デスマーチからはじまる異世界マン遊   作:もっち~!

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戦乱の王国

 

いきなり父親になってしまった。それも娘二人の…みんなの元に戻りづらい。フラフラと歩いていると関所に着いた。あれ?方向を間違えたかな?

 

関所の方から

 

「我々はぁ、関所の通過をぉ、要求するぅ」

 

「亜人共のぉ、横暴ぅおぉ、許すなぁあ」

 

「関所のぉ、門をぉ、速やかにぃ、開けろぉお」

 

と声が聞こえた。亜人の国に対して、それはおかしいだろう。門が開かない為、国境の壁をよじ登っている奴もいる。なぜ、コイツらは人族の国へ行かないのだ?

 

「――聞け、蛙食い共!」

 

お前らだって、牛喰いだろうに…壁から外へ出る僕。人族の男達が関所と国境を結ぶ橋上で剣を抜いていた。穏やかで無いなぁ。僕も聖剣を抜いた。彼らの剣の先には、縄で縛られた蜥蜴人が三人座らされている。

 

「こいつらの命が惜しければ関所を開けろ。この砂時計の砂が落ちきるたびに、こいつらから腕や足が一本ずつ無くなる」

 

瞬動術で、男達の元へ行き、武装している者達の首を刎ねていく。

 

「何?貴様!人族のくせに!」

 

「人質を取ってまで、関所破り?それは、犯罪だぞ」

 

蜥蜴人の縄を次々に斬り、解放していく。

 

「お前らへ問う!何故、亜人の国に入る?人族の国へ行けよ」

 

「五月蠅い!」

 

僕に斬り掛かってくる輩の首も刎ねていく。

 

「貴様、何者だ?」

 

「シガ王国士爵、ムーンだ」

 

「この下っ端貴族風情が…」

 

斬り掛かってきた戦士風の男。隣に転移してきたミトが首を刎ねた。

 

「帰りが遅いから…来てみれば…まったく、先輩は…」

 

「困っている奴を放って置けないのは病気だぞ」

 

逆サイドに先輩が転移してきた。病気なのか…

 

「ムーンの言う通りだ。なんで、人族の国へ向かわない!おかしいだろ?」

 

ミトが流民達に声を掛けた。

 

「本当の流民なら、人族の国に送ってやる」

 

「士族風情に何ができるんだ?」

 

「うん?彼、国王様だよ。士爵は偽の身分だし」

 

勝ち誇ったように言うミト。

 

『工作員が混じっているぞ』

 

先輩からのメッセージが届いた。そうだろうな。流民にしては良い武装を持っている。

 

「悪人だけ、間引くか…」

 

ジョブをリッチにチェンジした。これで、闇系の魔法も使える。聖剣が魔剣にチェンジしていく。

 

「貴様…」

 

「パリオン神国国王…アール・ウール・ゴーンだ。これより地獄への選別をしてやる。

『地獄への招待』」悪意を持つ奴だけを地獄へと送る魔法である。次々に倒れていく悪人達。

 

これで第1次審査は終わりだ。

 

「貴様か!わが国を征服したアールって奴は!」

 

はぁ?蘇生したマッチョ戦士が背後にいるし。その後には王子だよ。挟み討ちかよ…

 

「おい!待て!また、殺されるぞ!」

 

王子が警告をしてけど、

 

「殺される?記憶に無いなぁ。出来るものなら、やって…」

 

全身から煙を上げて倒れるマッチョ戦士。ウザい。

 

「――この人殺し!」

 

石を投げてきた流民達。

 

『工作員だな』

 

って、先輩。この辺に小石は無い。投石用に持って来たのか?目の前にフルカウンターの障壁を発現させて、投げた本人を消して行く。

 

『扇動系のスキルも使ったようだぞ』

 

障壁を消した。一般人に当たるとマズい。

 

「同胞のカタキだ!」

 

「蛙喰いどもを血祭りに上げろ!」

 

「血には血を!」

 

扇動された一般人も物を投げて来た。中にはナイフまであるし…ナイフはフルカウンターだな。ピンポイントで障壁を出してみる。ナイフを投げた者は、自分のナイフで命を絶った。キリが無い。

 

「受け入れの準備が出来たよ」

 

