デスマーチからはじまる異世界マン遊   作:もっち~!

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迷宮都市で蠢く闇 Part1

ナナが初めて欲しい物があると強請ってきた。ナナと一緒にお店に行くと、移動販売形式の奴隷販売店だった。

 

「マスター、この幼生体2体の救助を要請します」

 

店先に吊されている鳥かごに閉じ込められている翼人族の幼児達。性別は不明で、性器らしき物は無いようだ。

 

店長によると、翼人族のなかでもなかなか希少な種族だと言う。そういう希少な種族は奴隷にしちゃダメだと思うんだけど…

 

ナナは彼らに一目ぼれのようだ。値段は2体で金貨100枚。代金を支払った。

 

「ナナが面倒を見て上げろよ」

 

「マスターに感謝します」

 

二人を優しく抱き締めている。名前は黒い方がクロウで、白い方がシロにしてあげた。ナナは名付けることをしないから。

 

で、帰り際に、金貨100枚をこっそり『強奪』して、返してもらう。俺も金欠だから…

 

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揺り篭で失神していた俺を見つけてくれたのは、ナナだった。ここの迷宮核とナナがリンクされていて、俺の異常状態もミトへ知らせてくれたらしい。

 

なので、シロとクロウの救出は、ナナへのご褒美である。ナナは嬉しそうに、二人を抱き締めている。母性本能が目覚めたのか?

 

ゼナの回復経過は良好のようだ。魂になって、俺の行動を見ていたようだけど。俺は俺の手でゼナを殺した。状況はどうであれ、その事実は消えない。

 

「気にしないでください。アール様が、私に人生の第2幕を与えてくれたのですから」

 

って、笑顔で言われても…俺にはゼナを殺した感触が残っている。心臓を一突きにして、燃やしたのだ。

 

「ごめんね~、役立てないで~」

 

泣き虫ソーナが泣いている。って、なんで、コイツも同居しているんだ?

 

「あんなこと、そんなこと、こんなこと、していいか?」

 

「ダメ…無理です。身体は少女だけど、心は童女なんですよ~」

 

年齢は遥かに上だろうに…それこそ万単位な位…

 

「女性に歳の話はタブーですよ♪」

 

笑顔のミトが拳を見せつけている。そうだったね…タブーだね…って、ソーナに対しての妄想は、ミトにも見えているんだよな…

 

「私言ったよね?妄想は、セーラかアーゼでしてね♪」

 

ソーナ似ではなく、もう少し大きめになって貰おうかな…

 

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「アリサ!」

 

「はい♪今夜は私を相手に?」

 

「それは10年後だ。そうでなくて、クロウとシロの教育を頼む。養育はナナがするから」

 

「うん♪まっかせてよ♪」

 

「アニオタにはするなよ」

 

「大丈夫よ。この世界にはアニメが無いから」

 

アニオタは俺とアリサとミトで充分である。

 

「テンちゃん」

 

「何?今夜は陵辱三昧か♪」

 

そこまで気力が戻っていない。

 

「クロウとシロが空中散歩する際は、ガードしてやってな。ナナは飛べないから」

 

「おまかせ♪」

 

何故か、テンちゃんも同居している。はて?

 

---------

 

学校の敷地に、医療施設も併設した。生徒は無料で診断と治療は受けられる。貴族からは、それなりの料金を取って、運営費に回す事にした。医療スタッフは、セーラとオーナにした。神聖魔法の治癒が行使出来るから。

 

聖女がいる診療所って、珍しいらしく、流行っている。それも二人共、元神託の巫女だし…レアケースになるそうだ。

 

普段の俺はリザ達と給食の為の素材狩りをしに、中層で狩りをしている。たまに、ゼナ達と低層での見回りに付いて行くこともあるけど。

 

それなりに、楽しく平和な時間が過ごせていた。なのに…

 

「行方不明者の捜索?」

 

リリアンが、迷宮内で行方が分からなくなった者を、探して欲しいと頼みに来た。

 

「魔物にやられたんじゃ無いか?」

 

「そうだと思うが、せめて遺品だけでも回収して欲しいのだ」

 

さる国の王女らしい。

 

「ゼナが巻き込まれたトレインの原因は?」

 

「あぁ、あれか…貴族のガキ共だ。ろくに能力も無いのに、威勢だけで戦った結果のようだ」

 

