ナマコ養殖事業が軌道に乗ったようだ。ゴミ処理事業も軌道に乗り始めた。生ゴミはナマコ似に、生ゴミ以外はゴキブリ似の魔物のエサにして、養殖をしている。ゴキブリ似の魔物は、カマキリ似の魔物のエサになる。
が、まだ黒字にならない。もう少し事業を展開しないとダメか…
「しかし、迷宮の魔物を養殖するなんて、先輩くらいだよ」
って、ミト。
で、シーメン子爵の詫びは、俺で無くて先輩に対してだった。まぁ、先輩の信者だし、しょうがないなぁ。トルマを含めて。温厚な王様も匙を投げたとか…信仰の自由だしねぇ。
しかし、事態は新年度に動いた。爵位持ちの人物名鑑と領内の地図の新版の発刊、及び販売に伴ってだ。日本と同じく、この世界でも4月から新年度になるらしい。
その爵位持ちの人物名鑑に俺が載ったらしい。
『アール・アルジェント公爵 ミト・ミツクニ公爵一門
アルジェント卿一門
・オーユゴック公爵家
・アシネン侯爵家
・マリエンテール伯爵家
・クハノウ伯爵家
正妻 アイアリーゼ・ボルエナン
側室 セーラ・オーユゴック
リーングランデ・オーユゴック
ゼナ・マリエンテール
アリサ・クボォーク
メリーエスト・サガ
メネア・ルモォーク
ミーティア・ノロォーク
領地 セリビーラ
旧ムーノ領
旧ヨウォーク王国
プタ
』
って…へ?なんで、ここまでプライベートを晒すの?いやいや、側室がおかしい。メネアとかミーティアは眼中に無いし。王族系の仲間を載せているだけで無いのか?アリサに至っては後10年は何も無いし。
『公爵なんだから、公人だよ♪所持している迷宮核が晒されないだけ、ましだよ』
って、ミト。まぁ、確かに…王様が指でVサインをしている姿が浮かぶ…う~ん、新手の虐めか?
まぁ、情報は晒されても、俺を訪ねる者は皆無である。ミト名義の屋敷に居候しているから、家が見付からないらしい。
だけど、訪れる者がいた。シーメン子爵である。だけど、ミトが応対して、会わせない方針を伝えたようだ。まぁ、あんな目に遭ったし、今更だよな。って、言うかミト的にはトルマを未だに許していない。
後、俺様参上がやって来た。アリサを側室にするなら、正妻に迎えたいと…アリサが拒否したが、外交問題にするって…これもミトが応対して、外交問題にして困るのはどっちって伝えたらしい。
あのクソ勇者、どうにかならないか?
「スルーが一番よ♪」
って、メリー。そうなのか…
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ある事実を知り、今研究中である。炭酸水コップ1杯で金貨1枚になるらしい。どうやれば、いいのか…先輩にラムネの瓶を10本ほど創造して貰い、テストを繰り返す。
空気から二酸化炭素を強奪して、水へ強制転移させる。これでいいはずなのだが、うまくいかない。
「水と二酸化炭素が細かく混じらないとダメなんじゃ?」
って、アリサ。なるほど、ここ迄の失敗の殆どは、湯船での屁こき状態で、原因はそのせいなのか。細かく混ぜる方法は…水にドライアイスを入れるか?いや、ドライアイスは二酸化炭素を冷やすはず。俺には能力は無い。さてどうする。
昔テレビで見た映像を想い出す。ラムネ工場の映像…パイプで入れていたような…で、逆さにして圧力でビー玉を栓として嵌めていたような。そうか、圧力を掛けて一気に入れるのか。試行錯誤の日々が続く…
そして…
「アリサ、飲んでみな」
ワクワクするアリサ、ビー玉を押し込むと、噴き出るラムネ…
「おぉ~♪これこれ♪いくら位で売るの?」
「2本で金貨1枚♪」
「儲けは?」
「3本で金貨1枚」
「ボロ儲け?」
「計算上はねぇ、俺がちょっとしんどいのが難点だよ」
早速エチゴヤで販売をしてもらう。すると、販売後すぐに完売状態に……
「って、言うかさぁ、どの事業も先輩が一人で製造していない?」
まぁ、俺の能力で作っているからなぁ…
「それじゃ、産業にならないよ~!」
って、ミト。まぁ、そうだけど。まずは赤字の補填が先だ。
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迷宮村の村長にラムネをプレゼント。
「え?いいのか、こんな高価な物を…」
「あぁ」
ビー玉を落とし、村長に手渡した。ソレを飲む村長。
「うめぇ~♪」
「で、何か良い、獲物の情報はあるか?」
「食い応えのあるヤツだよな?そうだな、カニなんかどうだ?」
カニか…飲んべぇ~向きか?いや、雑炊にすれば給食でも大丈夫かな?
村長に聞いたポイントでカニを狩る。って…なんだ、この大きさ…黒竜並の大きさだった。甲羅が硬い。魔王より防御力があるんじゃないのか?
