デスマーチからはじまる異世界マン遊   作:もっち~!

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パリオン神国 Part1

暑さで宿でまったりと…そこに先輩が帰ってきて、仕入れた情報を話し出した。ここの住民は「過労」や「栄養失調」「病気」の者が妙に多いそうだ。それに対して、教区の神官達や聖都の民の大多数が健康なのと対照的であるという。貧富の差か?身分の差なのか?パリオン神の教えなのか?

 

「そんなこと…教えていない…」

 

羽川翼に模しているパリオン神が、呟いた。

 

畑も土もやせているそうだ。でもマナ不足では無いという。耕作下手なのか?

 

住民の服は質素で地味だそうだが、神官とその連れの女達は、派手な衣装らしい。神官こそ質素でいないと、いけないのでは?

 

後、戦争中なので。食料が高騰していると言う。

 

「麦の価格は、物価の高いシガ王国の王都の4倍近い。それも低品質で二割の不純物入りだって」

 

不純物入りの麦って何だ?

 

「神の軍勢も、中身は一般人のようだ。ただ、魔亀要塞という戦車もどきがいる。これの火力が高いんだろうな。運用コストが半端無く高いらしいし」

 

なるほど、神の国である。近代文明に近くなっても、神の逆鱗には触れないのか?

 

「私…鱗なんか…無いもん…」

 

羽川は顔を伏せてしまった。あまりの惨状に、心を痛めたか?

 

『そんなタマじゃないよ♪』

 

って、カグヤ。それならいいけど…

 

『羽川に同情しまくれば、美神令子似に戻すよ!』

 

って、ミト…そんな…酷い…凹む俺。

 

----------

 

翌日、先輩と二人でパリオン神殿に向かった。神官に悪がいそうだからだ。先輩は隠蔽スキルで、姿を消している。俺は、そんなチートなスキルは無いので、そのまま、入った。いや、羽川の恩恵で、魔と闇のオーラだけ隠蔽している。

 

『おい!都市核の間に魔王がいるぞ!』

 

って、先輩。おい、そんな場所に入ったのか?俺は、先輩の元へ転移をした。

 

「ふん、さすが我と同じレベル99。人の限界に到達した者だけはある。まさか、我が強制に抵抗するとはな……」

 

はぁ?先輩が敵の術で堕ちていた。『強制』を食らったのか…強奪して、強制転移をさせた。

 

『助かった♪』

 

「貴様!何者だ?」

 

俺も見付かった。まぁ、姿を消すスキルは無いし。俺に対しても『強制』を唱えてきた。だけど、スルーする。

 

「なんだと…透過能力だって…」

 

『マスター、変更しました』

 

都市核の所有者を、アーシアがハッキングして、書き換えた。羽川の許可は取って有る。

 

「魔王!こいつらからスキルとレベルを吸い出せるように眷属化しておけ!」

 

魔王?この子かな?かわいいから、つい…意識は別世界に旅立っている。

 

「貴様…勇者なのか?」

 

敵は都市核を操作して、何かをしようとするが、

 

『あなたは権限が無いです』

 

「何?貴様、何をした!」

 

「ここの都市核は俺の物だよ」

 

『お前、何個目だ?』

 

先輩の呆れたようなメッセージ。何個目?覚えていないよ。有りすぎて…凹み掛ける俺。

 

敵が何かをすると、全身が2倍近く大きく太くなっていく。

 

「魔王様のお出ましだ」

 

『アーシア、逃がすな!』

 

『了解です』

 

この部屋の結界を最高レベルまで引き上げてくれたアーシア。

 

「なぁ、結界を固くしたなら、お前、本気で行けるんじゃないのか?」

 

って、先輩。あぁ、それはそうだな。魔神にチェンジして、魔王を灰にしていくと、あの紫色の珠が脱走しようとするので、聖魔剣で粉砕した。そして、人間にチェンジした俺。マインドロストが恐いからね。

 

「今度は私が相手よ!」

 

かわいい女性が、俺達に対峙した。

 

「なぁ、彼女の強制解除した?」

 

え?彼女もなの?

