デスマーチからはじまる異世界マン遊   作:もっち~!

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迷宮都市で蠢く闇 Part2

 

魔族化したシーナ・アシネンの前で、どうするかを考えて居る。う~ん…相手からの攻撃はフルカウンターで返して行く。考える時間を稼ぐ為である。

 

身体の構成は魔族になっているようで、もう人間の身体には戻せないようだ。あくまで、俺の能力では。

 

「ソーナは戻せるのか?」

 

「ごめんなさい…無理です。この局面で、私を亀甲縛りにする妄想は、どうかと思いますよ」

 

「頭に休息を与えることも大事♪」

 

『アフォかぁぁぁ~!』

 

って、ミトからお叱りが…スルーする。どうするよ、これ…

 

「あっ!なぁ、ソーナ。魂は人間か?」

 

「魂までは変異出来ないはずです。そこまで、私達には権限が無い…まさか…ダメですよ。ねぇ、それはダメだって…」

 

俺の考えを理解してくれたソーナ。これしかないだろう。もう一人にもしないとダメだし。

 

「ソーナ、会えて嬉しかったよ♪アーシア、俺とこの魔族もどきの3名で、下層へ転移だ♪」

 

「…」

 

アーシアも拒否のようだ。

 

「アーシア…また、会おう…」

 

俺は、魔族もどきと、バンの元へ転移した。

 

--------

 

難色を示すバン。魔族を吸血鬼に出来る物なのかが、わからないと言う。

 

「なんだよ、出来ないのか?」

 

「う~ん…血がないから…」

 

問題はそこか…う~ん…

 

バンとの話し合いはスグに終わった。バンの要求は召使い出来る人材の確保だった。なので、犯罪奴隷をプレゼントすることで、攫った者は返してくれた。こちらとしても、犯罪奴隷が減ることは良いことだし。ウィンウィンの解決だと思う。

 

で、問題は、この魔族もどきである。

 

「なんか方法は無いのか?」

 

「このまま、殺すと魂は金色でなく紫色になるはず」

 

じゃ、ダメじゃん…って、いうか、ソーナの情報は間違っているんでは無いか。再会できたら、折檻決定だな。

 

いや、待てよ。核からマナを直接送り込めば、どうなる?

 

「バン、また来る♪」

 

「次回はお土産を期待しているぞ」

 

って、欲しい物リストを渡された。俺を含めた3名で、アーシアの迷宮へ向かった。二人を拘束して、マスターズルームへ向かい、装置を設定していく。

 

「マスター…命じて下さい」

 

アーシアがソーナと共に転移してきた。

 

「帰れよ!賛同できないんだろ?」

 

「出来ません。でも、マスターの傍にいたい…」

 

俺に抱きついて来たアーシア。こんなことは初めてだ。ナナが母性本能に目覚めたように、アーシアは恋愛に目覚めたのか?

 

「それはファザコンだと思うよ」

 

って、ミトも転移してきた。

 

「あっちは片付いたよ」

 

後はここだけか…

 

「アーシア、手順を丸投げした。後は頼む」

 

「頼まれました、マスター」

 

俺は、二人の元へ転移した。そして、魔族もどきに迷宮核からマナを流し込んだ。魔族成分が燃えていき、人間の魂となった処で、強奪して保護した。

 

次に吸血鬼になった王女を、俺の手で殺し、二つ目の人間の魂を手にした。そして、手に入れた魂2つに『蘇生コンポ』を発動した。淡い緑色の光が魂を覆っていく。それと共に、薄れていく俺の意識…生き返れ、俺の代わりに…

 

-------

 

パシッ!

 

「痛い…ごめんなさい…」

 

パシッ!

 

「痛いよ~ごめんなさい…」

 

パリオン神が、カグヤに鞭で打たれていた。

 

「ねぇ、どうして、役立てないの?ヤル気ないの?」

 

パシッ!