「処罰は?」

 

「貴族のガキは対象外だ」

 

「なら、依頼は断る。理不尽だろ、それってさぁ?散々困らせて、困ったから助けろって」

 

「アールの言い分は分かる。だが、そういうルールなんだ。理解してくれ」

 

ミトを見るが無表情である。メッセージも来ない。あきらめろってことか…

 

『キレるなよ!』

 

キレる気力も無い。まだ、回復しきっていない。ソレが今の俺だよ。

 

「リリアン、どうすれば、ルールを是正出来るの?」

 

ミトが動いてくれた。

 

「それは…アシネン侯爵次第ですね。公式上は、この街の太守だから。だけど、トレインの原因はアシネン家太守の三男坊だから、無理です」

 

太守の息子なら、犯罪行為をしてもお咎めは無しか?トレインを発生して、報告しないで逃亡するのは、重罪だったはずだ。

 

「ギルド長権限でも罪に問えないの?トレインの発生原因なら、重罪のはずよ」

 

「正式な探索者ならばね…貴族権限での見回りと称した行為によるトレインは、ルール外の事故扱いです」

 

「おい!子供なのに見回りって、おかしいだろ?」

 

「太守の家族には権限があるのだよ」

 

う~ん…そうなると…

 

「ならば、俺が太守になる。核の正式な契約者だ。問題は無いだろ?」

 

「すぐには無理だ。アシネン家が抵抗をする」

 

皆殺しにすればいいのか?

 

『ダメだよ…ねぇ、先輩…』

 

ミトからメッセージ。ダメなのか…じゃ、どうすれば…

 

「じゃ、リリアンの依頼の報酬は、太守の交代でどうだ?」

 

「あぁ、それで良い。現状の責任者は太守であるアシネン家だ。どう責任を取るのか、見たかったのだ。ふふふ♪」

 

古狸…さすが、ミトの元眷属。闇が俺より深くないか…

 

--------

 

この街の権力はアルちゃん、リリアン、アシネン侯爵の三名が同等の権力を持って、この街を治めているそうだ。で、俺の案にアルちゃんとリリアンが乗った。過半数の意見ってことになる。

 

「そうは言われても、迷宮はゾナの管轄で、戦闘は将軍の管轄だ。職務怠慢として、王様へ報告するぞ。いいのか?」

 

って、反撃に出たらしい。で、ミトの依頼で、アーシアが捜索者の捜索をしたのだが、最悪な結果に…

 

「上層、中層におりません」

 

って、アーシア。下層に引き込まれたようだ。それは吸血鬼になったってことだ。

 

「ミト、どうする?」

 

「どうするって…先輩…ダメだよ。行かないでよ、ねぇ…」

 

俺に泣きすがるミト。助けるってことは、俺はその捜索者を手に掛けるってことだ。

 

「あれに関わらない方がいいよ…」

 

って、ソーナ。そうだけど…

 

「ミト、売りに出されていたよ」

 

って、先輩。捜索対象者である、ミーティア・ノロォークは、ノロォーク王国の第六王女で、彼女の装飾品が、ブラックマーケットに売られていないかを、先輩が捜査していて発見したそうだ。って、犯罪に巻き込まれたのだろうな。この街には迷賊以外にも犯罪集団がいるってことか…

 

「犯罪行為か…嵌めたヤツは、兄ぃの方で探し出して。彼女の方は、私と先輩で考えるわ。これ以上、最悪な方向へは行かないから」

 

「わかった」

 

先輩は転移をしていった。

 

-------

 

奴隷市にふらりとやって来た。所謂、目の保養である。ある檻の前で、見とれてしまった。その者、マップ情報によると、レベル29で近接系戦闘スキルに優れ、魔刃を使えるらしい。ストライクゾーンからは外れるが、教師役としてどうだろうか?店主と値段の交渉に入った。

 

「性奴隷で、ガタガタの中古ですが、調教は済んでおりますので、今夜から即戦力になりますよ♪」

 

要するに、捕虜か何かで奴隷に堕とされ、遊び飽きたので、売ったってことのようだ。で、購入した。隣の檻には、同時に仕入れたという女性がいた。マップ情報によると、自己犠牲というスキルがあるようだ。それも購入して、お約束の売上金を『強奪』してから帰宅した。

 

「セーラ、オーナ、彼女達の治癒を頼む」

 

「「はい」」

 

「リーン、治癒が終わったら、風呂に入れてくれ」

 

「了解!」

 

「おぉ…大当たりを拾ったなぁ♪」

 

って、ミト。はて?大当たりとは?

