資料庫と、結構仕事関係の部屋が多く、盗難防止対策が厳重にされていたのだ。
で、先輩の家で食事と思ったら、付近の貴族達がこぞってやって来て、引っ越しパーティーのようになっていた。厨房では、先輩、俺の他、ルル、セーラ、ゼナ、アリサ、リザが腕を振るった。
ミトが寄付金を集めている。学校設立の為に…それを見たメリーや、リーンなどもミトと同じように寄付を集め始めた。ティファリーザもだ♪
宴が終わり、自分達の屋敷に戻ると、
「アール様は公爵様なのですか」
ティファリーザが声を掛けてきた。
「まぁ、そんな感じだよ。でも、ため口でいいよ。みんなともそうしているし。メリハリを大切にしろ。いいな♪弾けたい時は弾けていいんだよ。そんな難し考えるな」
彼女の頭を撫でて上げる。「えっ!」って表情の彼女。優しく抱き締め、額に口付けを…
「明日からも仕事を頼むよ、ティファリーザ♪」
「はい、ご主人様♪」
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ティファリーザは元書記官ってことで、書類仕事になれていた。経理作業もこなせるらしい。なので、エチゴヤでの仕事の傍ら、メリーの仕事のサポートも頼んだ。ニナは旧ムーノ男爵領の執務があるので、ここに長期滞在は出来ないから。
仕事の増えたティファリーザは嫌な顔をせず、むしろ嬉しそうに仕事をしてくれた。これはこれで良いのだが、ストリートチルドレン対策は、難航している。
子供に農作業は辛いよな。って、農作業の前の開墾作業だし…う~ん…
「簡単な仕事をしてもらって、報酬にお小遣いと、炊き出しという給食なんか、どうだ?」
って、先輩。エチゴヤで、仕分けや、発送準備などの仕事があるそうだ。セーラも炊き出しに賛成のようだし。まぁ、働かないヤツには食わせないってルールで、試験運用してみることにした。
俺と俺の仲間達で迷宮の中層を攻める。海産物を狩る為だ。狙いは、魔核よりも換金率が良い、マグロ似の魔物だ。ポチとリザが張り切っている。リーン、ルスス、フィフィもだな。戦えることに喜びを感じているようだ。水中戦の苦手なタマは俺と、ナマコ狩りである。死体の傍にゴロゴロいるし♪
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アーシアの調べで、中層には迷宮村なる集落があった。そこは、迷賊とは違い、迷宮で暮らす人々の集落である。住民の中には犯罪歴のある者もいるが、村のルールに従っているので、間引く対象にはしていない。
「地上で暮らすなら、仕事を斡旋するよ」
って、村長に訊いた。
「地上は住みにくい。ここが楽なんだよ。気持ちだけ貰っておくよ」
って…地上に出ることは拒否のようだけど、俺達とは交流してくれるようで、物々交換による取引などをしている。ここではお金は意味を為さないから…
「有能な奴隷か…それは割といるぞ。貴族共は気にいらないと、犯罪奴隷に堕としたがるからな。特に、女性に多いぞ」
って、村長。村長も犯罪奴隷だったらしいが、逃亡してここに住み着いたそうだ。
「なら、犯罪奴隷の女性に絞って、探した方が良いかな?」
交流を深めるに連れて、俺の相談相手になっていた村長。
「そうだな。その方が当たりは多いかな。だが、本当の犯罪奴隷もいる、注意しろよな」
そうだね。悪女はどこの世界でもいるよな。
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地上に戻り、先輩と奴隷市を見て廻り、有望そうな奴隷を強奪して解放し、売上金を強奪で没収していく。
仕事を終えて、屋敷の戻ると、知らない女性がいた。プロポーションはスレンダー系で、胸の大きさはストライクゾーンではある。
「この方は?」
メリーに訊いた。
「あぁ、ニナさんの紹介で、メイドとして働きたいそうですよ」
ニナさんの紹介なら間違いは無いだろう。
「あの…アルジェント公爵様ですか?」
女性に尋ねられた。
「そうだけど…君の名前は?」
「申し遅れました。ミテルナと申します。ムーノ男爵領の執務官であるニナ様より、ご紹介をされました」
ティファリーザが、彼女の履歴書を手渡して来た。王都にある王立学院卒で、「礼儀作法」「奉仕」「交渉」「教育」のスキル持つ未亡人とある。未亡人か…
「お子さんはいるの?」
「いません」
子育ては無理か…まぁ、所持スキル的にメイド向きであるな。
「わかりました。雇います。ただ、ミツクニ公爵も主として接してくださいね。一応、俺の上司ですから」
『一応ってなんだ?!』
って、ミトから…相変わらず、モニターしているのか…暇だな~
『暇って言うなよ!』
今日のミトはお怒りモードか?ミトの部屋へ行くと…あの日だった…
「まさか、突然、月の物が舞い降りるとは…」
久しぶりだそうだ。
「子供が産めるのか?」
「え…たぶん、産みたくない」
なんだ、それは…
「だって、子供産んだら、先輩と旅が出来なくなるから…」
「佐藤先輩と暮らせば良いだろ?」
「いや…それは…」
俯いたミト。かわいいなぁ…妄想しまくる俺。
「あぁ、今日はダメだよ。うん、絶対にダメだからね」
涙目のミト。更にかわいい…更に妄想しまくる俺。
「だから、ダメなんだよ…月の物が無くなったら…私が襲う!」
はぁ?なんだって…拳骨をちらつかせているミト…危険が一杯である。そそくさに、部屋から退散した俺。