 

「痛いって…ごめんなさい」

 

パシッ!

 

--------

 

「お~い、起きろよ~」

 

後輩氏の声だ。

 

「今回はダメかな…」

 

後輩氏の声は哀しそうだ。声を掛けないと…

 

「後…10分…」

 

振り絞るように出した声…

 

「大丈夫なのか…そうか…良かった…」

 

有り得ない刺激…これって、ミトの身体…ミトが俺と…

 

「ミト…」

 

「しょうがないだろ…ここには私しかいないんだ」

 

吸い付くような肌…あの時以来かな…

 

「ここは?」

 

「パリオン神殿の祭壇にある棺の中だ」

 

だから、あんな夢を見たのか…

 

「ソーナの中の人が、ここへ連れて来てくれたんだよ。ここの元巫女のオーナが祈りを捧げてくれている。セーラも一緒にだ」

 

状況が見えないんだけど…

 

「魔に傾き過ぎた先輩の魔を和らげている処だよ。私は先輩を起こす係だ。入社以来ずっと…」

 

そうだった…

 

ゴトッ!

 

棺の蓋が開いてようだ。

 

「ごめんなさい…」

 

ソーナが声を掛けてきた。

 

「えっ!生き返ったのか…名誉祭司様は…」

 

それはテニオン神殿での二つ名では?

 

「私の主様を、この神殿の名誉祭司に認めて貰えますか?」

 

オーナの声が神殿中に響いている。

 

「勿論だよ、オーナよ」

 

知らない男性の声。

 

「神殿長様…」

 

「彼の御業は、テニオン神殿の神殿長を通じて聞いている。神の呪いを受けてもなお、奇跡を起こされるのであれば、彼に対する呪いの進行は、いつでも和らげて差し上げるから、いつでも頼りなさい、オーナよ」

 

何か俺の知らない俺の話をしているようだ。要約すると、手助けをしてくれるってことかな?

 

「女性運は良いよね、先輩♪」

 

そうなるのか…

 

---------

 

10日振りに家へ戻ると、みんな抱きついて来た。タマ、ポチクラスは良いのだが、リーン、ルススクラスは熱苦しいぞ~!

 

「で、結局どうなったの?」

 

マインドロストした後のことを訊いた。

 

「二人共人間に戻ったわ」

 

って、ミト。それは良かった。

 

「魔族化した者で人間に戻れたのは、シーナだけだったこともあって、アシネン夫人が、先輩に感謝の意をってことで、先輩の配下に入るってよ」

 

何かメリットあるのか?仕事が増えるのは、カンベンだよ。

 

「アシネン侯爵家は、アルジェント公爵の一門ってこと。例えば、先輩が営業部長なら、アシネン侯爵家は営業部の社員って感じで、アシネン侯爵は営業部の課長って感じになるの」

 

仕事が減りそうだね。ならいいか…

 

「後、王女の方は?」

 

「ラヴナが話をつけてくれて、アルジェント公爵の従者ってことになったわ。吸血鬼になったことで、継承権も無いしねぇ」

 

ソレは血が汚れたってことか?

 

「そういうこと。今は言葉遣いを矯正中よ、のじゃ言葉遣いの王女だったらしくて、もう王女で無いから、標準語に調教中よ♪」

 

ムチ打ちだろうか?

 

「ラヴナとリュラは教師枠を了承してくれている。ミーティアは診療所枠で了承させたわ」

 

まぁ、当分、俺は休養だな。ラヴナのテクニックで…

 

-------

 

アシネン侯爵家が、経済的な援助してくれ始めた。少し、財政が黒字へ向かうが、まだまだ赤字の俺の領内。

 

迷賊対策は進んだ。迷宮村と下層の吸血鬼城が、迷賊を見つけたら、吸血鬼の下僕にしていってくれている。こうして、極悪な犯罪者達は、バンに従順な不死者になっていった。ウィンウィンな関係を築けたおかげか、俺とバンと迷宮村とは、友好条約を締結してある。

 

当面の問題は税収アップとストリートチルドレンだ。奴隷市は当面黙認である。貴重な財源を産んでくれるから♪しかし、売上を強奪しまくっているのに、奴隷商人がまるで減らない。どういう仕組みなんだろうか?