鍛錬に使えそうかな?ナナへメッセージを送り、狩人を5分後に強制転移させる。
「なんですか、これ?聖魔の攻撃を受け付けませんが」
って、聖槍の刃面を魔刃にして攻撃するリザが楽しそうだ。カリナが水中に引き込まれながら、戦っている。リーン、フィフィ、ルススも楽しそうだ。ポチのナイフでもキレない。硬い上に滑るようだ。どうするよ、これ…心臓を強奪では芸が無いし。
ゼナの風魔法に怯まないカニ。そうだ♪
「カリナ、逆関節で曲げて」
「了解♪」
ペキ!
簡単に折れた。う~ん芸が無いなぁ。それも一番細い脚だし。ハサミのある腕の関節は、カリナでも折れないようだ。あれが旨いと思うんだけど…そうか、カニの旨さをしれば、もう少しヤル気がでるか。
心臓を強奪して、1匹仕留めて、参戦者にカニ三昧な料理を振る舞った。
「旨い…オーミィ牛より旨いです」
って、リザ。
「カニ味噌最強だ」
って、リーン。
「甲羅を器で酒を飲むのか…乙な上に旨い」
って、ルスス。がぜん、ヤル気になった皆さん。リザの一番槍で目玉を斬り落とし、リーンが腹側の柔らかい部分から、心臓を一刺し。
そして、3匹ほどお持ち帰りして、カニパーティー♪
「カニ鍋…この後の雑炊が絶品よね」
って、アリサ。概ね好評である。身が詰まっているので、1匹で5日分くらいは取れそうだが、鮮度命の食材なので、給食で使わない部分はエチゴヤ行きか、うちで消費だな。
「え?売るんですか?夕食で使いましょうよ」
って、ルル、セーラ。カニの味の虜になったような。カニの甲羅、爪、ハサミなど、喰えない部分は装備品への素材に使えるらしい。しかし、特産品にはならないようだ。
「だって、チート持ちがいないと、迷宮から持って帰れないよ、そんな大きな物は…」
って、ミト。そうか…地上に出る頃には腐るか…う~ん…チート無しの特産品って難しい。
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久しぶりに、ルーニャに会いに行った。プタの街の太守代理をして貰っている。
「どうだ?」
「住みやすいです。皆さん、優しいですし」
亜人を迫害する者は、ここでは罰するルールにしてある。亜人の街っていう感じである。当初1キロ四方だった街は2キロ四方くらいに広がった。
「ナマコの養殖はどうだ?」
「問題ないです。人間だとグロな内臓ですが、ここでは問題は無いです」
獣人系の者には抵抗がないらしいので、働き手はあるそうだ。
「早く、税率が上げられる街にしたいって、皆さんが♪」
まだ復興中なので、最低限の税率でヤリクリしてもらっている。
「予算は足り無いよな。すまない」
「いえいえ、皆この住環境が気にいっています。他の街では迫害や差別されますけど、ここなら、安心です」
周囲には魔物がいるので安全では無い。まぁ、魔狩人がいるので、街には入って来ないけど。
「そうだ、これ、プレゼント」
ストレージからラムネを1本取りだし、ルーニャに渡した。
「なんですか、これ?」
初体験なのか?
「うっ…スゴい、喉でシャワシャワします。もしかして、これが炭酸水ですか?」
「そうだよ。まぁ、甘みをいれてあるラムネって飲み物だ」
「コップ一杯で金貨1枚って、アレですか?」
ラムネの瓶を持つ手が震えている。ルーニャには衝撃的だったのかもしれない。
「まだ、製造方法が安定しないからダメだけど、いずれ、ここでも販売はしたい。値段をう~んと下げてね」
「はい、待っています♪」
ルーニャの笑顔はいいなぁ♪
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アリサと旧ヨウォーク領へ、農業の視察♪作物の生長具合を見ながら、都市核で天候を微調整する。
「う~ん、開墾が進まないなぁ。収穫はいいんだけど」
って、農業担当らしい発言のアリサ。
「収穫したソバは持ち帰って食べましょうね、ご主人様♪」
「そうだな。って、脱穀をここですれば、殻部分は堆肥に使えるんじゃ?」
「まだ、大規模は脱穀設備がいるほど収穫出来ないですよ」
「そうだけど…雇用は増やしたいなぁ」
安定した仕事を与え、生きる希望を持って欲しい。戦乱が続いたので、ここの領民は疲弊気味ではある。だけど、元王女のアリサの仕事ぶりを見て、ヤル気にはなってくれている。
将来的には、ここをアリサとルルに任せたいと思っている。
霊園へ向かうとルルが、霊園の掃除をしていた。セーラ、オーナがそれを手伝っている。掃除が終わると、みんなであの部屋へ向かい、鎮魂を祈り、花束を捧げた。
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迷賊にこき使われていた奴隷の中に、薬剤師が数名いた。麻薬を製造していた訳だから、いてもおかしくは無いが。彼らに学校で回復系の製造の講師を頼んでみたら、快く引き受けてくれた。回復系はあればあるだけ、必要である。余れば、他の町へ売れば良いし。
レーテルから情報を貰った。先代の太守が都市外に実験農場を持っていたそうだ。それを譲渡してくれるって話だ。早速アリサと現場へ行く。
「おぉ、水源があるよ♪」
って、探索者崩れの盗賊達の巣窟になっていた。なので、全員をナマコ似の養殖場へ強制転移した。
「ねぇ、お宝が一杯あるよ」
って、アリサ。あぁ、盗賊達が盗んできた物のようだ。持ち主が分からないので、エチゴヤに引き取ってもらった。
失敗した農園の上、長年放置した結果なのか、土地はやせていた。
「やせた土地だと、トマトか豆類か?」
「ジャガイモもいいわねぇ♪」
トマトの種を取り寄せ、撒いていく俺。種芋を埋めていくアリサ。あぁ、後、授業で使う薬草系の種も蒔いておくか。
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「如何ですかな? 奴隷商館は王都に数あれど、これほどの品揃えを誇るのは、我がオリエルド商会のみでございます」
先輩と奴隷専門の商館に来ている。って言うか。王都には奴隷商館が数多くあるのに驚きである。後で、ごっそり『強奪』して帰るかな♪
商人の合図で部屋に入ってきたのは10人ほどの美女や美少女達だ。全員、丈の短い薄物を1枚羽織っているだけであるが、ほとんど全員が先輩の好みのようだ。ここの店主は先輩の好みをリサーチ済みか?