 

「彼女達は、ミーティア・ノロォークのガード役だよ。それが性奴隷堕ちってことはだ…」

 

嵌めたヤツが売ったってことか…ミトが先輩に売り主の特定を依頼した。

 

「先輩は恋愛運無いくせに、女性運は恵まれているよね♪」

 

って、ミトが痛い処に、塩を塗り込んできた。凹む俺…

 

「ご主人様には私がいるって♪」

 

って、アリサ…10年待ちだぞ…

 

--------

 

売り主は判明した。迷宮都市の太守代理のソーケル・ボナムだ。

 

「太守代理がねぇ…」

 

リリアンがミトからの報告を受けている。

 

「で、どうします?」

 

って、アルちゃん。

 

「そうね、太守の座を降ろすか。でも蜥蜴の尻尾切りになるかな?」

 

一瞬、リザが尻尾をチラ見した。

 

「そうなると、太守の懐刀のポプテマも絡んでいそうだね。ソーケルの監視役だったし」

 

「そもそも何故、王女はここに来たの?」

 

俺が質問をした。

 

「アシネン家の娘を治療する為だ。王女にはその能力があるから」

 

それは、診療所の戦力にしたいなぁ…

 

「そうなると、アシネン家も絡んでいそうね。どうするかな…証拠が足り無いわ」

 

って、ミト。

 

「ちょっと、王様と宰相に相談してくるわ。その結果で、動きましょう♪」

 

って、ミトが転移をしていった。

 

--------

 

イネちゃんのベッドのコピー…寝やすい…

 

「起きて下さい…」

 

後輩氏では無い声…誰だっけ?

 

「どうしよう…」

 

女性達のひそひそ声…俺の下半身に蕩けるような刺激…なんだ?プロの技か…感じたことの無い舌遣い…うちにはいないタイプである。

 

「えっ!」

 

起きてしまった俺…この女性はラヴナだっけ?性奴隷だった…久しぶりに大放出した…彼女の口の中に…

 

「溜まり過ぎな…で、助けてくれたそうだな。感謝する」

 

「もう、大丈夫なのか?」

 

「あぁ、私を性処理担当にしてくれ♪命の恩人になら、快く承るよ」

 

いい笑顔だ。良いテクニックだし♪

 

「メリー、ラヴナから事情を訊いて」

 

「はい♪」

 

「待って!私の新しいご主人様の名前を教えてくれ」

 

「俺は、アール・アルジェントだ」

 

「公爵様ですよ♪」

 

って、メリーが補足している。

 

「公爵様…あ…無礼な言葉遣い、申し訳ありません」

 

ラヴナが俺から離れ、土下座をしてきた。

 

「ため口でいいよ。そういう身分格差は嫌いだから♪メリー、彼女を頼む!」

 

「わかりました。さぁ、こちらへどうぞ」

 

メリーがラヴナを連れて出て行った。

 

「で、用件は?」

 

「ラヴナさんが、ご挨拶をしたいって…私じゃ、感じていなかった?」

 

って、ゼナ…あぁ、今回は大量に出たなぁ。

 

「ゼナも気持ち良かった。もう少し生きようかなって、思えたし」

 

「そうなんだ…良かった♪」

 

ゼナが抱きついて来た。そのまま、寝入る俺…眠すぎる…

 

-------

 

王都から戻って来たミト。捜査権と任命権を得てきたようだ。役職は隠密同心らしい…おいおい…

 

「で、任命書も貰って来たよ」

 

アシネン公爵は名ばかりの太守で、実質的な太守は俺になっている。王様と宰相のサイン入りだ。

 

「リリアンと将軍には見せてきた。二人は納得済みよ。さて、会議の場へ行くわよ、格さん♪」

 

「私はお銀枠希望♪」

 

って、アリサ。

 

「後10年したらね♪」

 

って、ミト。

 

 

ギルド内にある会議室に、アシネン公爵夫妻、リリアン、アルちゃん、俺、ミト、メリー、ティファがいる。

 