 

「これは術者を殺しても消えないって言っていたわ…あれ?」

 

「解除したよ。今は俺の下僕になっているはずだ」

 

「アルジェント卿…の下僕…はて?」

 

戸惑っている女性。これで一件落着か?

 

「ねぇ、ご主人様、お願いがあります」

 

はて?下僕化してすぐに、お願いって?

 

「二つほどお願いがあるんだけどいいかな?」

 

「内容によるかな。まぁ、言ってみて」

 

「一つ目は、この国の法皇に与えた、ノリオ君のユニークスキルを、回収するのを手伝って欲しいの」

 

「ノリオ?誰?」

 

彼氏か?

 

「隣の国に転生した男の子……」

 

誘拐されてきた豹頭族のノリオ君(9才)のユニークスキルを、闇賢者に命令された彼女が「眷属化」と「譲渡」のユニークスキルを使って、ザーザリス法皇に与えたらしい。その後、用無しになったノリオ君は首を刎ねられたそうだ。酷い…

 

『落ち着けよ!』

 

先輩から…あぁ、落ち着かないと危ない。神殿内で暴走すると、危なそうだ。

 

彼女によると、他にも2名の転生者が同じ目に遭ったようだ。

 

『アーシア、通常モードにもどして、羽川と転移してくれ』

 

『了解です』

 

俺の近くにアーシアと羽川、何故かテンちゃんが転移してきた。これだけいれば、万が一の時、止めてくれるだろう。

 

「二つ目は、この城の地下に捨てられた人達を、弔ってあげたいの」

 

「さっきのノリオ君達かい?」

 

「他にも沢山……」

 

そうなのか…怒りが…ヒートアップしていく。

 

『ダメ?』

 

『ダメなのです』

 

娘達の声が脳裏に響く。カグヤの配慮か?

 

『置いて行かないで…ご主人様』

 

アリサの寂しそうな声…そうだな、約束はしたよ。

 

「判った。君の願いを叶えるよ」

 

「ありがとう……ご主人様…」

 

「アーシア、俺以外の補助管理者を除外しろ」

 

「了解です…解除しました」

 

「あっ、ご主人様、シズカとお呼びください」

 

彼女の名前って…そうだ、訊いていなかったんだ。

 

『そいつ魔王だぞ』

 

って、先輩。問題無いでしょ。一番の問題は俺だし♪

 

「マスター、規定値に戻すマナが足りません」

 

「他の源泉から回せるか?」

 

「了解しました。プール分を使います」

 

「彼女は、何者ですか?」

 

俺とアーシアの会話に疑問を持ったらしい魔王シズカ。

 

「俺の相棒のアーシアだ。迷宮核の意識を持ったホムンクルスだよ」

 

「迷宮核を持ち歩いているんですか…」

 

驚くシズカ。笑っている先輩。まぁ、イレギュラーだよ。きっと俺は♪

 

「アーシア、この部屋には、俺とアーシア、ミト以外入れないようにセキュリティーを組み込め」

 

「了解しました」

 

「じゃ、行こうか」

 

みんなで都市核の間から出ると、扉は消えて壁になった。今後は転移で行くから問題は無い。

 

---------

 

「おのれ、偽神の狂信者め!」

 

「な、なぜ『祝福の魔王』様が勇者の側についているんだ?」

 

都市核の間から出ると、知らない集団が待ち構えていた。

 

「自由の翼っていう集団だよ。聖杯の件、リリーの件、セーラの件に関わった組織だ」

 

あぁ、アイツらの仲間か。強制転移で、ナマコのエサ箱へ入って貰った。生き地獄を味わえよ!

