海底人は本当にいたそうだ。でも、ミツクニ卿の配下の者が暗躍をして、海底人と話を着けてくれたそうだ。
王祖様の世直し旅で有名なミツクニ公爵…王祖様であるはずなのに、まだ存命していて、王祖様であった時の姿のままである伝説級の公爵様だ。
そして、海底人との友好を結んだ記念のパーティー。あの奇跡の料理人が腕を振るってくれるそうだ。ムーン士爵様が話をしてくれたんだろう。パーティーは立食形式で、見た事のない料理が並んでいる。好きな物を好きなだけ食べて良いそうだ。
私は彼を探した。だけど、見付からない。ミツクニ卿も、ペンドラゴン卿もいるのに…彼だけがいない。
「お嬢様、これ、いかがですか?」
えっ?振り向くと、プリンを手にした彼がいた。
「頂きます♪」
おいしい…でも、これって、どこにあったんだ?
「海底人の情報を頂いたお礼ですよ、ネーレイナ様」
私だけに作ってくれたようだ。
「奇跡の料理人は、海産物料理で手一杯でね」
「お~い!紹介するから、こっちへ来いよ!ナンパしているんじゃないぞ!」
って、ミツクニ卿に呼ばれた彼。えっ?私をナンパ?まさか…
「また、後ほど…」
彼が動くと、数名の者達が距離を保ちながら、付いていく。彼の配下なのか?って、名もなき士爵なのに、配下がいるのか?
「私の眷属を紹介します。まず、『奇跡の料理人』って呼ばれるサトゥー・ペンドラゴン、爵位は士爵だ」
ミツクニ卿が紹介をし始めた。黄色い声援が飛び交う。人気者の士爵である。
「そして、今回の立役者で、私の片腕のアール・アルジェント、爵位は公爵」
彼が壇上にあがった。ムーン士爵ではなく、あのアルジェント公爵なのか…都市伝説級の公爵だと言われている。そんな方だったなんて…鳥肌が立つ感じである。
「立役者なんて、大げさな…俺は彼女の言葉を信じただけですよ」
私を見つめている彼。
「立役者がいるとすれば、それは、俺に情報をくれたネーレイナ様です」
私?情報を差し上げていない…皆が私に向かって拍手をしてくれている。どうして…
「うちの末娘を受け取ってくれませんか?」
ガニーカ侯爵が娘を差し出すようだ。
「あぁ、コイツにそういうのは不要ですので、気にしないでください」
ミツクニ卿が断った。
「そうね…今回の立役者のネーレイナさんを貰おうかな♪」
私を指名したミツクニ卿。
「えっ!ネーレイナですか?私の姪であって、伯爵の娘ですが…」
そう、身分が…
「問題無いです。そもそも、侯爵家ですら身分が合わないですから」
「はぁ?」
「コイツの横にいる女性は、サガ帝国の王女、メリーエスト・サガですよ。それに見合う女性なんて、いないですからね♪」
サガ帝国の王女様を隣に…それなのに、なんで私?
「彼女ですら、愛人にすらならない。うちのアルジェント卿を安く見積もらないで欲しいですね、侯爵様」
帝国の王女クラスでもまだ足り無いって…えっ?両脇を抱えられた。そして、壇上へ連れて行かれた私。
「ネーレイナよ、アルジェント卿の眷属になって貰えるかな?」
ミツクニ卿に訊かれた。頷く私。こんな名誉なことを断れない…
「じゃ、そういうことだ。侯爵様♪」
笑顔のミツクニ卿。
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パーティーが終わり、ミツクニ卿の部屋へ連れて行かれた。
「あなたには、将来的に太守代行を任せたい」
って…はぁ?そんな大役を?
「あなたの警鐘があったから、危機を未然に防げました。感謝しています」
「私には無理です」
「スグにでは無いです。アルジェント卿の傍で、太守としての仕事を見て覚えなさい」
彼は太守なのか…領地があるの…
「そこにいるティファ、リーナも太守代行の勉強中なのよ」
真っ赤な顔の女性達…
「3人の中から選ばれるのですか?」
普通、領地は1つである。代行候補は3名も要らないはずである。
「3人共よ。3人でも足り無いんだから…」
足り無い?それって、領地が複数有るのか…都市伝説級の公爵様…普通とは違うらしい。
「そ、そ、そんなに領地があるのですか…」
「まぁ、コイツ、二つの国で国王だから」
国王…はぁ?なんで、公爵なの?疑問だらけである。
「コイツは理解の範囲は超えた行動しているから。
「ミト…国王は言い過ぎだよ」
困った顔の彼…ミツクニ卿を名前で呼べる仲なのか…
「え?だって、パリオン神国の国王を受諾しただろ?」
「したけど…」
パリオン神国の国王…はぁい?
「民主主義の結果、そうなったけど、俺は国王の器では無いよ。精々、名の知れないムーン士爵程度で良いって…」
「あの…都市伝説で聞いたのですが…シガ八剣を倒したって…」
理解をしようと質問をしてみた。
「コイツの配下になっているよ」
え…王家直轄の部隊なのに…
「色々な神殿で奇跡を起こしたって言うのは?」
「本当だよ」
即答をするミツクニ卿。本当なんだ…なんて人の眷属にされてしまったんだ?
「後、コイツの眷属達に勝てる軍隊は無い。内訳は追々、教えてあ・げ・る♪」
「おい、それくらいにしてやれ。ビビっているぞ」
って、ペンドラゴン卿。彼も対等な話し方だ。
「そこか…そうだよ。私達は対等な立場なの。3本の矢って感じかな」
何か、飛んでも無い組織に入れられた気分である。