「これはどういう趣向です?」

 

って、レーテル・アシネン。旦那よりも権限があるのは、このおばさんらしい。

 

ミトがレーテルの前に、任命書を置いた。

 

「宰相、王様の署名入りの任命書です。意味はおわかりですね?」

 

レーテルは任命書を見て固まっている。

 

「後、これらが捜査資料です。捜査の結果、今回の王女行方不明事件は、アシネン家絡みと判断しました。主犯は、ソーケル・ボナムです」

 

「まさか…ソーケルが?」

 

「王女との婚姻の届けを出した翌日に、王女が行方不明になっていました。婚姻したと聞いていましたか?」

 

「いいえ…まさか…」

 

知らなかったようだ。顔面蒼白なレーテル。

 

「将軍、ソーケルとポプテマの身柄を押さえて、その上で彼らの家を捜索してください」

 

「御意!」

 

アルちゃんが、側近の者に指示を出し、側近の者が部屋を出て行った。

 

「さて、実質的な太守は、私の配下のアール・アルジェント公爵となります。異論、異議は認めません。もし有る場合、王様への反逆とします」

 

さすが水戸黄門様だ、締める処は締めるよね…って、いらん妄想をした俺。

 

『なんちゅう物を妄想したんだ、このボケ!』

 

って、ミト。すみません…

 

「問題は王女の奪還です。アール卿に探査をしてもらった処、下層のバンパイア城に引き込まれたようです。王女は既に吸血鬼にされているものと思われます」

 

「吸血鬼…」

 

レーテルが一言、言葉を漏らした。

 

「そう、吸血鬼です。先日、アール卿の眷属が、引き込まれ、救出しましたが、アール卿への負担が大きすぎました。なので、選択肢は二つです。1つは、諦める。もう1つはアール卿への負担を覚悟で、救出するかです。その場合、アール卿へのアフターフォローが必要になります。いかがしますか、レーテル」

 

あえて、名ばかりの太守に訊くミト。

 

「後者でしょ?太守なら、負担して当然よ!」

 

他人事のように言う、名ばかりの太守夫人のレーテル。

 

『だって、他人事だもの…許せない!名ばかりの太守だけど、公式な太守はアシネン侯爵なのにねぇ。後で吠え面をさせてやる♪』

 

ミトの怒りに反応したのか?空気が鳴動した。このタイミングでか?

 

「アルちゃん、何かが来たよ」

 

「え?」

 

俺の言葉で、窓から周囲を見回すアルちゃん。

 

「魔族…こんなにたくさん、どこから?」

 

「レーテル、都市防衛はどうしていたの?」

 

「していないわよ。都市核と契約していないし!」

 

おいおい、仕事しないで金をもらっていたのか?

 

「アルちゃん、侵入防止はさせていたから、内部にいたんだよ。俺が契約する前から」

 

契約して直ぐに防衛レベルを上げていた。なのに、この数は、元々潜んでいたとしか思えない。

 

『リザ達に出撃させろ!魔族が出た』

 

アーシアへメッセージを投げた。家の者達は、アーシアがホムンクルスであると知っているから、緊急時の放送代わりに使っても問題はない。

 

『指示を出しました。今、マスターの元へ向かいます』

 

俺の隣にアーシアとソーナが転移してきた。

 

「ソーナ、ボス格はどれ?」

 

「う~ん…あの緑色よ。魔族に洗脳されて、魔族になるアイテムを服用したようね」

 

変身アイテムがあるのか…それは。都市防御のレベル関係無く、入りこめちゃうね。

 

「ちょっと待って…あれ?レーテルの娘も魔族化しているけど…」

 

って、ミト。

 

「そんな…」

 

ミトの指差す先を見つめるレーテル。マップ情報には、『シーナ・アシネン(魔族化)』と表示されている。

 

「どうして…あぁ、ソーケルに貰った薬…」

 

それに、入っていたんだな。薬の成分って、強奪出来るかな?いや、強制転移…ソーケルにだな。早速実行した。だけど、魔族化は解けない。強制転移出来ない物は強奪も出来ないし、どうするかな…

 

「あぁ、数が多いなぁ。アール君、行くよ!」

 

って、ミト。俺達も迎撃へ向かった。

 

 

 

 

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