 

「おいおい、どういう状況だぁ?」

 

「あの白仮面が犯人のようですね」

 

「あれ食べればいいの?お腹空いたー」

 

大物らしき三人の男女が現れた。だけど、俺達にケンカを売る?死に急ぐだけだ。テンちゃん、アーシア、羽川、俺が瞬殺へ導いた。

 

「何…あの人達…」

 

シズカが驚いている。魔王よりも残酷なメンバーかもしれない。

 

「デタラメの強さですよね」

 

う~ん…シズカはFカップらしい。まぁ、下僕だから、関係は無いけど、先輩は無表情スキルを使って、視線だけ谷間をロックオンしているし。

 

「デタラメ?まぁ、そうだな。中の人は天竜、迷宮核、パリオン神、不死王だし」

 

「それは…はぁ?パリオン神も仲間なの…って、不死王って何?魔王より強いの?」

 

絶句するシズカ。スルーする。長くなりそうだし。先輩はロックオン状態のままだ。

 

シズカを先頭に、地下墳墓への回廊を進む。途中の広間には、無数の拷問器具が置かれていた。それらを魅入る俺。

 

「これはダメだよ。痛そうだもの」

 

って、テンちゃん。ダメなのか…

 

「ふははは、侵入者達よ!このバゼフ様の仕事部屋に現れるとは運の無いヤツめ。これから貴様に真の痛みというものを…」

 

面倒なので、コイツもナマコのエサ箱へ強制転移させた。拷問用具はストレージに一時避難させておく。後で、考えようっと。

 

「ご主人様って…」

 

「そう、ド変態♪」

 

シズカの問いにテンちゃんが即答している。そして、俺達は、霊廟の奥にある縦穴の手前の祭壇に進んだ。

 

「霊の声が聞こえる…」

 

シズカが怯えている。セーラとオーナを呼び出して、鎮魂の祝詞を上げてもらった。

 

「え…神託の巫女が二人も…下僕なの…ご主人様って、デタラメすぎ…」

 

最後に、彷徨う魂達に、死ぬ権利を与えた俺。

 

「不死王って、そんな権限もあるの…」

 

シズカは驚きっぱなしである。鎮魂作業が終わったので、巫女二人をミトの元へ転移させた。

 

-------

 

「魔族め!この聖都のパリオン神の聖域に侵入するとは! ■ 天罰」

 

本人がいるのに、効くわけ無いだろに…

 

「パリオン神、お前がケリをつけろ」

 

「ありがとうございます」

 

ザーザリス法皇の手足が塩化する。

 

「まさか…パリオン神…様…」

 

「愚かなマネをしましたね。天罰を受けるのは、お前の方よ!」

 

シズカが「万能治癒」のユニークスキルを取り戻し、ザーザリス法皇は完全な塩像になった。その塩像にユニークスキルを戻した。ユニークスキルの使い過ぎは魔王化の元である。塩像であれば、もう使うこともあるまい。って、ユニークスキルが塩化していく気がする。

 

羽川も怒りを纏っていたようだ。自分を祀っていた国でのまさかの不祥事に。その後、街にいる神官達や奪ったユニークスキル持ち達も塩像にされていった。

 

-------

 

オーナをセリビーラへ送って戻ると、シズカはみんなと打ち解けていた。彼女は鬱病だったけど、俺の回復コンポで全快したようだった。

 

「彼女にも帯同してもらうわ」

 

って、ミト。元勇者と魔王のツーショット…自然と二人の胸元に視線が…う~ん…言わないでおこう。

 

『君、今、何を思ったのかな?!』

 

無感情で過ごす。嵐が過ぎ去るまで…

 

「で、次はどこへ向かうんだ?」

 

「南に無人島を見つけたんだが、開拓して、秘密基地にするとか…」

 

って、先輩。

 

「秘密基地…いい響きねぇ。乗った♪」

 

って、ミト。おい、視察旅行では無いのか…

 

『息抜きは大事よ』

 

だけど…今回、何もしていないし…ミトは…手に入れた拷問道具でミトを…妄想が広がっていく。

 

『お前はド変態か!』

 

です。開き直っている俺。

 

『朝、サービスしますから…』

 

それで手を打った俺。

 

シズカにも会話が見えるのか、笑ってみているし。なんで、俺だけ見られないんだ?