パリオンが転移してきた。じゃ、悪意の無い子連れから転移させるか。

 

『先輩、出番です』

 

先輩の個人情報探査を元に、称号に罰則の無い、悪意の無い親子を、パリオン神国へと転移させていく。が…

 

『待って!妊婦は後にして…体内に爆弾があるわ』

 

って、ミト。自爆テロ要員にしたのか?体内に…嘔吐防止薬と偽って…

 

『わかった。妊婦をはずず。アール、体内から爆弾を「強奪」してくれ』

 

1つ強奪して見ると爆発した。空気触れるとダメなタイプか…吹き飛んだ手首から先が再生されていく。強制転移だな。海の中へ…爆弾の類いを全て海のなかへ強制転移させていいく。

 

次に同じ条件で検索して女性だけをオーユゴック卿の公都へ転移させていく。最後に検索した男達を炭鉱へと転移させていく。そして、残ったのは、殺しても文句が言えない奴らの筈だ。

 

「――軍人が一般人を傷つけるのか」

 

軍人では無いんだけど…白い法衣を纏った神官姿の者が近寄って来た。なんか、ヤバそうだぞ。

 

『ミト、先輩!下がって!』

 

二人が僕達の後に下がった。

 

「シビリアンコントロールされない軍など、ただの暴力機関にすぎん」

 

「悪いけど、僕達は軍人では無い」

 

「では、ただの暴力集団など、ヤクザと同じ――」

 

やくざ?コイツ転生者か、転移者か?この世界にやくざって言葉は無い。

 

「我が『無限塩製』で塩となれ!」

 

「ふん!面白いことを言うな」

 

次の瞬間、神官もどきが塩像にされていた。発動スピードは現役の神であるパリオンの方が上である。

 

ドスン!

 

後で王子が腰を抜かしたのか、尻餅をついている。

 

「後の処理はお前らに任す」

 

僕達は転移をした。

 

 

孤島宮殿では何かのパーティーの用意がされていた。なんのだ?垂れ幕の文字を見て、固まる僕。そうだ、忘れていた。

 

『双子誕生おめでとうございます♪』

 

って…

 

「先輩がお父さんにねぇ。結婚していないのにねぇ」

 

ミトが笑っている。

 

「いいじゃない。愛人は沢山いるし」

 

って、先輩…

 

「主様…私も欲しいです」

 

って、セーラ。

 

逃げないと…あれ?逃げられない。

 

「逃がさないよ~♪」

 

って、アーゼが子供を連れて来ていた。子供達はタマ、ポチ、アリサ、ミーアにあやされているし。

 

「主様…いつか…お願いします」

 

って、ルル。そんなに性欲ないんですが…

 

 

流民発生の原因がわかった。イタチ帝国がマキワ王国へ攻め込んだようだ。まだ、流民が出そうだな。

 

「パリオン、まだ受け入れは出来るか?」

 

「まだ、大丈夫だよ」

 

「ミト、先輩…頼めるかな?」

 

「飛行艇で助けるのか?かまわない。物資はエチゴヤで買ってくれよ」

 

先輩は商人だなぁ…まぁ、乗り物酔いの激しい僕には無理だし。

 

「エチゴヤ所有の飛行艇も出す。選別は任せてくれるか」

 

「親子連れは、パリオン神国で、女性はオーユゴック領公都、男は炭鉱なら、仕事に困らない筈だよ」

 

「了解!」

 

「ねぇ、イタチ帝国は叩くの?」

 

「まだ、様子見だな。戦争するほど、資金が無いし…復興が先だな」

 

さてと、行くか…アーゼ達を孤島宮殿に残し、難民救済へと向かう。奴隷狩り集団が、難民を奴隷にしているらしい。奴隷商人よりも、まず奴隷ハンターを撲滅だな。

 

 

マキワ王国で想い出したことが…あの火遊び男はマキワ王国の貴族だったことだ。亜人差別を国ぐるみで行っていたのだろう。

 

占領軍の前に出た。難民を選別して、救う時間を稼ぐためだ。勿論、ジョブは魔神である。隣はパリオン、テンちゃん、ヘイロンが居並ぶ。

 

「撃て!」

 

戦車がこの世界に有ったとは…『フルカウンター3倍返し』の障壁を展開した。次々は破損していく近代兵器達。

 

あんな近代兵器を持ち込んで、鼬帝国には天罰は降りないのか?

