私が転移した場所は、修羅場であった。
勇者メイコが、魔王化しかけたアリサに斬り掛かり、リザが間に入り、アリサをガードしている。だけど、先輩の言葉『アリサがアリサのうちに殺してくれ』が甦ったのか、リザがアリサに気を取られた瞬間、勇者メイコに首を刎ねられた。リザの死に顔はくやしそうだ。先輩の願いも叶えられなくて…
大きな魔王が死に体であり、アリサが呪文を重ねている。だけど、アリサの狙いは黄色い巨人のようだ。あれは何だ?
リザを倒した勇者メイコが、魔王化しかけたアリサに迫る。私の身体は何故か動かない。止めないと…色々な事を…だけど、動けない。
間一髪、ポチが勇者メイコの剣を防いだ。そして、アリサから黄色い巨人に向けて強烈な一発が入ると、身体が点滅し始めた黄色い巨人。膝から崩れ落ちている。
その時、曇天を蹴散らし光の輪が現れ、輪の上には6つの珠が廻っていた。輪の中心から光の柱が舞い降り、黄色い巨人を回収するのか、引き寄せていた。
そこに先輩が転移してきた。
「リザ!」
リザの頭部を抱き締めた先輩。くやしそうだ。
「アリサ!」
魔人化が始まったアリサを抱き締めた。とても、哀しそうだ。
「ゴメン…二人共…ゴメンな…」
先輩の身体が変異していく。それに伴い空気が鳴動し、勇者メイコが粉砕された。衝撃波だ。大きな魔王の身体も粉砕され、黄色い巨人も例外にならず粉砕された。輪の上にいた1つの珠が先輩の元へ堕ちていき、先輩の身体に吸収されて行く。
「クソ神共よ!許さねぇ~!」
先輩は輪っかの真下に立ち、上下左右360度方向へ衝撃波を放った。輪っかも珠も粉砕され、先輩の周囲が円上に破壊されていく。ディープインパクト…脳裏に浮かぶ言葉。
衝撃波が収まると…ポチ、タマだけが平原に立っていた。先輩のいた場所には大きなクレーターが出来上がっていた。まさか、先輩自身も粉砕されたのか?
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「先輩…うっ!」
胸が押しつぶされる…何かに絞められている…腹部には何かが刺さっている…油断したのか、やられたようだ…
ゆっくりと瞼を開けると、暢気な顔で寝ている先輩がいた。
うん?まさか、あれは夢?先輩と抱き合っていて、お互いに寝落ちしたのか?その挙げ句、寝ぼけて私をベアハックしている先輩。ソレも刺したままって…有り得ないだろ?
「おい!起きろよ…痛いって!」
「そうか…一緒にいたいのか…」
寝ぼけていやがる…
「起きろって…」
耳タブをハムハムしてみた。
「後、10分…」
今朝はどうやって、起こすかな?
って、この状況では、私がどうにかしないとダメな気がする。