デスマーチからはじまる異世界マン遊   作:もっち~!

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イタチ帝国

次の訪問先…シガ王国とスィルガ王国、そして黒竜山脈に挟まれる場所にあるトナォーク王国だ。

 

そして、俺はミトのガードとして、謁見の間に続く回廊を歩いている。この地の料理は珍しい物が多いらしく、奇跡の料理人はカリナとシスティを連れて、食い道楽中である。

 

国王に土産品を渡し、貴族達と談笑しているミト。そんなミトを口説こうとする独身貴族達。ミトの地位狙いか?身体狙いなら排除するが…

 

『おい!私の身体は、お前の物では無い。ナンパ貴族は排除しろよ!』

 

って、ミトからメッセージ。まぁ、それなりに対処していく。

 

 

謁見も無事に終わり、孤島宮殿に戻った俺達。既に先輩達は戻って来て居た。

 

「鼬の皇帝に逢えるかもしれないぞ」

 

って、先輩。喰うだけで無く、仕事もしてきたようだ。鼬の商人と知り合いになり、デジマ島で待ち合わせをしたそうだ。

 

「信じられるのか?」

 

「正式な契約書を作った。これを反故にしたら、商人としてやっていけないだろう」

 

まぁ、商人絡みは先輩に丸投げだな。

 

 

ハンター達が蟻の群れに襲い掛かる。ここはマキワ王国とイタチ帝国の間にある魔物の領域である。蟻の巣穴を見つけたので、うちのハンター達の経験値稼ぎに、出撃させたのだった。

 

既に女王蟻は『強奪』して、揺り篭に転移させてある。所謂、カマキリのエサを量産してもらう計画である。レベルの低い蟻達は、すでに転移させてある。

 

「しかし、多いなぁ」

 

って、ミト。確かに多い。間引きをたまにしないとダメだろう。マキワもイタチもお構いなしなのは、頂けないなぁ。まぁ、エサの確保にはなるなぁ。ゴキ軍団も投入して、食べてもらっているし。

 

「って言うか、先輩、ゴキ遣いになったんですか?」

 

まぁ、そんな感じである。うちの精鋭部隊だし。下手な近代兵器より優秀である。なんと言っても、レーダーに反応しないステレス性は、潜行部隊として重宝しているし。

 

「肉がいませんね」

 

ってリザ。確かに…蟻はゴキ達のご馳走のようだが、俺達のご馳走にはならない。っていうか、魔物を肉と言うリザをスゴいと思う。

 

って、先輩がいない。どこへ行ったんだ?何かを見つけたのか?

 

 

『ちょっと、来てくれ』

 

先輩に呼ばれたので、ゴキ軍団を駐屯地へ戻し、仲間達を孤島宮殿へ転移させ、残りの蟻達を揺り篭へ強制転移させ、ミトと二人で先輩の元へ向かった。

 

そこは血煙が漂う村であった。戦闘があったようで、怪我人が多数いる。

 

「怪我人を頼む」

 

と、先輩。セーラとオーナ、後ミーアを転移させて、怪我人の治療に当たって貰った。ミトと先輩は村長らしき者と会話している。

 

「おい!この村の者達を移民させられるか?」

 

先輩に訊かれた。たしか、まだ余裕はあるが…

 

「うちの国でいいか?」

 

「あぁ」

 

「なら可能だよ」

 

全員の治療を終えた後、パリオンを呼び出して、一緒に転移して貰った。

 

 

この村は、神への信仰を認め無い皇帝に見捨てられた、信仰を止めなかった者達の村だったそうだ。一種の流刑地である。

 

イタチ帝国自体、鎖国しているので、他国へ移民することを禁じられ、他国からのスパイ達に対して、人間の盾として利用されていたようだ。そもそも、他国へ通じる道は無いので、亡命も難しいらしい。

 

じゃ、あれって、どこかの国のスパイにやられたのか?