 

リザ達が学校の講師に招かれた。マグロの手早い解体の仕方講座だそうだ。前日に大量に魚を狩って来ているので、生徒達総出で解体を学んでいる。迷宮の魔物達は、学校の給食で、貴重なタンパク源の1つであるから。

 

「リザ先生…早過ぎます…」

 

目にも止まらぬ早業で、マグロを解体していくリザ。彼女の尻尾は嬉しそうに踊っているし。コイツは講師向きでは無いなぁ。寧ろ、タマ、ポチが教え上手であった。二人はリザに鍛えられているので、習い上手である分、教え上手なのかも知れない。

 

「よぉ!アール。寒天が手に入ったぞ」

 

って、先輩。それは、アレが作れるでは無いですか…早速、作り始める俺。興味深そうに見つめる生徒達。

 

「ご主人様…これって、水ようかんですか?」

 

アリサが見抜いた。まぁ、寒天と餡子があれば…

 

「後、ミルクかんも作るよ」

 

「うぉぉぉぉ~♪」

 

喜ぶアリサ。生徒達はぽっか~んと、アリサを見て居る。この世界には無いのかな?

 

寒天が冷えて固まるまで、魔物の解体をする生徒と、仲間達。これだけ解体しても10日分程度にしかならない。養殖とか考えないとダメかな?

 

そして、お披露目…

 

「美味しいのです♪」

 

「あんこ?」

 

「う♪」

 

「これこれ♪」

 

リザを除く娘枠には好評である。リザは甘い物より、肉だからなぁ~。

 

-------

 

中層の広めの区画で、ナマコ似の魔物の養殖を始めた。こいつらは何でも食べて、糞の代わりに砂を出してくれる。エサは死体や残飯、解体後のゴミなど何でも好き嫌い無く食ってくれる。生きている生ゴミ処理場である。

 

大きめな固体を採取して、その場で捌いて、食えない上にグロい絵面の内臓は共食いさせていく。効率は良い。だけど、子供達のウケは良く無い。飲んべぇ~達には好評なのだけど…乾燥ナマコとして、エチゴヤで売りさばくか。

 

迷宮の厄介者である迷宮ゴキブリは、試行錯誤の結果、カマキリ似の魔物が食うことが判明した。カマキリの揺り篭へ、見つけ次第、強制転移させていく。カマキリの子供は、揚げると川海老ちっくな風合いで、これも飲んべぇ~向けに販売していく。カマキリは子だくさんなので、絶滅の心配も無いし…

 

--------

 

「先輩…お仕事よ♪」

 

って、ミト…

 

「なんの?」

 

「内偵よ。グルリアン市って街よ」

 

オーユゴック公爵領にある街のようだ。そうなると、領地視察だな…

 

「あぁ、そうだね。先輩の領地だね♪」

 

しまった…愚痴を心で漏らすと、ミトに筒抜けだった。凹む俺…

 

「例の魔族にするアイテムの流通が、確認されたみたいなの。ソレの調査よ」

 

あぁ、あれは厄介だよな。都市核の防御機能をすり抜けるし。

 

「馬車で入市するわ。公都までは転移でもいいけど」

 

「人員は?」

 

「兄ぃ達は先乗りしている。先輩は…」

 

そこまで言ってミトが固まった。俺の仲間達が、ミトに視線を送っている。人選から漏れないように…

 

「全員連れ歩くかな」

 

そうなりそうだ。現地では自由行動でもいいけど、迷宮都市に留守番は嫌なのだろう。そうなると、学校は補習だな。給食は生徒に自主運営、診療所は休診にしないと。

 