 

『ザイクーオン神はまだ、生き返っていないから』

 

って、パリオン。神にも領土区別があるらしのだろうか。戦闘機らしき物が飛んで来たので、『ヘアランス』で串刺しにして破壊していく。

 

『あれは、痛そうだ。俺には使わないでくれ』

 

って、ヘイロン。魔神では戦わないよ。死んじゃうし。

 

全滅したかな?近代兵器軍は?しばらく待って、攻撃が来ないので、次の戦場へと向かった。

 

 

西へ向かっている。テンちゃんの背中でゲロゲロ状態になっている俺。西の方で逃げる難民を奴隷狩りが追っているとミトから連絡が入ったのだ。

 

ミトは決戦直前の王都近くで、スケルトンドラゴン隊と突入の機会を図っているようだ。難民救助は先輩とエチゴヤに丸投げである。

 

奴隷狩りのレベルをチェックして、仲間を転移させていく。リザ、ポチ、タマ、リーン、メリー、フィフィ、ルスス、ゼナ隊…

 

僕達は、後の方にいるエラそうな奴隷狩りに幹部達を屠っていく。アリサ、ルル、ミーアの後方支援隊はエチゴヤのガードに付いて、飛行艇から援護射撃をしている。

 

死体から装備を強奪し、次々にナマコのエサ箱へ強制転移させていく。腐敗すると不衛生だし。

 

『都市核を奪いました。これで鼬に奪われることは無いです』

 

って、アーシアからメッセージが届いた。そうか、都市核が手に入ったのか。

 

『アーシア!鼬所属の奴らをマキワから追い出し、再入国させるな』

 

『了解しました。設定変更をしたました』

 

だけど、奴隷狩りの人数に変動はあまりない。鼬の奴らでは無いようだ。じゃ、殺しても問題はないか。

 

「貴様!何者だ!」

 

一番エラそうな奴に訊かれた。

 

「パリオン神国、国王のアール・ウール・ゴーンだ。この戦争、買わして貰うよ」

 

「何?パリオン神国だと…なんで、ここに?隣接していないだろ?」

 

「戦火あるところ、参上いたす」

 

一番エラそうな奴は生きたまま、エサ箱へ強制転移させた。命令系統の頂点を失った狩人達は、迷走し始めた。一匹も逃さないよ。ふふふ♪

 

 

『囚われた流民達を救い出してくれ』

 

って、先輩から、座標が送られて来た。掃除が終わった後、仲間達とその座標へ転移した。そして、救出作戦を開始した。と、言っても実働部隊は、既にナマコのエサ箱に送ってあるので、リザ達で充分、事足りた。

 

だけど、亜人差別の国である。助けたリザ達に敵対心を持つ救助者。リザ達を飛行艇へ転移させていく。彼女達も状況を理解しているので、文句を言わずに、僕に笑顔を見せて転移をしていった。代わりに、セーラとオーナを呼び出し、人々のささくれた心をイヤしていく。

 

ヘイロンとテンちゃんには、王都攻防戦の方を頼んだ。ミトが応援を要請したからだ。

 

少し待つと、1艇の飛行艇が近づいて来た。先輩のいる飛行艇で、ここにいる流民達を収納する為である。

 

降り立った飛行艇から、先輩の知らない先輩好みの女性が現れた。赤いドレスを着て、赤い杖を持っている。あの火遊び貴族の関係者のようだ。

 

「この度はありがとうございました。私は、シェルミナ・ダザレス、ダザレス侯爵領の代官をしておりました」

 

「あの放火貴族の関係者か?」

 

「侯爵が…大変失礼なことを…」

 

僕がダザレス家に良い印象を持っていない理由を。予め先輩が話したようだ。

 

「あの謝罪をさせてください」

 

頭を下げる女性。だけど…僕は器が小さい方だ。

 

「次の現場がある。先輩、後は頼みます」

 

仲間達とミトのいる場所へ転移をした。

 

 

転移をした先はガレキの山であった。ミト達も参戦して、鼬を追い払ったのだけど、近代兵器を前にした場合、無力に近かったようだ。

 

「先輩…ダメだったよ~」

 