 

『違う。撃退に来たイタチの部隊の巻き添えを喰ったらしい』

 

と、先輩からメッセージが飛んで来た。

 

『イタチの部隊の第二陣が来るぞ。アイツらは、黒豹に載っている』

 

肉かぁ。うちのハンター部隊を呼び出して、迎撃した。

 

 

先輩と共に、教区と呼ばれる流刑地を訪問して、移民の意志がある犯罪歴の無い者達を転移させていった。

 

うん??病気持ちがいる。ある教区で伝染病が流行っていた。先輩が分析をして、セーラ達の回復魔法で治ることを突き止めたので、セーラとオーナを呼び出して、治療をして貰った後に、転移させていった。

 

「帝国中央の人々は、教区送りにした者達を、見殺しのようだ」

 

吐き捨てるように言う先輩。怒りを纏い始めている。

 

「皇帝の教えは『不合理な神への信仰を捨て、臣民に富と幸福を与えた皇帝を崇めろ』だそうだ」

 

まぁ、神への信仰は自由だろうな。俺は信仰しないけど。

 

「神にケンカを売りたいのかな?俺には理解できない」

 

俺にも理解出来ない。売られたら買うけど、こちらからは売らない。面倒なことは、関わりたくないし。

 

「問題は、どうして天罰が降りないのかだな」

 

「このエリアの神が死んでいるからでしょ?」

 

「ザイクーオンかぁ…」

 

そうなるな。死んでいるのは、その1柱だけだったし。

 

 

教区では無い村を視察してきて先輩。

 

「皇帝陛下万歳状態だ。教区の民とは大きな違いだったよ」

 

至れり尽くせりで、税金も安いらしい。どこから、収入を得ているんだ。資金があれば、俺も至れり尽くせり政策をしたいんだが…

 

「そうなんだよ。そこが問題だ。近代兵器を作り、大判ぶるまいの政策って、資金はどこから入っているのかだ」

 

そうなるよな。黒字にするのって大変なんだから。

 

 

その後も先輩は帝国内を視察していく。そんな或る日…

 

『おい!出番だぞ、アール♪』

 

先輩からお声が掛かった。俺は先輩の元へ転移した。そこでは戦闘中であった。相手は二刀流の耳長族の女性である。この程度なら、勝てるのではと先輩を見ると、少女を護りながら戦っていた。そういうことか。

 

「ここからは、俺が相手だ」

 

「貴様!何者!」

 

ジョブを魔神へチェンジした。短く悲鳴を上げた女性は、その場から数歩後じさり、足をもつれさせて尻餅をついた。

 

「名乗る程では無いよ。あれ?失禁か?それとも…」

 

「来るな!貴様…」

 

視線を逸らせた女性。

 

「ではご機嫌よう。この娘は責任を持って帝国外へと連れだそう」

 

と、先輩が言うや、俺達は転移して、その場から逃げた。あぁ、ジョブを戻さないと、恐怖を感じた女の子が泣いているし…で、この少女は『神託』持ちらしく、イタチ帝国内では死罪に当たるらしい。なので、リリーに預けてきた。彼女に託すのが一番安全だろう。

 

「さっきの女は誰?」

 

先輩に訊いた。

 

「宮殿騎士だそうだ」

 

帝国のエリート騎士かな?

 

「『神託』スキルは『災厄の芽』って呼ばれているらしい」

 

まぁ、神嫌いな皇帝なら、そうなるか。迂闊にセーラとオーナは連れて行けないな。

 

「あの少女の存在自体が罪だと、言っていたよ」

 

存在が罪か…皇帝は何様だ?

 

「占領するの?」

 

ミトに訊かれた。

 

「そんなことより、帝国の資金源を知りたいよ。どうやって、資金を得ているんだよ!」

 

占領なんかに興味は無い。領地の黒字化だな。俺の興味の先は…

 

 

 

 

 

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