 

 

そして、飛行艇は南の島へ向かった。俺とリザ達、そしてシズカはジュラシックな狩り場へ…

 

「え?この人数で、あれを狩るんですか?」

 

って、言っている傍から、肉食娘達が、食いたい奴を優先的に仕留めている。

 

「えぇぇぇぇ~!一人一殺…眷属もデタラメな強さなんですね…」

 

ビビっているシズカ。

 

「ご主人様、兜焼きなのです♪」

 

トリケラトプスの尻尾を持って、引き摺ってきたポチ。マジに兜焼きにするのか?頭部を切断し、その残りの部位を精肉していく。頭部はあのまま、持って帰るようだ。

 

「キャンプファイヤーで焼くのです」

 

「ご主人様、包み焼き?」

 

タマは、首長竜を引き摺ってきた。どこをどう、包んで焼くんだ?リザは、Tレックスとタイマン勝負をしている。あれは、食わないだろうな。固そうだし。

 

5分程でリザがTレックスを引き摺ってきた。

 

「ステーキにしましょう♪」

 

とても嬉しそうなリザ。食うんかい…リザも精肉作業を始めた。食えない部分、再利用出来ない部位は、ナマコのエサ箱へ強制転移させていく。

 

で、島に到着って連絡が来たので、精肉途中の物もストレージにしまって、飛行艇に帰還した。

 

「これ…マジに?」

 

ミトもビビる、トリケラトプスの頭部…

 

「兜焼きなのです」

 

ポチは嬉しそうで、拒否は難しそうだ。タマの方は、どう包むかで悩んでいるので、スルーする。リザは豪快に肉を…もう焼き始めている。

 

「いつも、こんな感じなんですか?」

 

シズカが訊いてきた。

 

「こんな感じだよ。全員揃っていなくて、これだよ」

 

アリサがいないので、静かな方である。で、先輩は図面を引いていた。別宅の図面、いや、秘密基地の図面である。

 

「宮殿風にしようかなって。名称は孤島宮殿とか」

 

宮殿って、ハーレム臭がする…そんなイメージである。先輩らしいけど。

 

「魔物が多いんだけど…」

 

この島、やたらに多い気がする。

 

「食料にできるだろ?海洋系だし」

 

確かに…タマはタコ似と戦っている。猫人族だけに、肉より魚介類が好きなようだ。

 

「鍛錬にもなるか。ここにいる奴らに勝て無いと、ビーチでは遊べないとか」

 

ゼナ隊の面々も経験値を稼いでいた。シズカも…

 

「箱庭のようであれば、安全は確保出来るんだけどね」

 

って…箱庭?たしか…俺は、ユイカの処へ行き、或る物を作って貰い、南の孤島をまるまる強制転移させた。これで良し♪

 

そして、ユイカと共にみんなの元へ。

 

「みんなに紹介するよ。俺のガールフレンドで、魔王のユイカ。スキルは『箱庭創造』だよ」

 

はっとしたミト、先輩、シズカがマップ探索をしているようだ。

 

「お前…やらかしたのか…」

 

「孤島を丸ごと、箱庭世界へ強制転移させました。ここなら、ユイカが遊びに来られるし、秘密基地っぽいでしょ?異世界に別宅って」

 

先輩の驚いた表情を久しぶりに見た気がする。

 

「じゃ、魔物は?」

 

「食いたい奴だけ『強奪』すれば良いだろ。取り敢えず、島にいる奴らを全滅させたら、お好みのだけ、呼び出すよ」

 

って、ユイカとシズカ以外のみんなが、狩りへ行くようだ。あれを呼んで欲しいのだろう。

 

「あれって?」

 

ユイカに訊かれた。

 

「カニだよ」

 

「カニ…私も狩りに行ってくるね♪」

 

って、今、俺の心も読んでなかったか?凹む俺…負けた気分だ。

 

 

 

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