馬車は5台…大名行列か?一応、商人のキャラバンを装ってはいるけど…元勇者、不死王、女神、迷宮核2のパーティーにケンカ売るヤツっているのかが、問題ではあるが。

 

「規格外の上、想定外だよね」

 

って、アリサ。まぁ、他に同じようなパーティーがいたら、会いたくはない。通常火力も半端ない。勇者の従者が3人もいるし、魔法分隊、そしてリザ達シガ八剣クラスもいる。軍隊でもケンカを売らない火力だと思う。

 

「先輩、グルリアン銘菓のグルリアンが興味あるなぁ」

 

ってミト。観光案内とか旅のガイドなどを読み漁っていた。

 

「白い粒々で作った本体に、黒くて甘い粒々で作った皮が、ぐるりと巻いているのか?これってアレでは無いのか…」

 

日本人のソウルフードの1つだ。

 

「たぶん…」

 

「私は水ようかんの方が好き♪」

 

って、アリサ。まぁ、俺もこしあんの方が好きだし。

 

「でも、これが、想像通りの物であれば、今後の材料調達は楽になりそうだな」

 

領内の農地でソバ、ゴマの他、大豆、小豆も検討していた。あぁ、あとサトウキビだな。

 

「一個で大銅貨1枚って…高いなぁ」

 

って、リーン。確かに…この人数で食うには大金が必要だ。

 

「試しに1つ買って、自分で作るか…」

 

ミーアが頷いている。クロウとシロも…

 

 

街へ繋がる門の前には大行列…関所だな。設けるだけ無駄に思える。こんなに検査しても、禁制品が素通りしているし。システムを考え無いとダメだな。メリーに今後の課題として、メモしてもらう。

 

「グルリアン市を訪れた商人達よ! 我等は魔剣を欲している。我らに魔剣提供した者には将来、御用商人として引き立てる事を約束しよう!」

 

って、声が聞こえて来た。スルーだな。身分が明らかで無い物に渡せる物では無いから。

 

「これより、馬車を調べる。隠し立てはするな!」

 

強制調査?

 

「お前ら、何者だ?何の権利があるんだ?」

 

俺は馬車から降りた。

 

「商人風情が生意気だぞ!」

 

ドサ!

 

魔剣を手にして、首を斬り落としてやった。

 

「生意気だから何?やるんなら、お前ら、生きて帰れると思うなよ」

 

って、言い終わる前に、殲滅…俺一人でやろうと思ったのに…リーン、ルスス、フィフィが片付けてしまった。

 

「魔剣を扱えるほどの腕は無いようだな」

 

って、リーン。

 

「身の程知らずだ」

 

って、ルスス。

 

「じゃ、先を急ぐぞ!」

 

馬車に戻ったみんな。あぁ、死体は金品、アイテム類を強奪し、、ナマコのエサとして強制転移させた。

 

「どっちが追いはぎなんだかなぁ♪」

 

って、ミト。人間では無い俺に訊かないで欲しい。

 

貴族用の関所から街へ入った。ペンドラゴン卿配下の士爵ムーン一行として潜入した。奇跡の料理人の配下である。女性が多くても問題は無い。メイドとか調理助手とか、身分は幾らでも偽れる。

 

「どのような目的ですか?」

 

役人に簡単な質問をされた。

 

「食材の調査です。主様は、先に来られていると思います。今後の料理に使う食材の調査を依頼されました」

 

と、言って、何事も無く街の中へ…予め、先輩が用意してくれた賃貸契約の一軒家へ。

 

「どう?」

 

入ってすぐにミトが、先輩に塩梅を訊いた。

 

「うさんくさい連中が多い。今の所、侵入した魔族はいないようだ」

 

アーシアに都市核とリンクしてもらい、警戒をし始めた俺達。

 

 

 

 

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