僕に泣きすがるミト。しばらく、好きにさせておく。掛ける言葉が浮かばないから。

 

戦後処理の話をしに寄ったマキワ王国の王城では、若い王様と側近が戦死者の報告を受けているところだった。僕達は、空気を読んで、しばらく登場を控えた。

 

沢山の死者が出たようで、被害は甚大だった。まぁ、戦争ってそういう物だよね。

 

「それで、あのスケルトンドラゴンは結局どこの勢力の物なのだ?」

 

「わかりません。敵なのか、味方なのか…」

 

僕達の話題になったようなので、話に加わるか。

 

「僕達の仲間の部隊だよ」

 

「貴様!何者だ?!」

 

「私はシガ王国公爵、ミト・ミツクニです。彼は、パリオン神国、国王アール・ウール・ゴーン。そして、彼女はサガ帝国皇女、メリーエスト・サガでございます」

 

と、代表者であるミトが答えた。

 

「シガ王国、パリオン神国、サガ帝国の連合軍だと…有り得ないだろ?」

 

王が驚いている。まぁ、驚くよな。手を組むとは思えない3国だし。

 

 

「此度の貴殿達の働き、まことに見事であった。国を救った大英雄に相応しい褒美はおいおい考えるとして…」

 

気落ちしている王の代わりに、腹黒そうな大臣が交渉に出て来た。

 

「褒美はいらない。流民は隣国への迷惑になるので、僕の領地で引き取る。後、お前達は都市核の使い方がなっていないので、都市核を全て貰った」

 

「何?都市核を?占領では無いか!」

 

大臣が文句を言って来た。

 

「シガ王国金貨100万枚で交換に応じる。以上だ。これには、シガ王国内で大罪を犯したダザレス侯爵への損害賠償金も含まれている」

 

亜人差別に対しては、約束させても、セーリュー市と同じで、民衆や貴族の意識の問題なので、この場では取引の材料にはしない。身を以て教え込むだけだ。

 

用も済んだので、孤島宮殿に転移した。

 

「まったく…また、占領したの?」

 

「だって、防衛機能の使い方がなっていないんだもの。使い込めれば、あんなに被害は出なかったはずだ」

 

せめて、近代兵器の侵入を拒否できれば…鼬に隣接する国の防御を、アーシアを通じて弄っていく。鉄の塊は入れないとか…ゴーレムも禁止とか。

 

「鼬の侵攻目的ってなんだ?」

 

「この杖らしいぞ」

 

と、先輩がやって来た。あぁ、あの赤い杖…

 

「この手の魔法の杖が4本有るが、3本が国外に持ち出しされている。たぶん、鼬帝国にだ」

 

何かの鍵なのか?

 

「『四本の宝珠を捧げれば、神代に海に沈んだ空中都市ネネリエを目覚めさせる』っておとぎ話があるそうだ」

 

あのガニーカ領沖に沈んでいる海底都市か?まさか…既に手中にあるけど…あれって、空跳ぶのかな?

 

『海底人が死んじゃうって』

 

って、ミト。確かに…

 

「まぁ、1本はこっち有る。だから、目覚めることは無いよ」

 

試しに『強奪』をすると、残り3本が手に入った。

 

「お前…何しているんだよ~」

 

って、ミト…3本の杖をミトに預けた。

 

「まったく…能力が少ないのに」

 

ブツブツ言っているミト…

 

 

パリオン神国の流民村へ転移した。ここの太守代行は、シェルミナである。マキワ王国の者が、トップの方がルール作りに良いと判断したのだ。

 

「いいか、亜人差別を無くすことが第一だ。これをクリア出来ないと、他の街へ出稼ぎに出せない」

 

「はい!アール様」

 

ここでは砂を水に混ぜて、上澄みだけ取りだし、蒸発させて塩を除去する作業をさせていた。女子供でも出来る作業である。ただ、労働単価は安い。なので、亜人差別さえなくなれば、違う仕事に出せるのだった。基本、僕の領内は亜人との共存地域が多いから。同様に、炭鉱掘りをしている男達にも、亜人差別が無くなれば、もっと良い職場に移すと約束している。オーユゴック領に丸投げした女性達は、オーユゴック卿に丸投げであるけど…

 

 

 

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