07/05 誤字を修正
広がる青空、照りつける太陽、目の前には大海原…そこは、プライベートビーチで、私達しかいない。
週末に彼が迎えに来て、引っ越したからって。なんで、引っ越し?って思ったのだが、やらかしていた。箱庭空間に、孤島をまるまる強制転移って…斜め上な発想だ。普通は箱庭なら、1から作れば良いのに、自然をそのまま持って来ちゃう辺りが、彼らしいけど。
更に新メンバーにぶっ飛ぶ。魔王が二人…それも現役…最強の魔王と祝福の魔王って…狩らないで下僕にするって何…彼を常識という枠に、入れてはいけないのかもしれない。
問題は、エロ士爵である。Eカップ以上はビキニで、ソレ未満はスクール水着ってルールは何?
「目の保養…」
そこまで言うと、ミツクニ卿にしばかれていた。それはセクハラだしねぇ!まぁ、お子ちゃま体型の私はスクール水着でもいいけど。そもそも彼は、見た目で判断はしないし。
彼はビーチには出て来ず、執務室でメリー、ティファ、リーナと執務をしていた。新たに、2つの領地が増えたことに対する執務らしい。
予算配分の見直し、早急に必要な設備投資など、こんなにも一生懸命な領主がいただろうか?私は聞いた事が無い。赤字の領地が増えていく現状…私が太守代行している領地もそう。赤字である。雇用機会を増やしているけど、自然との折り合いで成り立つ農業主体では、一朝一夕には黒字化は無理である。
「アリサ、マンゴー食べるか?」
彼が、持って来てくれた♪
「これどうしたの?」
「先輩に仕入れて貰ったんだよ。あとスイカとか桃とか。ここ箱庭空間だから、腐らないみたいなんだよ。あぁ、漬け物をつくりたい時は、ユイカの家に行けば作れるよ」
魔王ユイカは、家でタクワンを漬けているそうだ。そんなユイカに、彼はいぶりがっこをリクエストしたらしい。
「なんで休みの日なのに、仕事なの?」
私達だけ休ませて、自分は仕事って…上に立つ者って、もっと楽しているイメージなんだけど。
「この世界は、俺のいた世界と時の流れが違うからだよ。ここでは、1ヶ月は30日、1年は10ヶ月で、週とか曜日の概念が無いから、1週間を5日にして、うちでは4勤1休にしているだろ?俺のいた世界では、5完徹2休って感じだからな」
ブラックな会社に勤めていたようだ。なんだ?その5完徹って…
「ここは1日は28時間で1時間は70分だろ?1日8時間勤務しても、20時間が睡眠に当てられる上、1時間につき10分のオマケが着くから、楽していると思っているんだ」
1日を仕事と睡眠だけに割り振る彼がスゴい…遊び時間は?食事時間は?
「食事はどうしていたの?」
「10秒チャージの栄養ゼリーを、飲みながら仕事をしていたよ。で、仮眠室で40時間ほど寝て、後輩氏に起こして貰って、また仕事って感じだったな」
仕事の鬼だったようだ。差額の8時間に、洗濯と風呂か?
「楽しみは無かったの?」
「起こして貰う時に、後輩氏があれこれ工夫していてね。それが楽しみかな」
ミトさんとの朝の攻防戦は、その時の名残か…
「好きな人はいなかったの?」
「いた…でも、遠くの世界へ行っちゃったから…」
彼は懐かしそうに、空を見上げていた。