「オリエルド殿、我らは知的な奴隷を買いに来たといったはずだが?」
先輩は店主に声を掛けた。性的な奴隷では無いのだ。欲しい人材は。でも、目的の人物はこの中にいた。下げられるとマズい。
「ええ、もちろん、そうですとも。この娘達はいずれも、文字の読み書きができますし、それ以外のお努めも、しっかり教育してありまし、それなりの家柄の出身ですよ」
家柄は関係ないと思う。
延々と女性達のプロフィールと所持スキル、アピールポイントを説明してくれた。血筋が良いと金貨数百枚レベルだ。高いなぁ…
「この年齢的に高い子は、もう少し負けてくれないか?」
狙いを定めた子は先輩のストライクゾーンでは無いので、俺が訊いた。
「年増好きですか?」
「そういう訳では無いけど…」
「血筋的に、父親は男爵で、祖父は侯爵ですからね。金貨450枚でどうですか?」
「俺の知り合いなんだ。もう少し勉強して貰えないか?」
先輩が口を挟んだ。
「それでは350でどうですか?」
先輩から、メッセージで「買え」って…
「分かりました。それで、お願いします」
即金で支払、『契約』スキル持ちの担当者が、名義を変更してくれた。彼女を連れて宿へと戻る。
部屋に入ると着ている物を脱いだ。彼女の奴隷という称号を『強奪』して、犯罪奴隷の誰かに強制転移させた。彼女の称号は『アールのメイド』になった。
「クロ様、どのようなサービスをすれば良いですか?」
あれ?先輩が主なのか?まぁ、いいけど。
「お前の主は俺ではない。あっちだ!」
って、俺を指差す先輩。
「え?」
驚いている彼女。先輩に惚れたのか?
「クロ様では無いのですか…大店の旦那様の愛人では無いんですか…」
あぁ、エチゴヤの経営者として、あの商館に出入りしていたのか。
『まて!誤解だ!』
奴隷館が別宅かな?
『違うって…』
先輩から弁明のメッセージが多数届いた。
「コレを着てくれ」
彼女用の服を彼女の前に置いた。秘書のような服装である。
「こういうプレイが好きなの?」
「早く着ろ!着たら宿を引き払う」
「詐欺とかの片棒は嫌だよ!」
俺は詐欺師顔なのか?彼女が着替え終わると、宿を引き払い、追っ手がいないことを確認して、転移した。
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「ここが明日から、君に働いて貰う職場だ」
俺はエルテリーナ・ロンドンベールに告げた。彼女は老人の顔を見て固まっていた。彼女の瞳から一筋の涙が零れていく。
「エルテリーナ…元気そうだな。アルジェント卿、ありがとうございます」
彼女の祖父のケルテン侯爵が俺に頭を下げた。彼は、シガ王国の軍務大臣で、ジュレちゃんを介して知り合った。その彼に相談を受けた俺。敵対組織に誘拐された孫娘が奴隷として売られているらしいと。証拠も無しに踏み込めない上、もし踏み込んでも、彼女を隠されてしまう危険があった。なので、俺が買ってくることにしたのだ。売っている店は、先輩の知っている店だし♪
「金貨350枚だって…」
まぁ、『強奪』でその100倍以上は回収したけど…それは内緒だ。
「ありがとうございます。本当にありがとうございます」
「礼はいいよ。王様を護ってくれればさぁ♪」
「お祖父様…彼は何者ですか?」
エルテリーナが侯爵に訊いた。
「俺は…侯爵の知り合いだ。それ以上でも、それ以下でも無い。エルテリーナ、侯爵の秘書をしろ。それがお前に与える仕事だ♪」
俺と先輩は、迷宮都市の住処へと転移した。あぁ~眠い…